感謝が伝わる♪ 結婚式の「席札メッセージカード」の書き方&文例集
結婚式に足を運んでくれたゲストへの感謝の気持ちをしたためる席札メッセージカード。基本的な書き方や構成のポイントなどを、手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの青木多香子さんに教えていただきました。友人や上司、同僚、親戚などゲスト別にお手本の文例もご紹介しますので、ぜひご参考に。
ゲストへの席札メッセージカードってどんなもの?
席札メッセージカードとは、席札(ゲストの席を示すためにテーブルに置く、ゲストの名前が書かれた札)とメッセージカードが一緒になったもの。表面にはゲストの名前が書かれ、中面や裏面などにゲストそれぞれに宛てたメッセージを記すのが一般的です。
席札を手に取ったときそこにメッセージがあれば、きっとゲストも嬉しい気持ちになるはず。披露宴が始まる前のひととき、新郎新婦からの温かな思いを受け取ったゲストは、これから始まるパーティをワクワクして迎えられることでしょう。
何を書いたらいいか分からないという人もいるかもしれませんし、絶対に書かなくてはならないものではありませんが、手書きでひと言でも添えられていると、ふたりの感謝の気持ちがゲストへより伝わるはず。時間が許せば、ぜひチャレンジしてみてください。
なお、基本的には新婦のゲストへは新婦が、新郎のゲストへは新郎が書きますが、共通のゲストであれば連名でメッセージを書くといいでしょう。メッセージはどちらかが代表して書き、最後にそれぞれが署名すれば大丈夫です。
席札メッセージカードの基本の書き方
席札メッセージカードの書き方には、特にルールはありません。ただし、結婚式というおめでたい席で、目上のゲストも招待していることでしょうから、慶事の手紙の基本的なマナーは押さえたいもの。相手が不快に思わないための席札メッセージの書き方マナーをご紹介します。
忌み言葉や重ね言葉に気を付けて
結婚式の文書やスピーチでは、「切る」「別れる」「終わる」「離れる」など別れや不幸を連想させる忌み言葉や、「たびたび」「わざわざ」「重ね重ね」などの重ね言葉は使用しないのがマナー。また、終止符を打たないという意味で句読点は打たず、文頭の一字下げもしないのが一般的です。これは席札メッセージカードでも同様と考えてください。
黒やネイビーのインクで、大きく分かりやすい文字で
筆記具は席札の紙質に合わせ、インクがにじまず、色が乗りやすいものを選びましょう。まずは予備のカードに試し書きをして、仕上がりをチェックしてください。基本的には万年筆やボールペン、サインペンなどがお勧め。鉛筆はNGです。
インクの色は基本的には黒やネイビーなどで。気心の知れた友人などへはカラーインクを使用してもいいかもしれませんが、基本的には黒系がお勧めです。文字は分かりやすさを心掛けて。達筆でなくても構いません。丁寧に心を込めて書くことが大切です。
「感謝」→「エピソード」→「締めの言葉」の3文構成が基本
席札は小さく、書くスペースもそれほど大きくはないので、メッセージは3文程度で簡潔にまとめるのがお勧めです。構成は「感謝」→「エピソード」→「締めの言葉」を基本としましょう。
1文目にまず記したいのは、結婚式に列席してもらったことの感謝。
2文目には相手に向けたメッセージを記します。相手との出来事で楽しかったことや印象に残っていること、感銘を受けたことなどを記します。
そして、3文目は締めの言葉。自分たちの決意や相手を思いやる言葉、相手へのお願い、相手との今後のお付き合いなど。「ますように」「を込めて」などの“おまじない言葉”を使ってもいいでしょう。
1文目:「感謝」の文例
本日はご列席くださりありがとうございます
今日は遠くから来てくれてありがとう
ご多用中のところご列席いただきありがとうございます
2文目:「エビソード」の文例
いつも温かくお見守りくださり感謝しています
○○さんが仕事に打ち込む姿勢を尊敬しています
いつも相談に乗ってくれてありがとう
おばあちゃんが編んでくれたマフラー 今も大切にしています
○○さんご夫婦は私の憧れです
3文目:「締めの言葉」の文例
感謝を込めて
これからもよろしくね
結婚後も変わらぬお付き合いをお願いします
私たちの友情がこれからも続きますように
今日は思いきり楽しんでいってね
これからは夫婦共によろしくお願いいたします
<ゲスト別>席札メッセージカードのお手本文例
ゲスト別に感謝が伝わる書き方や喜ばれるポイントを青木さんに聞きました。お手本の文例も一緒にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【上司・恩師へ】喜ばれるポイント
