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ゲストの印象に残る「新郎新婦紹介」のコツは“脱・型通り”

結婚式での新郎新婦のプロフィール紹介は、司会がふたりの紹介文を読み上げるスタイルが一般的です。でも実は近年、型通りでない紹介スタイルを選ぶ新郎新婦が増加中。ゲストにふたりの人柄を印象付け、結婚式も盛り上がる、おすすめの新郎新婦紹介アイデアをフリーウエディングプランナーの荒井さやかさんに教えていただきました。

型にとらわれず、ふたりの人柄を伝える紹介の仕方がおすすめ

大切なのは目的とゲスト層に合わせた紹介スタイルを選ぶこと

司会者が読み上げる紹介と友人とトークするような紹介のイラスト

新郎新婦の紹介は披露宴の最初の方で、司会がふたりの経歴やなれ初めを読み上げる形式で行われるのが定番ですが、最近では、早めに乾杯して料理を楽しむ時間を十分に取りたい、という希望が増えたり、経歴をわざわざ伝える必要を感じない親族中心の結婚式が増えていることなどから、アレンジされた紹介スタイルが選ばれる傾向にあります。

ただし、厳粛でオーソドックスな雰囲気を好むゲストが多い結婚式なら、きっちりと型通りにした方が好感を持たれる場合もあります。だからゲストの顔触れと、ふたりが結婚式をどんなムードにしたいのかを考えて、自分たちの紹介スタイルを選ぶことがとても大事なのです。

ふたりの紹介は、ふたりの結婚を認め、祝おうと集まってくれた人たちに向けて披露すべきもの。型通りであっても、“脱・型通り”スタイルでも、末永くお世話になっていく人たちに、自分たちの人となりを知って、どうかこれから応援し続けてほしい、という思いを込めながら、内容を考えてみてください。

カウンセリング用シートの
「人柄伝わる」書き込み方

新郎新婦紹介に必要な準備は、一般的には会場から渡されるカウンセリング
用のシートにプロフィールを書き込むだけでOKです。内容は各会場によって違いますが、経歴の他、名前の由来、小さな頃の夢、結婚を決意したきっかけなどが聞かれます。

新郎新婦紹介用のシートにぜひ書いておきたいのが、
・子どもの頃の思い出や家族について
・どんな出来事があり、どんな経験をしてきたのか
ということです。これまでの自分の歴史や、どんな人たちに囲まれて今の私たちがあるのか、どんなことを頑張ってきたのか。そんな内容にゲストはグッとくるのです。

その他、印象に残る紹介文にするコツは、ほんのちょっと、意外なチャーミングさを見せる内容を入れておくこと。例えば「新郎の休日の趣味は料理で得意料理は肉じゃがです」といった紹介が入ると、意外!とゲスト席が笑顔になりますよ。

型通りではない紹介方法アイデア集

[1]親が写真を見せながら紹介する

お母さんが写真を見せながら紹介するイラスト

型通りではない紹介方法の1つ目は、お母さんによる新郎新婦紹介です。

「お母さんに、お子さんの好きな写真3枚を厳選して持ってきてもらい、その写真のエピソードを語ってもらいます。新郎新婦本人に子どもの頃の写真を選んでもらうと、かわいく写っている写真を選んでくるのですが、お母さんに頼むと鼻水を垂らしている写真とか選んでくるんですよね(笑)。お母さん目線の新郎新婦のかわいい一面が伝わりますし、親しか知らない裏話が出てくるのも面白いところです」(荒井さん)

ゲストの多い結婚式はもちろん、経歴紹介するのも今更……となりがちな、家族と親族のみの少人数ウエディングでも、このスタイルなら盛り上がりそうです。

[2]テーブルインタビュー形式でゲストがふたりの人となりを証言

ゲストがテーブルで証言するイラスト

ゲスト卓を回り、時代ごとにお世話になった人にマイクを渡して話をしてもらうテーブルインタビューもおすすめです。

「テーブルスピーチより、グッと盛り上がるのがこのスタイルです。学生時代、社会人時代など、時代ごとの証人にマイクを渡すという形を取り、『あなたしか知らない新郎新婦のあんなこと、こんなこと教えて』とインタビューすると、すごく楽しい雰囲気になるんですね。高砂席の新郎新婦もマイクを持って、掛け合いをすると、いっそう盛り上がります」(荒井さん)

