［新婚旅行のためのパスポート］オンライン申請の仕方etc. 最新情報

顔写真ページがプラスチック基材になり、文字や顔写真をレーザー印字・印画

偽造・変造対策を大幅に強化する目的で、顔写真が入るページを今までの「紙」から「プラスチック基材」にチェンジ。氏名・生年月日などの文字や顔写真がレーザー印字・印画された新型パスポートです。

顔写真は３カ所に入り、１番小さいサイズの顔写真を傾けると生年月日が浮かび上がる仕様。パスポートを傾けると桜が浮かび上がります。

2025年3月24日に申請が受理される分から「2025年旅券」に変わります。現在所持しているパスポートは有効期限まで使えます。

窓口に行かず、スマートフォンやパソコンから申請

2023年3月から署名用電子証明書搭載のマイナンバーカードとマイナポータルアプリ対応機種のスマートフォンがあれば、行政手続きのオンライン窓口「マイナポータル」を通して、スマートフォンからパスポートの申請ができるようになりました。

今まで「新規発給のオンライン申請ができるのは一部の府県のみ」など制限がありましたが、2025年旅券の発行開始に併せて、2025年3月24日から日本全国で新規発給も更新（切替申請）もオンラインでできるように。

もちろん、今まで通り都道府県や市区町村の「パスポート（旅券）窓口」での申請も可能ですが、オンライン申請なら、24時間いつでも手続き可能。窓口に行くのはパスポートを受け取るときの１回で済みます。

新規申請、更新に加え、結婚に伴う氏名や本籍の変更による申請も可能に

パスポートの申請にもさまざまな種類があります。
2025年3月24日以降、日本全国で以下の申請がオンラインでできます。

１．新規申請
・初めてパスポートを取る人
・パスポートを持っていたことがあるが、有効期限が切れている人

２．切替申請
・今所持しているパスポートの残存有効期間が１年未満の場合の更新
・ビザの貼り付けや入国スタンプの押印などに使われるページ（査証欄）の余白が見開きで３ページ以下になった場合の更新

３．記載事項変更申請（氏名や本籍等を変更する）
・結婚等によって戸籍上の姓に変更があった場合　
・本籍の都道府県に変更があった場合
　※本籍が変更しても同じ都道府県内なら手続き不要。住所変更も手続き不要
・旧姓を別名として併記したい場合
・国際結婚等により配偶者の姓を別姓として追記したい場合など

４．パスポートの紛失届出（焼失、盗難含む）

マイナポータルアプリを使って顔写真や自署を登録

新規申請の場合（初めて取得する人・パスポートの期限が切れている人等）

１．マイナポータルアプリにログイン
●スマートフォンにApp StoreまたはGoogle Playから同アプリをインストール
●４ケタの利用者証明用電子証明書パスワードを入力
●マイナンバーカードをスマートフォンの裏にかざしてログイン

２．パスポート申請のページに進む
●トップページ下の「さがす」から「パスポート」で検索し、「パスポートの取得・更新」を押す
●申請する手続きを選ぶ（パスポートを取得する「新規申請」）
●パスポートの受取窓口の都道府県と市区町村を選択

３．写真と自署（直筆サイン）の登録と情報の入力
●スマートフォンのカメラで、パスポート用の顔写真を撮影※１
●自署を無地の紙に書いて撮影※１
●申請事前情報を入力（カナ氏名、緊急連絡先、メールアドレスなど）
●写真や自署、入力した情報を確認して「申請する」を押す
●署名用電子証明書パスワードを入力してマイナンバーカードを読み取ると申請完了

申請が受理されると、受付完了通知が届きます。

※１：先に撮って保存してあった顔写真や自署のデータをアップロードすることも可能

更新申請の場合（パスポートの残存有効期間が１年未満の人など）

基本的な流れは上記の新規申請と同じです。主な相違点は以下の通り。

●申請する手続きのところで「パスポートを更新する（切替申請）」を選ぶ

●所持しているパスポートの顔写真のページやICチップ（パスポート中央の厚いページ）をスマートフォンで読み取る

オンライン申請なら新規申請に必要な戸籍謄本が不要に

パスポートの新規申請や記載事項変更申請には戸籍謄本の原本が必要ですが、2025年３月24日以降は、申請者がマイナポータルで戸籍連携に同意の上、オンライン申請を行うと、戸籍情報（戸籍電子証明書）がシステム連携され、申請者は電磁的に戸籍謄本を提出したことになるため、戸籍謄本の原本の提出は不要になります。