上司や恩師の行動や言葉などで印象に残っていることや感銘を受けたものについて具体的に書くといいでしょう。また、今後の意気込みなどもさりげなく添えると好印象。
<上司へ>
いつも温かくお見守りくださり感謝しています
○○さんの冷静沈着
かつ情熱的な仕事ぶりは私の憧れです
結婚後も変わらぬご指導を
どうぞよろしくお願いいたします
<恩師へ>
遠くから足をお運びいただきありがとうございます
先生から学んだ「諦めない心」は
今も私を勇気付けてくれています
今日はかつての仲間も集まってくれています
思い出話にも花を咲かせ
楽しいひとときをお過ごしください
【仕事関係の人へ】喜ばれるポイント
相手の言動で印象に残っていることや、仕事で助けられたりしたことなどを、具体的なエビソードと共に書くと喜ばれるでしょう。「これからもよろしく」の気持ちも添えて。
<職場の先輩へ>
お忙しい中来ていただきありがとうございます
失敗ばかりの私をいつもサポートしてくださり
感謝しかありません
今後は少しでも先輩のお力になれるよう
より一層頑張ります
<職場の同僚へ>
今日は来てくれてありがとう
いつも悩みや愚痴を聞いてくれて感謝しています
○○ちゃんが頼りになるからつい甘えちゃうんだ
これからは○○ちゃんにも頼られる女性を目指します!
また一緒に飲みに行こうね
<職場の後輩へ>
今日は出席してくれてありがとう
しっかり者で優しい○○ちゃんには
いつも助けられています
またケーキ食べに行こうね
これからもどうぞよろしく!
<仕事でお世話になっている人へ>
本日は足をお運びいただきありがとうございます
いつも温かくお見守りいただき 感謝しております
結婚後も精進してまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします
【友人へ】喜ばれるポイント
嬉しかったこと、楽しかったこと、励まされたことなど、ポジティブな思い出をピックアップ。友人に語り掛けるようなくだけた文章でも問題ありません。
<幼なじみへ>
今日は遠くから来てくれてありがとう
○○ちゃんと公園で遅くまで遊んだ日のことを
懐かしく思い出しています
大人になってもいつも話を聞いてくれる
○○ちゃんは私のかけがえのない大事な人です
今日はどうぞ楽しんでいってね
<高校・大学時代の友人へ>
出席してくれてありがとう
3年間吹奏楽部で○○ちゃんと
一緒に頑張った経験は私の宝物です
今日は演奏の余興も引き受けてくれてありがとう
すごく楽しみにしています!
【祖父・祖母へ】喜ばれるポイント
祖父・祖母との楽しかった思い出を書きましょう。感謝の気持ちはもちろん、祖父・祖母の体をいたわるような言葉も一緒に添えると喜んでもらえるはずです。
<祖父へ>
今日は元気な姿を見せてくれてありがとう
かわいがってくれたおじいちゃんに
絶対に花嫁姿を見てもらいたかったから
本当に嬉しいです
体を大切に長生きしてね
<祖母へ>
今日は出席してくれてありがとう
お母さんに叱られて反発したときも
おばあちゃんが優しく諭してくれたおかげで
素直になることができました
おばあちゃんが編んでくれたマフラー
まだ大切にしているよ!
これからも温かく見守っていてください
【おじ・おば・いとこなどへ】喜ばれるポイント
書くことが思い浮かばなければ、お祝いに来てくれたことへの感謝の気持ちや披露宴を楽しんでほしいことなどを伝えるだけでも構いません。
<おじへ>
今日はご列席くださりありがとうございます
いつもにこにこと優しいおじさんに会うたびに元気をもらっていました
今後も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします
<おばへ>
今日はご列席くださりありがとうございます
お菓子作りの上手なおばさんの家に遊びに行くのは
幼い頃の私の楽しみでした
チョコクッキー おいしかったなー
私が家を出て 母も寂しいと思います
これからも母と仲良くしてくださいね
<いとこへ>
お忙しいところ今日はどうもありがとうございます
○○ちゃんが幼い頃からの夢を叶え
看護師として活躍しているのは
わがことのように嬉しいです
今日はリラックスして楽しんでいってね
【おいやめいなど子どもゲストへ】喜ばれるポイント
優しい言葉遣いで親しみやすく。その子どものよいところなどに触れて、今日一日を健やかに楽しんでほしいことを伝えましょう。
<おいへ>
いつも元気いっぱいの○○君へ
○○君の笑顔にいつも元気をもらっています
今日は○○君の大好きなハンバーグがあるよ!
