和装花嫁に聞いた「色打ち掛け、何が決め手だった?」~色・柄etc.~
決まった形や着こなし方があるものの、色や柄は多種多様な色打ち掛け。卒花さんたちは何を決め手に選んだのでしょう。そこで、最初に重視したポイントと実際に試着してみてわかった最終的な決め手をご紹介。和装ならではの選ぶ観点をぜひ押さえてくださいね。
【前撮り】色が決め手になった花嫁さん
CASE01. 大人ピンクが決め手
●tacosさんの色打ち掛けの決め手は?
最初は赤×金の王道の色打ち掛けを探したけれど、試着すると七五三のような感じがしたそう。また、実際に試着しても似たような印象に感じ、大好きなピンク色の色打ち掛けを着用。
色みが落ち着いていたので大人っぽく見せてくれて、あまりない珍しい感じ見えるのも決め手になった。光沢があるので角度によって多彩な表情を見せ、紅葉したモミジとも相性バッチリ!
和装選びのアドバイス
顔のタイプなどによってどの色が似合うかが変わるので、実際に試着してみると間違いがないです。テイストの違うものを試着することで、どれが自分に合ってるかがわかってくると思います。(tacosさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・撮影月/11月
・和装の手配時期/撮影4カ月前
・手配方法・手配先/ネットで検索したスタジオでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/4着
CASE02. 鮮やかなブルーグリーン×ピンクが決め手
●hitomiさんの色打ち掛けの決め手は?
1着目の白無垢との変化を重視し、はっきりした色みを検討。顔タイプやパーソナルカラーに合うものでも、実際に着用してみると合う合わないがあると感じ、顔が明るく見える色みに絞った。
中でも引かれたのは、鮮やかなブルーグリーンの色打ち掛け。背景がシンプルなので、八掛のピンクとの華やかな色合いも決め手に。大き過ぎないけれど存在感のある柄もお気に入り。
和装選びのアドバイス
和装はなかなか着る機会がないので、似合う似合わないの判断が難しいと思います。自分だけでなく、どんなふうに見えるか、彼やヘアメイクさんなど第三者からの意見をしっかり聴くのが大事だと思いました。(hitomiさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・撮影月/11月
・和装の手配時期/撮影当日
・手配方法・手配先/撮影したスタジオでレンタル
・試着した色打ち掛けの着数/3着
【前撮り】柄が決め手になった花嫁さん
CASE03. ボタン柄が決め手
●いづみ@ap_tuturaraさんの色打ち掛けの決め手は?
もともとSNSで、スタイリッシュなスタジオの背景と相性のいい大人っぽい洗練された青の色打ち掛けがあったそう。いざ試着をしてみると強い色みが合わず、優しい色みに絞った。
選んだのは、少しクリームがかった白色に大胆なボタン柄が描かれた一着。全体に色とりどりのボタンが散りばめられ、大好きなサクラの刺しゅうも控えめに入っていた柄行がとてもステキ。見る角度によって優しい雰囲気も存在感も演出してくれる表情の豊かさに引かれた。
和装選びのアドバイス
私は白地を選びましたが、白一つでも光沢のあるものや黄みがかったものなど、ほんの少しの違いでうんと印象が変わるので、試着は本当に大切だと思いました。小物で差し色を入れることで、全体にまとまりがでて、かつ、自分らしさを出せることも発見でした。打ち掛けにもドレスのようにトレンドがあるので、事前にいろいろと調べていくのもおすすめです。(いづみ@ap_tuturaraさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・撮影月/7月
・和装の手配時期/撮影2週間前に試着
・手配方法・手配先/スタジオでレンタル
・試着した色打ち掛けの着数/3着
CASE04. 日本らしく季節にも合ったサクラ模様
●ブロンバーグさんの色打ち掛けの決め手は?
