[全文掲載] 花嫁の手紙vol.34~伝えたい思いを「詩」のような表現で書く~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「ありきたりではない表現で、母の今までの姿をゲストに紹介したかった」
今回ご紹介するのは、恵利さんのお手紙。ゲストの前で読むのは恥ずかしいと思いつつ、式のプログラムに組み込まれていた演出の中で、「どうせ読むなら、ありきたりではない表現で母の今までの姿をゲストに紹介しながら感謝を伝えたい」と花嫁の手紙を読みました。
■2023年挙式
■招待ゲスト数…85名(家族、親族、友人、職場同僚)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…約3カ月前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…1日
■事前練習の有無…有(誤字脱字の確認で読み上げた程度)
■式で花嫁の手紙を読んだ時間…約5分
恵利さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
花嫁さんの個性が出ていてGOOD!
さまざまなエピソードをポエム調で印象的に書かれたお手紙。エピソードのすべてが今の自分に繋がっている……というお母さまへの憧れが表れている個性的でとても素敵なお手紙だと思います。
導入部分の独特な言い回しも魅力的で、ゲストも思わず続きを聞きたくなったのではないでしょうか。5つのエピソードすべてにお母さまの魅力とそこから影響を受けて今の新婦さまが形成されていることが伝わってきました。
【A】の言葉も、ストレートな愛情表現が素敵です。【B】の言葉からも、これからも追い続けたいと思えるくらい素敵なお母さまであることがわかり、親子関係がいかに良いかを感じて、聞いているゲストも温かい気持ちになったと思います。(澤さん)
花嫁の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた恵利さんと、お母さまにお話を伺いました。
手紙を読んでどうだった?
面と向かって話すのは恥ずかしいことを手紙で表すことができて良かったです。「ありがとう」という言葉は伝えやすいですが、ずっと心の中にいてこれからも影響を受け続けている存在だということってなかなか口では言えないですよね(笑)。
こんな機会じゃないと伝えられないと思いました。改めて母なしでは今の私はなかったなと感じることができ、その気持ちを母に伝えることができたと思います。
詩のように表現したのはなぜ?
ポエムのようにしようと思ったのではなく、幼い頃から順にエピソードを書いているうちに、思いがけずポエムのようになりました。私が小学校教諭をしていることもあり、子どもたちに詩を書く指導をすることもあるので、これまでの子どもたちが書いた詩からも影響を受けているのかもしれません。
聞く人がわかりやすいよう短く言葉を区切り、一節ずつゆっくりと文末を強調して読みました。
苦労&工夫したポイントは?
特に苦労はありませんでした。工夫といえば、「〇〇してくれてありがとう」という内容を羅列するのではなく、違う観点から手紙を書きたいと思って考えたことと、「お世話になりました」というワードは使わないようにしました。これからも多分何かしらお世話になると思うので(笑)。
また、手紙を書くときに誰にでもわかりやすい言葉を選びました。
後輩花嫁さんにアドバイスを
私は宇多田ヒカルさんの『道』という曲がすごく好きで、「心の中にあなたがいる」や「始まりはあなただった」などの歌詞に影響を受けたので、好きなフレーズがあればまねしてみるのをおすすめします。
手紙を書こうと気負ってしまう人は、出来事やエピソードを箇条書きにしてそれらを繋げて文章にしても良いかもしれません。一般的な手紙のような内容や表現ではなくとも、感謝の気持ちが伝えられるのではないかと思います。
手紙を受け取ったお母さまより
娘がこんなに素晴らしい女性に成長するとは、母としての喜びは計り知れません。生まれた瞬間から健康で心優しい存在として私たちの生活に光をもたらしてくれました。穏やかな性格と誰にでも愛されるあなたの存在は特別。妹との仲むつまじさと親孝行ぶりも、私たちの誇りです。
彼と共に人生の新たな章を歩むことが、あなたにとっての幸福であり、私たちの願いです。末永く幸せでありますように。
From 編集部
自分の個性を出しながら手紙を書いてみよう
書かれたどのエピソードからも、素敵な親子関係が伝わってくるお手紙。「花嫁の手紙」と聞いて全員が頭に浮かぶような表現ではない、独特な言い回しはゲストの方を一気に新婦とご家族の世界観に引き込んだことでしょう。
思いを伝える相手、伝える内容、伝える方法や表現……。「花嫁の手紙」に正解はありません。手紙にあなたの個性を表現してみましょう。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴18年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2023年12月時点のものです
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