【そのまま使える&アレンジOK】結婚式の「両家代表謝辞」文例集
結婚式を締めくくる両家代表謝辞。両家のどちらかの親が行うことが多く、どんなふうに作ればいいか悩んでいる親も多いのではないでしょうか。この記事では、手紙の書き方講師の青木多香子さんのアドバイスを基に、両家代表謝辞の基本の構成と文例、さらにアレンジの文例をご紹介します。ぜひご参考に。
最初に知っておきたい。両家代表謝辞の基礎知識
結婚式を締めくくる大切なあいさつ。数少ない親の出番でもある
両家代表謝辞はその名の通り、両家を代表して1名がゲストへの感謝などを述べ、結婚式を締めくくるもの。新郎の父が行うことが多いのですが、新郎の父でなくても新婦の父や新郎の母、親代わりの親族などが行うこともあります。
内容は導入、本題(エピソード)、結びの3部構成で考えるのが一般的。本題(エピソード)は2つに分けて構成すると考えやすいでしょう。では、以下にそれぞれにどんな内容を入れるのかをご紹介します。
【導入】
スピーチする人の簡単な自己紹介(新郎新婦との関係を簡潔に)と、参列していただいた人への感謝の気持ちを伝えます。
【本題/エピソード1】
子どもについて具体的なエピソード(ポジティブなものが望ましい)を交えて話し、子どもへの思いを伝えます。
【本題/エピソード2】
結婚に際して、親としてどのような気持ちでいるか、人生の新たなステージに立ったふたりに対して何を期待しているかを述べます。
【結び】
列席者に対し、ふたりへの支援や今後の変わらぬお付き合いを呼びかけます。最後は改めて列席者への感謝を伝えます。
代表謝辞を作る際に気を付けたいこと ~文字量や忌み言葉~
・文章は簡潔にわかりやすく。文字数にして600~800字程度(ゆっくり話して2~3分くらい)が目安です。
・忌み言葉は避け、他の言葉に置き換えられるものはできるだけ変更します。なお、重ね言葉でも「ますます」「いよいよ」など、文章の中でポジティブな意味合いで使われる場合は、使用しても構わないという考え方もあります。
【忌み言葉】
去る、帰る、戻る、切れる、破れる、別れる、離れる、終わる、出る、返す、失う、割れる、捨てる、飽きる、冷える、短いなど
【重ね言葉】
返す返す、次々、重ね重ね、くれぐれ、徐々になど
・政治や宗教、プライバシーに関する話題(年齢、身体的特徴、出身、収入、学歴など)もできるだけ避けた方が無難です。
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アレンジもOK!シーンに合わせた文例集
ここでは「導入」、「本題」の2つのエピソード、「結び」の4つの構成ごとに文例とアレンジ文例をご紹介します。結婚式のフォーマル度や列席者層などに合わせ、ぜひご自身のケースに置き換えてみてください。謝辞は読んでもらうのではなく聴いてもらうもの。列席者に語りかけるようなイメージを持って作ると、本番でも自然で話しやすく、相手にも伝わりやすい謝辞に仕上がります。
【導入】自己紹介と参列者へのお礼を述べる
【導入】を考える際のポイント
<フォーマルな結婚式なら>
ただいまご紹介にあずかりました、新郎の父、●●●●●でございます。●●家、▲▲家を代表し、ひと言ごあいさつを申し上げます。本日はご多用中にもかかわらず、◎太・▲美の結婚披露宴にご臨席を賜り、誠にありがとうございました。その上、数々の温かなご祝辞や心のこもった励ましのお言葉を頂戴し、深く感謝しております。
<カジュアルな結婚式なら>
新郎の父、●●●●●でございます。本日はお忙しいところ、ふたりの門出に当たり、たくさんの方にお集まりいただき、誠にありがとうございました。皆さまからふたりへの愛に溢れたお祝いの言葉を数多くいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
導入のアレンジ例
<新婦の父があいさつする場合>
新婦の父、▲▲●太郎でございます。新郎父君の名代(みょうだい)として、僭越(せんえつ)ではございますが、両家を代表してごあいさつを申し上げます。本日は私どもの慶事にお運びいただき、誠にありがとうございました。
<新郎の母があいさつする場合>
新郎の母、●●▲子でございます。本日はふたりのために多くの方々にご列席いただき、誠にありがとうございました。天国の夫も息子の晴れ姿を見て、さぞかし喜んでいることと思います。
<親族のみの少人数ウエディングの場合>
新郎の父、●●●●●でございます。本日は、ご多用の中、新郎新婦のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。皆さまから祝福され、温かい言葉をかけていただいたことは、ふたりにとって何よりの幸せとなったはずです。心から感謝申し上げます。
【本題/エピソード1】成長した子どもへの思いを紹介する
【本題/エピソード1】を考える際のポイント
<フォーマルな結婚式なら>
◎太は小学生のときからバスケットボールに夢中で、「そこまでやらなくても」と心配することもありました。しかし、社会人になってもプレーし続けていたことで、▲美さんという素敵な女性と巡り合うことができました。会社で、チームで、皆さまに温かく支えていただいたおかげと感謝しております。
<カジュアルな結婚式なら>
私が入院中で弟たちの運動会に行けなかったときは、◎太が進んで父親代わりとなり、ビデオを撮り、親子競技に参加してくれました。気付くと、食器や洗濯物を片付けてくれるのはいつも◎太だと、妻も話しています。◎太は優しい子ですが、不器用な男です。そんな息子のよさを分かってくれる女性がいればいいなとひそかに思っていましたが、社交的で思いやりに溢れた▲美さんが息子を選んでくれたことに感謝しています。
本題/エピソード1のアレンジ例
<子ども時代の思い出を交えて>