いっぱい楽しんでいってね
<めいへ>
大好きな○○ちゃんへ
今日はフラワーガールをしてくれてありがとう
かわいい○○ちゃんは私の自慢です
これからも一緒に遊ぼうね
【親へ】喜ばれるポイント
気取らない言葉で感謝の気持ちをつづりましょう。ふたりと親との今後の関係について前向きな言葉で伝えるのもお勧め。親の健康を気遣う言葉もお忘れなく。
<父へ>
お父さん 今までどうもありがとう
バレエ、水泳、英語教室、留学……
好きなことを何でもやらせてくれたこと
本当に感謝しています
おかげで今の私があります
これからはしっかり親孝行させてね
<母へ>
お母さん わがままを言ったり
反発もしたり いろいろあったけれど
今となってはすべてに感謝です
これからは○○さんと力を合わせて頑張っていくね
いつまでも大好きだよ これからもよろしくね
書くことが思い付かない相手へは?
あまり話したことがない親戚やしばらく疎遠になっていた人、グループでのお付き合いで個人的にはあまり話したことがない人などを結婚式に招く場合、書くことが思い浮かばないときもあるでしょう。そんなときはその人に対して感じていること、その人が自分にとってどんな存在であるかを考えてみて。また、自分に置き換えてみて、言われたら嬉しいと思う言葉を探すのも一つの方法です。
例えば、「いつも朗らかで場を和ませてくれる○○さん」、「エレガントな振る舞いは私の憧れです」、「これからもますますご活躍されることを願っています」、「久しぶりにお目にかかれるのを楽しみにしていました」など。写真などを見返して、記憶を掘り起こしてみるのもお勧めです。
席札の手作り&アレンジアイデア
席札はさりげなくふたりらしさを出せるアイテム。メッセージはもちろん素材やデザインに凝ってみると、ゲストにもっと感謝の気持ちが伝わるでしょう。次からご紹介する席札についてのお役立ち記事を参考に、ふたりらしい席札&メッセージを考えてみて。併せて招待状や席次表などペーパーアイテムの基礎知識や準備のダンドリの記事もチェックしてみましょう。
ふたりらしい席札のDIYアイデアはこちら!
席札にもふたりらしさを加えることで、ゲストにもっとおもてなしの気持ちが伝わるはず。下記の記事から個性をプラスする席札のDIY方法を見てみましょう!
席札やペーパーアイテムの基本はこちら!
席札をはじめとするペーパーアイテムは結婚式にはなくてはならない存在。これから準備を始めるという人は、その種類やダンドリなど下記の記事でチェックして。
席札ギフト・エスコートカードのアイデアはこちら!
ゲストのためにギフトにもなる席札や席次表の代わりに利用するおしゃれなエスコードカード・エスコートボードなど、ちょっぴり個性的なアイテムを用意するのも手。詳しくは下記の記事をチェック!
From 編集部
相手を思ってさりげないコメントを
席札メッセージはたくさんのことを書く必要はありません。3文構成を基本にコンパクトにまとめるのがポイント。相手と過ごした日々を思い出し、感謝の気持ちを込めてしたためましょう。心を込めて書けば、メッセージは短くともその思いは相手にも伝わるはずです。
青木多香子さん 一般社団法人 手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
歌人の祖父、書家の母の影響を受け、幼少より短歌や手紙に親しむ。米国の大学でコミュニケーション学を学んだ後、広報・教育の仕事に従事。2014年より手紙の書き方講師として、NHK Eテレ『オトナヘノベル』、NHKラジオ第一「ごごラジ!」、TOKYO FM「日本郵便 Sunday’s Post」ゲスト出演ほか、テレビ・ラジオ・雑誌・セミナーなどを通じて活動。講師育成にも努めている。
ブログ『手紙、おくります。』 http://fanblogs.jp/tegamigift/
取材・文/粂 美奈子 イラスト/Ricco. 構成/小堀そら(編集部)
※掲載されている情報は2019年11月時点のものです
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