転職・異動・派遣・フリーランス花嫁の悩み「ゲスト選び、どうする?」
働き方の多様化によって、派遣やフリーランスといった「雇用形態に縛られない人」が増えています。一方で、結婚式に誰を招待したらいいのか迷ったり、報告の仕方や席次表の肩書をどうすべきか分からないという非正規雇用社員ならではの悩みも。今回はそんな声に加え、正社員でも転職したてや社内異動や新しい上司の赴任直後という人たちの声も織り交ぜつつ、ゲスト選びにまつわるさまざまな悩みを解決します。
立場によって変わる
「結婚報告・ゲスト選び・席次」の悩みどころ
まずは結婚報告&ゲスト選びの悩みを、転職したて、社内異動や新しい上司の赴任直後、派遣、フリーランスという4つの立場からそれぞれ見てみましょう。
【転職組のお悩み】
転職直後だけど職場の人を呼んでもいい? 結婚報告も切り出しにくい。(y.yさん)
転職して半年。少し職場に慣れてきたけど、まだそこまで親しくない状態。声を掛けても迷惑がられない?(HKさん)
新しい職場の人間関係がよく分からなかったので、席の配置に悩みました。(mさん)
前の職場の人たちも招待する場合、肩書はどうすればいい?(さっちゃんさん)
【社内異動組のお悩み】
前の部署と現在の部署、みんなを呼ぶと大人数になってしまいそう。(ミッキーさん)
新しい上司を呼ぶと、形式的に頼んでいるように思われないかと心配に……。(夢さん)
まだ私のことをよく知らない上司にスピーチを頼んでも大丈夫?(ちーこさん)
異動前と新しい部署の上司を両方お招きしたけど、どちらを上座にすべきかかなり悩みました。(しおりさん)
【派遣組のお悩み】
登録している派遣会社の担当の人って呼んだ方がいいの?(HWさん)
派遣先の人は招待するほどの間柄じゃないけれど、彼が職場関係者を大勢呼ぶので差が出そう。合わせて呼ぶべき?(ちぃさん)
派遣先の人とは仲良しだけど、1年限定のお付き合い。呼ばなくていいかな?(そうぞうはじゆうさん)
【フリーランス組のお悩み】
独立したため、会社勤めだった頃の人を呼んでもいいのか迷いました。(mottiさん)
個人で教室を経営。仲の良い生徒さんを呼ぶときの肩書は?(さなえさん)
上司や同僚がいないけど、新郎に合わせる場合は誰に声を掛ける?(ayk0さん)
立場別のお悩みをズバッと解決!
【転職組】「そもそも、お声掛けをしてもいいの?」
転職したての人たちの主な悩みは「まだ勤め始めて日が浅いのに、そもそも声を掛けてもいいの?」というもの。仕事を覚えなくちゃいけない真っ最中に「結婚します」と報告することに対して罪悪感を抱く人もいるようです。ということで……。
【招待・報告はこうしよう!】
お世話になった人に感謝を伝えたいなら、お付き合いの深い前の職場関係者を呼んでも構いません。逆に心機一転したいと思って新天地へ移ったのなら、「これからよろしくお願いします」という思いを込めて転職先の人を招待するのもありです。結婚報告に関しては「転職したばかりなのに結婚するなんて言い出せない」とためらう人がいるかもしれませんが、今どきは結婚後も働き続けるのが当たり前なので、心配しなくても大丈夫。それよりも業務に影響が出ないよう事前にきちんと伝えておきましょう。
【席次・肩書はこうしよう!】
★転職先の新しい職場関係者の肩書……会社(職場)上司・同僚
(勤務先や役職を入れる場合は、○○株式会社○○部○○部長など)
★退職した元の職場関係者の肩書……元会社(職場)上司・同僚
(同僚の場合、仲の良い間柄なら「友人」としてもOK)
転職組「私はこうした」
今までお世話になった人たちに感謝を伝えたかったので、割り切って前の職場の上司と同僚をご招待。お招きしていない新しい職場の人たちにも正直に伝えたところ、ビデオメッセージが届き、とても嬉しく思いました。(さっちさん)
マナーの先生から「今後のお付き合いで判断を」
「人それぞれ、相手とのお付き合いの度合いは異なりますが、重要なのは前の職場・現在の職場という分け方ではなく、『この関係を今後も大事にしていきたい』と思える人を選ぶということ。人生の師とも呼べる人、好きな人、そう思える人は誰なのかを考えてみると、おのずと答えは出るはずです」(マナーデザイナー・岩下宣子先生)
【社内異動・上司が赴任直後組】「どちらを招待? 主賓は誰に頼む?」
社内異動の場合、どちらの部署の人も招待するとなるとかなりの人数に。上司も新旧それぞれ存在するので、両方を呼ぶとなると主賓を誰に頼むかという席次の問題も発生するので悩ましいところですよね。上司が変わった場合は、そのまま新しい人に出席をお願いするのが自然ですが、頼み方に頭を悩ませる人も少なくないようです。
【招待・報告はこうしよう!】
異動前と新しい部署の人たちを全員呼ぶのは人数的にも厳しそう。ここは上司と特にお世話になった(なっている)先輩・同僚たちを代表で招待し、他の人たちは二次会に来てもらうのが現実的ですね。報告は現在働いている部署の人たちを優先するのが原則です。新しく赴任してきた上司への報告については、前の上司に頼んで、引き継ぎの際にさりげなく伝えてもらうとスムーズです。
【席次・肩書はこうしよう!】
★新しい部署の上司の肩書……会社(職場)上司
(勤務先や役職を入れる場合は、○○株式会社○○部○○部長など)
★前の部署の上司の肩書……会社(職場)元上司
(勤務先や役職を入れる場合は、□□株式会社□□部□□部長など)
社内異動組「私はこうした」
