試着でチェック!自分に似合う「色打ち掛け」に出会える3STEP
結婚式や前撮りで和装を考えている花嫁さん必見! 色打ち掛けは、華やかな色や柄が洋服と違うし、自分に似合う判断基準がよくわからない……と、迷子になってしまう人もいるのでは。そこで、試着前の準備からお店で確認したいポイントまで、自分にぴったりな色打ち掛けの見つけ方を伝授しちゃいます!
和装の試着前に準備しておきたいこと
服装・髪型・メイクについて
まず、試着当日の服装で気を付けたいのはトップス。和装試着時は洋服の上から羽織るお店もあれば、簡易的な着物の襟を装着した上に羽織るお店もあるので、タートルネックやハイネックなど襟元の詰まった服より、首元の開いたクルーネックや前開きのシャツがおすすめ。
髪型は、当日のヘアスタイルに近い状態がベスト。襟足の見えるアップヘアが希望なら、簡単なまとめ髪にして行くか、ヘアクリップやバレッタを持参。当日使いたい髪飾りがあれば画像や実物を用意。もし余裕があれば、メイクはちょっとしっかりめに。華やかな着物の色柄に負けないよう、リップを濃いめの色にするだけでも本番に近い見え方になるはず。
【STEP1】色打ち掛けは顔映りのよい色で選ぶ
顔と地色の雰囲気が合っているかをチェック!
いよいよ色打ち掛けの試着スタート! お店にはあらゆる色柄の色打ち掛けが揃っているけれど、その中からどうやって選べばよいのでしょうか。おすすめの方法は、最初に3タイプの色打ち掛けを見せてもらうこと。
1.日頃から着慣れて自分に似合うと思う「好きな色」
2.普段洋服では選ばないけれど「挑戦してみたい色」
3.お店の人がおすすめする「プロの見立てた色」
いつも着ている「好きな色」は抵抗なく着られる一方で、洋装との雰囲気の違いに驚くことも。そして和装ならではのマジックと言えるのが、日頃着ないような色でも似合ってしまうこと。和装は地色(ベースカラー)の上にさまざまなモチーフの柄が配置されているので、全体の印象で判断。だからこそ、いつもは選ばない色がベースでも、ポイントカラーの配色が顔周りを華やかに見せてくれる、なんてことも十分あるのです。
さらに、お店の人にカラーの提案もお願いしてみて。これまで何人もの花嫁さんを見てきたプロが、お店の数ある衣裳の中からあなたの第一印象で「これが似合う!」という1着を選んでくれます。
色打ち掛けを羽織った際にチェックしたいのは、顔映りが良く見えるかどうか。似合う色は顔色がパッと華やいで明るく見えるもの。具体的に注目したいのは襟元です。鏡の前で色打ち掛けを実際に羽織ってみて、地色と自分の首~顔にかけての肌色がどう見えるかを確認しましょう。
悩んだらパーソナルカラーも参考に!
迷った時は肌色(イエローベースorブルーベース)やパーソナルカラー診断の考え方で選ぶのも方法の一つ。診断をやったことがあれば、タイプ別に似合う色を応用できます。イエローベースなら「くすみカラー」が似合う傾向があり、ブルーベースなら「パステルカラー」や、「原色カラー」が顔立ちを引き立ててくれます。
もし、それでも決めきれなかったら、最後は王道の「赤」がおすすめ。その理由は、花嫁らしさが感じられる定番カラーだから。会場を選ばず、華やかさと存在感があり、時代を経ても色あせない色。しかもママ受け・祖母受けも抜群。誰が選んでも間違いのない魔法カラーと言えます。
【STEP2】柄の配置・全体バランスを確認
身長・体格と柄行きの相性もチェック!
顔色の映える色打ち掛けの傾向が見えてきたら、柄行き(柄の配置)もチェック。例えば、縦に伸びる配置なら背の高い人の着姿をすらっと見せる効果がある一方で、細やかな柄使いは背が低めの人を可憐な印象に見せるのが得意。全体のバランスを美しく見せるには、体格に合った柄行きを選ぶことも大切です。
□背が高い人に似合いやすいのは……
大輪の花、大胆でモダン・洋風な柄行き、グラデーションの地色
□小柄な人に似合いやすいのは……
小花柄、小さめモチーフの柄行き、淡い地色
柄行きをチェックする3つのポーズ
試着時にぜひ知っておいてほしいのは、色打ち掛けの柄行きには「見せ場」ともいえる3つのポイントがあること。身長や体格によっては、着物の柄に特徴的な全身にわたる続き柄や大きな模様が切れて見えてしまうことがないよう確認してみて。
まず、振り袖と違って上から帯をしない色打ち掛けは、大きく柄を見せられる背中に最もポイントとなるモチーフが配置されていることがほとんど。だから後ろ姿も必ずチェックを。
また、長い裾を床に付ける「お引きずり」の状態は、実は挙式時や撮影時のみ。入退場や会場間の移動では、歩きやすいように「つまを取る」と言って、裾を持ち上げ、手で押さえるスタイルに。そこでポイントとなるのが膝下~裾にかけての柄行き。つまを取ると前から見て一番目立つのがココ。
最後にたもと。新郎と並んで立った時に、よく見えるのが左袖の外側のたもとの部分。内側よりも華やかな柄が入っていることが多く、振り袖にも見られる傾向と言えます。
どんな素材を選ぶのが正解?
