[結婚式のしきたり&慣習] 地域や両家で異なる場合、どうしたらいい?
結婚式には地域差や親族ルールがあるって知っていますか?特にふたりの出身地が異なる場合は、相手側のしきたりが“異文化”に思えて戸惑ってしまうことも。今回はそんな地域&親族ルールに焦点を当て、戸惑った経験のある卒花さんの体験談と解決方法を紹介します。マナーデザイナー岩下宣子先生のアドバイスもぜひご参考に。
彼の「故郷の慣習」にびっくり!
初めて耳にする彼の故郷のしきたりや慣習。それはゲスト選びから始まり、結婚式のスタイルや料理・引出物、演出などさまざまなシーンで遭遇します。中には想像できないような慣習もありますが、戸惑ってばかりもいられませんよね。実際に、先輩花嫁がどんな慣習に驚き、どのように対応したのかを見てみましょう。
“地域の慣習”に驚きました
[結婚式には近所の人までご招待]
彼の故郷は長崎です。一部の地域だけかもしれませんが、遠い親戚やご近所の方まで呼ぶ風習があるとのこと。また「両家の人数もそろえるように」と言われて困りました。
<結果オーライ>
結局はコロナ下ということもあり、両家の家族だけで行うことに。平常時なら人数合わせに四苦八苦していたかもしれません。(ななさん)
[婚礼料理を大皿でドーン! ]
彼の地元・高知での結婚式。婚礼料理が「皿鉢料理」という大皿に盛られたものと聞き、どんな雰囲気の披露宴になるのかとかなりドキドキ!
<無事に解決>
写真を見て、その華やかさに納得。さらに大皿料理の方が費用も抑えられることが分かり、安心しました。(jijiさん)
[会費制結婚式が一般的なエリア]
新郎の故郷・北海道で結婚式。地元で一般的だという「会費制結婚式」のやり方がよく分かりませんでした。
<無事に解決>
彼の地元で行うため、地域ルールに従うことに。ゲストの負担も減るし、合理的かもと思いました。(あやさん)
\ほかにもこんな「地域ギャップ」のコメントが/
[名入れタオル持参でご近所回り]
式後の話ですが、私の名前入りのタオルを持って、実家の近所へあいさつ回りに連れて行かれました。→驚きましたが、言われるままに。(彼の地元は茨城県/Ajさん)
[最前列の“上座”が親の席]
席次を決める際、親の席は一番前にするよう彼に言われ、「え?下座じゃないの?」と戸惑いました。→新婦の地元の愛知で式を挙げることもあり、こちら側に合わせてもらいました。(彼の地元は北海道/rinさん)
[のし紙の表書きを朱色で?]
引出物ののし紙の表書きを朱色で書くよう言われてびっくり。自分側のゲストの反応が心配でした。→一応私の両親にも相談しましたが、大丈夫だろうということで、彼側に合わせて準備。特に問題はなかったように思います。(彼の地元は和歌山県/おまめさん)
[日本酒をグイッと飲み干すしきたりあり]
新郎が祝いの日本酒を飲み干すという文化がありました。→幸いなことに彼はお酒が飲めるので、言われるまま慣習にのっとって行いました。(彼の地元は山形/やなぎさん)
岩下先生アドバイス「郷に入れば郷に従え」の精神で
「郷に入れば郷に従え」ということわざがあるように、許容範囲内のことであれば合わせる努力をしてもいいのではないでしょうか。なぜなら地域の風習は、そこに住んでいる方々にとっては当たり前のことだからです。
とはいえすんなり納得できないこともありますよね。そんな場合は遠慮なく理由を尋ねてみましょう。例えば「初めてお聞きするお話でとても興味があります。詳しく教えてください」と前向きな言葉で切り出せば、彼の親御さんも喜んで背景を話してくれるはず。彼を育んでくれた故郷を知る良い機会にもなると思います。
彼の「実家のしきたり」に戸惑った!