異動前に大体のゲストを決めていました。新しい部署は異動して3カ月目だったので、呼ばれないことを特に気にする人もいなかったと思います。ただ、迷惑を掛けないように式直前まで仕事をめちゃくちゃ頑張りました!(服原優香さん)
【派遣組】「短期間のお付き合いも多いし、招待しないのが普通?」
派遣スタッフといっても職場の雰囲気やそこに勤める人たちとの関係性はまちまちです。正式な雇用主は「派遣会社」ではあるけれど、実際に働いている所は派遣先の職場。どちらから先に声を掛けるべきか、そもそも招待してもいいのか、迷いどころは結構ありそうです。
【招待・報告はこうしよう!】
最初の報告は「派遣会社」の担当者に。なぜなら式前後に休暇を取りたい場合、派遣会社がその間の代替スタッフを手配する必要があるからです。ご招待に関しては、派遣会社の担当者を呼ぶケースは少なく、むしろ派遣先の人を検討するケースが多いようです。社員・派遣スタッフと区別することなくお互いの信頼関係が築かれている職場なら、遠慮なく声を掛けても問題ありません。ただし派遣先の担当者にはひと言伝えておくと安心です。
【席次・肩書はこうしよう!】
★派遣先の上司・同僚の肩書……会社(職場)上司・同僚
(※派遣先の会社名や職位を入れたり、「派遣先上司・同僚」と書いてもOK)
★派遣会社の担当者の肩書……会社(職場)上司
(※派遣会社の会社名や職位を入れたり、「派遣会社上司」と書いてもOK)
派遣組「私はこうした」
私の場合は派遣スタッフとして同じ会社に3年勤務。式の2カ月後に退職することが決まっていましたが、派遣先の会社の上司に主賓スピーチをお願いしたところ、快く引き受けていただきました。招待した同僚も大半が出席してくれて感謝しています。 (オーロラさん)
マナーの先生から「来てほしい理由を伝えること」
「派遣先でお世話になった方々をお招きしたい気持ちはあるものの、遠慮してしまう人も少なくないようです。でもどうしても呼びたい人がいるなら、『人生の師と思っており、これからもご指導をお願いしたいので』と、来てほしい理由を熱く伝えることで、嬉しい返事を頂けるはず。ただし『新郎側と顔触れをそろえたい』というような体裁を整えるためのお声掛けはなるべく控えたいもの。ご祝儀を包み、大事な時間を割いて来ていただくことも肝に銘じておきましょう」(岩下宣子先生)
【フリーランス組】「お付き合いがある多種多様なゲストの席次や肩書は?」
カルチャースクールの講師、フリーで働くライターやイラストレーター、フォトグラファー、ハンドメイド作家など、数は少ないものの「フリーランス組」のゲスト選びのお悩みもちらほら。ポイントはずばり、上司や同僚と呼べる人がいないことと、取引先の人たちを複数呼ぶ際の「席次」の問題。
【招待・報告はこうしよう!】
雇用関係があるわけではないので報告の義務はないけれど、「あの人は知っているのに自分だけ教えてもらっていない」という人が出てこないよう、同程度のお付き合いのある取引先には平等に伝えておいた方が無難です。また悩みどころは式当日の席次。取引期間の長さや関係の深さなど明確な判断基準が見つからない場合は、「年功序列とさせていただきました」と、みんなが納得できる基準を示しておくといいかもしれません。
【席次・肩書はこうしよう!】
★取引先(企業の場合)の肩書……「○○株式会社○○部○○部長」
(具体的な会社名+職位を入れる)
★取引先(フリーランスの場合)の肩書……「フォトグラファー」「イラストレーター」というように職業をそのまま記載
フリーランス組「私はこうした」
薬剤師の業務請負をしています。基本的には上司や同僚がいないのですが、メインの取引先の社長と、仕事で特にお世話になっている方を同僚として招待させていただきました。 (freelancerさん)
マナーの先生から「迷ったら呼ばない決断もあり」
「取引先との関係性は人それぞれ異なるものです。誰かを呼んで誰かを呼ばなかったり、席次のことで不快に思う人が出てきてしまうと、今後の仕事に差し障りが出てくる恐れもあります。きちんと報告とごあいさつさえしておけば、無理に結婚式への招待にこだわらなくてもいいでしょう」(岩下宣子先生)
From 編集部
迷ったときには同じ職場や立場の人に相談を
ゲスト選びやご招待は、お付き合いの度合いや長さで判断する方法もあるけれど、職場の雰囲気や慣習に左右される部分も。この記事で紹介した基本を押さえつつ、迷ったときには身近にいる職場の先輩や、同じ働き方をしている人に相談してみましょう。
岩下宣子先生 マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/南 慈子 イラスト/黒猫まな子
※掲載されている情報は2020年3月時点のものです。
※記事内のコメントは、2020年1月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」のメンバー105人が回答したアンケートおよび、20~30代の既婚女性103人が回答したマクロミル調査によるものです。
※北海道、青森、山形の一部エリアでは、記事の内容と異なる席次のルールがあり、上座から下座の順に、親→親族→職場関係者・友人となることが一般的です。席次については、親や会場担当者に相談、確認をしましょう。
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