「職場の人は式に招待しない」と決めた花嫁の結婚報告~式後のマナー集
「お世話になった職場の人をきちんと呼ぶのがマナー」というのはひと昔前の話。今どきはリモートワークも増え、上司と部下、同僚同士のお付き合いの仕方も職場によってまちまちなので、無理に招待しなくても大丈夫という風潮に変わってきています。大事なのはふたりの気持ち!「ふたりが呼びたい人だけを呼ぶ」、そんな結婚式を叶えてくださいね。
職場の人を結婚式に呼んだ?
その結果どうなった?
今回の調査によると、結婚式に職場関係者を呼んだカップルは29.1%。一方、「職場関係者を誰も呼ばなかった」という人の割合は70.9%と大半を占めています。
呼んだ人の内訳を見てみると、上司の割合は少なく「一部の親しい同僚のみ」と答えた人が目立つ結果となりました。最近ではお世話になった人たちを大勢招待して華やかに行う結婚式だけでなく、家族や親しい人だけで行うカジュアルな式を選択する人も増えているため、お招きする職場関係者の顔触れも、気の置けない同僚が中心となっているようです。
ちなみに、「職場の人を式に招待しないことで、立場が悪くなったり困ったりした」と回答した人の割合はわずか2%。「招待することが、仕事や人間関係に影響することはほとんどない」と感じている人が大半なので、やはり案ずる必要はあまりなさそうです。
職場の人、呼んだ?
【誰も呼ばなかった→その後に影響なし】
彼は上司と同期の人たちを招待しましたが、私は友人とわいわい過ごしたかったので、職場関係者は一切呼びませんでした。結婚報告の際も「親族だけで」と伝えていたので、その後特に式の話が話題に出ることもなく、平穏に過ごせています。(なっつさん)
【誰も呼ばなかった→その後に影響なし】
彼も私も仕事関係の人は呼ばない事で統一しました。職場でも同様の対応を取る人が多いことや、式自体を行わない人もいるので、普通のこととして受け入れてもらえたと思います。(犬先生さん)
【親しい同僚だけ呼んだ→その後やや困った事態に】
職場で招待したのは同僚のみ。中でも特に仲のよい数人だけに声をかけたため、呼ばなかった人たちとその後少し気まずくなってしまいました。(Naさん)
職場の人を呼ばないときの“結婚報告の仕方”
昔のように“呼ばれて当たり前”というムードは職場から消えかけているものの、前出の花嫁さんのように「一部の同僚だけ招待した結果、気まずい思いをした」という声も。また、職場の人を招待しないからといって、結婚報告を怠っていいことにはなりません。
結婚式や新婚旅行で休暇を取ったり、その間の仕事を誰かに頼んだりすることもありますし、親しくしている人の中には、「もしかして招待されるのかな?」とひそかに声がかかるのを待っている同僚や上司がいるかもしれません。
報告する順番のほか、招待しない場合の角が立たない伝え方やフォローの仕方なども、ぜひ経験者である卒花さんから学んでください。
こんな報告をしました
【先に上司にほのめかし、その後で同僚に報告】
上司への報告の際には「式は近しい人のみで行う予定です」というトークで、上司を含め職場の人を大勢呼ぶ予定がないことを伝えました。一方で招待を考えていた先輩や同僚には、その後すぐに報告して出席を打診しました。(Megumiさん)
【結婚が決まった時点でまず直属の上司へ】
結婚が決まったタイミングで上司へ直接報告を。式を迎えるまでに1年くらいありましたが、職場の人を呼ぶつもりはなかったので、こちらからは特に何も言わず、何か聞かれたら答えるようにしていました。(omiさん)
【先のスケジュールも伝えながら結婚報告を】
まずは上司に報告。諸手続きがあるので、婚姻届の提出時期と結婚式や新婚旅行で休暇を取りたい時期なども併せて相談を。さらに式には職場の人を呼ばない予定であることも伝えておきました。(B.A.さん)
マナーの先生がアドバイス![招待しなくても式の日取りは伝えて]
社会保険や人事など手続きがあるので、婚姻届の提出時期は早めに伝えておきたいもの。一方、「結婚式は誰も呼ばないから言わなくてもいいかな」と考える人がいるかもしれませんが、招待しなくてもお祝いを渡したり式当日に祝電を打ったりしてくれる人はいます。また、中には式に呼ばれるかどうか気になっている人がいるかもしれないので、職場の人を招待しない予定であることも、最初にきちんと伝えておきましょう。(マナーデザイナー・岩下宣子さん)
結婚式を迎えるまでの“職場での振る舞い”
