[産後に赤ちゃんと一緒の結婚式]準備&当日の不安にプランナーがお答え!
出産後、まだ挙げていなかった結婚式を実現したい!そんなカップルのために、産後婚カップルの結婚式を数多く経験されている会場のプランナーさんが、ベビーと一緒の結婚式への疑問や不安に答えてくれました。産後婚を挙げた先輩ママ花嫁たちの経験談もぜひ参考にして。
ミキハウス子育て総研に認定された「ウエルカムベビーの結婚式場」のウエディングプランナーさんお2人に、これまで担当された赤ちゃんと一緒の結婚式の経験から、産後婚のさまざまな疑問にお答えいただきました。
アルカンシエル南青山
玉越璃子さん
マタニティーコンシェルジュの講習を受けたスタッフが在籍するアルカンシエル南青山のウエディングプランナー。プランナー歴は10年。多くの産後婚を担当し、家族の思い出に残る結婚準備&結婚式を提案。
ロイヤルパークホテル
桑原可奈さん
パパママ・キッズ婚のための専用サービスが好評の東京・日本橋のロイヤルパークホテルのウエディングプランナー。プランナー歴6年。産後婚の新郎新婦に安心してもらえるサポートを心がけている。
Q1.育児中でも結婚式の準備ってできるの?
育児中も結婚準備はできます。オンライン打ち合わせも活用してみて
「お子さま連れでの打ち合わせは大変多いので、安心してください。小さなお子さまは急に体調を崩すこともありますから、来館打ち合わせ日の変更や、オンラインへの変更もできますよ」(玉越さん)
「打ち合わせが長いとお子さまが飽きてくることもあります。来館当日の打ち合わせがギュッと短時間になるよう、事前にメールやオンラインで検討事項を擦り合わせたり、宿題をお伝えするようにしています」(桑原さん)
ママの衣裳決めのときは、パパや祖父、祖母が一緒に来て子どものお世話をするケースや、保育園や託児所に子どもを預かってもらっている間にセレクトするケースもあるそうです。
いずれにしても、産後婚に慣れていてサポート力のある会場ならいっそう安心。会場を見学するときは、打ち合わせ時に安心してベビーを連れてくることができる設備が整っているかを確認してみてください。
プランナーからのアドバイス
来館打ち合わせでは、テーブルクロスの見本を見ながらコーディネートの相談をしたり、どんなタイミングで誰にお子さまを預けるかといった細かいけれど重要な進行上の擦り合わせといったお話に時間を取るようにしています。ゲストのリストアップや住所録作成など、できることは自宅で進めておくと打ち合わせがスムーズに進みます。(桑原さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「準備の上手な進め方は?」
先輩ママ花嫁の体験談から、参考にしたい準備の仕方をご紹介します。
「式の準備段階から、スケジュール共有アプリで子どもの生活サイクルを記録して情報共有しました(子ども0歳8カ月)」
「極力準備することを最低限にするといいです。招待状は送らず、ウエルカムスペースの小物類も可能な範囲で会場にお任せしました(子ども1歳7カ月)」
「できるだけ打ち合わせが少ない回数で済むように、事前に決めた方が良いことや、その後のスケジュールを会場に聞くようにしました(子ども1歳1カ月)」
Q2.結婚式を挙げるときの子どもの月齢はいつ頃がおすすめ?
何カ月でも大丈夫。人気があるのは1歳前後
基本的には何カ月でも大丈夫。満1歳に近いタイミングなら、誕生祝いも兼ねたタイミングでの結婚式になるので人気があります。また、1歳未満も1歳過ぎも、それぞれにメリットがあります。
「1歳未満の時期は、人見知りが少ない点で挙げやすいかもしれません。人見知りが激しい場合は、パパママ以外の方からのお世話を嫌がることもあるので。もちろん、お子さんが慣れている家族がいれば大丈夫。また、共働き世帯の場合、新婦様が育児休業中であれば、新郎様とスケジュールを合わせやすく、結婚式準備を進めやすい、というメリットもあります」(玉越さん)
「1歳以上だと、離乳食が進んでいる時期ですよね。授乳やミルクがどうしても必要な月齢より、他の人がご飯を食べさせてあげられる月齢なら、当日のお子さまのお世話を任せやすいと思います」(桑原さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「結婚式のときの子どもの月齢は?」
1位 1歳~1歳2カ月(23%)
2位 0歳6カ月~0歳8カ月(20%)
3位 1歳6カ月~1歳8カ月(14%)
4位 0歳9カ月~0歳11カ月(13%)
5位 1歳9カ月~1歳11カ月(11%)
生後半年以降に結婚式を挙げる方が多く、特に、1歳を迎えたばかりの頃がボリュームゾーンでした。
Q3.結婚式のおすすめの時間帯は?
