【公的書類への旧姓併記】何ができる? どうすればいい?
結婚後も旧姓で働き続ける人が多い今、マイナンバーカードや仕事に関わる資格証明書などに、旧姓を併記するケース(旧姓併記・旧姓表記)が増えています。どのような手順で手続きを行うのか、また、併記することによって得られるメリットなどを詳しく解説します。
結婚後も旧姓で働き続ける人が多い今、マイナンバーカードや仕事に関わる資格証明書などに、旧姓を併記するケース(旧姓併記・旧姓表記)が増えています。どのような手順で手続きを行うのか、また、併記することによって得られるメリットなどを詳しく解説します。
若山大輔さん
行政書士
1987年生まれ。2014年にブライダル行政書士として独立。結婚生活に関する法的・資金的なアドバイスを提供しているほか、オリジナル婚姻届を企画・販売する「婚姻届工房」の代表としても活躍。
| 公的書類名 | 記載される箇所 | 手続きができる場所 |
|---|---|---|
| 住民票 | 氏名の下の「旧氏(きゅううじ)」欄 | 住民票がある市区町村の役所 |
| マイナンバーカード | 表面の「追記欄」(※新規作成時は新姓と名の間) | 住民票がある市区町村の役所 |
| 運転免許証 | 裏面の「備考欄」(※新規交付時は表面の新姓と名の間/かっこ書きでフルネーム表記) | 住所地を管轄する警察署・運転免許センター |
| パスポート | 姓の右横にかっこ書き(旧姓)でアルファベット表記 | パスポートセンター(旧姓併記のみなら原則全国どこでも申請可能) |
令和7年12月10日の住民基本台帳法施行令改正によって、戸籍謄本の添付は原則不要となっていますが、対応は自治体ごとに異なるのが実情です。請求先のオンライン(法務省の戸籍情報連動システム)で情報が確認できない場合は戸籍謄本の提出が必要になるため、心配な人は事前に確認を。その際、併記したい旧姓から現在の姓に至るまでの内容がすべて記載されている戸籍謄本が必要です。
また、旧姓併記の申請時には本人確認書類が求められますので、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど(顔写真付きのものはいずれか1点でOK)を持参するのをお忘れなく。
住民票に旧姓を併記してもらうためには申請が必要です。まず住民票がある市区町村の窓口または自治体のサイトから旧氏記載請求書(旧姓併記申出書)を入手して必要事項を記入し、本人確認書類(運転免許証など)を添付の上、窓口で申請しましょう。
申請書類を提出すると、住民票に旧姓が併記されます。マイナンバーカードへの旧姓併記を希望する人は、一緒に申請しておくと手続きが一度で済みます。
ちなみにマイナンバーカードを新たに申請する場合は、自動的にカードにも旧姓が記載されますが、すでにマイナンバーカードを持っている場合は窓口で券面記載事項変更の手続きを行い、表面の追記欄に旧氏を記載してもらいます。
旧姓併記を希望する人は、真っ先に住民票とマイナンバーカードの手続きを済ませることをおすすめします。運転免許証やパスポート、資格証明書といった他の公的書類への旧姓併記申請をはじめ、旧姓を継続して使いたい場面での公式な『本人確認書類』になるからです。手続きの順序を踏まえて、効率的に変更作業を進めましょう。(行政書士/若山大輔さん)
旧姓併記した公的書類を、本人確認書類や身分証明として使う場合のメリットは以下の通り。併記するかどうか検討中の人は、自分に当てはめてイメージしてみましょう。
同じ職場に結婚後の名字と同じ名前の人が複数いるため、旧姓で働くことを選びました。論文の実績も維持することができるので、正解だったと思います。(mahomahoさん)
イベントや航空券など旧姓で予約しているものがあったのですが、旧姓を併記したマイナンバーカードを持っていたので、本人確認がスムーズでした。(yuさん)
研究職で今までの実績が旧姓のものなので。また、旧姓が入ったメールアドレスを変更せずに済むし、改姓に伴う業務上の変更の手間も減らせたと思います。(Chikaさん)
幼稚園で働いていますが、子どもたちに新しい名字をなかなか覚えてもらえません。考えた結果、職場では旧姓で通すことにし、それに伴って旧姓併記をしています。(うちゃんさん)
スマホの家族割を適用する際、母と私が家族関係であることが確認できる書類が必要とのことだったので、母と名字が同じだったことを証明するために旧姓併記の手続きをしました。(さーさーさん)
公的書類に旧姓を併記する際には、気を付けたいこともあります。場合によっては「手間がかかって面倒だな」ということもあるので、しっかり考えてどうするか結論を出しましょう。
ここからは、旧姓併記が終わった住民票をコンビニで入手する方法や、旧姓併記の削除の仕方など、公的書類への旧姓併記にまつわる疑問にお答えします。
A.マイナンバーカードを使ってコンビニのマルチコピー機で発行可能。
旧姓併記の手続きが済んだ「住民票の写し」や「戸籍謄本」を取得する際は、旧姓(旧氏)が自動的に記載された状態で出力されます。ただし、対応していない自治体や、事前の利用登録が必要な自治体もあるため、お住まいの市区町村のホームページをご確認ください。
A.「きゅうせいへいき」と読みます。
役所の公的な手続きや書類上では、「旧氏(きゅううじ)併記」と呼ばれるのが一般的です。なお、省庁や自治体のホームページには旧氏(旧姓)と並列で書かれていることも多く、窓口でやり取りする際には「旧姓併記」で通用するのでご安心を。
A.削除可能です。役所の窓口で手続きすれば消すことができます。
一度も旧姓併記をしたことがない方であれば、旧姓の中から1つを選んで併記できます。旧姓併記をしたことがある場合は、直近の旧姓のみ併記できます。
公的書類への旧姓併記の仕方や、併記することで何ができるのか、イメージできましたか?単に「愛着がある旧姓を使用したい」というだけでなく、仕事をはじめさまざまな場面で役に立つこともいっぱい。メリット・デメリットを理解した上で、ぜひ検討してみてくださいね。
構成・文/南 慈子 イラスト/南 夏希 D/ロンディーネ
※記事内のコメントは2026年7月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー93人が回答したアンケートと、2026年7月に「2年以内に婚姻届を提出し、その際に公的書類に旧姓併記をした20代~30代の女性」110人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2026年9月時点のものです