着物の素材は絹が基本。同じ絹でも「織り」「染め」といった技法によって質感が大きく異なります。「織り」は生地に厚みがあり、見た目も重厚感があって華やか。「染め」は友禅と呼ばれる手描きのモチーフで構成されているもので、絹の柔らかな質感が体にフィットし、シルエットがスマートに見えるのが特徴です。
さらに、表面に絞りや刺しゅうといった細工の分量がどれくらい施されているかによっても、全体の重厚感や実際の重さが違ってきます。着心地の良さは着用時間の長さに直結する部分なので、前撮りや挙式、披露宴などシーンと着用時間、さらに全体のシルエットも意識して選ぶのが理想的です。
【STEP3】全体のイメージを完成させる小物をコーディネート
色打ち掛けに合わせる掛下・半襟・小物って?
色打ち掛けが決まったら、次はそれに合わせる掛下や小物選びが待っています。このコーディネートこそが、花嫁姿の仕上がりを左右する決め手となるところ。お店にはさまざまな色のバリエーションが揃っているけれど、色打ち掛けの中にある1色とリンクさせるのが基本。
□掛下って?
色打ち掛けの下に着る着物のこと。形は振り袖の無地が基本で、ベーシックな白のほか、ピンク、水色のようなパステルカラーから、黒、赤など原色もある。
□半襟って?
長襦袢(じゅばん)の襟にかぶせて縫い付ける着脱可能な襟のこと。婚礼など正装には絹製がベスト。桜などの刺しゅうが入ったものや、色柄の入ったものも。
□小物(5点セット)って?
花嫁和装を完成させるために必要な小物を、同じ色・素材で作りセットにしたもの。懐剣、はこせこ、末広、抱え帯、帯締めが基本の5点となります。
小物の色合わせでなりたい雰囲気に近づこう!
(1)白で統一する
花嫁和装において、白は万能で間違いのない定番中の定番色。キリリと清楚なイメージの花嫁に。
(2)同系色を合わせる
色打ち掛けのメインカラーと揃えたワントーンコーデは、全体的に調和のとれた柔らかな雰囲気に。
(3)アクセントカラーを合わせる
色合いの強いものや、反対色をあえて襟元や小物に取り入れるのは、コーディネートを楽しむ上級テクニック。襟元に差し込む「だて襟」にアクセントカラーを使うと、顔周りを引き締めて見せる効果も。
和装でお色直しをするときは?
白無垢から色打ち掛けにチェンジする場合、最も時短になるのは、白無垢の打ち掛けだけを色打ち掛けとチェンジする方法。次に早くチェンジできるのは、襟と掛下はそのままで、小物だけをチェンジする方法。それに対し、時間はかかるけれどガラリと印象を変えられるのが、掛下と小物も全て色打ち掛けに合わせて変える方法。当日のタイムスケジュールや自分の体力とも相談して決めよう。もし迷ってしまったら、全て花嫁らしさナンバーワンの白を選んでおけば大丈夫。
From 編集部
花嫁ならではの特別な和装を楽しんで
裾が長く華やかで、手の込んだ細工が施された美しい色打ち掛けは、白無垢や引き振り袖と同様に、花嫁しか着られない特別な着物。和装に親しんでいないと、本当に似合うかどうかの判断は、自分一人では難しいもの。お店の人と相談するのはもちろん、彼、家族、友人など、第三者の客観的な感想にも耳を傾けてみて。本当に似合う色打ち掛けが見つかったら、小物とのコーディネートもとことん楽しんで、自分らしい和装花嫁を目指そう。
取材・文/田中英代(Blue Ladybird) イラスト/naco D/ロンディーネ 監修/金田恵理子 構成/小堀そら(編集部)
※掲載されている情報は2020年5月時点のものです
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