小さな頃は体も小さく、ひ弱な印象だった息子も、小学校時代に空手と巡り合い、めきめきとたくましくなりました。当時からずっと続けていた空手がきっかけとなり、このような素晴らしい伴侶と巡り合うことができ、親としても喜ばしく思っています。
<結婚式の感想を交えて>
家では親には照れ臭いのか、努めて冷静に振る舞うことが多いので、このように皆さまに愛され、祝福されているのを間近で見るにつけ、驚きと嬉しさが募るばかりです。部長の●●さまをはじめ、多くの皆さまのご祝辞で、職場や趣味の場での息子の違う一面を知ることができ、大変ありがたく思いました。
<交際中のエピソードを交えて>
一歩引いて物事を俯瞰で見られるところが息子の長所ですが、はたから見ると少しおとなしく見えるかもしれません。ふたりの交際は3年にわたると聞かされましたが、そういえばその頃から性格が明るく、前向きになったと感じていました。▲美さんのおかげであったかと、はたと気付いた次第です。
【本題/エピソード2】結婚に際して、親が感じた気持ちや期待を述べる
【本題/エピソード2】を考える際のポイント
<フォーマルな結婚式なら>
このたび▲美さんという素敵な伴侶に巡り合い、新しい人生をスタートする運びとなりました。親としてこれほど幸せなことはありません。これからは▲美さんと共に支え合い、笑顔溢れる家庭を築いていってほしいと願っています。
<カジュアルな結婚式なら>
明るくしっかり者の▲美さんと、少し前のめりのわが息子はいいコンビではないかと思います。これからはふたりで支え合い、苦労も笑い合える夫婦となって、明るく幸せな人生を歩んでいってほしいと思っています。
本題/エピソード2のアレンジ例
<相手のエピソードを紹介>
初めて息子が▲美さんを紹介してくれたとき、「こんなかわいいお嬢さんがなぜうちの息子を?」と不思議に思いました。「◎太さんは真っ直ぐすぎるところもありますが、とても優しい方です」と笑顔でおっしゃっていただき、親ばかながら「よくぞわかってくれました」と嬉しく思いました。
<相手の親へのメッセージ>
まだ人生経験の浅い◎太ですから、▲美さんの親御さまは頼りなく思うかもしれません。しかし、これまで〇年間息子を見てきた親として、息子の誠実さだけは保証致します。▲美さんを伴侶として迎え、今以上に精進してくれることと思います。
<ふたりのエピソードを紹介>
交際期間中、わが家にもよく遊びに来ていた▲美さん。息子との会話を聞いているとまるで漫才のようで、いいコンビだなと思っておりました。めでたく結婚することになり、これほど嬉しいことはありません。
【結び】ふたりへの変わらぬ支援をお願いする
【結び】を考える際のポイント
<フォーマルな結婚式なら>
この先の人生において、いかなるときも、ふたりならきっと乗り越えていけるだろうと信じております。ご臨席の皆さまには、どうかこれからも変わらず、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)を賜りますようお願い申し上げます。結びになりますが、皆さまのご健勝とご多幸を祈念致しまして、両家代表のごあいさつとさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
<カジュアルな結婚式なら>
本日、晴れて夫婦となったふたりですが、親から見れば、未熟な点も多くございます。どうか皆さまには今まで通り温かな目で見守っていただけますと幸いです。結びに、皆さまのご健康とご多幸をお祈りし、お礼の言葉とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
結びのアレンジ例
<海外転勤するふたりへ>
1カ月後にふたりはアメリカへ旅立ちます。慣れない環境に戸惑うこともあるかもしれませんが、皆さんに祝福していただいたこの日のことを思い出し、力を合わせて、乗り越えていってほしいと思います。
<おめでた婚のふたりへ>
ふたりはこれから父と母になります。今後の人生は平たんな道のりばかりではないかもしれませんが、家族で力を合わせて、楽しみながら乗り越えていってほしいと思います。どうぞ皆さまには、ふたりを温かく見守っていただけますと幸いです。
<結婚式のお礼を兼ねて>
本日は皆さまから温かなご祝辞や励ましのお言葉を頂き、私どもにとりましても感慨深い一日となりました。誠にありがとうございました。親から見ればまだ未熟なところのあるふたりです。今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。
From 編集部
明るい雰囲気で簡潔に話すのがおすすめ!
結婚式の締めくくりとなるあいさつなので、新郎新婦をはじめ列席した人全員が明るく幸せな気持ちになれるような内容にしたいものです。約2時間30分の式の締めですから、疲れを感じている人もいるでしょう。だらだらと話さず、簡潔に締めくくるのが、好印象を与えるポイントです。
青木多香子さん
Words and Hearts 株式会社 代表取締役
「テガミコ(R)」手紙コーディネーター
歌人の祖父、書家の母の影響を受け、幼少より短歌や手紙に親しむ。米国の大学でコミュニケーション学を学んだ後、広報・教育の仕事に従事。2014年より手紙の書き方講師として、セミナー・企業研修、新聞・雑誌等メディアを通して、想いを伝える手紙の力・言葉の力を広める活動を行う。
手紙の文章作成・代筆代行サービス「テガミコ(R)」https://tegami.co.jp/
取材・文/粂 美奈子 イラスト/寺澤ゆりえ 監修/青木多香子 構成/山崎裕香子(編集部)
※掲載されている情報は2023年9月時点のものです
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