窓口申請では今まで通り、新規申請や記載事項変更申請には戸籍謄本が必要になります。

2025年旅券は今までより日数がかかる！申請は旅行の１カ月前までに

今までのパスポートは各都道府県の旅券事務所などで作成しており、窓口申請の場合の申請から交付までの日数は土・日・祝日を除いて1週間程度でした。2025年旅券からすべて国立印刷局で作成するため、２週間程度と長くなります。

オンライン申請の場合、申請後の「審査」が終了してから交付までが２週間程度。申請後に訂正などが生じてもっと長くなる可能性もあるので、旅行の１カ月前までには申請しましょう。

旅行までの日数が短い人は、面倒でも窓口で申請を。

審査終了後に通知される交付予定日以降に窓口で受け取り

マイナポータルにログインして画面下の「やること」を選択すると、申請の審査状況が確認できます。「処理中」は審査中、「受付エラー」は正常に受け付けられていない状況、「要訂正」は修正や追加書類提出などの補正が必要な状態です。

審査が終了すると、交付予定日の通知が届きます。受け取りは旅券発行日から６カ月以内に窓口にて（それを過ぎると未交付失効になります）。

受け取り時に必要なのは、通知に添付してある受付票に記載のQRコードと古いパスポート（切替申請の場合）。窓口ではマイナポータルに表示される受付票を提示し、手数料を支払い、パスポートを受領します（現金払い、収入印紙・証紙のほか、オンライン申請ではクレジットカードでの納付が可能。窓口での支払いも収入証紙に関してはクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済、コンビニ納付に対応している都道府県もあります）。

古いパスポートは返納するか、「VOID」（無効）の穴を空けてもらって持ち帰りを。

顔写真など必要書類を用意し、紙の申請書を提出

都道府県や市区町村の「パスポートセンター」や「パスポート（旅券）窓口」に出向き、紙の申請書で申請します。
そして、申請時に渡された受理票（受領票）と手数料を持って再び窓口に出向き、受け取ります。

【申請時の必要書類】
●一般旅券発給申請書（申請書には10年用または5年用があります。以下のいずれかの方法で用意）
　・窓口で申請書をもらって手書きする
　・ネットからダウンロードして印刷した申請書に手書きする
　・ネットで必要事項を入力して印刷した申請書に手書きでサインを入れる
●顔写真１枚（縦45mm、横35mm）
●古いパスポート（所持している人）
●戸籍謄本（新規申請、氏名・本籍の変更など必要に応じて）
●住民票（他の都道府県に住民登録している人が居所申請する場合など）
●運転免許証、マイナンバーカードなど本人確認書類１点または２点

オンライン申請の方が窓口申請より手数料が400円程度お得になる！

2025年3月24日からオンライン申請と窓口申請で手数料の金額が変わり、オンライン申請の方が安くなります。
以下はパスポート別の標準額。

●10年間有効……オンライン申請1万5900円、窓口申請1万6300円
●5年間有効（12歳以上）……オンライン申請1万900円、窓口申請1万1300円
●5年間有効（12歳未満）……オンライン申請5900円、窓口申請6300円
●残存有効期間同一旅券……オンライン申請5900円、窓口申請6300円

※手数料は「国分手数料」＋「都道府県分手数料」の合計。国分は日本全国一律ですが、都道府県分は各都道府県の条例で定めるため、実際の金額が異なる可能性があります。

Profile

監修／若山大輔さん 行政書士

1987年生まれ。2014年にブライダル行政書士として独立。結婚生活に関する法的・資金的なアドバイスを提供しているほか、オリジナル婚姻届を企画・販売する「（株）婚姻届工房」の代表取締役としても活躍。

構成・文／渡邊博美　イラスト／田中麻里子　取材協力／外務省領事局旅券課
※掲載されている情報は2024年8月時点のものです（2025年2月更新）

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