子どもの生活リズムに合わせやすい昼間がおすすめ
「お子さまに負担にならない昼間がおすすめです。当ホテルではお昼ごろの披露宴をご案内しています」(桑原さん)
「午前10時~11時台の挙式の時間帯が人気です。また、授乳時間や決まったお昼寝時間など、お子さまの生活リズムを教えていただき、それに合わせたプログラムをご提案しています」(玉越さん)
ベビーに機嫌よく過ごしてもらいたいなら、結婚式は昼間の明るい時間帯を選びましょう。夕方や夜の時間帯は眠くてぐずってしまう可能性もあります。
プランナーからのアドバイス
例えば10時開始の挙式だと、ご新婦さまの会場入りは7時台になります。ご家族で会場入りして、ママがヘアメイクなどのお支度している間に、パパが子どもに朝ご飯を食べさせたり、着替えさせたりしている方が多いですね。(玉越さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「挙式の開始時間は?」
1位 10時台(31%)
2位 11時台(19%)
3位 12時台(12%)
挙式の開始時間で多かったのはやはり午前中。なお午後からの挙式を選んだ人たちの理由は「午前だと早起きが大変」「遠方から来るゲストが間に合うように」「この時間しか空いていなかった」などでした。
Q4.子どもが泣いたり騒いだりしたらどうしたらいい?
あまり気にしすぎなくてOK。念のため、連れ出す場合の対策も考えておいて
大勢の見慣れない人が集まって、普段とは違う結婚式の雰囲気に、落ち着かず不機嫌になったり、泣いてしまうベビーもいます。
「泣いてしまっても、周りのゲストの方は和みながら見てくださるので、気にしなくても大丈夫かと思います。もし、気にされるようでしたら、ご家族の方などにお子さまが泣いたときに連れ出していただくよう、お話をしておいてもいいかもしれません」(桑原さん)
「どうしても『お母さんがいい』と言って、 ギャン泣きになってしまわれるお子さまもいらっしゃいますが、ゲストの方もほほ笑ましいと思って見てくださるので、それも一つの思い出になるかと思います。また、会場としても、貸し出し用のおもちゃを用意してあやせるようにしたり、乳幼児用の麦茶やジュースを用意して、必要なときに飲めるようにもしています」(玉越さん)
プランナーからのアドバイス
お子さまが泣いても基本的には、ゲストの方は気にされることはないと思います。ただ、連れ出した方がお子さまの心が落ち着く場合もありますよね。当館ではチャペルの隣にマジックミラー付きのお部屋や、披露宴のバンケットの手前にもお子さまを連れ出せるスペースを用意しています。お子さまを避難させつつも、付き添いの方に結婚式を見守っていただける場所があると安心です。(玉越さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「子どもが泣いたとき、どうした?」
子どもが泣いてしまったタイミングは、「会場が暗くなったとき」「BGMやクラッカーなど、急に大きな音がしたとき」「おなかがすいたとき」「眠いとき、飽きたとき」という声が多く寄せられました。対応としては「親やきょうだいなどの家族があやした」「家族がそのときだけ会場の外に連れ出した」「ミルクやおやつを与えた」「会場内のキッズスペースで遊ばせた」ケースが多かったよう。また、まったく泣くことなく、「ずっとご機嫌だった」という声もたくさんありました。
Q5.子どもの面倒は誰に見てもらうのがベスト?
