ブーケ専門家が伝授！カラードレス姿を格上げする配色マジックとは
ドレスにもブーケにもさまざまなデザインや素材があり、しかもカラードレスとなると、色の組み合わせにも配慮が必要で、ベストなコーディネートを考えるのはちょっと難しそう。そこで、フラワーデザイナー・yokoさんに、カラードレスをグッと素敵に着こなすため、配色に着目したブーケオーダーのコツを聞きました。おしゃれな卒花さんの実例と共にチェックしてくださいね。
おしゃれ感と写真映えは、色の組み合わせが大切！
フラワーデザイナーのyokoさんによると、カラードレスに合わせるブーケは、ちょっとした色合わせのコツで、グッとあか抜けます。
キーワードは「立体感」。ブーケの色合いに立体感を出すと写真映えし、ドレスと同系色だったとしても、なじみすぎず、それぞれを引き立たせることができます。
また、ブーケとドレスが全く違う色みでも、組み合わせを工夫することで、ブーケとドレス、お互いの魅力をさらに高めることも！
具体的には次の３つのポイントに着目！
【ドレスとブーケ３つの配色マジック】
■Point１／同系色を組み合わせるなら明度差・彩度差を出すと写真映え
⇒色の明るさの度合いが明度、鮮やかさが彩度。同系色のドレスとブーケ、ワントーンの花の場合は、明度や彩度に差をつけると立体感が出ます。
■Point２／濃い色みには白い花やグリーンを入れると抜け感のある仕上がり
⇒濃いカラーや鮮やかな色のドレス、花材でまとめる場合は、白い花や個性のあるグリーンを入れると、抜け感が出て重さを軽減できます。
■Point３／全く違う色みでも、補色なら違和感なくおしゃれな印象
⇒色みの違いを表した色相環で正反対にあるのが補色。例えば黄色と紫、青とだいだい色です。ドレスとブーケ、ブーケの花材同士に補色を取り入れると、互いの色が鮮やかに引き立つ効果が！
Fromフラワーデザイナー
一番大切なのは、なりたい花嫁像や理想のイメージ。ぼんやりでも大丈夫。デザイナーはヒアリングを大切にしているので、テーマ、キーワード、イメージを遠慮なく伝えて下さいね。避けたいイメージでもOK！
同じ色合いでもデザインやサイズで印象は変化。工夫次第で上のPointと異なる色や花でも希望が叶うことがありますよ。（yokoさん@yoko_flowers_design）
配色も美しい！卒花さんのブーケ実例
CASE01．ブルーを引き立てるイエローを取り入れた春色カラフル
結婚式のテーマカラーが水色、ピンク、黄色の3色だったこともあり、水色のカラードレスに黄色とピンクの花をメインにカラフルに束ねてもらった。
ブルーのドレスに対して、補色に近いイエローが入ることで、淡い色でまとめても単調になりすぎず、ドレス、ブーケそれぞれの魅力と存在感をしっかり引き立たせた。
オーダーポイントは？
ドレスや会場装花と相性のいいカラフルなブーケをオーダー。淡い黄緑色のくねくねした茎をプラスして少し個性的にまとめたところもお気に入り。
フローリストさんのアドバイスで、ヘッドドレスのリボンと、ブーケを束ねるリボンの色を合わせてリンクさせたのもポイントです。（@w_s2_wdさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年３月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／チューリップ、コチョウラン、アンスリウム、カラー、ダリア、オンシジウム、シンビジウムなど（すべて生花）
■手配先／会場提携のフローリスト
■費用／３万8500円
CASE02．ダークトーンの花をあしらって甘いドレスをクールに
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溶けるように淡いブルーで、とびきり甘いデザインのドレスを、会場の雰囲気にも合わせて、辛口なブーケでクールに着こなしたスタイル。
かなりダークなパープルのアンスリウムをアクセントに、同系色の明度さまざまな花を組み合わせることで、表情豊かなブーケが完成。白も取り入れて、大人っぽくも上品な印象に。
オーダーポイントは？
ドレス単体だと甘いデザインですが、少しモードでかっこいい雰囲気を出したいと思いました。いくつかブーケの写真をお見せしてフローリストさんと擦り合わせ、ダークカラーも入ったブーケに挑戦。
