プロのヘアメイクさんに聞いた! 「こんなオーダーは困ります」
最近の花嫁ヘアメイクは、はっきりとした“なりたいイメージ”やこだわりを持ってオーダーしている花嫁さんが多い一方、オーダーの仕方でヘアメイクさんが困ってしまうこともあるようです。ヘアメイクさんに気持ちよくオーダーを受けてもらい、自分も満足できるヘアメイクに近づくために、大人気のヘア・スタイリスト金子真由美さんに、ヘアメイクオーダーで困ることについて聞いてみました。
「髪の長さが足りない!」 物理的に無理なオーダーは困ります~!
「最近人気の編みおろしなど、仕上がりの印象に比べて、思った以上に髪の長さが必要なヘアスタイルがあります。長さが足りない場合、ヘアメイクさんによっては、エクステをして対応してくれる場合もありますが、問題は前髪です。例えば横に流す、後れ毛をつくるなどは短ければ物理的にできないのです。エクステという手も使えません」(金子さん)
解決策はありますか?
ヘアサロンさんでは、ヘアアレンジをしないところもあり、希望のアレンジにどのくらいの長さが必要かわからない場合もあります。そのため、ヘアメイクリハーサルまでは、ヘアカットせず、極力伸ばしていただき、そこで切る長さを相談していただくと安心です。
ふんわり⇔ウエット、順番を考えない質感のオーダーは困ります~!
「今、トレンドのウエットヘアなど、髪の質感をオーダーする人も多くなっています。同じく人気のゆるふわですが、もし、ウエット⇒ゆるふわでチェンジを希望する場合、シャンプーをしなければチェンジはできないのです。オールバックなどがっちり固めたヘアからのゆるふわヘアへのチェンジも同じです」(金子さん)
解決策はありますか?
シャンプーはブライズルームの設備的にも、お色直しの時間的にも厳しいことがほとんどです。ウエットヘアやがっちり固めるヘアと、それ以外のヘアをどちらもしたい場合は、ウエットヘアを最後にするように、順番を調整しましょう。
メイクもアクセも“盛り盛り”なオーダーは困ります~!
「メイクやヘッドドレス、イヤリングやネックレスなどのアクセサリーなど、こだわって大切に選ぶ方はとても多いです。ただ、一つ一つはかわいくておしゃれでも、全部合わせたときに、過剰すぎてアンバランスな印象になってしまうことも多々あるようです」(金子さん)
解決策はありますか?
ヘアメイクリハーサルでは、ヘアやメイクだけでなく、ヘッドドレスやアクセサリーなど、全て実物か画像を用意して臨むのがオススメ。メイクは最初は薄めからスタート。ヘッドドレスやアクセサリーも着けたところでいったん確認し、そこから調整していくようにしましょう。また、メイク、ヘッドドレス、アクセサリーの中でこだわりたいものの優先順位を決めておくと、判断しやすいですよ。
細かすぎるメイクのオーダーは困ります~!
「最近は、しっかりとしたオーダーシートを作っている花嫁さんも多く、基本的にはとても助かっています。ただ、トレンドや理想を追いすぎたり、“自分にはこれが似合う”という思い込みが強いケースも。例えば使うコスメを提示されて『これでお願いします!』と言い切られてしまうと、ベストなご提案がしづらいということがあります」(金子さん)
解決策はありますか?
理想や希望だけでなく「似合う」ヘアメイクをしたいなら、「自分はこう思っている、こうしたい」と伝えつつも、「いかがですか?」と提案の余地を残すような伝え方をしてもらえると、とてもありがたいです。例えばコスメの色みが同じ赤でも、肌色によっては別の色を足すなど、微妙な調整をすることでベストな提案ができます。
ヘアメイクさんが「うれしい」オーダーのポイント
【1】式当日に近い格好でリハーサルに臨む
「ウエディングドレスと同じ白い服で来ていただくと、当日に近い状態で仕上がりを確認できます。色だけでなく、首周りの開き具合も近い感じだと、アクセやヘアのバランスも確認しやすいのでオススメです」
【2】アクセサリーや小物をリハーサルに持参する
「式当日、風が強くて後れ毛の量を調整したり、ベールダウンした際に長さが足りず、シニヨンの位置を変更したということもありました。式直前はバタバタしますので、事前に調整できることはしっかりやっておきたいもの。用意が難しい場合は、サイズ感がわかるように撮影した画像があると安心です」
【3】OK例だけでなくNG例も伝える
「NG例があるとお望みのスタイルがギュッと絞られるので、とても助かります。一つだけでなく、できれば複数あると傾向がつかめるので嬉しいです」(以上、金子さん)
卒花さんの工夫点もチェック!
ヘアカラーしたて、マツエクしたてで当日に近い状態でリハーサルに臨みました。あえてフルメイクで行き、普段の私がわかるようにしたのもポイント。ヘアメイクさんにも、作りたいイメージを想像しやすくて良かったと言われました。(Erinaさん)
ローポニーが毛量の関係でうまくできなかったため、ヘアメイクさんからハーフアップを提案されました。ハーフアップのダウン部分をピンで中央に寄せてローポニー風にできるか提案したらうまくまとめてもらえました。(さやかさん)
こういう髪型だと顔が大きく見える気がするなど、自分がコンプレックスに感じていることもしっかり伝えました。(柴田奈緒子さん)
やりたくないものだけを伝え、後はヘアメイクさんが似合うと思うスタイルでお願いしました。ドレスと合わなくてゲストからしたら変と思われても嫌なので、ベースは自分がしたいより、客観的に見てドレスや自分に合うものをお願いしました。(清水聡美さん)
From 編集部
“理想”プラス“似合う”ヘアメイクを実現するために
希望のヘアメイクをしっかり叶えたいなら、やっぱりヘアメイクさんとのコミュニケーションが大事! せっかくプロにお願いする機会なので、ぜひ今回の声を参考に、希望を叶え、かつ似合うヘアメイクを実現してくださいね!
金子真由美さん ヘア・スタイリスト
@kanekomayumi12
「BOTTOMS」所属のヘア・スタイリスト。“大人かわいい“と “こなれ感“を両立したアレンジが得意。インスタグラムでは「#かねこアレンジ」が話題を集め、現在までに5冊のヘアアレンジ本を出版。2019年6月には、新たなウエディングヘア本『#かねこウェディング 』(amzn.to/2vmHFDg)も発売されたばかり
構成・文/小松七恵 イラスト/黒猫まな子
※掲載されている情報は2019年6月時点のものです
※記事内のデータならびにコメントは2019年6月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」メンバー93人が回答したものによるものです。
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