【そのまま使える&アレンジOK】 心に残る「新郎の謝辞」文例集
披露宴の最後に行う新郎謝辞はゲストへの感謝や今後の抱負を表明するもの。いわば新郎からゲストへ心を込めて送る手紙といってもいい。ここでは、手紙文化振興協会の青木多香子さんのアドバイスをもとに、新郎謝辞の基本の構成と文例、さらにアレンジの文例をご紹介! ぜひご参考に。
<導入>出席してもらったお礼を伝える
新郎謝辞は基本的には、導入、本題、結びの3部構成で考える。導入部では結婚式に出席してもらったお礼をしっかり伝えて。結婚式の感想をひと言添えると、臨場感がアップ! そのときに話題になっていること、天気の話などを取っ掛かりにして、話を進めてもいい。
<導入>のアレンジ例
<雨の結婚式で>
本日はお足元の悪い中、私たちのためにお運びいただき、誠にありがとうございます。お互いに意地っ張りで、交際中はぶつかることもあった私たちですので、まさに「雨降って地固まる」といったところではないでしょうか。
<連休中の結婚式で>
3連休の最終日という貴重なお休みにもかかわらず、私たちのためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。せっかく足をお運びいただく皆さまに、少しでも楽しい時間を過ごしていただきたいと、ふたりで一生懸命計画をした結婚式でした。いま、皆さまの笑顔を拝見して、ホッとしているところです。
<最初に自分の気持ちを伝える>
挙式から披露宴まであっという間だったというのがいまの率直な感想です。皆さまから温かなお祝いの言葉を掛けていただき、胸がいっぱいになりました。本日は私たちのためにお集まりいただき、本当にありがとうございました。
<本題1>ゲストへの感謝の思いを表現する
謝辞の核となる本題では、結婚式を迎えての気持ちやゲストへの感謝の思いなどを伝える。当日の出来事を踏まえて、話を組み立てることができれば、ゲストから共感が得られるはず。
また、全体に向けて話すよりは、ゲストそれぞれに向けて話した方が、親しみが増す。例えば、●●会社営業部1課の皆さん、■■高校サッカー部のみんな、などというように、具体的に名前を挙げて気持ちを伝えるようにするのがおすすめ。
<本題1>のアレンジ例
<親族へ向けて>
おばあちゃん、遊びに行くといつも作ってくれるコロッケ、大好きでした。これからはふたりで遊びに行くから、いつまでも長生きしてね。おじさん、おばさん、今日は遠いところからわざわざ来ていただき、本当にありがとうございました。
<友人へ向けて>
結婚式の準備でいままでの人生を振り返ったとき、大学時代に▲▲ゼミのみんなといろいろな話をしたことが、いまの僕の核になっていると実感しました。これからも変わらぬ付き合いをよろしく。
<職場の人へ向けて>
▲□部の皆さま、何もわからない新入社員の頃から丁寧に指導していただき、一人前に育てていただいたこと、本当に感謝しています。結婚したことでさらに飛躍し、仕事でも今以上に貢献していきたいと考えています。
<本題2>両家の親や彼女へのメッセージを添えて
新郎は一般的には親への手紙を読まないので、謝辞の際に自分の親や相手の親へのメッセージを折り込んでもいい。あるいは、彼女への思いや決意表明を伝えても。そうすると、謝辞もぐっと引き締まった雰囲気になる。
<本題2>のアレンジ例
<彼女へのメッセージ>
▲美、交際中はけんかもたくさんしましたね。でも、それはお互いが心を許し、信頼し合っているからこそだと、僕は思っています。これからもけんかしながら、仲良く過ごしていきましょう。頼りにしています。
<相手の親へメッセージ>
学生時代から交際していた僕たちを、いつも温かく見守ってくださった▲美さんのお父さんとお母さん、いままでありがとうございました。頼りないかもしれないけれど、これからは僕が全力で▲美さんを支えていきます。任せてください。
<自分の親へのメッセージ>
きょうだいが多く、家計面では苦労することもあったかと思うけれど、そんなことはおくびにも出さずにいつも温かく包んでくれたお父さん、お母さん、本当にありがとう。いままで苦労を掛けた分、これからは親孝行するから、楽しみにしていてください。
<結び>未来につながる明るい言葉で締めよう
結びは、これからの抱負や今後の支援をお願いする言葉で締めくくる。未来につながるような明るく前向きな内容で、ゲストが思わず「頑張れよ!」という声援を飛ばしたくなるような雰囲気で締めくくりたい。
<結び>のアレンジ例
<おめでた婚の場合>
▲美がなんとか体調を崩さずに、今日のこの日が迎えられましたこと、大変嬉しく思っております。今後は生まれてくる子どもと3人で、笑い声が絶えない家庭をつくっていく所存です。
<結婚後に転勤する場合>
結婚後は▲美とふたり、新天地で頑張ることになります。慣れない土地での生活は何かと大変な面もあるかと思いますが、ふたりで力を合わせて進んでいきたいと思います。どうぞ皆さまも変わらぬお力添えをよろしくお願い致します。
<職場結婚の場合>
私たちは今後も同じ職場で頑張ってまいります。夫婦とはいえ、仕事上では営業成績を競い合う良きライバルとして、切磋琢磨(せっさたくま)していく所存です。皆さまにはこれからも変わらず、ご指導いただけますと幸いです。
From 編集部
3部構成で言いたいことをコンパクトに
結婚式の締めくくりでもあるので、あまりだらだらせずにキュッとまとめるのが好印象につながる。話す時間はだいたい2~3分。文字数にして600~800時程度がおすすめ。具体的なエピソードを入れてゲストに共感を持ってもらえるようにするのがポイント。言いたいことをしっかり整理して、ゲストの心に残る新郎謝辞を!
青木多香子さん 一般社団法人 手紙文化振興協会認定・手紙の書き方マスターコンサルタント
歌人の祖父、書家の母の影響を受け、幼少より短歌や手紙に親しむ。米国の大学でコミュニケーション学を学んだ後、広報・教育の仕事に従事。2014年より手紙の書き方講師として、NHK Eテレ『オトナヘノベル』出演ほか、テレビ・ラジオ・雑誌・セミナー等を通じて活動。講師育成にも努めている。
ブログ『手紙、おくります。』 http://fanblogs.jp/tegamigift/
構成・文/粂 美奈子 イラスト/Ricco.
※掲載されている情報は2018年3月時点のものです
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