#01|友人スピーチの種類
大きく分けると「友人代表スピーチ」と
「テーブルスピーチ」の2種類
友人代表スピーチ
前に出て話すスタイル。伝えたい思いを自分の言葉で語るスピーチです。スピーチの内容を手紙にまとめて来て、式後に新郎新婦に渡すのも◎。
テーブルスピーチ
テーブルにマイクが回ってくるスタイルのスピーチ。サプライズやインタビュー形式の場合は特に準備していくものはないけれど、うっかり失言しないよう細心の注意を払いましょう。
友人スピーチは、ただ祝福し思い出を語るだけではなく、自分の大事な友人(新郎や新婦)の人となりを、相手側のゲストに紹介するという役目も担っています。心温まるエピソードを盛り込んで、新郎や新婦の素晴らしい一面をアピールしてあげましょう。
#01 友人スピーチの種類
#03 友人スピーチ文例[全文紹介]
#05 事前に確認しておくことは?
#06 いざ本番、スピーチのポイント
大きく分けると「友人代表スピーチ」と
「テーブルスピーチ」の2種類
前に出て話すスタイル。伝えたい思いを自分の言葉で語るスピーチです。スピーチの内容を手紙にまとめて来て、式後に新郎新婦に渡すのも◎。
テーブルにマイクが回ってくるスタイルのスピーチ。サプライズやインタビュー形式の場合は特に準備していくものはないけれど、うっかり失言しないよう細心の注意を払いましょう。
ふたりの人となりなどを紹介しながら
5分程度にまとめましょう
スピーチの基本的な構成は以下の通り
1、あいさつ(目安/30秒)
2、自己紹介(目安/30秒)
3、エピソードを交えた新郎・新婦の紹介(目安/2分30秒)
4、お祝いの言葉(目安/1分30秒)
次から各項目について文例も交えて詳しく見ていきましょう。
ふたりへの祝福の言葉からスタート
「○○さん、△△さん、ご結婚おめでとうございます。今日の日が来るのを心待ちにしていました。かしこまるとうまく話せなくなってしまいそうなので、いつものように△△ちゃんと呼ばせてください」
新郎(または新婦)との間柄などを簡潔に述べます。
「新婦の△△ちゃんとは、大学の入学式で運命的な出会いをしました。偶然にも同郷ということですぐに親しくなり、夏休みや冬休みにはよく一緒に帰省しましたね」
ふたりの人柄や長所が伝わる話を、具体的なエピソードを交えて。
「△△ちゃんのすごいところは、質素倹約を苦にせず楽しくこなしていたこと。家庭教師のアルバイトを掛け持ちしながらきちんと自炊し、毎日お弁当を持参していたことを思い出します。そんな頑張り屋の△△ちゃんですから、結婚してもきっといい家庭を築いていくことができるはずです」
「幸せになってね」という新婦に向けた言葉と、「新婦のことをよろしく」と、自分の友人である新婦を新郎に託す言葉を添えて締めくくりましょう。
「これからは、優しい○○さんと仲良く歩んで行ってくださいね。○○さん、私の大切な親友△△ちゃんを末永くよろしくお願いします。おふたりの幸せを心よりお祈りしています」
形式にこだわらなくてもOK。サプライズで指名されることを想定し、新郎新婦の好感度がアップするようなエピソードを事前に準備しておきましょう。
「おおらかで優しい△△ちゃんが大好きです。嬉しいときもつらいときも、いつもそばにいてくれてありがとう。△△ちゃんの結婚が自分のことのように嬉しいです。○○さんと末永くお幸せに」
「ただいまご紹介にあずかりました、○○と申します。□□さん、△△さん、並びに両家の皆様、本日は誠におめでとうございます。
せんえつではございますが、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
大変緊張しているので、いつものように△△ちゃんと呼ばせてください。
△△ちゃんと初めて会ったのは高校の時、同じ陸上部に入部したことがきっかけでしたね。すごくほんわかした笑顔で「優しそうな子だな」と思ったことを今でも覚えています。
陸上部は毎日練習があって、私は正直、「今日はもうサボっちゃおうかな」と思うこともありましたが、△△ちゃんが毎日「頑張ろう!休んだらまた明日がつらいよ!」と励まし、私を部活に引っ張って行ってくれましたね。
練習中も常に周りに気を配り、辛そうにしている子がいるとすぐに声をかけていた△△ちゃん。私は自分のことで精いっぱいなのに、△△ちゃんは偉いなぁと、いつも思っていました。
社会人になってからお互い忙しく、会う機会も減ってしまいましたが、誕生日をちゃんと覚えていてくれて毎年連絡をくれる△△ちゃん、そんな優しくてしっかりものの△△ちゃんなのできっと素敵な家庭を築かれることと思います。
□□さん、△△ちゃんのことをどうぞよろしくお願いします。
おふたりの末永いお幸せを心より願い、私のスピーチとさせていただきます」
「○○さん、△△さん、このたびはご結婚おめでとうございます。両家のご家族やご親族の皆さまにも、心よりお喜び申し上げます。
私はただ今ご紹介にあずかりました、△△さんの会社の同僚、●●と申します。
はなはだ僭越(せんえつ)ではございますが、ひと言ごあいさつさせていただきます。
△△さんとの出会いは4年前、△△さんが新入社員として私どもの部署に配属になり、私が教育係になりました。
初めて会った日、緊張しながらあいさつをしていた姿を今でもよく覚えています。
音楽の趣味が一緒だったこともあり、すぐに仕事を超えて仲良くなりましたね。
プライベートでは一緒にフェスに行ったり、キャンプをしたり、一人っ子の私は妹ができたようでとても嬉しかったです。
一度会社で大きなトラブルがあったときのことを覚えていますか?
