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【面倒くさがりの彼へ】最低限の準備&内容でビシッと決める“新郎謝辞”テク

新郎謝辞って何を言ったらいいか分からないし、正直面倒……。彼のこんな考えが日に日に増して、準備のエンジンがかからないケースは多いはず。しかし、ご安心を!「面倒くさがりなプレ花婿」のための謝辞テクニックをスピーチのプロから教えてもらったので、ぜひ参考にしてください。

スピーチのプロからアドバイス

「感謝」→「式当日の本心」→「感謝」で、大丈夫!
塩沼さん

新郎謝辞は「ありがとう」に始まり「ありがとう」で結ぶもの。ここに、自分の本心から発せられる言葉を入れていきましょう。長さとしては30秒程度の時間でも感情を込めて伝えることができれば、ビシッと決まります。内容を練るとともに、伝え方にも意識を向けて、ゲストの心にしっかり届く謝辞を目指しましょう!(スピーチデザイナー・ウエディング司会者/塩沼亜紀さん)

【STEP1】新郎謝辞の基本構造を知る

「冒頭のあいさつ」「自分の本心」「結び」の3つがあれば良い!

文例01
文例02

<新郎謝辞に最低限必要な、3つの要素>

●冒頭のあいさつ/ゲストへの感謝
結婚式に出席してくれたことへのお礼を述べる。このほか結婚式会場スタッフや親・家族への感謝を入れても良いが、なくてもOK。

●本文/式当日の自分の思い
お手本文例そのままの内容ではなく、自分の言葉でつづること。短くても良いし、うまくまとめようとしなくても良い。素直な感情を大切に。

●結び/締めの言葉
「スピーチが終わった」感を出すことが重要。奇をてらわずオーソドックスに「ありがとうございました」で締めるのがおすすめ。「以上です」では伝わりにくい場合もあるのでNG。


新郎謝辞というと、上手な文章を構成することに意識が向きがちだけれど、自分の素直な気持ちや感情にフォーカスを。ここがきちんと述べられていれば、ほかは冒頭と締めの感謝の言葉が入っているだけで十分なのだそうです。つまり、本文さえ考えれば大丈夫!ただし、自分のオリジナルであることが必須条件です。その前後は定型文でも良いかもしれません。

「大切なのは、始まりと終わりが明確であることです。新郎謝辞では特に締めが重要で、ここが分かりづらいとゲストは拍手をするタイミングがつかめません。最後の言葉は『ありがとうございました』としましょう。スピーチ中の頻出ワードですが、それで良いのです。シンプルだからこそ、心を込めて」(塩沼さん)

スピーチ時間は、1~2分で問題なし!

「新郎謝辞は何を言うかではなく、何を伝えるかが重要。長く話せば良いというものではありません」(塩沼さん)。原稿ができたら、音読して時間を計ってみましょう。とはいえ、時間内であっても内容がほぼ文例集のままでは“ビシッと決まる”新郎謝辞にはなりません。以降で述べる、謝辞内容の考え方や、読み上げる上での注意点なども参考にして、式当日に臨みましょう。

【STEP2】最低限必要な、謝辞内容を練る

高砂席からの眺めを想像し、自分が感じることを言葉にする

ゲストの顔を思い浮かべる新郎。皆の姿を想像して、自分が感じることや伝えたいことを言葉にして

ほかの何を外してもこの部分だけは、と塩沼さんが指摘するのが「式当日の自分の思い」。その人のオリジナリティーがしっかり表れるパートであり、ゲストが求めるのもここ。新郎の感情や素の部分が見えることで、ゲストは「このふたりのお祝いに来ることができて良かった」と実感するのです。しかしオリジナリティーが要であるため、秀逸なお手本文例というのも存在しません。参考にしても良いですが、最終的には自分の言葉でまとめる必要があります。その工程を塩沼さんに聞きました。

「文章を考えるときは、下書きで構いませんので席次表を用意すると良いですね。そして高砂席に座ったつもりで、ゲストの顔を思い浮かべてみてください。皆さんが楽しそうに過ごす様子に自分は何を感じるか、何を伝えたいかを観察し、それを謝辞の内容にしましょう」(塩沼さん)

上手にまとめたくなるかもしれませんが、そこにとらわれ過ぎないように!思いついた言葉や感情を一つずつ書き留めて、文章にしてみてくださいね。

“最低限で決める”謝辞Q&A

塩沼さん

Q 「当日の思い」を入れるなら、ぶっつけ本番で考えても大丈夫?

