知っておきたい!【結婚&婚約指輪の用語集】ソリティア、立て爪って?
婚約指輪や結婚指輪を選ぶとき、専門用語がわからなくて「どういう意味?」「何が違うの?」と思ったことはありませんか?大切な記念の指輪だから、しっかり理解して指輪選びをしたいもの。ここでは、結婚指輪と婚約指輪を選ぶときに、知っておくと役に立つ用語を図解入りで詳しくご紹介します!
【ダイヤの配置】ソリティア、メレ、パヴェ、エタニティ
婚約指輪を選ぶ際に知っておきたいのがデザインの名称です。
ソリティア(ソリテール)は婚約指輪の定番。無駄のないすっきりとした佇まいで、ダイヤモンドの凛とした美しさを際立たせます。オーソドックスかつエレガントな婚約指輪を望む人にお勧めです。
メレ(サイドメレ)はメレダイヤモンドの数や飾り方によって雰囲気が異なり、愛らしくも、華やかにもなります。ピンクやブルーなどカラーダイヤモンドをあしらうものも。センターストーンが小さくても、メレダイヤモンドのあしらいでダイヤモンドを大きく見せることも可能です。
パヴェはメレダイヤモンドをふんだんにあしらうため、かなりゴージャスな雰囲気になります。普段使いするにはやや華やか過ぎると感じるかもしれませんが、エレガントな印象で年齢を重ねた手にも似合うのが魅力といえるでしょう。
エタニティはダイヤモンドを全周に並べたものをフルエタニティ、半周のものをハーフエタニティといいます。ダイヤモンドの大きさや留め方によって雰囲気が異なります。大きめのダイヤモンドを爪留めにした華やかなものは婚約指輪に、ダイヤモンドをレール状の板で挟むようにしたレール留めのものはすっきりとシンプルなので結婚指輪にお勧めです。
婚約指輪のデザイン・人気ランキング
婚約指輪で最も人気が高いのはソリティア(ソリテール)。約半数(54.5%)がこのデザインを選んでいました。やはり婚約指輪=1粒ダイヤモンドの指輪というイメージが強いからでしょうか。次いで人気があったのはメレ(サイドメレ)で33.2%。さまざまなデザインのバリエーションがあるので選びやすいのも魅力です。パヴェは8.2%、エタニティは3.1%という結果になりました。※1
【ダイヤモンドのセッティング】立て爪、ベゼルセッティング、挟み留め
婚約指輪ではダイヤモンドをどのように留めているかにも注目を。留め方によって雰囲気はだいぶ変わってきます。
立て爪は爪留めの一種。爪と呼ばれる細い地金の棒で宝石を固定します。爪は4本または6本が一般的。婚約指輪の代名詞ともいえる留め方で、どの角度からもダイヤモンドが美しく見えるのが魅力です。ただし、ダイヤモンドが突出してしまうので、日常の動作の中で引っ掛かりが気になる場合も。最近は爪が低いタイプのものも数多く出ています。
一方、ベゼルセッティング(覆輪留め)と挟み留めは爪を使用しないでダイヤモンドを固定する留め方。そのため、引っ掛かりが少なく、日常的に身に着けてもストレスを感じないでしょう。いかにも婚約指輪という雰囲気のものは苦手という人は、こちらのタイプがお勧めです。
エタニティリングでは、爪留めのほか、レール状の板でダイヤモンドを挟んで留めるレール留めや、周りの地金を彫り起こして留める彫り留めなどが採用されます。メレダイヤモンドも基本的には彫り留めの手法で留められます。
ダイヤモンドのセッティング・人気ランキング
ダイヤモンドのセッティングが印象を左右するソリティアリングについて見てみると、立て爪を選んだという人が65.4%。やはりダイヤモンドがより輝く留め方を選んだ人が多かったようです。立て爪はサイドから見たデザインにも工夫を凝らしているリングが多いので、試着の際にはサイドビューにも注目を。次いで多かったのが、引っ掛かりの少ない挟み留めで20.2%でした。日常的に身に着けたいという人に人気が高かったようです。※2
【カット】ラウンドブリリアント、オーバル、ペアシェイプ、プリンセス
宝石は原石をカットし、研磨することによって輝きを放ちます。それぞれの石により、適したカットは異なりますが、ダイヤモンドの輝きを最も引き出すとされているのがラウンドブリリアントカットです。ダイヤモンドに入った光が最大限に跳ね返ってくるようにデザインされています。
