
家族&親族のみの「結婚式+食事会」どう進める?費用&演出は?
家族のみの結婚式や、親族+ごく親しい人だけで行う結婚式の場合、披露宴の代わりに食事会を開くケースも少なくありません。今回は、さまざまな理由で少人数での「挙式+食事会」というスタイルを検討している皆さんのために、その流れや魅力をじっくり解説します。
INDEX
「挙式+食事会」スタイルの結婚式ってどんなもの?
家族や親族に見守られながら「挙式」をした後、主に飲食を楽しむ「食事会」でおもてなしをするスタイルのウエディングのこと。
挙式をせずに食事会だけを行ったり、食事会の合間の演出として挙式代わりの「誓いのセレモニー」を行ったり、中には写真撮影と食事会を組み合わせるケースなども。特に決まり事などがない分、ふたりの希望するスタイルで自由にアレンジすることが可能です。
[挙式+食事会] こんなカップルにお勧め!
・20名以下の少人数での結婚式を考えている人
・家族や親族のみで、両家の親睦を図る場にしたい人
・余興や演出多めの披露宴に抵抗がある人
・純粋に料理やお酒、歓談を楽しみたい人
・結婚式はしなくてもいいかな?と迷い中の人
「挙式+食事会」の内容と流れ
ここからは、「挙式+食事会」スタイルの結婚式の実情とつくり方をご紹介。さまざまな形の結婚式をオーダーメイドで手がけてきた、ウエディングプランナーの柴田美樹さん(Coco style WEDDING)にお話を伺ってみました。
【挙式】
挙式事情は一般的な結婚式とさほど変わりませんが、チャペルや神殿を使用せず、食事会の中で「誓いの言葉」のみを述べるケースもあります。
【司会者】
身内だけの食事会なので、司会・進行役は新郎新婦やきょうだいが担っても大丈夫。プロの司会者に頼まずに、プランナーや会場スタッフに依頼・相談する方法もあります。その際、流れが分かる台本を作って渡しておくとスムーズです。
【プログラム】
食事会といってもそこは結婚式。新郎新婦入場やケーキ入刀など、最小限の演出はあった方が場が和みます。順番にマイクを持ち、自己紹介タイムをつくるのもいいでしょう。一般的な披露宴のように分刻みのプログラムを作る必要はなく、のんびり進行できるのが食事会の良いところです。
【料理】
料理や飲物は、少人数での会食の方が単価を上げておもてなしをする傾向に。飲物については各自が好きなものを頼む方法もありますが、人数にかかわらずフリードリンクしか選べない会場もあるので、事前に確認しておきましょう。
【ギフト】
ギフトはケース・バイ・ケース。家族や親族だけなら引出物の体裁を取らず、お菓子などのちょっとしたギフトでも問題はありません。逆に、親族からは高額なご祝儀や援助金をもらうこともあるので、頂いたご金額に応じた品物を、後日改めて贈ってもいいでしょう。
【新郎新婦の衣裳】
食事と歓談がメインなので、一般的な披露宴と比べるとお色直しをする方は少なめ。中には挙式の時だけドレスを着用し、食事会では平服に着替えた上で、肩の力を抜いてゲストと一緒に食事を楽しむ新郎新婦もいらっしゃいます。
【席次】
上座・下座をあまり気にしなくてもいいのが、家族や親族だけでの食事会の良いところ。少人数だと1つのテーブルを全員で囲むことも多いと思いますが、席次を気にされる親族がいなければ、会話が弾みやすい席の配置を考えるのがお勧めです。
(Coco style WEDDING/柴田さん)
[Check!] 演出なら“スライドショー”がお勧め
家族や親族に好評なのは、新郎新婦の思い出の写真や映像。「食事会だと間が持つかな?」と心配な人は、アルバムやプロフィールムービーをぜひ用意しましょう。
もう一つのお勧めはスライドショー。食事会の間、ずっと会場内に流しておけば、ふとした時に会話のきっかけが生まれることもあります。(柴田さん)
「挙式+食事会」スタイルの結婚式の費用
「挙式+食事会」と、一般的な「挙式+披露宴」スタイルの大きな違いは出席者の人数。家族や親族のみだと10名以下ということも多く、親しい友人が加わっても20名程度で行うケースが目立ちます。人数が少ない分、料理や飲物、ギフト代などゲストに関わる部分の出費が抑えられ、その結果、総額も低めになります。ただし、これはあくまでも目に見える総額のことで、「自己負担額」が減るというわけではなさそうです。
その理由と「挙式+食事会」の費用のポイントを、再び柴田さんに聞いてみました。
【かかる総額】
ゲスト数や式の内容はまちまちなので一概には言えませんが、同じ会場で比較したとき、「挙式+食事会」スタイルの式の総額は、「挙式+披露宴」の半額~6割程度というケースも少なくありません。中には「予算をなるべく抑えたい」という理由で少人数での食事会を希望される方もいらっしゃいますが、人数に比例するご祝儀額のことを考えると、決して自己負担額が減るわけではないことも頭に入れておきましょう。
