【結婚式レポートin三重県】お父さん、見てるよね。たくさんの人が祝ってくれたよ
町を挙げての時代絵巻のような祝賀イベント
一身田の町の魅力を発信するために、年に1組、町が和婚をプロデュースする『一身田しあわせ和婚』。「挙式会場となる高田本山に眠っている父に、花嫁姿を見せたいと思って応募しました。偶然今の仕事の担当地区も一身田なんですよ」。生後2カ月で父を亡くした友紀さんにとって、高田本山は幼い頃からの心のよりどころでもあった。そんな縁が運を引き寄せたのか、友紀さんは憧れの十二単(ひとえ)に袖を通すこととなった。
「一身田は、特に思い入れのある町です。ここで町の人に祝福してもらえるなんて、最高ですね」と友紀さん。時代絵巻のような高田本山での仏前式では、少し緊張の面持ちだったが、その後、見慣れた町並みでのパレードでは終始笑顔。紅白の旗を持った町の人が人力車を取り囲み、「おめでとう」の声が町中から届いた。途中、ふたりとも大好物という老舗しょうゆ屋のみたらし団子や菓子を振る舞うなど、交流の時間も楽しみ、およそ2時間のパレードが終了。すぐに色打ち掛け姿のまま、母と姉、そして拓也さんと向かったのは敷地内にある父が眠る納骨堂。友紀さんは、この日の青空のようなあでやかな花嫁衣裳で手を合わせ、父との静かな語らいの時間を心に刻んだ。
母と姉の女3人で生きてきた。「どんなときでも助け合い、どこに行くのも一緒です」。そんな友紀さんの晴れ姿に、母と姉も「感無量です」
露店なども並び、町中が祝賀ムード一色に。パレードの出発式には、津市長がふたりへの祝辞を述べた
160年以上の歴史を誇る、地元・下津醤油の名物のみたらし団子。この日は紅白特別バージョンの“みたらしタワー”。ふたりがタレを掛けて振る舞った
子どもたちにはお菓子の振る舞いも
町の人たちから、ふたりへのメッセージカードも寄せられ、ふたりの元へ。「こんなにたくさんの方に来てもらえるなんて思っていなかったので感激しました」と友紀さん
納骨堂で。「写真でしか知らない父ですが、いつも心の支えです。これからも見守ってねとお願いしました」
仏前式も一般の人に公開。会場には幼い頃から友紀さんを可愛がっていたという近所の人も駆け付けていた
パレードの最後は紅白の餅まきと全員でのバルーンリリース。これだけの人が集まるとひときわ華やか
三重県津市在住
川上拓也さん(32歳)
友紀さん(33歳)
挙式日:2019年11月17日
会場:高田本山周辺(三重県)
共通の趣味が車とモータースポーツ。趣味仲間の集まりで2016年出会う。2019年令和初日に婚姻届を提出。
※ゼクシィ東海版2020年6月号より転載
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