【婚約食事会・結納・結婚式当日】両家の衣裳レベル、揃ってる?
婚約食事会や結納、結婚式当日に両家それぞれがどんな衣裳を着るのか、親同士ではなかなか相談しにくいもの。そんなときの助け船となるのが、新郎新婦による事前サポート。今回は、マナー講師の岩下先生にアドバイスを頂きながら、親衣裳選びの基本とバランスの取り方について紹介します。
【婚約食事会】の親衣裳イメージ
主役である新郎新婦を立てる服装を心掛けよう
母親:黒以外のワンピースやスーツ(イラスト1枚目)または訪問着/付け下げや色無地(イラスト2枚目)
父親:ブラックスーツまたはダークスーツ
まず婚約食事会の親の服装で意識したいポイントは、主役となるふたりをしっかり立てるようにすること。新郎新婦となるふたり以外の参加者は、ふたりよりも格上の服装や派手な印象とならないよう心掛けましょう。父親の場合、ブラックスーツに白のネクタイを合わせると少し野暮ったく見えるので、シルバーグレイか白黒の縞柄を選ぶのがおすすめ。母親は黒以外の上品なワンピーツやスーツを着用すればまず問題ありません。
両家のレベルこうして揃えました
男性陣はスーツ、女性陣はきれいめなワンピースという服装のイメージをお互いの家族にあらかじめ伝えておき、当日の両家のバランスが揃うように調整しました。(さくらさん)
お互いの家族に、当日の服装に関するドレスコードを事前に連絡しておきました。特に男性はスーツでなくてジャケットでと指定。そのおかげで、当日はいい感じでバランスが保てました。(朝野公香さん)
【結納】の親衣裳イメージ
新郎新報の衣裳にトーンを合わせると、一体感が生まれる
母親:黒以外のワンピースやスーツ(イラスト1枚目)または訪問着/付け下げや色無地(イラスト2枚目)
父親:ブラックスーツまたはダークスーツ
基本的には婚約食事会のときと同じようなイメージで大丈夫ですが、結婚するふたりが和装で結納を行う場合、両家の母親や女性陣も和装で揃えると一体感が出て華やかな雰囲気に。和装の場合は、準礼装の「訪問着」や略礼装の「色無地紋付き」などでもOK。準礼装や略礼装は同じ礼装でも最も格式の高い「正礼装」に比べると少しカジュアルな格となる服装。正礼装は結婚式に行い、結納は準礼装や略礼装にするなどの差をつけてもいいでしょう。
両家のレベルこうして揃えました
彼と私、お互いの両親に対して、本人たちがどんな服装で来る予定なのかを数日前に確認し、お互いに連絡し合ってレベルが揃うように調整しました。また、両家の母親共に自前の留め袖を持っていることを確認していたので、結納を行った際に、式当日に着る予定の留め袖の柄行き(がらゆき/模様)などについてシェアしてもらうようにしました。(さわこさん)
【結婚式】の親衣裳イメージ・和装編
五つ紋が入った衣裳が正解
母親:五つ紋の黒留め袖
父親:黒紋(五つ紋)付き羽織袴
五つ紋(前身頃に2つ、袖に2つ、背中心に1つの合計5つ)の黒留め袖はゲストに最上級の敬意を表せる正礼装。母親の黒留め袖は、柄が上から入るほど若々しく、低い位置にあると落ち着いた印象に。
父親の場合、新郎より目立つのを避けるために洋装を選ぶ人が多いですが、神前式などでは和装を着用しても素敵です。
両家のレベルこうして揃えました
会場の提携ショップで両家の親の衣裳を手配し、さらに衣裳合わせの日程も同じ日に予約しました。当日はお互い何を着たいのかを把握しながら、自然にかぶることを避けつつ、バランスを取ることができました。(ちあきさん)
【結婚式】の親衣裳イメージ・洋装編
昼と夜の式でマナーが異なる
▼正礼装
母親:アフタヌーンドレス(イラスト1枚目)、イブニングドレス(2枚目)
父親:モーニング(昼間の式)、タキシード(夜の式)
▼準礼装
母親:カラーのロングドレスまたはアンサンブルやツーピース
父親:デレクターズスーツまたはブラックスーツ(昼間の式)、タキシード(夜の式)
母親の場合、昼間の式ならば肌露出の少ないアフタヌーンドレス(特に肩を隠す)、夕方以降の式ならば肩を出して肌見せのイブニングドレスが正礼装。いずれの場合も黒・ロング丈が正礼装となりますが、黒のロングドレスは皇室の葬儀などでも見られるため、パステルカラーなどの優しい色合いか黒を避けたダークカラーがおすすめ。また、黒を選択した場合でもデザインが派手であれば問題ありませんが、母親が着る派手なデザインを探すのが少し大変かもしれません。昼間の式では光り物のアクセサリーなどはNGとなりますが、夜はゴールドやシルバーの華やかなアクセサリーでアレンジを加えてもOKです。
