Wedding Manual
結婚式で使える「袱紗(ふくさ)」の色・柄は?ご祝儀の包み方&渡し方マナー
皆さんは結婚式のご祝儀袋をどのように持参しますか? 中には買ったときの透明な袋に入れて持っていく人もいるのでは。ご祝儀袋は「袱紗(ふくさ)」に包むのが正式なマナー。お祝い事にふさわしい袱紗の種類の選び方から、具体的な使い方までじっくりご紹介します。
#01|袱紗(ふくさ)とは
金封を運ぶ際に包む風呂敷のようなもの
社会人としてぜひ用意しておきたい
そもそも「袱紗(ふくさ)」とは、贈答のための金品を、汚さずに包んで運ぶためのものでした。贈り物を丁寧に扱うことは相手への礼儀であり、現在でも、##s##結婚式やお悔やみの際には、袱紗に金封を包んで持参するのがマナー##e##です。もちろん相手の目にも触れるものですから、お祝い事には明るい色を、弔事には抑えた色のものを用います。これからも使う機会はたくさんあると思うので、まだ持っていない人は、この機会に購入を検討してみてはいかがですか。
#袱紗の選び方1|種類は何がある?
袱紗には、大きく分けて
「ケースタイプ」「包むタイプ」の
2種類があります
袱紗にはさまざまな種類があり、タイプによって形や使い方(包み方)が異なります。それぞれにメリットがあるので、使い勝手や見た目、値段などを検討しながらお好みの袱紗を選びましょう。なお、結婚式ではどの形を選んでもマナー的に問題ありません。
■「ケースタイプ」の袱紗の特徴
金封袱紗
長財布やクラッチバッグのような形状で、ご祝儀をそのままサッと挟んで使えるカジュアルな袱紗。開閉も楽なので使い慣れていない人におすすめ。手頃な価格のものも多く揃っています。
■「包むタイプ」の袱紗の特徴
風呂敷(手袱紗)
正式とされているのが一枚布で包む風呂敷タイプの袱紗。使用後はそのまま畳むことができるので、小さなバッグを持つ人におすすめ。正絹のものだと3000円くらいから入手できます。
爪付き
風呂敷タイプの袱紗に爪が付いているもの。バッグの中で包みが開かないので、そのままの形で取り出すことが可能です。こちらも素材によってさまざまな価格のものが用意されています。
台付き
包みの内側に、金封をのせる台をセットできるタイプの袱紗。台は慶弔がリバーシブルになっていることが多く、ご祝儀を包む際には赤の面を使用します。台付きなので形崩れしにくいメリットも。台付きタイプの袱紗の中には爪付きのものも、爪なしのものもあります。
#袱紗の選び方2|結婚式では
色や柄はなんでもいいの?
ご祝儀には明るい暖色系の色が基本で
柄の派手すぎないものがおすすめ
■袱紗の色
結婚式のご祝儀など慶事に使う袱紗は、##s##赤みがかった暖色系##e## 。赤やピンク系、オレンジ系のほか、ベージュなど華やかで明るい色を選びましょう。ちなみに紫色は慶弔どちらでもOKで、「包むタイプ」の袱紗によく使われている色でもあります。
attention 色選びの注意点
寒色系の青系、緑系、グレーなどの沈んだ色は弔事用なので、結婚式の際には使いません。購入時に迷ったら、「慶弔両用」もしくは「慶事用」と書かれているものを選ぶようにしましょう。
■袱紗の柄
正式とされているのは柄の入っていない無地の袱紗ですが、結婚式などの慶事では、多少柄が入っていても問題ありません。松竹梅や小桜、亀甲、鶴といった縁起の良い柄を選ぶといいでしょう。
caution 柄選びの注意点
慶事の場合は柄入りの袱紗を選んでも構いませんが、弔事の際には華やかさを避けなくてはならないため、無地の袱紗を選んだ方が無難です。慶弔両用でどうしても使いたい場合は、菊などの織り柄が入ったものなどを選ぶようにしましょう。
#袱紗の正しい包み方
ポイントは「左から包む」と「右開き」
■「ケースタイプ」の袱紗の包み方
ケースタイプのものは挟むだけなので難しくはありませんが、慶事用は「右開き」が正しいルールです。左手で袱紗を持ち、右手で開けてご祝儀袋を取り出した際に、表書きが見えるようご祝儀袋を収めておきましょう。
■「包むタイプ」の袱紗の包み方
袱紗の包み方は上のイラストを参考にしてみよう
リバーシブルの台が付いた袱紗の場合は、まず暖色の台を表にします。表書きを上にしたご祝儀袋を置き、袱紗を折っていきます。最初に左から折り、次に上→下の順で折ったら、最後に右を裏側へ巻き込むように折り畳んで完成です。留め金付きの袱紗の場合は、包みが開かないようしっかりと止めておきましょう。
attention 「弔事用」の包み方との違いに注意!