結婚式への招待の有無にかかわらず、職場では守るべきマナーがあるようです。中には誰かが先に結婚することに対し、複雑な思いを抱えている人がいるかもしれません。職場では結婚式などなるべくプライベートな話をしないようにしましょう。また、式や新婚旅行で休暇を取る予定のある人は、その間の仕事を誰かが代わってやってくれるのですから、迷惑をかけないよう、引き継ぎなどは入念に。
職場での言動に注意
【自慢と受け取られない配慮を】
仲のよい同僚や先輩など、一部の人を式に招待していたため、お昼休みにこっそり結婚準備の話をしていました。肝に銘じていたのは「自ら話を切り出さない・話す場合は自慢話と取られないよう気を付ける」ということ。そうすると、相手の方から自然と「準備どう?」「楽しみだよ~」と言ってもらえることが多かったように思います。(Megumiさん)
【職場でのうわさは超高速!】
うわさは広まってしまうと取り返しがつかないこともあると思い、同じ部署以外の人には自分から結婚の話題に触れないように気を付けていました。(公美子さん)
マナーの先生がアドバイス!「テンションは控えめに」
結婚が決まると浮き足立ってしまうのは当たり前のことですが、勤務中は上の空にならないよう気を付けて。やるべき仕事をきちんとこなしていれば、職場の人たちも温かく見守ってくれるはずです。もちろん「おめでとう」と祝福を受けたときは素直に感謝の言葉を述べても問題ありませんが、周囲の人にも配慮し、テンションは控えめに。(岩下さん)
結婚式後の“職場での気配り&マナー”
式後、最初に出社した際にどう振る舞えばよいのかも気になるところです。結婚式が無事に終わったことを報告し、祝電を打ってくださった方や、不在の間業務を助けてくれた人たちには忘れずにお礼を伝えましょう。余分に発注しておいたプチギフトや新婚旅行のお土産を手渡し、感謝を伝えた花嫁も少なくないようです。
式後はこんなフォローを!
【プチギフトにメッセージカードを添えて】
式が終わった後、不在中の仕事をフォローしてくれた同じ課の人たちに、プチギフトのクッキーとごあいさつのメッセージカードを添えてお渡ししました(あゆかさん)
【菓子折りを持って出社!】
職場からの祝電を頂いたり、結婚休暇でご迷惑をかけたりしたので、式後の最初の出社日には菓子折りを持っていきました。呼べなかった方にも「おめでとう!」「写真見せて」と言ってもらえて嬉しかったです。(Megumiさん)
【ツーショット写真&お礼のメールを】
職場から結婚祝いにグラスを頂きました。テレワークが多くなかなかお礼が言えないため、夫婦でグラスを持っている写真を添付したお礼のメールを全員に送信。彼のことも紹介できてよかったです。(その程度の私用メールは許される職場です)(犬先生さん)
マナーの先生がアドバイス!「感謝の言葉にちょっとしたギフトを添えて」
仕事と私生活は別物とはいえ、結婚休暇中の仕事をフォローしてくれた上司や同僚には、「皆さんのおかげで無事に式を挙げることができました」と謙虚な気持ちで感謝を伝えるのが社会人のマナー。その際、言葉だけでなく、新婚旅行のお土産やちょっとしたギフトを渡すと好印象です。(岩下さん)
From 編集部
式に招待できなくても、きちんとフォローすれば大丈夫!
職場関係者のご招待は決してマストではなく、ふたりの判断を優先してもOK。呼ばれなかった人もそこまで気にはしていないので、安心して式に臨めそうですね。ただし招待しないからといって黙ってスルーするのは禁物!周囲への感謝を示したり、「最低限果たすべき職場での義務」をきちんと守って、今後の良好なお付き合いにつなげましょう。
岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校、商工会議所、公共団体などでマナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、『ゼクシィ』でも悩める花嫁への愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/南 慈子 イラスト/moko.
※記事内のコメントは2023年9月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー52人が回答したアンケートおよび、過去2年以内に結婚式を行った全国の20~39歳の既婚女性110人のマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2023年11月時点のものです
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