【結婚式レポートin東京都】ふるさとに想いはせる大人のおもてなしです

そこは都会の別世界。常緑のツタ植物・イタビカズラが覆い尽くすどっしりした大木の門扉をくぐると、数寄屋造りの料亭がある。結婚を祝う琴の音色に導かれ、草履を脱ぎ、畳敷きの空間へ──。開け放つ窓の外には庭園が広がり、ニシキゴイが悠々と泳いでいた。「私たち、この景色が大好きなんです」と新婦。実は、ニシキゴイは新婦が生まれ育った新潟産。ふるさとの代表産業で、県民の誇りでもあるという。会場は85年以上の老舗だが、「家に帰った気持ちでリラックスしてほしい」と料亭ウエディングが始まった。
続々と到着する新婦友人たちは全員が着物で、すぐ横を流れる隅田川を眺めては特別な時間を楽しんでいる様子。館内の神殿で行われた神前式にも全員が参列し、鶴シャワーで華やかに祝福を。続く披露宴はふるさとの名産でおもてなし。八海山で祝杯を挙げ、新婦父が生育に携わった南魚沼産コシヒカリの手毬すしや、新郎の実家がある愛知名物・八丁味噌のアイナメ料理などが供された。料理人の新婦弟によるタイのお造りパフォーマンスは、みんな立ち上がり見守って拍手喝采。締めは名物の水たきでおなかいっぱいに。ふるさとを愛するふたりの記憶に残る門出になった。

「神聖な空間でしたが、不思議と心静かにリラックスした式に」とふたり。指輪交換の儀式も行い、鶴シャワーには笑顔がはじけた

色とりどりの着物で参列してくれた友人のおかげで、華やかな雰囲気に。天井からつるしたポンポンは新郎お手製

親族紹介では、新婦の３人の弟が和やかにあいさつを

新婦は憧れの白無垢姿。「春菜の一世一代のお披露目だったね」と新郎は振り返る

だるまのケーキに、チョコで目入れを

新潟から参列してくれた小学校からの友人も、ニシキゴイを眺めてゆったり

「大学を中退し料理の世界に飛び込んだ弟を、親族は心配していました。彼の活躍を披露したい」と、弟がタイをお造りにするパフォーマンス。父は最前列でカメラを構え、母は最後尾で祈るように手を合わせてウロウロ

料理長によるメニューにも、アイナメ八丁味噌田楽焼や、南魚沼産コシヒカリの手毬すしを紹介

深紅のドレス姿の新婦は、父と初めて腕を組んで入場。父は新郎の手をギュッと握って、固く握手

Profile

東京都中央区
麻田泰生さん（31歳）
春菜さん（29歳）

挙式日：2018年4月21日
会場：つきじ治作
招待客：55名

社外のビジネスセミナーで出会った。息抜きは食べること！新郎は新婦の料理上手な一面にも引かれたそう。

※ゼクシィ首都圏版2018年10月号より転載

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