A【事前準備を強く勧めます!】
結婚式当日はいつもとは状況が違うからです。会場には装飾が入り、ゲストは見知った方々とはいえ盛装しています。何より当日の自分はホストであり主役です。そんな状況では、いつも通りの自分で頭を働かせてしゃべるのは至難の業でしょう。事前の備えをしっかりと!(塩沼さん)

塩沼さん

Q 「当日の思い」を含め、内容はいつ考えれば良い?

A【結婚式の1週間~2、3日前に】
遅くても、式の前日には考えておくことをおすすめします。一方で、1週間以上前になると結婚式へ対する実感が感じづらくなってしまうので、あまり日を空け過ぎないように(塩沼さん)

塩沼さん

Q 事前に考えた「当日の思い」が、実際の当日の思いと変わってしまったら?

A【アレンジOKです!】
式当日に想像以上の感動や発見が生まれる可能性は大きいです。それらを考えていた内容に付け足すことでリアリティーが増すでしょう。「ここまでは事前に考えていた内容ですが、今日この光景を目の当たりにしてさらに○○○との思いが強くなりました」などとアレンジしては(塩沼さん)

<ヒント>ゲストが楽しむ様子に感じることは?

例えば……

「新郎新婦それぞれの大切な人たちが一つになって、自分たちの世界がさらに広がるような予感がして、それがとても嬉しい」

「席次を組む際もずっと式の様子を思い描いていたけれど、実際に目の当たりにして本当に幸せな気持ちになっている」

「大切な人たちの笑顔や笑い声に包まれて、満たされている。これからも多くの時間を一緒に過ごしていきたい」 

「自分が多くの人に支えてもらってきたことを実感し、感謝の気持ちでいっぱいになっている」……などなど

【STEP3】新郎謝辞のNGを知り、回避する

新郎謝辞のNGは4つ。1忌み言葉と重ね言葉 2早口 3無理に笑わないこと 4猫背

シンプルかつゲストの心に響く新郎謝辞とするなら、マイナスポイントを極力減らすことが大切! 以下の四大NGに注意しましょう。

●重ね言葉&忌み言葉に注意

“忌み言葉”とは、縁起などを担いでその使用を忌みはばかる言葉のこと。「忌み言葉は、具体的なエピソードにうっかりと含ませてしまうケースがあります。“離れていた期間があった”といった表現などに気を付けて。また、要注意なのが“最後になりますが”という言葉。謝辞の締めくくりに入れがちですが、ここは必ず“結びになりますが”としましょう」(塩沼さん)

また、“重ね言葉”は意味を強めるために同じ言葉や同じ意味の語を重ねて用いることで、“ますます”“皆々さま”“重ね重ね”などがその例。人生に一度きりが望ましいとされる結婚式では、避けた方が良いでしょう。最近では再婚も珍しいことではありませんが、聞いているゲストの中には気になる人がいるかもしれません。

●早口にならない

緊張すると、早口になってしまう人が少なくありません。ビシッと決めるには、話し方は悠々としている方が良いので気を付けたいところです。また、お手本文例そのままの謝辞だと、早口になる可能性があるそう。「自分事に落とし込めていない文章を読み上げるだけだと、自然な間が生まれにくくなります。自分の言葉なら感情が込められるので、自然な間が生まれますよ」(塩沼さん)

●作り笑いをしない

「頑張って笑顔を作ろうとしなくても大丈夫です!」と塩沼さん。もし新郎が普段から静かなタイプであれば、結婚式当日もそのままで大丈夫。“にこやかにしないと”と無理して作った笑顔は、ゲストにとっては不自然に映る可能性があるからです。気負わず、自然体で臨みましょう。

●猫背にならない

緊張すると縮こまってしまい、猫背になりがちです。ビシッと決めるには、背筋をスッと伸ばしましょう。「どんなに謝辞の内容が素晴らしくても、姿勢やしぐさが伴っていないと、人の心に響いてきません」(塩沼さん)。姿勢に関するノウハウは【STEP4】で詳しく解説しているので、ぜひ参考に!

【STEP4】見た目やしぐさで、好感度を上げる!