慣れている家族だと子どもも安心します
「お子さまが一番安心できる方にお任せするのがおすすめです。おじいさま、おばあさまとか、ごきょうだいとか、普段から顔を合わせている方にお願いするのが良いでしょう」(玉越さん)
「ベビーシッターをご依頼される方もいらっしゃいますが、親御さまか、ごきょうだいに面倒を見ていただく方がほとんどですね。親御さまは、ごあいさつ回りがあったり、当日やることが多いので、ごきょうだいに見ていただく方が多いかもしれません」(桑原さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「子どもは誰に預かってもらった?」
83%のママ花嫁が「親、きょうだい、おばなど、家族・親族に預けた」と回答。ある程度子どもが慣れている身内が、新郎新婦にとっても頼みやすく、安心できるようです。ただし、親はあいさつ回りやスピーチなど、役割がいろいろとあるので、ずっと子どもを見ていられるわけではありません。親に頼む場合は、席を外すときに代わりに誰に子どもを見てもらうかを決めておきましょう。家族以外では「自分たちでお世話した」「ベビーシッターに預けた」といった回答が寄せられました。
Q6.当日の授乳やミルクの用意、離乳食ってどうしたらいい?
授乳など、子どものお世話の時間をとって進行を組めばOK
「授乳タイムは、挙式のドレスを着る直前と、挙式後の披露宴開始までの時間、お色直しのために退場したときの3回取って、進行を組んでいます」と玉越さん、桑原さん、共に同じ回答。
「ミルクや離乳食であれば、ご家族に託していただくのが良いかと思います。持ち込みの離乳食は会場の方で温めさせていただきます」(桑原さん)
「ミルクや離乳食のお子さまへの対応は、私たち会場側も慣れていますので、ミルク用のお湯や、耐熱の食器や子ども用のスプーン、使い捨てエプロンなどをすぐに出せるように準備してあります」(玉越さん)
離乳食については、アレルギー等を考慮して、子どもが食べ慣れたものを新郎新婦に持参してもらう会場が多いほか、年齢次第ではお子さまプレートの依頼が可能な会場もあります。子どもが結婚式の最中に口にするものについては、会場とよく相談しましょう。
Q7.結婚式での子どもの服装は何を用意すればいい?
ベビー用のドレスやタキシードがいろいろあります
「ベビードレスやタキシード風のロンパースを着せる方が多いですね。ネット通販で手頃な価格で購入できるようです」(玉越さん)
「子ども用のドレスやタキシードを着せている方が多いです。衣裳は購入されている方が多いのですが、当ホテルではお子さま用衣裳のレンタルもあり、そちらを利用される方もいらっしゃいます」(桑原さん)
衣裳は1着、もしくはお色直しを家族でするなら2着用意。子どもに新郎新婦とお揃いの色のドレスや蝶ネクタイを身に着けてもらい、家族で再入場したり、新婦と子どものお色直し衣裳の色当てクイズを行う演出も人気だそう。また、ベビーの場合は、万が一汚したときの対策に、下着等の着替えを用意しておく人が多いそうです。
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「子どもにどんな服を用意した?」
88%のママ花嫁が、子ども用に結婚式らしい衣裳を用意。子ども用のドレスやタキシード風の衣裳のほか、普段着だけどおしゃれな服を選んだり、ベビー袴で和装で決めた人も。また「購入した服の方が気兼ねなく着させることができるため気が楽だった」との声が大多数で、レンタルした人は14%と少数派でした。中には手作りしたという人も!ママの手作り衣裳での結婚式、一生の思い出に残りますね。
Q8.赤ちゃんや子どもと一緒に楽しめる結婚式の演出は?
リングボーイ&ガール、選び取り、ファミリーバイトなどがおすすめ
小さな子どもと楽しみたい定番演出といえば、リングボーイ&リングガール、フラワーガールなどの挙式のお手伝い。とりわけ、まだ歩くのがたどたどしいベビーだと、無線操縦カーに乗ってリングを運ぶ演出が大人気!
