結婚式でフラワーシャワーがしたい!由来や花材、費用など徹底解説

ふたりを華やかに祝福するフラワーシャワー。舞い上がる花びらと「おめでとう」に包まれる幸せいっぱいのセレモニーは、フォトジェニックな瞬間でもあります。その由来やおすすめ花材、費用などを花に詳しいプランナー・竹屋弓子さんが解説。実例と共にご案内します。
ふたりを華やかに祝福するフラワーシャワー。舞い上がる花びらと「おめでとう」に包まれる幸せいっぱいのセレモニーは、フォトジェニックな瞬間でもあります。その由来やおすすめ花材、費用などを花に詳しいプランナー・竹屋弓子さんが解説。実例と共にご案内します。
竹屋弓子
ウエディングプランナー
関西・東京を中心に、全国の結婚式をプランニング。フローリストの経験を生かし、ブーケや装花などお花のアドバイスにも定評がある。会社名の「wedding produce coconoem」は、coconoe(九重=たくさん重なる)とem(咲む=花が咲く)を組み合わせた言葉。
フラワーシャワーの起源は、古代ローマ時代といわれています。豊穣(ほうじょう)を象徴する小麦を放ち、ふたりの豊かな未来を願ってお祝いしていたよう。後に小麦からライス、そしてフラワーに。花が持つ生命力あふれる香りは場を清め、幸せをねたむ悪魔や災難からふたりを守る意味も込められています。
フラワーシャワーの多くは、挙式退場時や式後のアフターセレモニーで行われます。式の緊張がほどけ、ゲストを間近に感じて祝福を受ける瞬間は特別なもの。「おめでとう!」という言葉に花が加わることで、祝福と喜びが視覚化されるのが大きな魅力。ゲストも自然と笑顔になる幸せな光景です。またさまざまなシャワー演出の中でも、フラワーシャワーはドラマチックに撮影しやすいようです。
挙式後、ルーフトップで乾杯・歓談をした後に白バラのフラワーシャワー。みんなの気持ちも温まる「乾杯後」というタイミングにこだわりました。楽しさが伝わってきて、迫力満点の写真も大満足。(もっちさん・みはるさん)
まずシャワーセレモニー全般について聞きました。7割のカップルがフラワーをはじめ、リーフ・フェザー・バブル・コンフェッティ・ライス・折り鶴などを用いたシャワーセレモニーを取り入れていました。
モチーフは、生花のバラがナンバー1人気。バラ以外の生花・造花のバラ・バラ以外の造花も加えると、8割がフラワーシャワーを行っている結果に。少人数ながらコンフェッティやバブルもいました。
バラの花色は、白いチャペルに合わせて白一色にしたり、クラシックな雰囲気をシックな赤で演出したりと、一色で統一するのも素敵ですが、複数色を組み合わせるとカラフルで可愛らしさが高まります。
色とりどりのお花が空を舞って、夢のような光景でした。大切な人たちの笑顔や祝福の言葉を間近で感じられ、一生忘れられない瞬間に。お花の香りも記憶に残っています。(Y.Tさん&Y.Sさん)
取材協力:ルグラン軽井沢ホテル&リゾート
バラにいろんな花材をミックスするとより華やかに。花びらにフリルがついているカーネーションはボリュームアップでき、花材をカーネーションだけにすると予算を抑えることも可能。細長い花びらのガーベラは色展開が豊富です。アジサイ・マトリカリア・デルフィニウム・キンモクセイなど花の形を残してミックスすると、足もとの景色が可愛らしく映えます。いろんな花材があると滞空時間に変化が生まれて、“舞っている感”が高まるのもポイントです。
みずみずしい生花を浴びて祝福されるなんて、生涯でも数少ない素敵な体験。ゲストも手のひらに花びらを配られた瞬間、「わっ♪」と心躍るものです。
ただ床に落ちて踏まれた花びらが、染みを作ってしまうことも…。特に真っ白なチャペルやホテルのじゅうたんなどでは、生花NGであることも珍しくありません。
