いくら包む? 結婚生活のお悩みあるある「冠婚葬祭」のお金
冠婚葬祭で包むお金やお返しの品物選びは金額の相場が難しい。特に結婚するとその機会も増えるから、これでいいの?という不安も。そこで、先輩花嫁へのアンケートで「私も悩んだ」と答えた人が多かったものについて、マナーの先生に相場や考え方を聞きました。
【お悩み1位】ふたりの結婚の内祝いは?
結婚式に招待したゲストからは、当日ご祝儀を頂いたけれど、出席できなかった親戚からたくさん頂いてしまった! 半返しが相場って聞いたことあるけど、こんなに高額の品物、買うに買えない……などと悩んだ花嫁も多いよう。
先輩花嫁たちも悩みました!
半返しが相場と聞いたけど、親しい叔父・叔母など、100万円、50万円レベルの現金を頂いた方々には、半額のものも高額すぎて気軽に買えず、困りました。ではどのくらいお返ししたらいいのかと迷った末、甘えることにしました。(瑠璃さん)
半返しが相場だと思い、きちんとしたものを贈ろうと思っていましたが、彼が3分の1でよいと言うので、そのようにしました。自分の親戚にはきちんとお返しができたけど、夫の親戚には少し手を抜いてしまった印象のお返しとなってしまい、今後の付き合いに影響しないか不安。(K.Yさん)
マナーに詳しい岩下先生に聞きました!
結婚式に出席しなかった方からお祝いを頂いたら、お返しの品物を贈るのがマナー。
基本的に頂いた額の2分の1から3分の1の金額を目安に、相手に喜んでいただけそうな品物を選んで贈りましょう。
例えば10万円以上の高額のお祝いをいただいた場合は、お返しは1/3くらいでも構いませんが、ごく親しい親族なら、感謝の気持ちだけは十分に伝えて、素直に甘えて頂いてしまっても。親戚や親の知人へのお返しは、結果的にお互いさまになるような配慮が必要なこともあるので、どうすればよいか親に相談しましょう。
【お悩み2位】親族の長寿のお祝いは?
60歳の還暦に始まり、70歳の古希、77歳の喜寿、80歳の傘寿、88歳の米寿など、長寿を祝う節目の年齢はたくさん。親と祖父母を合わせると、数年置きに誰かしらのお祝いの年がやってきそう。そのたびに何がいいか考えるのは大変!と悩んだ花嫁もたくさんいます。
先輩花嫁たちも悩みました!
義父の還暦祝いは義母が取り仕切って温泉に行きました。そして、来年は義母の還暦祝い。ここは長男の嫁である私が取り仕切るべきなのか悩んでいます。(Y.Zさん)
近くに住んでいる私の親の長寿のお祝いは豪華な旅行にしました。でも、遠くに住んでいる彼の親へのお祝いは贈り物にしたので、金額にすると大きな差が出てしまいました。(N.Hさん)
マナーに詳しい岩下先生に聞きました!
高齢の人は欲しいものはすでに持っていることも多いもの。長寿のお祝いは品物や現金よりも、思い出になるものを贈りましょう。
食事会や旅行など一緒に楽しめる機会を作れば、金額の大小に関係なく、家族共通の思い出という最高のプレゼントになります。
住んでいるところが遠いなどで会うことが難しい場合は、1万円から2万円程度の品物か商品券を贈るのも良いでしょう。
【お悩み3位】おいっ子・めいっ子へのお年玉は?
結婚すると周囲からも一人前として認められ、それまでお年玉をあげていなかった人もあげるようになることが多いよう。自分が子どもだったときのことを考えても、ケチだと思われたくない、でも大人になるまで続けることを考えると初年度は慎重にいきたい、など「今後」のことまで考えなくてはならないのが難しいところです。
先輩花嫁たちも悩みました!
彼のお兄さんの子どもが2歳ですが、あげるかどうか悩んでいます。私はあげたほうがいいかと思いますが、彼にはまだ小さいからいいんじゃないかと言われました。お金ではなく、お菓子とか、お金も小銭でいいかなと考えています。(nutsさん)
私の家ではいとこにお年玉をあげる風習がなかったけれど、彼のところはその風習がありました。いとことはいえ、年も彼とそんなに離れていないので、なぜあげているのか謎。今後どうするか要検討です。(A.Mさん)
マナーに詳しい岩下先生に聞きました!
お正月に夫婦の兄弟や親戚が集まる場合は、その子どもたちへのお年玉を準備しておきたいもの。金額は、お小遣いをもらっている子なら、1カ月分くらいが目安。小学生なら1000円から3000円、中学生以上は5000円からが目安です。
まだお小遣いをもらっていない小さな子なら、おもちゃや絵本などの物を贈ってもいいでしょう。
中身も大事ですが、お年玉袋にもひと工夫。小さい頃はかわいいキャラクターの入ったものでも、金額がアップするにしたがって大人っぽいものを。子どもが成長を実感できるようなものにしたいですね。
まだある! みんなが悩んだ冠婚葬祭のお金
金額よりも「気持ち」を贈ることを考えて
ほかにも冠婚葬祭のお金にまつわる悩みはたくさん。先輩花嫁たちから「悩んだ」という声が多く寄せられたものについて、岩下先生から目安を伺いました。
●親族や友人への出産祝い → 5000円から1万円が目安
自分が出産する前後には、友人や彼の兄弟姉妹の出産も同時期に重なることが多いもの。その場合、親しい関係なら、お祝いはお互いさまでなしにしてもOK。
●夫婦で招待された結婚式のご祝儀 → 5万円が目安
ひとりなら3万円が目安ですが、ふたり連名なら5万円が目安。2で割れる数字は避けるのがマナーです。
●ふたりの引っ越しの内祝い → 半額または自宅に招待
現金で頂いたなら半額くらいの品物をお返し。親しい人や品物で頂いた人には、自宅に招待して料理をごちそうしてもいいでしょう。
From 編集部
金額にとらわれすぎず、喜んでもらえる贈り方を
冠婚葬祭のお金は、一度きりのものもあれば、今後続いていくものも。失礼のないようにしたいけど、高額なものを気軽に買えない、今後ずっと続けるのが難しい……そんなときは金額にとらわれすぎず、喜んでもらえる贈り方を考えて。金額が安くても、例えばメッセージカードを添えて贈るなど、気持ちを込めたことが伝わるだけでも印象は変わるはず。喜んでもらえることを第一に考えて贈りましょう。
岩下宣子先生 「現代礼法研究所」代表
時代に合うマナーの心を若い人にもわかりやすく伝えてくれる。企業や学校などでマナーの指導をするほか、執筆活動など幅広く活躍
構成・取材・文/前川ミチコ イラスト/七月マイ
※記事内のコメントは2018年12月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」のメンバー92人を対象に実施したアンケート調査によるものです
※掲載されている情報は2019年2月時点のものです
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