インタビューを受けるゲストはノリのいい人を事前に司会にだけ伝えておいてもいいし、テーブルごとに立候補してもらっても。

ゲスト証言インタビューのアレンジ方法

ゲストにふたりの人となりやエピソードを紹介してもらうやり方には、別のアレンジ方法もあります。

ゲスト全員に紙を渡し、『新郎のいいところ教えて』とか『あなたしか知らない新婦とのエピソード』などのお題を出します。書き込んだ紙は抽選ボックスに入れてもらいます。そこから新郎新婦や司会が紙を引き当て、内容を読み上げるのです。『新郎は意外と涙もろい』などと書かれているものが出てきたりすると、和やかな笑いが起きますし、その後に『これを書いた人は、どなたですか』と聞いて、当人に実際にあった涙もろいエピソードを語ってもらうと面白いですよ。

[3]テーブル対抗ふたりの人生クイズ

クイズの回答をスケッチブックに書いて見せる友人ゲストのイラスト

クイズ形式の新郎新婦紹介は、披露宴後半で余興の代わりに行うのもおすすめです。

「新郎新婦にまつわるクイズ大会もゲストに楽しんでもらえる紹介演出の一つ。例えば、結婚式に向けてダイエットをしたエピソードがあれば『ここから何kg体重を落としたでしょうか』みたいな予想クイズでもいいですし、シンプルに『新婦が通っていた学校名はA・B・Cのうちどこでしょう』と履歴もクイズになります。親にとってはボーナス問題だったりしますが、それも一つの楽しみ。親や本人が正解を言ってもいいですね。クイズは、テーブル対抗にするとテーブルごとに一体感が出て盛り上がりますよ」

テーブル対抗クイズなら、各テーブルに一冊、スケッチブックとペンを渡して答えを書いてもらうようにします。賞品の用意もしておきましょう。

[4]人前式なら自分たちの紹介を誓いの手紙スタイルで読み上げる

人前式で自己紹介を読み上げる二人のイラスト

挙式が人前式の場合におすすめなのが、誓いの言葉に、新郎新婦紹介を入れるスタイルです。

「人前式にはさまざまなやり方がありますが、ゲストにふたりの結婚を承認してもらうために、誓いの言葉を手紙形式にして読み上げることがあります。この手紙の中で、ふたりがどんな人生を歩んできたか、ふたりの出会いから今日まで感じたことを入れて話すと、新郎新婦のルーツや人となりがゲスト全員に伝わって感動的な挙式になります」(荒井さん)

人前式の場合は、あえて従来の型通りなプロフィール紹介を入れてから、誓いの儀式に移行する流れもおすすめだそう。厳粛な雰囲気になっていい式になります。

卒花の脱・型通りな新郎新婦紹介

みのりさんの写真

司会の方がゲストにインタビュー形式で、新郎新婦の思い出を聞いてくれました。いろいろなエピソードが出てきて新郎新婦の人柄が伝わるインタビューだったと思います。(みのりさん)

レイチェルさんの写真

20名未満の少人数ウエディングだったため、ゲスト一人一人に自己紹介をしてもらいました。ゲストと新郎新婦の個人的なエピソードがたくさん披露されることになり、場の雰囲気が一気にアットホームになりました!(レイチェルさん)

ムービー、ウエルカムコーナー、ペーパーアイテムを使った紹介アイデア集

[1]入場直前に新郎新婦紹介ムービーを上映する

プロジェクターにふたりの紹介ムービーが流れる様子のイラスト

荒井さん一押しの新郎新婦紹介が、入場前にプロフィールムービーを流すスタイルです。

「披露宴の入場前にプロフィールムービーを流すと、『こんな人生を歩んできたふたりが結婚しました。これからよろしくお願いします』というメッセージがゲストに伝わりますから、その直後の入場が、とても意味のあるものになるんですね。

よく中座のときにプロフィールムービーを流すケースがありますが、最近はお色直しをする人も少なくなってきましたし、そもそもゲストには、ふたりをお出迎えする前にふたりのことを知ってもらった方がいいので、入場時のプロフィールムービーの果たす役割は大きいですね」(荒井さん)