【抑えられる費用】
<会場費>
一般的に、規模に応じて料金が変わる会場費については、少人数向けの会場の方が単価も低め傾向に。またお食事の会場内で宴内人前式を行うと、その分の費用(チャペルなどの挙式会場費)をカットできる場合もあります。
<人件費>
少人数の場合はサービススタッフの人数が抑えられます。挙式を行わない場合や誓いの言葉を述べる演出程度なら、司式者(牧師など)を頼まずに済むケースも。音響照明のオペレーターや介添人、司会者なども場合によっては不要です。
<その他/衣裳・演出代>
食事や歓談がメインなので、お色直しをしない人も多く、衣裳代が抑えられます。演出も節目節目に最小限取り入れるというケースが目立ちます。
【意外とかかる費用】
<親の衣裳代>
身内だけだし、衣裳もそこまでこだわらなくてもいいのでは?と考えがちですが、多くの親御さんは「きちんと正装して臨みたい」と思うもの。新郎新婦であるわが子と一緒に写真を撮りたいという希望も多いようです。
<料理の単価>
人数が少ない分、総額は控えめですが、だからこそ「食事はお金のかけどころ」と決め、グレードアップ料理でおもてなしをするカップルも増えています。
(Coco style WEDDING/柴田さん)
[Check!] 少人数ならではの装花費用の抑え方
装花は卓数が少ないので総額は抑えられますが、それでも花材やアレンジにこだわるほど費用がかかるもの。予算に悩む人は、演出を上手に絡めて飾る方法をお勧めします。
例えば、卓上に席札を兼ねた一輪挿しを人数分並べ、そこに「ウエルカムフラワー」と称したお花をゲストに渡し、一輪ずつ飾ってもらうアイデアはいかがですか。フローリストにアレンジを頼まないので花材費用だけで済みますし、自ら参加することで楽しさも倍増です。(柴田さん)
「挙式+食事会」に適した会場の選び方
「挙式+食事会」にふさわしいのはどんな会場?柴田さんいわく、「結論から言えば、披露宴が行える会場はどれも対象になり得ます。人数やゲストの顔触れ、好みなどを考えながらベストな会場を探しましょう」とのこと。
【ホテル】
少人数用のバンケットや、スイートルームのほか、ホテル内のレストラン・料亭などで行うことができます。
【専門式場・ゲストハウス】
こちらも、最近少人数での式に対応したプランや会場を打ち出していることが多いので、気になる会場があれば問い合わせてみましょう。
【レストラン・料亭】
披露宴だとチャペルや控室を備えたお店が好まれますが、少人数での食事会の場合、個室さえあれば小規模なお店でも問題ありません。披露宴会場としての実績がなくても交渉の余地はあるので、気になるお店があれば直接尋ねたり、プロデュース会社に相談してみましょう。
(Coco style WEDDING/柴田さん)
【Check!】貸し切り使用の場合は「最低保証料」に注意
レストランなどで会場を貸し切って食事会を行う場合、「最低保証料」が設定されていることがあります。例えば「20名以下の場合」と設定されていると、その人数を下回った場合に実費にプラスして最低保証料を支払わなくてはいけません。少人数で行う際には、会場の料金システムを最初に確認しておきましょう。(柴田さん)
花嫁発!こんな「挙式+食事会」をしました
ここからは、卒花さんたちの「挙式+食事会」スタイルのウエディングをご紹介!検討中の皆さん、ぜひ参考にしてくださいね。

お互いのきょうだいを含め、両家でゆっくり会話する機会が持てました。自分たちも料理をしっかり食べることができて大満足です。(Nさん)
[NさんカップルのDATA]
会場/ホテルの少人数向けバンケット(定員20名弱)
挙式/キリスト教式
出席者/11名(両家の親、きょうだい、おい・めい、祖母)
料理/フレンチのフルコース(1名当たり2万円)
費用総額/約150万円
【どんな挙式+食事会?】
家族のみだったのでお食事と歓談中心。司会者は立てず、ホテルのスタッフの方が進行役を務めてくれました。取り入れたのは新郎あいさつやリングボーイへのプレゼント、親への手紙・ギフト贈呈など最小限の演出のみです。
【こだわったこと】
料理にこだわりました。通常だと5品のコースを4品のプレミアムコースにランクアップ。品数を減らしたことで配膳の回数が減り、会話の妨げにならずに済んで良かったと思います。
【工夫したこと】
装花代を抑えるために一輪挿しを用意。長テーブルを華やかに飾るためにはボリュームが必要でしたが、花瓶を置くことで少ないお花でも寂しく見えずに大正解!