そんなときに造花が活躍。色展開も豊富なので、ゴールド・シルバー・ブラウンなど生花にないような色で統一するのも簡単です。例えば赤で演出したい時、生花では入荷状況によって色合いにムラが生じるけれど、造花なら鮮明な赤を約束できます。リアルに近い造花も増えているので、専門店で選ぶのもいいですね。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
生花 | 自然の感触や香りを楽しめる | 床を汚すためNGの場所がある |
造花 | 場所を限定されにくい/カラー演出しやすい | 自然の風合いは感じられない |
「ホテルプランのフラワーシャワーは350円×人数分でした」(奈々さん)
ゲスト1人当たりの適量は、ゲストが両方の手のひらにこんもり入るぐらい。だいたいバラ一輪分です。
費用は会場やプロデュース会社によってさまざまで、1人当たり300~400円が一つの目安。「1人分×人数」「複数人分入ったかご×かごの個数」「プラン内料金」など計算方法はいろいろですが、1人当たりの相場は大きくは変わらないようです。
花びらを入れるコーンなどの器は、コンセプトに合った素材でイニシャルやメッセージを入れて、ふたりらしさを出せます。ただ手作りの場合、花びらが少量しか入らないことも多いので、適量を考えて作るのがおすすめ。
野外で行うことが多いフラワーシャワーは、真夏や真冬の挙式だと待機するゲストの負担になることも。その場で一人一人の手のひらに花びらを配るのではなく、事前にコーンやカップなどの器に入れて用意したものをゲストに配ると、進行がスムーズになります。
●バブルシャワー
退場シーンで、8台のシャボン玉マシン(1台300円)を用意。「自然光が降り注ぐチャペルで、滞空時間の長いシャボン玉がきれいでした」(梨里花さん)
●スパイダーシャワー
「バブルシャワーで退場し、スパイダーシャワーもプラスして特別感アップ」。クラッカー6本で2600円。(Ayanaさん)
●コンフェッティシャワー
「めちゃくちゃお祝い感があったけれど、新郎の髪から取るのが大変で、またそれもいい思い出(笑)」。材料費2000円。(こはるさん)
●リーフシャワー
「ナチュラル派の人におすすめ!ガーデンでのリーフシャワーは素敵なショットがたくさん撮れました!」。1人分200円。(麗加さん)
●フェザーシャワー
「クロージングキスとともにフェザーシャワーを。幻想的なシーンになりました」(じよんさん)
フラワーシャワーを受けているときのふたりの目に映る光景は素敵でも、写真を見返しての後悔も多いから気を付けて。
舞い上がるコンフェッティを目で追ったら、写真で鼻の穴が目立ってしまった…。上を見すぎないように。(Kさん)
写真では、どうしても花びらやバブルが顔にかぶってしまうので、仲の良い友人にムービー撮影をお願いしておくと安心。(まいさん)
その瞬間は最高に嬉しかったのだけれど、写真を見返したら残念な表情に…。テンションが上がっていてもカメラを意識して気を引き締めて。(てらゆめさん)
新婦側に新郎ゲスト、新郎側に新婦ゲストが並ぶことがあるようなので、事前にゲストの立ち位置がクロスしないようお願いしました。(杏実さん)
人気のフラワーシャワーについて歴史を振り返り、意味を知って、花材や費用などさまざまな情報をお届けしました。結婚式の一日の中でも、特に幸せな光景が記憶にも記録にも残るセレモニーなので、ふたりに合ったスタイルを検討してみましょう。
構成・文/千谷文子 撮影/ララシャンス伊万里迎賓館 加田龍太朗(サムネイル・タイトル上)、保田敬介(Y.Tさん&Y.Sさん) イラスト/篠塚朋子 D/mashroom design
※記事内のデータおよびコメントは、2025年4月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー93人、ならびに2年以内に結婚式を挙げた女性110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2025年6月時点のものです