ラウンドブリリアントカットがその名の通り丸い形なのに対し、オーバルカットは楕円(だえん)形、ペアシェイプカットは洋梨形、ハートカットはハート形、マーキースカットは楕円形の両端をとがらせたような形になっています。いずれも表面は小さな切子の面(ファセット)で構成されるブリリアントカットになっています。
プリンセスカットは比較的新しく生まれたカットで、ブリリアントカットと四角いステップカットをミックスしたもの。ラウンドブリリアントカット同様に輝きが美しく、最近特に人気を集めています。
その他にも、長方形のエメラルドカットは、ブリリアントカットよりはやや輝きは劣りますが、クラシカルな雰囲気があります。エメラルドカットに似た長方形のバケットカットはサイドストーンによく使用されます。
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【アームの素材】プラチナ、イエローゴールド、ピンクゴールド
婚約指輪や結婚指輪といって真っ先に連想するのはプラチナ素材でしょう。透明感のある白色が特徴で、変質や変色がしにくい素材として知られ、金属アレルギーも比較的起こしにくいといわれています。指輪に加工するときにパラジウムなど別の金属を混ぜ、Pt900とは金属の配合がプラチナ900‰、他の金属が100‰という意味です。※貴金属は千分率(‰ パーミル)で表記します
ゴールドも同様に変質や変色がしにくい素材で、指輪に加工するときは別の金属を混ぜます。混ぜる金属によって色みが変わるのが特徴で、イエローゴールドやピンクゴールド、グリーンゴールド、ホワイトゴールドなどがあります。指輪ではゴールドが750‰、他の金属が250‰という割合が多く、K18(24分の18の意味)と表記されます。
ちなみに、1本の指輪で2種類以上の素材を使用した指輪のことをコンビリングといいます。プラチナとゴールドの組み合わせが一般的で、婚約指輪や結婚指輪にもあります。
アームの素材・人気ランキング
婚約指輪も結婚指輪も人気があるのはプラチナ。婚約指輪では88.2%、結婚指輪では女性が75.8%、男性が78.5%と圧倒的な人気を誇ります。プラチナはダイヤモンドとの相性も良く、映えるので、婚約指輪でプラチナを選ぶ人が多いのもうなずけます。日常的に身に着ける結婚指輪では、手持ちのアクセサリーとのバランスも考え、ゴールドを選ぶ人もやや増えるようです。※1
【アームのライン】ストレート、S字、V字
指輪の印象を左右する要素の一つとして、アームのラインがあります。最も一般的なのはストレート。シンプルで無難な印象ですが、アームの幅によって印象は異なってきます。また、ソリティアリングでは、センターの宝石に向かってアームが細くデザインされているものも。これはセンターの宝石をより大きく印象的に見せる効果があります。
S字(ウエーブ)は優しい印象を与えます。女性に人気のラインですが、最近では個性を出したいという男性にも人気があります。ウエーブの角度によって雰囲気は異なり、男性はウエーブが緩やかな方が身に着けやすいでしょう。
V字は指を細く、長く見せる効果があります。どちらかというとフェミニンな雰囲気ですが、S字と同様にV字の角度が緩やかなもの(U字ライン)は男性でも身に着けやすいはず。
このほか、センターの宝石を上下に挟んで包み込むようにした抱き合わせアームや、かなりひねりを加えたアーム、2本のアームが重なっているように見えるアームなどがあります。
アームのライン・人気ランキング
婚約指輪、結婚指輪ともに人気が高いのはやはりオーソドックスなストレート。婚約指輪では60.7%、結婚指輪では男性58.8%、女性50.5%が選んでいました。次に人気があるのが、S字(ウエーブ)で、婚約指輪は28.6%、結婚指輪は男性32.4%、女性37.9%でした。※3、4
女性は婚約指輪と結婚指輪を重ね着けしたいと考える人も多いでしょう。その場合は、基本的には同じラインを選んだ方が、ぴったり収まりやすいのでお勧めです。
【アームの断面の形】甲丸、平打ち、平甲丸
アームの断面の形は、見た目の印象や着け心地に関わってきます。
甲丸は最も一般的な形状。いわゆるかまぼこ形といわれます。隣の指に触れる面積が小さいので着け心地が良く、日常的に身に着けやすいといえます。