また、お色直しよりも会話優先だったので、ドレスは2WAYタイプ1着で着回しを。スリーブを着け外しすることにより、挙式と食事会とで雰囲気を変えました。
[写真左]リングボーイを務めてくれたおいっ子へプレゼントを渡す花嫁
[写真中]デザートの一部を家族が好きな和風ゼリーに変更
[写真右]一輪挿しにアレンジした装花。少量の花でも華やかに

もともと披露宴を行いたいという願望があまりなかった私たち。身内だけでの食事会なら、アットホームな雰囲気で、気を使わず楽しい時間が過ごせると思いました。(ねもちんさん)
[ねもちんさんカップルのDATA]
会場/専門式場の少人数向けバンケット
挙式/キリスト教式
出席者/14名(両家の親、きょうだい、親戚)
料理/和食ベースのオリジナルコース(1名当たり約2万6000円)
費用総額/約128万円
【どんな挙式+食事会?】
食事会スタイルだったので、ちゃんと楽しんでもらえるかどうか不安でしたが、料理にこだわったことで、それが会話のきっかけにもなって楽しいひとときを過ごせたと思います。歓談の合間に新郎謝辞や花嫁の手紙、親へのギフト贈呈など、最小限の演出を盛り込みました。
【こだわったこと】
一番のこだわりはおいしい料理。ふたりの地元である茨城と熊本の郷土料理を取り入れたスペシャルメニューです。常陸牛のフィレや奥久慈卵の茶わん蒸し、つくば鶏の炊き込みご飯など、故郷の食材をふんだんに使ってもらいました。
【工夫したこと】
小さな子どもたちもいたので、上座・下座にこだわらず、過ごしやすい席次を考えました。
[写真左]ゲストと同じテーブルで食事や歓談を楽しむ新郎新婦
[写真中]ふたりの故郷の味を取り入れたオリジナル料理
[写真右]ギフトや小物も飾って華やかさを出したテーブル
From 編集部
結婚式を迷っている人は、ぜひ「挙式+食事会」も視野に!
「挙式+食事会」スタイルの結婚式は、披露宴と比べると準備するものが少なく、費用の面でのハードルも低め。さまざまな理由で披露宴を行うことをためらっているなら、ぜひ気楽に行える挙式+食事会を選択肢に加えてみてくださいね。

柴田美樹さん Coco style WEDDING/フリーウエディングプランナー
舞台照明の仕事を経験後、ウエディングプランナーへ転身。プロデュース会社・ゲストハウスで約6年ウエディングプランナーを務めた後、自身の結婚式を機に一度現場を離れるが、その後フリーウエディングプランナーへ。
オーダーメイドウエディングチームのCoco style WEDDINGで、「おふたりらしさを大切にした結婚式」を届けている。
構成・文/南 慈子 イラスト/pai 取材協力/Coco style WEDDING
※記事内のコメントは、2025年1月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー98人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年3月時点のものです
- 挙式・披露宴
- 式イメージ収集期
- 温かい
- 自由
- 家族の絆
- 一体感
- プライベート感
- アットホーム感
- 安心したい
- 少人数ウエディング
- 会食・食事会