会場も都会的な雰囲気だったので、ダークカラーのおかげでバランス良くまとまりました。（__suuzunawdさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年10月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／カラー、ラン、アンスリウムなど（すべて生花）
■手配先／会場提携のフローリスト
■手配時期／挙式２カ月半前
■費用／４万9500円
CASE03．深みブルーに濃淡さまざまなオレンジとピンクを
ピンクをメインに結婚式のテーマカラーのボルドーとテラコッタオレンジを差し色にしたブーケは、なんと自作！
ブルーグリーンの色鮮やかなドレスと補色関係にあるオレンジがポイントに。かつ、同系色の花の中でもさまざまな明度のものを組み合わせることで、抜け感とおしゃれ度も抜群。
手作りのポイントは？
メインの花を決めてから、他の花を組み合わせていくことを知り合いのフローリストさんに教えてもらい、参考にしました。
ボリューム感と色みはもちろん、枝ものやアマランサスを取り入れて、少し個性的なブーケになったところがお気に入りポイント。（koromo_wdさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年11月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／アンスリウム、オンシジウム、ウンリュウヤナギ、コチョウラン、カラー、アマランサスなど（すべてアーティフィシャルフラワー）
■手配先／自分で手作り
■費用／１万円弱
CASE04．深みのある色のドレス×ブーケに白い小花が軽やかさを添える
大人っぽいボルドーのカラーと個性的な枝のアレンジに、白い小花が可憐なブーケ。
ジャカード地のドレスのグリーンと、ブーケのボルドーは同じくらいの明度の深さ。ブーケに白をちりばめ、ボリュームが控えめで動きのあるデザインにしたことによって、重くなりすぎず、バランスのいいシックなドレス姿に。
オーダーポイントは？
色は少なめで、ボルドーをベースに白や黒をプラスすること、シックな雰囲気と自然な動きのあるデザインで、大きすぎず小さすぎないボリューム感にこだわりました。
どのポイントもOKとNGの写真を準備。ドレスとブーケの色の組み合わせやおしゃれな雰囲気がお気に入りです。（komomo@komo_wdさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年12月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／カラー、オンシジウム（すべて生花）
■手配先／会場提携のフローリストの中から指名
■費用／4万5000円
CASE05．くすみvs.クリア、彩度のギャップでグッとおしゃれに
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クールな印象を目指したブーケは、ドレスと同系色のスモークツリーが垂れ下がるデザイン。好きなピンクの他、黄色やアプリコットの色使いも素敵。
くすみがかったもふもふのスモークツリーと、クリアで明度の高いイエローは色の彩度のギャップがある組み合わせ。ハッとさせるような存在感とこなれ感も醸し出す効果が。
オーダーポイントは？
かわいらしい１着目からカッコイイ印象にガラッと変えたくて、ブーケの色みや形をクールにしたいとお伝え。細かいところはお任せしました！クールな印象にするには、形を垂れた感じで長めにするのがオススメなのだそう。
色使いも素敵で、プロじゃなきゃこの組み合わせは思いつかないなぁと当日感激しました。（@wife_of_jerkyさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年12月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／オンシジウム、ミディファレノ、ダリア、スモークツリーなど（すべて生花）
■手配先／会場提携店のフローリスト（@sachio.kikuchi）にオーダー
■費用／約4万円
CASE06．ダークトーンでまとめたスタイルに浮かび上がる神秘ブルー
内側にオレンジの素材が入っていて、外側は日に当たるとブラウンに見えるダークトーンのカラードレスに合わせたのは、同じくダークトーンの縦長クラッチブーケ。
