宝石なしもアリ！“ダイヤモンドなし”や”他の宝石”の婚約指輪選び

婚約指輪とダイヤモンドは切っても切れない関係ですが、そもそも婚約指輪にダイヤモンドが飾られるようになったのは中世といわれます。結婚の際に男性から女性に指輪を贈る習慣は古代ローマ時代からあり、当時は宝石なしの鉄の指輪でした。

時代が下るにつれて、鉄が金になり、宝石が飾られるように。15世紀になると、非常に硬く、美しく輝くダイヤモンドは、永遠の愛を誓う結婚の際に贈るのにふさわしいものとされ、婚約指輪に飾られるようになりました。そして、それが現代にまで受け継がれているのです。

なお、史実に残る最初の婚約指輪といわれるのが、ハプスブルク家のマキシミリアン大公がブルゴーニュ公女マリアに贈ったもの。婚約指輪の定番とされる１粒石を飾ったリングではなく、かまぼこ形にカットされたダイヤモンドで、聖母マリアとふたりの名前のイニシャルであるMをかたどったデザインのリングでした。

こうして婚約指輪の歴史を振り返ってみると、婚約指輪にダイヤモンドが飾られていなくても特に問題はないということがわかります。婚約指輪は婚約の証しとして、男性から女性へと贈るもの。その意味をお互いにしっかり認識し、「これが婚約指輪」とお互いに認めていれば、ダイヤモンドはもちろん、全く宝石が飾られていない指輪でも立派な婚約指輪となるのです。

ダイヤモンドをはじめ宝石があまり好きではない、日常的にも気軽に身に着けたいから宝石なしの指輪がいい、婚約指輪にあまりお金をかけたくない……などと考える人は、宝石なしの婚約指輪にしてもいいでしょう。ただし、その際はふたりでよく話し合いを。

一方が「宝石はなくてもいい」と思っていても、相手は「やはり婚約指輪にはダイヤモンドがあった方がいい」と思っていることもあります。思い込みやちょっとした確認を怠ることで、擦れ違いが発生することも。そんなことでケンカになってもつまらないので、意思疎通はしっかりと。

宝石なしを選んだ理由

お気に入りのブランドで欲しかった指輪（宝石なし）があったので、それを婚約指輪として贈ってもらいました。（るーじゅさん）

結婚指輪と重ね着けして、ファッションリングのように日常的にカジュアルに身に着けたかったので、宝石が飾られていないホワイトゴールドの指輪を婚約指輪にしました。（まるさん）

婚約指輪は特にいらないと思っていたのですが、彼が「この指輪はどう？」と言ってくれたのが、好きなアニメのキャラクターをモチーフにしたものでした。婚約指輪というには少し気恥ずかしいものですが、私にとっては特別な指輪です。（やあちゃんさん）

高価な婚約指輪は興味がなく、彼には「シロツメクサで編んだ指輪がいいな」と言っていました。そうしたら、彼がシロツメクサをモチーフにしたクラフトリングを婚約指輪として贈ってくれました。（moyoさん）

いかにも婚約指輪というのが嫌だったし、他の人とかぶらない指輪が欲しいと思っていたので、宝石なしのシンプルなリングにしました。（ららさん）

硬く、美しく、さらに希少価値も高いダイヤモンドが婚約指輪にふさわしい宝石というのは、誰もが認めるところでしょう。婚約指輪にダイヤモンドを飾る人は95.2％※にも及び、圧倒的な人気を誇ります。

とはいえ、ダイヤモンド以外の宝石でも、とくに問題はありません。実際、イギリスなどヨーロッパでは、ダイヤモンド以外の宝石を婚約指輪として使用するケースもあります。

ダイヤモンド以外の宝石を婚約指輪に飾る場合、誕生石を選ぶ人も多いようです。誕生石は地域や時代によってさまざまな種類がありますが、現在の日本では1912年にアメリカの宝石業界で定められたものが広まっています。