ケース型は慶事とは逆の「左開き」になります。包み型の場合は慶事とは逆に右から折っていきます。金封をのせる台も弔事用のものを使いましょう。
#袱紗に包んだご祝儀の渡し方
受付で袱紗に包んだまま取り出し
相手に名前が読めるようにして渡す
STEP1
受付に着いたら、袱紗を開いてご祝儀袋を出し、自分の順番を待ちます。このとき、##s##自分から見て“右開き”になるように##e##袱紗を持っておきます。
STEP2
受付の番が来たら、あいさつをしながら袱紗からご祝儀袋を取り出します。さっと畳んだ袱紗をお盆代わりにして上にご祝儀袋をのせ、両手で差し出します。このとき、ご祝儀袋の名前が読めるよう、袱紗の上でご祝儀袋を回転させ、##s##相手の正面に向けて渡す##e## のがマナーです。
こちらも
#袱紗が用意できない場合はどうする?
大ぶりのきれいなハンカチや
小ぶりの風呂敷などでも代用可能
風呂敷があれば、見た目も袱紗に近いのでベストですが、おすすめはみんなが必ず持っているハンカチ。折り目が付いていると間に合わせに見えてしまうので、##s##アイロンをかけて##e##おきましょう。##s##折り方は「包み型」の袱紗と同じ##e##。むき出しのまま渡すよりも丁寧な印象なので、袱紗がない場合は代用してみてください。パールなどのチャームの付いたヘアゴムで留めると、華やかな上バッグの中でもハンカチが開かず安心です。
#結婚式のご祝儀について
こちらも併せてcheck!
結婚式にご祝儀は付き物ですが、相手との関係性によってはいくら包めばいいのか迷ってしまいますよね。金額の目安はあっても、状況は人それぞれ異なるのが難しいところ。今回は一般的なご祝儀相場に加え、結婚祝いのさまざまなケースについて分かりやすく説明します。
結婚式に持っていく祝儀。実はその「ご祝儀袋」の書き方やお札の入れ方、包み方にはマナーがあることをご存じですか? ふたりの門出を祝う結婚式では縁起を担ぐことも多いので、きちんとマナーを知っておけば安心。祝福の気持ちも込めて包みましょう。
結婚式に招待されたら、祝福の気持ちを込めてご祝儀を持参するのがマナー。実はご祝儀袋にも、水引やのし、紙の色など選び方のルールがあるんです。人生の門出を祝う結婚式、それぞれのシーンにふさわしいご祝儀袋を選んで祝福の気持ちを伝えたいですね。
「現代礼法研究所」主宰。マナーデザイナーとして企業をはじめ、学校、商工会議所、公共団体などでマナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、『ゼクシィ』でも悩める花嫁への愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
取材・文/南 慈子 イラスト/itabamoe 構成/紺矢里菜(編集部)
※掲載されている情報は2022年9月時点のものです