ふたりだけのオリジナル!手作り結婚指輪【LGBTQ+カップル実例】
LGBTQ+カップルのマリッジリング(結婚指輪)の物語をお届け。今回登場するトランスジェンダーの彼と彼女は、完全オリジナルなハンドメイドのリングを手作りしました。その工程や楽しさ、結婚式での指輪セレモニーなどレポートします。
LGBTQ+カップルのマリッジリング(結婚指輪)の物語をお届け。今回登場するトランスジェンダーの彼と彼女は、完全オリジナルなハンドメイドのリングを手作りしました。その工程や楽しさ、結婚式での指輪セレモニーなどレポートします。
左:露木逢人さん(33歳)
右:聖愛さん(29歳)
元公務員の逢人(あいと)さんは、セクシャルマイノリティーの悩みを抱え29歳でホルモン治療を開始。聖愛(せいあ)さんとお付き合いを始め、性別適合手術を受け、戸籍の性別も変更して結婚へ。結婚式は葉山の海を一望するホテルで挙げた。
鎌倉の工房で結婚指輪を手作りする様子は
動画撮影もしてくれて、いとしい思い出になっている
婚姻届提出日と、聖愛さんが手描きしたイルカの絵を
そのままに刻印してもらった。ブルートパーズもキラリ
2つを重ねると、夫婦のように寄り添ったヤシの木が現れる。
「決して得意ではない絵が味になっている」と笑うふたり
友人たちとのスポーツイベントで知り合ったふたりは意気投合し、すぐに恋人に。プロポーズは2年記念日に逢人さんから。「婚約指輪はいらない」という聖愛さんに、仕事中も着けてもらえるようなシンプルな一粒ダイヤのネックレスを贈った。
日頃から指輪をよくオーダーする彼女は、「結婚指輪もオリジナリティー溢れるものに」と手作り工房をネット予約。当日に30分ほど打ち合わせて、素材やデザインを決めた。海が大好きなふたりはあえて結婚指輪っぽくせずに、自然モチーフを刻んだ伝統的なハワイアンジュエリーをセレクト。ホワイトゴールドで、表にはヒマワリ・プルメリア・波をデザイン。カジュアルになり過ぎないよう、太さはハワイアンジュエリーにしては若干細めの4mmにした。
打ち合わせ後は早速制作へ。ふたりが作るのは指輪の原型だ。硬めのろうそくのような素材を、ヤスリで削ってひたすら形を整えていく。彼は彼女の指輪、彼女は彼の指輪を作ることに──。制作に没入すると普段とは違う一面も見えて面白かった。「いつもはおとなしい彼女が意外に大胆で。エイッOK!って感じ。いつもは大胆な俺の方が丁寧に丁寧に繊細に作りました(笑)」
彼女のリングには、プルメリアの中心にダイヤをプラス
青いリングが結婚指輪の原型。指に着けたペアリングはお店からの
サービスで、当日に素材をたたいて作り、その日に持ち帰ることができた
ジュエリーショップというよりは、オシャレな工房という感じで気軽に入店できました。 最初にトランスジェンダー男性であることを打ち明けましたが、フラットに聞いてくれて。ゆったりした空間で、他のお客さんも気にせずに話せました。デザインは、事前にふたりのこだわりを書き出しておくと良いです。こだわればこだわるほど特別なものになります。(逢人さん・聖愛さん)
工房での制作から1カ月半後ぐらいに、待ちに待った結婚指輪が自宅に届いた。イメージ通りの仕上がりに感動。周囲に披露すると「見せて、見せて」の嵐で、特に2つの指輪を重ねるとヒマワリが咲く珍しいデザインに、興味を持ってくれる人が多かった。
結婚式は葉山の海を見渡すホテルで。祭壇からは、空と海が描く地平線と富士山も眺めることができた。人前式でその絶景をバックに指輪交換をすると、温かな拍手に包まれた。続く披露宴では、プロフィールムービーに結婚指輪を手作りしている動画もプラスして紹介できた。
今、結婚指輪は毎日着けていて「体の一部になった感じ」とふたり。「一生に一度の経験をして作った結婚指輪は、世界に一つしかないものです」と、オンリーワンの宝物になっている。
「南国への旅」をテーマにした結婚式では、
バスケットに貝を詰めてリングピローにした
【RING DATA】
訪問店舗:1店舗
完成までの期間:1カ月半
価格:ふたりで32万円
工房:CRAFY
結婚指輪や婚約指輪をハンドメイドすれば、数時間夢中になった制作も忘れられないものに。ふたりのように相手のリングを作って贈り合えば、結婚前にもう一つ、深い絆を築く時間になりそう。手取り足取りレクチャーしてくれるそうなので初心者でも大丈夫。手作りリングも候補の一つにしてみて。
構成・文/千谷文子 D/mashroom design
※掲載されている情報は2026年2月時点のものです