パープル系のグラデーションで花をまとめつつ、ギャップのある青い花を数本プラス。ドレスのバックや裾からチラ見えするオレンジとは補色関係にもあり、鮮やかなアクセントに。
オーダーポイントは？
印象がかわいくなりすぎないように、ダークカラーで辛口なタイプをオーダー。
シックで個性のある会場装花とも合うように、イメージをコラージュしたものをお見せして伝えました。アクセントのブルーあしらいがお気に入りです。（emaさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2022年10月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／カラー、ダリアなど（すべて生花）
■手配先／会場提携のフローリストにオーダー
■費用／4万円
CASE07．ブラックドレスの強さをより引き立てるスパイスレッド
「強めの女性」を意識してブラックドレスに、濃厚で毒のあるレッドのブーケをコーディネート。
アンスリウムやアジサイといった大ぶりの花は、明度差とツヤがあるので、光の当たり具合でも印象に変化が。さらに個性的な模様のあるグリーンも取り入れ、ドレス姿に豊かな表情も添えて。
オーダーポイントは？
お色直しのブラックドレスで、結婚式のテーマであるくすみピンクとのギャップを感じてもらいたいと思いました。
「強めの女性」をイメージしていることを伝えると、「毒々しい感じのものを作ってもいいですか？」と提案していただき、お任せしました。（yu___.wd_03さん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年６月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／クラッチ
■主な花材／アンスリウム、アジサイ、ベゴニアマクラータなど（すべて生花）
■手配先／SNSで見つけた会場提携外のフローリストにオーダー
■費用／２万円
CASE08．華やかな刺しゅうドレスと引き立て合うパープルのワントーン
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ネイビーブルーの花刺しゅうが全面に施された、チュール素材の華やかAラインドレスに合わせたのは、流れるような曲線や大胆な花の組み合わせが印象的なアームブーケ。
同じパープル系でも、ダリアやコチョウランなど形が多彩、かつ濃淡の違いもあるので、なじみすぎず好バランス。ブーケがエレガントなドレスの甘さを中和し、新しさも感じさせるスタイルに。
オーダーポイントは？
ドレスはもちろんパーソナルカラーや会場の雰囲気、装花とのバランスも大切にしました。上品でエレガントをテーマに、寒色系のアームブーケを合わせ、落ち着いているけど華やかさが出るようにオーダー。
垂れ下がる花のボリューム、差し色、長さやカーブ感には特にこだわり、何度も何度も細かく打ち合わせをしました。（@ey_wd_diaryさん）
BOUQUET DATA
■挙式年月／2023年11月
■使用シーン／披露宴２着目
■ブーケのデザイン／アームブーケ
■主な花材／ダリア、カラーリリー、コチョウラン、藤の花など（すべてアーティフィシャルフラワー）
■手配先／SNSで見つけた会場提携外のフローリストにオーダー
■費用／１万9500円
From 編集部
ポイントを押さえつつ、好きや理想を諦めないで
yokoさんいわく、「ブーケは一番大きなアクセサリー」。存在感があるからこそ、満足のいく花嫁姿を叶えるには、ブーケが大きく影響します。
配色のポイントは押さえつつ、理想や「好き」という思いを形にすることもやっぱり大切。できるだけ自分なりのイメージを持ち、プロの手を借りてとっておきのブーケを手にし、素敵な花嫁姿を叶えてくださいね。
yokoさん フラワーデザイナー
花嫁一人一人の理想のイメージに寄り添い、さまざまな希望を叶えるため工夫を惜しまないのがモットー。「大切な瞬間を、一生モノの輝きへ」をテーマにバレリーナブーケをはじめ、写真映えする華やかでエレガントなブーケを手がけるフラワーデザイナー。都内ドレスショップやフォトグラファーのレンタルブーケ、装花を手がけるほか、ブーケのワークショップ講師としても活躍中。
構成・文／小松ななえ D／ロンディーネ
※掲載されている情報は2024年４月時点のものです
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