【結婚式レポートin静岡県】諦めていたドレス姿。彼が叶えてくれました
つらくてもいつも笑顔の新婦。誰もが心から祝福
「ドレスの立ち姿を叶えてあげたい」。雅一郎さんは、カウンターチェアを改造。ウエディングドレスと同じ、白基調の手作り車椅子を、3カ月間ほぼ毎晩作業をして作り上げた。座っていても、まるで立っているかのような姿勢を保つことができる、まさに特注の車椅子。大聖堂での後ろ姿も、ガーデンでの乾杯シーンも、由里香さんのドレス姿の美しさは際立っていた。
36歳の時、不慮の事故で車椅子生活を余儀なくされた由里香さん。「当時はどん底まで落ち込み、幼い頃から憧れていた結婚式も諦めていました」。雅一郎さんとの出会いが、由里香さんの人生を大きく変えた。「長年闘病しており、話すこともできなかった母。会える時に会った方がいいと勧めてくれたのも彼でした。10年ぶりの母との再会は本当に嬉しかった」と由里香さん。母はその直後に逝去した。事故以来、由里香さんの面倒を一生見る覚悟を決めた父は、介護のためにと毎日筋トレに励んでいた。その役目を雅一郎さんが引き受けた。当日、車椅子への移乗に、雅一郎さんが由里香さんを何度も抱え、どんな時もふたりはお互いの手を取り、ほほ笑み合った。ゲストは心からの祝福の言葉をふたりに届け続けた。
亡き母に代わり、父がベールダウン。「本当にいい人と出会えてよかったね」と祝福した
バージンロードは弟と父に車椅子を押してもらった
フラワーシャワーは雅一郎さんが由里香さんをお姫さま抱っこで
雅一郎さん特製の車椅子。車輪付きで移動も楽。花柄のシートは100均で購入。どこにもない世界で一つだけの由里香さん専用車椅子
大聖堂での挙式。ロングベールが映える。由里香さんはハイチェアに座り、自然な立ち姿だった
かつてアイドル活動をしていた由里香さん。当時の映像を見ながらゲストはコンサートのようにサイリウムで盛り上げた
雅一郎さんの父も12年前にバイク事故で他界。腕時計は父の形見。由里香さんはネイルもブーケも大好きなヒマワリで統一
常に手を取り合い、由里香さんを気遣う雅一郎さん
ヒマワリをあしらったケーキ
テーブルラウンドで雅一郎さんの家族と。母の手には父の写真が
盛り上がったラッキードラジェの演出
記念品贈呈では、父は母の写真を持って臨んだ
雅一郎さん(39歳)
由里香さん(41歳)
挙式日:2024年7月21日
会場:ロイヤル セント ヨーク
ゲスト:35名
絵を描く共通の趣味で意気投合。直筆の手紙で感謝を伝える由里香さんに惹かれ、2年の交際を経て結婚。
※ゼクシィ静岡版2024年12月号より転載
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