家計簿ズバリ診断[vol.17]群馬県・たまきさんの場合「数年以内に第2子と車、土地と家を」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナー(以下FP)の丸山晴美先生が一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「将来、子ども2人には水泳やピアノも習わせたい」
3年以内に第2子と車の買い替え、5年以内に土地&家の購入を希望。子どもに水泳、ピアノを習わせたい……という群馬県・たまきさんの家計簿を診断してもらいました。
相談者:群馬県・たまきさん
現在、子ども6カ月で育休中。3年以内に第2子、車の買い替え希望。5年以内に土地&家を購入希望です。子どもには水泳、ピアノを習わせたい。大きくなったら年1回で近県を旅行し、いつかハワイにも行きたい。学資保険やジュニアNISAはやるべき?よろしくお願いいたします!
【たまきさん家族のプロフィール】
・夫33歳(会社員)
・妻31歳(会社員)
※現在育休中。半年後に時短で復帰予定。
・子ども6カ月
子どもは3年以内にもう1人、計2人希望。
たまきさんの平均的な月の家計簿がこちら!
【たまきさんの夢と現実memo】※金額はすべて「約」
●将来の夢
・子どもは3年以内に第2子希望で、計2人希望
・3年以内に夫の車を買い替えたい(予算250万円)
・5年以内に土地付きで家を買いたい(予算2500万円)
・子どもには水泳、ピアノを習わせたい
・学費を月5万円、災害に備えて月5万円貯蓄したい
・上の子が5歳になったら年1回、近隣の県を旅行したい
・将来はハワイを旅行したい
●月収とボーナス(手取り)
夫:18万円、ボーナス年間79万円
妻:19万円、ボーナス年間67万円
●年収(手取り)
夫:295万円
妻:295万円
●借入金・ローン
なし
●貯蓄総額(現在)
夫:普通預金400万円
妻:普通預金300万円
●保険/月
夫:未加入
妻:5500円
●家計管理
家賃・光熱費は夫、食費と日用品は妻が負担。家計簿は紙で管理
FP丸山先生が診断
たまきさんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
使途不明金の多さが気になります
まずは使途不明金をクリアにし
住宅の自己資金750万円を5年で
基本的な生活費は高くないけれど、使途不明金が多いのが少し気になります。ここを整えればいい家計になるので、まずはここをクリアにしましょう。
車の買い替えと住宅購入ですが、車は夫の貯蓄から支払えばOK。
そして住宅購入のために必要な自己資金の目安は、購入価格の3割以上。予算2500万円なら自己資金750万円を貯め、500万円を住宅の頭金に、250万円を諸費用に充て、2000万円を借り入れるイメージです。
2000万円のローンを5年後から返済スタート、夫60歳前後で完済を目指すと、月7万5000円ずつの返済で25年ローンを組めば、夫63歳、妻61歳での完済、という計算に(金利1%で試算。ボーナス時返済なし)。
自己資金の750万円を5年で貯めるには、1年で150万円。年間140万円のボーナスから半分の70万円を回し、残り80万円は毎月約6万7000円ずつ。これで住宅資金は貯まります。
from 丸山先生
生まれたら毎月3万円貯めて
生命保険としての役割もある
学資保険に入っておきましょう
子どもの教育費は、出産後に毎月3万円を積み立てると、18歳までに大学進学費用に相当する約600万円が貯まります。
夫が保険に未加入でも、会社員なら傷病手当も出ますし、すぐに加入しなくてOK。ただし、子どもが小さいうちは夫の死亡保障の検討を。
住宅ローン契約時には、団体信用生命保険(住宅ローン契約者が返済中に死亡などで返済不可能になったときにローンの残額を肩代わりしてもらえる保険)への加入が条件となるので、それまでの5年間は期間限定で定期保険の死亡保障を2000万円付け、お子さんの成長とともに減額することをおすすめします。
学資保険には貯蓄性と生命保険としての役割があるので、出産と同時に加入しておくと安心でしょう。
ジュニアNISAにも興味があるようですが、これは子どもが一定の年齢にならないと引き出せず、タイミングによってはマイナスになる可能性も。それより学資保険を優先させましょう。
from 丸山先生
共働きで成立していることを忘れずに
子どもの習い事は費用だけでなく
誰が送り迎えをするかも重要です
妻が会社員とのことで、育休や時短での復帰など、子育てをするには恵まれた環境にあると思います。
ただ、夫婦とも会社員、同じくらいの収入を合わせて成り立っている家計。妻は大変でも家庭と家計を切り盛りしていくことになる可能性があるので、夫婦で家計と子育ての役割についても話し合っておきましょう。
そして特に共働き夫婦は、費用以外にも考えたいことが。子どもに水泳やピアノを習わせたいとのことですが、費用だけでなく、送迎は誰がするのかなど現実面もよく考えて。体験入学などを利用し、その子の適性や意欲を見て決めることも大事です。
学費として月5万円を、とのことなので、例えば3万円は大学進学、2万円は塾や習い事に、などと決めましょう。
コツコツ積み立てることができているたまきさん家族なら、第2子も車も家も、毎年の旅行も問題なくできると思います。使途不明金をなくし、計画的なやりくりを続けてくださいね。
診断を終えて
相談者さんからひと言
たまきさんより
「その他」の項目の金額が多いことは、今回初めて気付きました。
また、どんな習い事をさせたいかについては夫婦で話し合っていましたが、送迎についてはまったく考えておらず、盲点でした。指摘していただいて良かったです。
今後の努力次第では80点に上がるとのことで、かなりやる気が出てきました!
いろいろなアドバイスを、ありがとうございました!
From 編集部
車の買い替え、マイホーム購入、すべてかなえて
将来への希望がたくさんありましたが、いつまでに・いくら、と明確な目標を持つことで、実現のための具体策が見えてきましたね。丸山先生のアドバイスを参考に、早く使途不明金をなくし、さらに強い家計をつくってくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
URL:http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2020年11月時点のものです
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