[2]ウエルカムコーナーにふたりの紹介コーナーを作る

ふたりの思い出アイテムが飾られたコーナーのイラスト

ウエルカムスペースにふたりの思い出写真などを置く方も多いでしょう。このコーナーを新郎新婦紹介として使う方法もあります。

「ウエルカムコーナーに置く写真は、ただふたりの思い出写真を並べるよりは、ルーツがわかるようなものを飾るといいですね。これも立派な新郎新婦紹介の一つです。

例えば、新婦がスケートをずっと頑張ってきたのであれば、大会に出た思い出の写真とか、支えてくれた親との写真とか、賞を取ったのであればトロフィーとか賞状を飾っておく。新郎が野球少年だったなら愛用していたグローブを飾っておく。『これが私たちの歴史です』と言えるコーナーを作っておくと、ゲストは待ち時間によりふたりのことを知ることができます」

[3]ペーパーアイテムでプロフィール紹介

プロフィールパンフレットやプロフィールブックを配るのは定番ですが、新郎新婦紹介としてはとても有効なアイテム。ふたりの入場を待つ間にじっくり読めるのがゲストにとっても嬉しいところです。

「プロフィールパンフをおしゃれでかわいらしく作ることもいいのですが、それよりも、ちゃんと自分たちのことを知ってもらうために作るということを意識することが大事です。ゲストは『どんな人と結婚するのかな』と思って来ているのですから、待ち時間に予習ができるものだといいですね。

事前にふたりを知ってもらうために、招待状でプロフィールを伝える方法もあります。また、招待状にふたりのプロフィールが見られるQRコードを載せるなど、仕掛けを入れるのも興味を引く方法だと思います」(荒井さん)

卒花の脱・型通りな新郎新婦紹介

Lioさんの写真

プロフィールムービーに「お互いの直してほしいところ」を載せました。式後に両親から突っ込まれて、今でも思い出話で話すことがあります。(Lioさん)

宗さんの写真

プロフィールムービーをクイズ形式で作成しました。人生の分岐点ごとに4枚の人生の選択カードが出てきて、どのカードを選ぶのか……と見せる流れだったので、ゲストが予想を声に出したり、互いに「あれだよね?これだよね?」と言いながら楽しんでくれていました。(宗 瑛里奈さん)

ゲストが証言!
印象に残った素敵な新郎新婦紹介

結婚式の新郎新婦紹介、ゲストの印象に残るのはどんな紹介なのでしょうか。20~70代のゲスト経験者とゼクシィ花嫁会メンバーにアンケート調査。ゲストの心に残った紹介エピソードをセレクトしました。

私の印象に残った新郎新婦紹介

友人ゲスト

新婦のお母さんの手紙を司会の方が読まれたのですが、「娘の取扱説明書」という題名だったのが心に残りました。(ヨッシーさん・50代女性)

母

娘が自分の結婚式で、ふたりの出会いから結婚までのエピソードを、新聞形式で自作していました。写真も多用されており、その工夫にほほ笑ましく読みました。(mimikuroさん・60代女性)

友人ゲスト

お互いの生まれ故郷に行ったムービーが流れていたのが印象的でした。(S.T.さん・20代男性)

美南さんの写真

自分の親に紹介してもらっていたのが良かったです。小さい頃の様子を懐かしみながら話してくれ、昔はそんな感じだったなんだなぁと自分の知らない頃の新郎新婦の姿を想像することができました。(美南さん)

piiさんの写真

プロフィールムービーといえば自然体な写真を用いることが多いが、友人の結婚式ムービーではふたりの証明写真をそれぞれ年齢ごとに紹介していたのがユニークで面白かった。(piiさん)

From 編集部

ゲストがふたりの門出を応援したくなる紹介スタイルを

結婚式に来てくださるゲストと関係性を深めるためには、新郎新婦紹介でふたりのこれまでの歩みを伝えることはとても大事です。結婚式をどんな一日にしたいかを思い浮かべながら、型にとらわれず、ふたりらしい紹介スタイルを探してみてください。

荒井さやかさんプロフィール写真
Profile

荒井さやかさん Coco style WEDDING
フリーウエディングプランナー

ウエディングプランナーとして、北海道札幌市内の結婚式会場に4年半勤務し、2011年に独立。ホテル、専門式場、レストランの他、公園や学校、自宅などさまざまな場所でふたりらしい結婚式を叶えるフリーランスのプランナーとして活躍中。
URL:https://www.ccsw.jp/

構成・文/河内千春 イラスト/田中麻里子
※記事内の花嫁のコメントは2021年12月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー67人が回答したアンケートによるものです。また、ゲストの証言コメントは、過去3年以内に結婚式に出席したことのある20~70代の男女110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年1月時点のものです

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