[全文掲載] 花嫁の手紙vol.15~本のフレーズを盛り込んで思いを伝える~
花嫁が親や家族への思いをつづった手紙を読む「花嫁の手紙」は、結婚式の定番演出。普段言えなかった素直な気持ちを伝えられる良い機会ですが、何をどう書いていいかわからない……なんて悩む花嫁さんもいるのでは?
そこで卒花の実例から、あなたが花嫁の手紙を書くためのヒントやコツを見つけてみませんか?
「どんな思いでゲストをパーティに招待したか、直接言葉で伝えたかった」
今回ご紹介するのは、加奈子さんのお手紙。
社会人になり、新型コロナウイルス感染症も影響し、なかなか会う機会がなくなった友人たちを招いて1.5次会を開きました。パーティのテーマは「星」。新郎や友人との出会いや、友人たちとのつながりへの思いを、好きな本のフレーズを用いながら手紙を書きました。
【基本DATA】
■2021年9月挙式(リビエラ逗子マリーナ)
■招待ゲスト数…45名(友人)
■花嫁の手紙を書き始めた時期…約2週間前
■花嫁の手紙を書くのに要した時間…約1時間
■事前練習の有無…有
■挙式で花嫁の手紙を読んだ時間…約3~4分
加奈子さんの「花嫁の手紙」
【GOODポイント&感動ポイント】
2000組以上のウエディングをサポートし、多くの花嫁さんから「花嫁の手紙」の相談を受けている、ウエディングプロデューサーの澤さんにコメントを頂きました。
一気に引き込まれる導入文やお手紙の構成がGOOD!
本の一節を用いて、新婦さまから新郎さまへの思いや、友人たちへの思いを温かい文章で書かれたお手紙。惹きつけられる導入文で、お手紙の話し出しからゲストの気持ちも一気に引き込まれたのではないでしょうか。
【A】では、本の一文をご紹介しています。このようにお手紙の中に本の一文を盛り込むことは、インパクトがあり、ゲストの心にも残りやすいと思います。
【B】で新郎さまの存在についてお話しされている文も、『星の王子さま』の物語にならうような素敵な文で表していて印象に残りました。
真っ暗な会場でキャンドルの明かりだけの中読まれたお手紙。一味違う独特の世界観と深いメッセージのお手紙は、ゲストの心にも刻まれたのではないでしょうか。(澤さん)
花嫁の手紙「書いてどうだった?」「受け取ってどうだった?」
今回のお手紙を書いた加奈子さんと、メッセージを隣で聞いていた新郎にお話を伺いました。
手紙を読んでどうでしたか?
「みんなとのつながりを大切にしていきたい」というメッセージが伝わるように話しました。気恥ずかしい気持ちもありましたが、パーティの後、友人たちから「よかったよ」「伝わったよ」というメッセージをもらいました。思いが伝わったようで良かったです。
苦労&工夫したポイントは?
本を引用したのですが、要約やどこを切り取るかを考えるのに苦戦しました。
一番伝えたいことは何かを意識して端的にまとめ、初めて内容を聞く方にとっても分かりやすいように工夫しました。手紙の内容は1年以上前から頭にあり、書く前の事前準備には2週間ほどかかりました。また、第一声からゲストの興味を引けるよう、話し始めがテンプレートにならないような表現にしました。
本を引用したのはなぜ?
数年前に彼と箱根旅行に出掛けた際、「星の王子さまミュージアム」に訪れました。そこでこの物語を知り、パートナーや周りの方との関係性について私の中で改めて考えが深まったんです。ちょうどパーティのテーマが「星」だったので、自分の経験を『星の王子さま』の物語を通して、ゲストへ思いを伝えたいと感じたからです。
後輩花嫁さんにアドバイスを
私は『星の王子さま』の物語を引用したことで、より自分らしいスピーチになったと思いますが、一番は自分自身の思いを自分自身の言葉で伝えられたことが良かったと思っています。手紙を書く際、ゲストに何を伝えたいかということさえはっきりしていれば、手段は何であれきっと素敵なものになると思います!
お手紙を聞いた新郎より
パーティを通じて「ここに居る人たちが自分たちにとって大切な人たちであること」「大切な人たちと過ごす時間の貴重さに改めて気付いてもらうこと」などを伝えたいと考えていました。新婦のスピーチでふたりの思いも伝わり、ゲストそれぞれが 「みんなと過ごした代わりの利かない時間が宝物であり、それを一緒に共有できたみんなはかけがえのない仲間である」ということを思い出すきっかけにもなったと思いました。
From 編集部
お気に入りの本の一文を手紙に盛り込んで、印象度アップ!
星の数ほどの出会いの中で巡り合った人とのつながりを、「星」をキーワードとし、星空の下にいるような空間でゲストをもてなした新郎新婦。パーティで目指したのは、「これまでのご縁を大切に、このパーティがこれからもみんなが集まるきっかけになれば」という思いを伝えることでした。
物語の一節を盛り込みつつ、自分たちの思いを伝えたお手紙に、ゲストも絆の素晴らしさや仲間の心強さを感じ涙してくれたそうです。
これからも満天の星を見るたびに、この日に改めて結んだ絆をゲストも思い出してくれるでしょう。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング歴17年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。
花嫁から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2022年5月時点のものです
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