当初は好きなピンク色か周囲に似合うと言われた赤と白の組み合わせといった色みを重視。赤系は着用すると思った以上にインパクト大。逆にドレスではぼんやりとした印象で写真映えしないと思ったパステルカラーが、半襟や懐剣といった小物で色のメリハリを付けることで映えることがわかった。
結果的に、全体にサクラ模様がほどこされた色打ち掛けをセレクト。もともと好きな花だったので柄が決め手に。前撮りがちょうどサクラの咲く時期だったので、この打ち掛けとの出会いに運命を感じたそう。
和装選びのアドバイス
和装の中でも、重ねて着用する色打ち掛けはこれまでの着物とは異なり、見たイメージと実際に試着をしたときの印象が異なります。そのため、気になったものは全て試着をするのがおすすめです。懐剣などのアイテムによっても印象が大きく異なるので、たくさん小物を合わせてみるといいと思います。(ブロンバーグさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・撮影月/3月
・和装の手配時期/撮影2週間前
・手配方法・手配先/前撮り会場提携のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/3着
【披露宴】色が決め手になった花嫁さん
CASE05. 金糸が映える深い紫が決め手
●wkmchanweddingさんの色打ち掛けの決め方
和テイストで広い披露宴会場の雰囲気に負けない柄や色であること、後ろ姿が豪華なものを探したけれど、メイン席で写真を撮られることも考慮し、顔回りの柄も重視。
全体的に細かく繊細な柄よりも大きくハッキリと描かれているものに絞り、遠目からにも目立つように配慮した。かつ肌もトーンアップするように、金刺しゅうが映える深い紫をセレクト。「ふき」が白色であること、伝統的な宝尽くし文様がモダンに配置されているのも印象的。
和装選びのアドバイス
試着する色打ち掛けを選ぶ際は、畳まれた状態だと背中しか見えないことも多いため、まずは広げて見せてもらうと良いと思います。最初から色で絞りこまず、まずは満遍なく着てみて、そこから好みの色み、柄でどんどん絞っていくのが良いと思います。(wkmchanweddingさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/11月
・和装の手配時期/挙式6カ月前
・手配方法・手配先/会場の提携外のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/約30着(4軒)
CASE06. 緑のグラデーションが決め手
●y_wedding2022さんの色打ち掛けの決め方
日本の伝統を大切にしたかったので、必須条件は古典柄。柄の持つ意味を考え、中でも鶴を希望。小柄のため、小ぶりな柄行を検討した。色は暖色系で探していたものの、試着してもあまりピンと来ず、おすすめされたグリーンを着たら、驚くほどしっくり。
顔周りは明るめの黄緑で顔色がとても良く見え、裾に向けて濃いグリーンへグラデーションになることで重厚感も演出されていて、見る場所によって印象を変える点がお気に入り。小物には季節に合わせた紅葉の柄を入れ、四季を意識した。
和装選びのアドバイス
和装は普段なかなか縁がない分、選ぶのが難しいため、プロの意見を取り入れながら、さまざまな色や柄を試すのが良いと思います。全く候補にしていなかった色打ち掛けが実は似合うということがあると思います。(y_wedding2022さん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/11月
・和装の手配時期/挙式9カ月前
・手配方法・手配/会場の提携店でレンタル
・試着した打ち掛けの着数/13着(3軒)
CASE07. キリリとした緑が決め手
●M.Mさんの色打ち掛けの選び方
挙式の白無垢とギャップが出ることと、あえて王道の赤以外であまり見かけない寒色系を検討。クリーム系やゴールド系を着ると顔がぼやけてふっくら見えたので、はっきりとした色みを第一条件にした。
緑色は好みの色ではなく、記念くらいの気持ちで試着したが、合わせた瞬間、「コレだ!」と即決。試着した中で一番顔がパッと明るく感じたのが決め手になった。自分の名前とリンクした花柄や、華やかさをプラスする裏地の朱色も好み。
和装選びのアドバイス
色打ち掛けは形は同じだからこそ、色や柄でとても迷うと思います。かわいいと思うものでも、着てみると似合わないなんてこともよくありました。大変ですが、いろいろ試着するのが一番。普段の自分を知っている家族やショップの方から提案されるものは試してみることをおすすめします。(M.Mさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/12月