思い描いている結婚式があるにもかかわらず、「代々のしきたりだから」と親族間のルールを持ち出されたり、彼の親の意向を一方的に押し付けられて戸惑ってしまう人もいるようです。とはいえ親の機嫌を損ねたり、ぎくしゃくするのは何としても避けたいところ。先輩花嫁のエピソードを読みながら、皆さんも一緒に考えてみましょう。
“彼実家のしきたり”に困惑
[親族は3親等・男性のみ]
「親族の顔触れは3親等のおじ・おばまで。さらに各世帯からは男性1名の出席とし、配偶者(おじの妻など)は呼ばない」と、謎の制限を設けられて困惑。多くの人を呼びたかったので悩みました。
<無事に解決>
「お世話になった方にはなるべく声をかけたい」という新婦側の意向を彼から伝えてもらい、折り合いを付けました。(なつみさん)
[キリスト教式はNG?]
「挙式は代々神社で行うと決まっている」と言われて、戸惑ってしまいました。
<無事に解決>
小さい頃からチャペルでの結婚式に憧れていたことを切々と伝え、彼と一緒に説得しました。(LIさん)
[“乾杯”は新郎側の役目]
「乾杯の発声は、新郎側の親族が行うもの」と当たり前のように言われてモヤモヤ。
<無事に解決>
必ずしもそうではないことや、「どうしてもお願いしたい共通の友人がいる」と時間をかけて話し、何とか納得してもらいました。(うーみさん)
\ほかにもこんな「実家のしきたり問題」が/
[大安にこだわる義母] 大安や仏滅などのお日柄にこだわりがある義母。→ふたりにも希望の日があったものの、どうしても譲れないようだったので素直に従いました。(さーちゃんさん)
[結納はマスト!]
「結納は絶対に行うべき。みんなそうしている」と言われました。→私の親に結納をする意思がなかったので、「北海道にはそのような習慣がなくて申し訳ありません」と丁寧にお断りしました。(shotchさん)
[“ゲストは新郎側多め”という謎ルール]
「新郎側のゲスト数を多く呼ぶのが当たり前」という考え方。→招待したい人が多く、人数合わせで削るわけにはいかないことを伝え、了承してもらいました。(まねさん)
[“いとこも家族”が彼親の認識]
家族だけの結婚式だったはずなのに、彼の親は「いとこを含む親戚」まで家族という認識。→途中で判明したので、こちらも顔触れを合わせました。(ういさん)
岩下先生アドバイス「今後に関わることもあるので慎重に」
彼側のルールを一方的に押し付けられると、確かに戸惑ってしまいますよね。とはいえ親族のしきたりは今回限りのことではなく、結婚後もずっと付いて回るものなので、かたくなに拒否するのは得策ではありません。まずは反発せずに話を聞いてみましょう。
その上で、どうしても受け入れ難いと感じたら、彼とよく相談し、ふたりの思いを擦り合わせた上で、気持ちを丁寧に伝えることが大切です。
もう一つ気を付けたいのは、「自分の親を巻き込まない」ということ。相談する程度なら構いませんが、親が表に出てくると話がこじれてしまうことがあるので、あくまでもふたりの意見として伝えるようにしましょう。
From 編集部
「異文化交流」の精神で乗り切って!
なじみのないしきたりや慣習でも、相手にとっては当たり前だったり、大事にしたいことだったりします。異文化交流と思えば前向きになれるもの!多少戸惑うことがあっても、まずはじっくり話を聞いた上で、こちらの気持ちも伝え、お互いが納得できる方法を探ってくださいね。
岩下宣子さん マナーデザイナー
現代礼法研究所主宰。NPO法人マナー教育サポート協会理事・相談役。企業をはじめ、学校・商工会議所・公共団体などで、マナー指導や講演などを行う。「マナーとは相手を思いやること」を信条に、ゼクシィでも悩める花嫁さんへの愛あるアドバイスでおなじみ。マナーに関する著書多数。
構成・文/南 慈子 イラスト/沼田光太郎
※記事内のコメントは、2023年4月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー101人が回答したアンケートおよび、過去2年以内に結婚式を行った20~30代の女性110名が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2023年6月時点のものです
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