「選び取り(子どもの1歳の誕生日に将来を占う儀式)を演出に取り入れて、お子さまがどれを取るか、事前にゲストに予想してもらい、当たった方に抽選でプレゼントをする演出も人気です。選び取りにはイラストの描かれたカードタイプを使われる方も多いですよ」(桑原さん)
「新郎新婦のファーストバイトをアレンジしたファミリーバイトはいかがでしょう。新郎さまがお子さまにまず食べさせて、お子さまが新婦さまに食べさせて、最後に新婦さまが新郎さまに食べさせるリレー形式です。生クリームがまだ食べられない月齢の場合は、水切りヨーグルトをクリーム代わりにしたベビー用ケーキにしています」(玉越さん)
プランナーからのアドバイス
演出を入れる時間帯ですが、比較的、披露宴の早めの段階に入れてしまう方が多いですね。後半だとお子さまが飽きてきたり、疲れてしまうリスクがあります。お昼寝時間など、お子さまの生活リズムも考えながら、進行を相談していただくと良いかと思います。(桑原さん)
先輩ママ花嫁104人に聞きました!
「子どもと一緒にした演出は?」
アンケートで一番多かったのは、「リングガール・リングボーイ」の演出で、取り入れた人は35%。続いて、「ファーストバイト、ファミリーバイト、エンジェルバイト」などウエディングケーキ関連の演出。ケーキが食べられない子どもには、果物を食べさせる演出にアレンジしたという人もいました。新郎新婦が真ん中に挟んだ子どもの頬にキスをする「ファミリーキス(サンドイッチキス)」の演出も人気がありました。
Q9.会場と念入りに確認した方がいいことは?
子ども用の椅子や座席の位置、食事関係をよく確認して
「会場には、お子さま用チェアやベビーベッドが借りられるかどうか、持参した離乳食を温めてもらえるか、ミルク用のお湯を用意してもらえるか。打ち合わせの回数やスケジュールに柔軟に対応してもらえるか、といったことを確認されるといいと思います」(桑原さん)
「会場側としては、ベッドとしても使えるハイローチェアや、お子さま用チェアが必要かどうか、また披露宴中はそれを高砂席の新郎新婦側とご家族側のどちらに置くのか、さらに、どなたの隣なのかといった確認が重要です。また、お子さまのアレルギーの有無やキッズスペースを作るかどうかも確認させていただきます」(玉越さん)
プランナーさんからひと言!
【新郎新婦さまに安心して当日を迎えていただけるように】
結婚式当日のタイムスケジュールは、授乳の時間や、お子さまのお世話で予定通り進行しなかった場合など、万一の想定も含めて、進行表に全部組み込むようにしています。当日に不安な点があると、せっかくの結婚式が楽しめなかったりもすると思いますので、できる限りおふたりが安心して結婚式ができるように心がけています。(桑原さん)
【お子さまと一緒の打ち合わせ時間も思い出の一つに】
私は結婚式だけでなく、その準備期間も、一生の思い出として楽しんでいただきたいと思っています。お子様連れでの来館打ち合わせ時は、途中で授乳やおむつ替えを挟むこともありますが、まったく問題ありません。ウエルカムな気持ちで打ち合わせをさせていただきたいですし、その時間も、楽しい思い出に変わるようなご案内をできたら、といつも思っています。(玉越さん)
From 編集部
子どもと一緒なら、結婚式の幸せは何倍にも膨らみます!
婚姻届提出時にコロナ下が重なり、結婚式を延期していたカップルが、その間に生まれた子どもと一緒に、結婚式を挙げるケースが増えているそうです。アンケート調査でもそうした理由で産後婚を挙げたママ花嫁さんがたくさんいらっしゃいました。子育ての大変さに、さらに結婚式の準備が重なったら大変かも……と思う方もいるかもしれませんが、会場のサポートがあれば大丈夫。家族の幸せな思い出を結婚式というかたちでぜひ残してください。
構成・文/河内千春 イラスト/田中麻里子
※記事内のデータならびにコメントは、2023年11月に過去3年以内に挙式・披露宴を子どもと一緒に実施した女性104人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2024年1月時点のものです
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