【結婚式レポートin静岡県】親子3人、ちょっぴり素直になれたかもしれませんね
演出はシンプルにふたりらしくがふたりのこだわり
人前式でふたりはひと言も言葉を発しなかった。誓いの言葉もない。「結婚式はイベントのように盛り上がるものではなく、これまで関わってくれた方々に食事と会話を楽しんでもらうためのものというのが私たちの考え方なんです。挙式で誓いの言葉を自分たちで述べるのは恥ずかしくて……」と英里さんは笑う。英里さんの父はとても厳しく、人生の節目には、自分の意見を正座をして話さなければならない“儀式”があった。決して反対されるわけではないが、常に考えて行動することを教えられてきた。「今さら父と二人で飲みに行くなんて絶対にありません。父も私も頑固者なので」。母もかなりの意地っ張りで、結婚が決まって家を出る時も「犬が寂しがっているよ」と気持ちを犬に代弁させるところは、自分に似ているかもと英里さんは語った。
終始クールな印象だった英里さんと母。その表情が大きく緩んだのはお開き直前の記念品の贈呈だった。3800gと大きかった英里さんの体重米を手にした母と英里さんは大笑い。わずかに口元に笑みを浮かべた英里さんの父と3人。「結婚式という特別な空間が、素直にさせてくれたのかもしれませんね」。英里さんは静かにほほ笑んだ。
テラスでのアフターセレモニー。写真を撮る友人らに交ざって、隅でこっそりカメラを向ける英里さんの父。英里さんが目の前にいた挙式中は一枚も撮影していなかった
集合写真で笑顔を見せるふたりを、英里さんの父は目を細めて見つめていた
ウエディングケーキは身長178cmの英里さんに合わせて4段に
同じ会社に勤務するふたりの、同僚や上司らも祝福に駆け付け、ゆったり歓談を楽しんだ
智成さんの父の謝辞の冒頭「車掌なので、車内放送みたいですみません」の言葉に会場が沸き、智成さんも思わず笑顔に
親への手紙を気丈に読んだ英里さん。終盤、大きな瞳から一粒涙がこぼれた
「特別な演出はしませんが、プロフィールブックとBGMにはちょっとこだわりました」と英里さん。レトロな雰囲気の街中で撮影した写真の冊子を配り、昭和の歌謡曲が会場に流れた
静岡茶を使ったデザートをリクエスト
職場の上司や同僚が多く、きちんともてなしたいと、格式が感じられるクラシカルな会場を選んだ
静岡県在住
吉田智成さん(29歳)
英里さん(29歳)
挙式日:2023年11月11日
挙式 ・ 披露宴会場:GRANDAIR
招待客:92名
同郷で大学もUターン就職先も同じ。長年英里さんを気にしていた智成さんが、2022年にようやく声をかけた。
※ゼクシィ静岡版2024年3月号より転載
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