平打ちは直線的でフラットな形状。スタイリッシュなイメージがあり、人とは違うデザインをと考える人にもお勧めです。角が立っているため、手をぎゅっと握ったときに左右の指への当たりが気になる場合もあります。
平甲丸はその名の通り、甲丸と平打ちの中間のような形状。基本的にはフラットですが、角を削っているために柔らかな雰囲気もあります。
このほかに、表面が六角形になるようにエッジをつけたしのぎ、三角形の剣腕などもあります。
なお、アームの内側の角を丸くしたものを内甲丸といいます。内甲丸は指輪が指に触れる面積が小さいので、指当たりが柔らかく、着け心地も良好。また、着け外しもスムーズです。
アームの断面の形・人気ランキング
ソリティアの婚約指輪を選んだ女性では52.9%が甲丸を選んでいました。結婚指輪では女性の85.4%、男性の80.9%が甲丸をチョイス。やはり甲丸の人気は圧倒的に高いといえます。ソリティアの婚約指輪では平甲丸が23.1%、平打ちが14.4%と続きます。※2
婚約指輪・結婚指輪では甲丸の指輪の数が多いのも、甲丸の人気が高いことの理由の一つといえるでしょう。
【アームの表面の加工や装飾】鏡面仕上げ、マット仕上げ、ミル打ち
指輪の表面の仕上げ方や装飾によっても、指輪の表情は大きく変わります。
鏡面仕上げ(つやあり加工)は、指輪の表面を磨き上げる加工方法で、光沢仕上げとも。金属の美しさがよくわかる一般的な仕上げ方法です。
マット仕上げ(つやなし加工)はあえて指輪の表面に凸凹をつけることで、つやを消して仕上げる加工方法。髪の毛のような細い線を入れてつやを消すヘアライン加工や、表面を細かくカットしてキラキラと輝くようにするスターダスト加工、ダイヤモンドで表面を研磨してマット感を出すダイヤモンドポイント加工、梨の肌のようなざらざらとした質感が特徴の梨地加工(ブラスト仕上げ)などもあります。また、指輪の表面をハンマーなどでたたいて、槌(つち)の跡を残した槌目加工も、個性的な趣となります。
指輪の装飾としては、ミル打ちがあります。ラテン語で千の粒(ミルグレイン)といい、豊饒(ほうじょう)のイメージにつながるためか、婚約指輪や結婚指輪によく使われます。小さな粒状の飾りはきらきらと輝き、華やかさを添えてくれます。
表面に彫刻を施すものもあります。細い彫刻刀で草花などの模様を彫ったり、金属をくりぬいて模様を浮き立たせたり(透かし彫り)します。ハワイアンジュエリーなどがその代表的なものです。
アームの表面加工・人気ランキング
結婚指輪の表面加工を見てみると圧倒的に人気があるのは鏡面仕上げで、女性では88.3%、男性も75%が選んでいました。一方、マット仕上げは女性で9.7%、男性が21.6%。男性では、キラキラと光る鏡面仕上げに抵抗がある人も一定数おり、マット仕上げを選ぶ割合も女性より高くなっています。※4
From 編集部
用語をしっかり覚えて最愛の指輪を手に入れて
独特の用語が多いジュエリーの世界。でも、覚えてしまえば欲しいデザインのイメージ固めやショップスタッフとの相談にも役立ち、婚約指輪・結婚指輪選びがぐんと楽しくはかどること間違いなし。もしわからなくなったら、この記事を何度でも見直して、ふたりに似合う婚約指輪・結婚指輪を手に入れて!
取材・文/粂 美奈子 イラスト/別府麻衣 D/ロンディーネ 構成/伊藤りつ子(編集部)
※1のデータは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」(全国推計値)によるものです
※2=2021年8月に(ソリティアの婚約指輪を持っている)女性103人が回答したマクロミル調査によるものです
※3=2021年9月に(3年以内に婚約指輪を贈られた20~30代)女性206人が回答したマクロミル調査によるものです
※4=2021年9月に(3年以内に結婚指輪を購入した20~30代)女性206人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年1月時点のものです
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