父親は、朝から夕方16時くらいまでに始まる式であれば、ネクタイやベストまで黒と白で統一したモーニング、それ以降はタキシードが最も格式高い正礼装となります。朝・昼と夜の服装の区別は18時を基準に行いますが、開始時間16時で終了時間19時の結婚式の場合、開始時間に合わせて正礼装のモーニングでも良いですし、終わる時間に合わせてタキシードを選んでもOKです。
両家のレベルこうして揃えました
格式などは気にしない式にしたかったので「少しきれいめで」と両家の親に伝えていました。その後は母親同士の衣裳の写真をLINEで送り合うなどして、当日のレベルが揃うように確認・調整をしました。最終的に、彼の母はきれいめのスーツ、私の母はきれいめのワンピースで落ち着きました。(菊池ゆりさん)
初夏の式だったので、母親同士は着物ではなくドレス、両家の姉妹に関しては留め袖で統一するように事前に話し合いました。(Nさん)
父親同士は、同じ衣裳店で全く同じものを借り、ネクタイ等の小物を変えて雰囲気が変わるように調整しました。母親の衣裳に関しては、義母が外国人だったため、新婦母は留め袖でしたが、新郎母は母国の民族衣裳的なものを着用しました。(マスカットさん)
式当日の親衣裳・会場タイプ別のアドバイス
両家衣裳のレベルを揃えるのも大事ですが、「会場に合わせた服装」を心掛けるのも大事なマナー。各会場でのふさわしい服装について、以下のアドバイスもぜひ参考にしてみてください。
【ホテル・専門式場】
格式の高さを感じさせる会場では、華美過ぎず気品ある「正礼装」がベスト。
【レストラン】
目上のゲストを招くなら「正礼装」。友人や身内だけのカジュアルな式なら「準礼装」でOK。
【リゾート】
「正礼装」にすると重く感じられたり、浮いてしまうこともあるので、気候に合わせた「準礼装」で考えよう。
【神社・お寺】
「正礼装」であれば、洋装・和装を問わないものの、和装で揃えれば、より和婚の雰囲気を高めることができる。
こんなときどうする? 親衣裳にまつわるQ&A
Q.親がどんな衣裳を着ればいいのか悩んでいるときはどうすればいい?
岩下先生からのアドバイス
新郎新婦の上司や恩師など、目上のゲストがメインなら、最上級の敬意を表す正礼装でお迎えするのが基本です。ですが会場のタイプによっても選ぶ衣裳は変わってくるので、迷ったら会場のスタッフに相談してみてください。
Q.和装vs洋装など、両家で着たい衣裳が違ったらどうする?
岩下先生からのアドバイス
親の服装で大切なのは両家の格を合わせること。和装の正礼装(留め袖)に洋装の準礼装(短い丈のドレスなど)では格が合いませんが、和装の正礼装に洋装の正礼装(ロングドレスなど)であれば釣り合いが取れるので、問題ありません。
Q.親が着る衣裳の費用って、子どもが負担した方がいいの?
岩下先生からのアドバイス
親に結婚式費用を援助してもらっていたり、両家の親の衣裳の値段が大きく違ったりする場合などは、両家の親それぞれに払ってもらう方が自然。親の経済事情を考え、子どもが払った方がいいと思うならひと声掛けて。
From 編集部
服装の「格」を合わせると、自然とバランスも取れる
両家の衣裳のレベル・バランスを揃えるために大事なポイントとなるのは、両家の服装の「格」を合わせること。カジュアルに行うのか、きちっとした服装にしたいのかをまずは話し合ってみよう。加えて、会場に合わせた服装・衣裳を心掛けることも大事。イベント会場や式の雰囲気に合わせて、参加者がその場になじむような服装・衣裳を心がけてくださいね。
岩下宣子先生 マナー講師・現代礼法研究所代表
時代に合うマナーの心を若い人にも分かりやすく伝える。企業や学校などでマナーの指導をするほか、執筆活動など幅広く活躍。
構成・文/島袋芙貴乃 イラスト/田中麻里子
※掲載されている情報は2019年10月時点のものです
※記事内のコメントは2019年8月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」のメンバー76人が回答したアンケートによるものです
- 親あいさつ
- 結婚報告
- 結納・食事会
- 結婚準備全体
- 顔合わせ食事会のマナー
- 悩み解決
- 安心したい