どうしても防ぎようのなかったトラブルに悔しくて涙を流した私を、△△ちゃんは「大丈夫です!何とかしましょう!」と励ましてくれましたね。
その時は△△さんのひと言に救われて、何とか事を収めることができました。
妹のように思っていた△△さんを頼もしく感じた瞬間でした。
いつも話に聞いていた〇〇さんとの結婚が決まったと聞いたとき、私は自分のことのように嬉しかったです。
△△さん、大好きな〇〇さんと結婚できてよかったね。
〇〇さん、私の妹を、どうぞよろしくお願いします。
今後は家族ぐるみのお付き合いができることを楽しみにしています。
おふたりの末永いお幸せを願って、私のスピーチとさせていただきます」
お祝いの場に
ふさわしい内容であることが大前提
忌み言葉が含まれていないかもチェック
仲が良いだけに共通の思い出もいっぱい。さまざまなエピソードを披露したい気持ちは分かりますが、話があちこちに飛んでしまうと、肝心の「伝えたいこと」が置き去りに。新郎・新婦の良いところをアピールするのがスピーチの目的の一つですから、それを引き出すための話を1つ2つ、厳選して盛り込むのがコツです。
「こんな人が友人なのか……」と、新郎新婦まで白い目で見られないよう、スピーチの内容には節度と責任を持って。元カレや元カノの話、聞いている方が恥ずかしくなるような下ネタなども厳禁です。羽目を外すのは友人だけで行う二次会まで取っておきましょう。
ふたりの思い出を語っているはずが、いつの間にか自分の話にすり替わってしまわないようご注意を。
例えば「テニス部で一緒に県大会へ行ったのが良い思い出です」で済ませるべきところを、「あの後、〇〇ちゃんは残念ながらテニスをやめてしまったけど、私は今でも頑張ってるよ。おかげで10年間ずっと体形を維持できています」に変わると、何がおかしいのかお分かりですよね。
たとえカジュアルな雰囲気の結婚式でも、フォーマルな場であることには変わりありません。言葉遣いがくだけすぎていたり、仲間内にしか通じない略語などを連発すると、眉をひそめる人も。「親しき仲にも礼儀あり」を肝に銘じて。
おめでたい結婚式では、縁起が悪い「忌み言葉」を避けるのが常識です。
うっかりスピーチで使わないよう気を付けつつ、原稿を作成しましょう。
【重ね言葉】重ね重ね/重々/次々/たびたび/しばしば/くれぐれも
【再婚を連想】繰り返し/再び/戻る
苦しい、悲しい、忘れる、負ける、衰える、色あせる、病気、亡くなる、涙、泣く、滅びる、しめやかに、悪い
別れる、離れる、終わる、切れる、割れる、破れる、壊れる、捨てる、去る、消える、なくす、流れる、ほどける
「話してほしくないこと」を確認
スピーチのタイミングも尋ねておきましょう
友人の名前を間違える人はいないと思いますが、お相手の名前の読み方などには要注意。
間違っていることに気付かず、思い込んで覚えていることもあるので、必ず友人に確認しておきましょう。
誰にでも、みんなの前で言ってほしくないことの一つや二つはあるもの。何でも話せる間柄とはいえ、うっかり触れてしまうと本人を動揺させてしまうだけでなく、友情にヒビが入る恐れもあります。
逆に「ここは積極的に語ってほしい」という要望があれば、忘れずスピーチ原稿に盛り込んでおきましょう。
スピーチを行うタイミングが分からないままでは、いつかいつかと身構えて、食事も喉を通りません。
登場するタイミングを、式当日、会場スタッフに確認しておけば心積もりができるので安心です。
友人として、心から祝福している気持ちを
前面に出しましょう
友人スピーチに求められるものは「温かい言葉と知られざるエピソード」。ふたりの人となりを親しい友人ならではの言葉で語りましょう。
姿勢を正して話しましょう。背筋を伸ばすと堂々として見え、声も出しやすくなります。
1点を見つめるのではなく、なるべく大勢のゲストの顔を見て話しましょう。ふたりに呼び掛けるシーンでは、新郎新婦とアイコンタクトを取ると緊張がほぐれます。
何と言っても笑顔が基本です。「信頼できる間柄なんだな」と思ってもらえるよう、温かい雰囲気で。
作り込んだり気取ったりせず、いつものペースと話し方で大丈夫。その方が新郎・新婦に伝わります。
最初に「緊張してしまうので」と、断りを入れた上で、書いたものを読む分には問題ありません。とはいえ、ずっと手元を見ながら話すのはNG。時々顔を上げて、新郎新婦やゲストに視線を向けましょう。
友人スピーチの原稿は、新婦に贈るも持ち帰るも自由ですが、せっかくなら、スピーチ後に手紙として新郎新婦に贈るのはいかがでしょう。##s##言葉で祝ってもらうだけでなく、祝福の気持ちを手紙という形でプレゼントしてもらうことができれば、新郎新婦もきっと喜んでくれるはずです。結婚式が終わってしばらくたった頃に、もう一度読み直して、結婚式当日を思い出せるのも嬉しいポイントです。##e##
友人スピーチの場合、急ぎ用意した紙を使用することもありますが、##s##スピーチ後に手紙にして新郎新婦に送る場合は、素敵な便箋と封筒を用意するようにしましょう。##e##濃くて目立つ色みよりかは、結婚式という場にふさわしい、白や淡い色味で上品なものを選んでおくのがおすすめです。
##s##渡すタイミングに決まりはないため、いつでも構いません。##e##スピーチが終わった後そのまま手渡したり、歓談時間の新郎新婦と話せるタイミングで手渡したりするのも良さそうです。
岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。