ダイヤモンド以外を選んだ理由

【サファイア】あまり派手なものが好きではなかったので、サファイアが飾られた落ち着いた雰囲気の指輪を選びました。他にはない個性的なデザインも気に入りました。（よっこさん）

【オパール】婚約指輪はダイヤモンドでなければならない理由はないと思い、ふたりの誕生石であるオパールを選びました。この宝石がふたりをより強く結び付けてくれることを願って。（もたろうさん）

【ルビー】ダイヤモンド入りの結婚指輪を購入する予定だったので、婚約指輪には別の宝石を飾りたかったんです。それで、自分の誕生石で、お気に入りでもあるルビーを選びました。（さりさん）

【パール】ダイヤモンドはあまりにも一般的なので、別の宝石がいいかなと。店頭でさまざまな指輪を見て、試着した中で、最も素敵だったパールの指輪にしました。（あこあこさん）

【ペリドット】当初はダイヤモンドにしようと思っていたのですが、自分の誕生石の指輪を持っていないことに気付き……。ペリドットには「夫婦の愛」という石言葉もあり、婚約指輪にふさわしいと思い、選びました。（SUNさん）

ここからは、婚約指輪としてお勧めできる、センターにダイヤモンド以外の宝石をあしらった素敵な指輪をご紹介します。

透明感のあるアクアマリンの輝きに引き込まれる

吸い込まれそうなほどに澄んだ濃いブルーの色みが印象的な指輪。マーキースカットのアクアマリンを引き立てるようにデザインされたアームと、バランス良く配されたメレダイヤモンドが、凛とした雰囲気を漂わせています。

表情を変える虹色のニュアンスに魅了される

シェルにブルートパーズを重ねた幻想的な輝きのリングは、ずっと見ていても飽きることがありません。イエローゴールドのアームとの組み合わせで、落ち着いた雰囲気に。オーバル型を縦長に配したシンプルな佇まいで、大人っぽく身に着けられます。

パール×ダイヤの可憐なリング。クラシカルな趣も

艶やかに輝く乳白色のパールをダイヤモンドがぐるりと取り囲んだ可憐なリング。イエローゴールドのアームとの相性も良く、クラシカルな趣もあります。上品な雰囲気で、合わせる服装も選ばす、身に着けやすいデザインです。

淡いストーンの色みと大人可愛いころんとしたフォルムが魅力

ころんとしたフォルムが愛らしさを漂わせるカボションカットのローズクォーツは、薄紅色に染まる夜明けの空を思わせる淡い色合いが特徴です。ストーンとアームのバランスも絶妙。いつまでも愛らしさを忘れない大人の女性にお勧め。

柔らかなピンク色の大輪の花が指の上できらきらと輝く

柔らかなピンク色に魅せられるモルガナイト。見ているとなんだか優しい気持ちになります。モルガナイトの周りにはダイヤモンドがあしらわれ、まるで大輪の花が開いたよう。華やかで存在感のある指輪です。

エレガントな赤色の煌めき。メレダイヤモンドでさらに華やかに

オーバルカットのルビーは気高くも美しい赤い輝きが印象的。ルビーの周りとアームにメレダイヤモンドを配し、煌めきをプラスしています。エレガントかつクラシカルな雰囲気で、手を明るく彩ってくれます。

構成・文／粂 美奈子　イラスト／南 夏希　Ｄ／ロンディーネ
※記事内のコメントは2021年７月に、３年以内に結婚した20～30代の女性103人が回答したマクロミルアンケートによります。
※記事内のデータは「ゼクシィ結婚トレンド調査2023（全国推計値）」（※）によるものです。
※指輪の価格は2021年８月取材時のものです。石の大きさや品質、リングサイズによって変更になる場合があります
※指輪の素材は略号で表記しています。(Pt:プラチナ、YG:イエローゴールド、PG:ピンクゴールド、WG：ホワイトゴールド)　
※掲載されている情報と商品の取り扱いは2021年９月時点のものです

• 婚約指輪
• 結婚決まりたて
• 個性的
• おしゃれ
• 意外性・驚き