・和装の手配時期/挙式8カ月前
・手配方法・手配/会場提携のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/18着(3軒)
【披露宴】柄が決め手になった花嫁さん
CASE08. スタイリッシュな鳳凰柄
●kiki__wdさんの色打ち掛けの決め方
ゴールド系や、柄が多く色とりどりなものに目星を付け、鶴や鳳凰といった古典柄の刺しゅうが施されたスタイリッシュな印象のあるものを希望。会場との相性と新日本髪に合うかどうかもチェックしつつ、メイン席に座ったときの見え方にも配慮。胸元や首周りにも柄があるものを選んだ。
「白鳳館」という名前や壁に描かれたモチーフとリンクする鳳凰柄に運命を感じ、華やかなゴールド地にほどこされた繊細な刺しゅうの美しさにも引かれた。
和装選びのアドバイス
試着してみないとわからないと思ったのは重さです。最後まで迷った一着がありましたが、他と比べて格段に重く、式後の撮影が体力的にとてもきつかったので、重い着物にしなくて本当に良かったと思います。ドレスに比べて和装は1回の試着でたくさん着られるので、いろいろと試すのがおすすめ。ヘアスタイルは雰囲気だけでも事前に決めておいた方が、悩んだときに選びやすいと思います。(kiki__wdさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/9月
・和装の手配時期/挙式5カ月前
・手配方法・手配先/会場提携外のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/17着(3軒)
CASE09. ソフトタッチの松や鶴の柄が決め手
●Mariさんの色打ち掛けの決め方
シックな壁の暗めの空間だったので、逆に色打ち掛けはトーンが明るく、おめでたい印象の紅白をベースにしたものを選んだ。
選んだのは縁起の良い松・鶴の柄が淡い色合いとソフトなタッチで描かれた一枚。特に顔周りの優しい雰囲気がお気に入りだそう。梅にかかる雪が描写されていたのも、挙式した2月という季節にぴったりで、決め手になった。
和装選びのアドバイス
普段の洋服に比べて、和装は色柄がはっきりしたものが多いため、似合う・似合わないが明確に出やすいと思いました。自分との相性だけでなく、披露宴会場によっても印象がかなり変わるので、スタッフの方に会場の写真を見せて相談することをおすすめします。(Mariさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/2月
・和装の手配時期/挙式5カ月前
・手配方法・手配先/会場提携のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/10着(3軒)
CASE10. 源氏物語の絵巻柄が決め手
●みゆきさんの色打ち掛けの決め方
赤い打ち掛けに憧れがあり、最初は色みに重点を置いて試着。ところがあまりピンと来ず、さまざまな色合いのものを試したそう。また、白無垢とギャップがあり、広い会場で見栄えのする大柄であること、襟周りにも模様があることをリクエストした。
決定打に欠けていたとき、担当の人へ源氏物語が好きだとふと話したことをきっかけに提案されたのがこの一着。色みもゴールドで珍しい上に、派手すぎないところも気に入ったそう。
和装選びのアドバイス
試着してしっくりこなければ、どんどん着てみるのがいいと思います。試着だけで言うとドレスより着脱に時間がかからないので、着数も多く着られました。また、お店の方と雑談もしてみるとそこから好みのものを見つけられるかもしれません。これが好き、あれが好き、と会話を楽しむのもおすすめです。(みゆきさん)
【色打ち掛け選びDATA】
・挙式月/7月
・和装の手配時期/挙式6カ月前
・手配方法・手配先/会場提携のドレスショップでレンタル
・試着した打ち掛けの着数/20着
From 編集部
季節感や縁起などにも配慮する和の粋を色打ち掛け選びにも
今回は決め手別に実例を紹介しましたが、実際は色や柄だけではなく、重さなどの着心地を重視していることもあれば、前撮りや披露宴といったシチュエーションの違いによっても、花嫁さんたちが選んだポイントはさまざまです。
また、和装には季節とリンクした柄やおめでたい意味合いを取り入れるという、ドレスにはない楽しみ方もあります。好みや似合う似合わないだけでなく、せっかくの花嫁姿、そんな和装ならではの観点も押さえておくと、より色打ち掛け選びが楽しくなるはずです。
取材・文/小松ななえ D/mashroom design
※掲載されている情報は2024年3月時点のものです
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