姿勢からも誠意を伝えることができる! 視線、姿勢、手の位置などに気を付けて

「謝辞は、見た目が6割といっても過言ではありません」とアドバイスする塩沼さん。しぐさや姿勢は、新郎謝辞に大きな影響を与えるようです。見た目が整うのはもちろんですが、体の使い方を意識することで謝辞への心構えが整ってくる効果もあるはず。話す内容と同等に重視したいですね。

<姿勢・しぐさのCHECK POINT>

●視線
会場中央の奥に座るゲストの頭の上辺りに視線を向けて。会場全員に語り掛けているように見えます。「いろいろな人を見ようとすると、キョロキョロと落ち着きのない印象に」(塩沼さん)。また、この視線をキープすることで胸が開き、縮こまらない効果も。顎も下がらず、猫背防止にもつながるそう。

●姿勢
丹田と呼ばれるおへその下辺りに力を入れると、猫背になりにくいそう。
また特に語り掛けたい相手がいるなら、体ごとその人の方向に向けましょう。「顔だけ向けると、雑な印象を与えてしまいます。体ごと向けることで、自分の思いも込めやすくなりますよ」(塩沼さん)

●手・指先
無意味な手ぶり・身ぶりは不要。手はももの横に添えるか、おへその下辺りで軽く組んで。原稿を持って臨むなら両手で持つこと。「片手だとぞんざいな印象になりがちですし、両手で持つと手の震え防止にもなりますよ」(塩沼さん)


●マイクとの距離、声
マイクと口の間隔は、こぶし1~2つ分の距離を空けて。原稿を持つ際はマイク横に紙がくるように。顔が隠れないように気を付けて。
声は張りがある方が理想的ですが、本人らしさも大切。「前述のような視線であれば、顎が自然に上がるため、遠慮がちな話し方でも聞き取りやすくなります」(塩沼さん) “会場中央の奥に座るゲストの頭の上”への視線を忘れずに!

「緊急事態の対応は?」Q&A

塩沼さん

Q 頭が真っ白!何も浮かびません

A【素直に白状しましょう】
何とかしようと焦らずに。自分の状況を確認し、それを伝えましょう。例えば「悔しいのですが、頭が真っ白になってしまいました」など。そして極論ではありますが「結びになりますが、本日はありがとうございました」と終えてしまうのもあり。ゲストは、自分たちを思う味方の方々です。素直なその姿は愛すべき新郎として記憶に残るはずですよ(塩沼さん)

塩沼さん

Q 感動で泣いちゃいそう……

A【深呼吸で落ち着いて】
それでも涙が出たら、泣いてしまって良いです。花嫁の手紙用に手にしたハンカチがあれば、使って構いません。落ち着いたら「失礼しました」「まさか泣くとは思わなかったです」などと続けて。感情が高ぶるのは自然のことですし、心の機微を見せられるのは大切な人の前だからこそ。結婚式は、温かく見守ってもらえる場であることを忘れずに(塩沼さん)

塩沼さん

Q 声が震えてる!

A【これもやはり深呼吸を!】
気持ちを落ち着かせて。また、間が空くことや沈黙を恐れずに。時間の長さの感じ方は、実は立場により異なります。同じ時間でも話し手はその3倍、聞き手なら3分の1程度しか感じないそう。自分が思うほどゲストは間を気にしないので安心を(塩沼さん)

塩沼さん

Q 緊張で、出だしの声が小さ過ぎた……!

A【マイクに一歩近づいて】
マイクのボリュームを上げるとハウリングの可能性があるためです。また緊張しがちな人は、謝辞の前に気持ちを整えて。おしゃべりで緊張を紛らわすのではなく、あえて言葉を発さずに心を静めて。会場を見渡してその空間を堪能し、ゲストが自分の味方であること、伝えたい気持ちや言葉を思い返して本番に臨んでくださいね(塩沼さん)

From 編集部

自分の本音の言葉と、適切な姿勢・視線で、ビシッと決めて!

新郎謝辞は結婚式の最後を締めるものですし、新郎の見せ場であることは間違いありません。しかし、「良いことを言わなければ」とは思わないように。焦点を当てるべきは、自分が伝えたい本心を言葉にすることです。それが含まれていれば、前後に入る冒頭の言葉、結びの言葉はオーソドックスな内容でOK。そして、見た目にも注意を。これらが出来ていれば、新郎謝辞はビシッと決まります。

塩沼さん
Profile

塩沼亜紀さん スピーチデザイナー・ウエディング司会者

ウエディング司会者をしながら、結婚式に特化したスピーチのレッスンや提案を行うスピーチデザイナーとして活動。これまで700組以上のウエディング司会を担当しているほかウエディングプランナー経験も豊富。現場で培った知見を生かしながら、個人の個性に合った話術スタイルでウエディングのスピーチを成功に導くサポートをしている。

マリアージュ スピーチ
https://marriagespeech.com/

構成・文/弘中栄美 イラスト/米山夏子 D/mashroom design
※掲載されている情報は2022年11月時点のものです

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