【婚礼料理とゲストの本音】「嬉しいのはどっち?」220人大調査
結婚式の披露宴でお出しする料理やドリンク。ゲストに喜んでもらいたいけれど、種類もランクも価格もさまざまで、どんな内容のコースを選べばいいのか、悩む花嫁さんもいるのでは。そこで、結婚式に出席経験のある20代から70代の男女220人に、結婚式で出されて嬉しいのはどんな「料理・ドリンク・デザート」なのかを大調査。ゲストの本音から、今求められているおもてなしが見えてきます。
ゲストに質問!「嬉しいのはどっち?」
【婚礼料理編】
[Q1] 結婚式の料理で重視するポイントは?
最初の質問は、結婚式の料理で重視するポイントについて。「おいしさ」「美しさ」「ボリューム」の3択で、一番重視するポイントを聞いてみたところ、大多数が「おいしさ」を選びました。次に「美しさ」が続くことから、婚礼料理の華やかさに期待している人も少なくないことがわかります。
●おいしさ
・高いご祝儀や会費を出して結婚式に行くので、おいしい料理が食べたい(宮城県・女性・34歳)
・自分ではあまりコース料理を食べに行かないので、シェフが作るおいしい料理を食べられる機会だから(茨城県・女性・25歳)
●美しさ
・ボリュームがあっておいしい料理は、披露宴でなくても食べられますが、見た目の美しさは披露宴の料理だからこそ(大阪府・男性・41歳)
・華やかなおめでたい場所なので、見た目は第一印象として大切(大阪府・女性・51歳)
●ボリューム
・おなかがすいていると心地よい時間を過ごしたとは言えないような気がする(埼玉県・女性・35歳)
ボリュームについては「たくさん食べたい」という声がある一方で、披露宴中は演出などのイベントがいろいろあるので「ボリュームが多すぎても困る」「量より質」という声も一定数見られました。
[Q2] 婚礼料理に最も期待する料理のジャンルは?
会場によってはさまざまなジャンルから料理が選べることもあります。そこで、ゲストに期待する料理ジャンルを聞いてみたところ、1位は華やかで非日常感があるフレンチに。しかし和食と洋食のいいとこどりをした和洋折衷料理もごく僅差の2位と人気を示しました。
●フレンチ
・普段なかなか食べることのないジャンルで、結婚式で食べられると思うと楽しみだから(岐阜県・女性・29歳)
・披露宴のきれいなテーブルに合い、見栄えもよく、豪華に見える(大阪府・女性・51歳)
●和洋折衷
・フレンチも食べたいが、いつも食べ慣れている和食がシェフの手にかかるとどういった料理になるかも気になるから(茨城県・女性・25歳)
・お箸を使って食べたいし、ステーキも食べたいので(福岡県・女性・67歳)
フレンチ派は、普段食べられないからこそ結婚式で食べたい、という声が多く、和洋折衷派は、幅広い年代に受けることや、お箸を使える気楽さがいいという声が多く寄せられました。
[Q3] メニューは自分で選べた方がいい?選べなくても気にしない?
招待状の返信ハガキなどに料理の選択肢が記されていて、食べたい方にチェックを入れて返信すれば、選んだメニューが食べられるサービスも人気があります。この選べるサービスはあった方がいいか、なくても気にしないかを調査したところ、「選べなくても気にしない」人が多数でした。
●メニューは選べなくても気にしない
・何の料理が出てくるか当日までの楽しみになるから(岐阜県・女性・29歳)
・アレルギー関連以外なら、選べる必要はないと思う。ご招待なので(東京都・女性・69歳)
●メニューは選べた方がいい
・メニューを選べる方がワクワクします。好き嫌いがある方でも選びやすいと思います(静岡県・女性・26歳)
・どちらでもいいが選べるならその方が良い(奈良県・男性・48歳)
選べれば選べたで嬉しいけれど、そうじゃなくても、当日のお料理が楽しみになるので問題なし、というのがゲストの多くの意見のようです。
[Q4] 高級食材やブランド食材が使われていないとがっかりする?
フォアグラやキャビア、伊勢エビに黒毛和牛などの高級食材やブランド食材。結婚式の料理はゲストをもてなすために高級感も必要ですが、果たして、食材の高級感までゲストはチェックしているものでしょうか。面と向かっては聞けないゲストの本音を調査したところ、8割の人が「がっかりしない」という一安心の結果に。
●なくてもがっかりはしない
・高級な食材でなくても、おいしければ十分(栃木県・男性・61歳)
・他の食材で、豪華さや華やかさがあれば特に問題ない(石川県・男性・41歳)
●ないとがっかりする
・伊勢エビはあってほしい。やはり、おめでたい食材ですからね(奈良県・女性・68歳)
・せめて三大珍味の一つぐらいはあってほしい(京都府・男性・40歳)
・多少なりとも期待をして参加するので、何かしらの高級食材は出てほしいです(愛知県・女性・38歳)
2割とはいえ、「がっかりする」派の本音も見逃せません。高級食材を使った料理を「食べたいから」というシンプルな理由の他に、「ハレの日だからケチらないで」という声も見られました。
[Q5] シェフによる婚礼料理のメニュー説明はしてほしい?
シェフによるメニューの説明は、ゲストの多くが「なくてもよい」と回答。座席にメニューが配られているので不要と思う方が多いようです。
●シェフによるメニュー説明は不要
・お品書きがあれば十分(青森県・男性・52歳)
・婚礼中はたくさんの演出が行われているので、料理説明も大切なことだとは思うが、新郎新婦との時間をより大切にしたい(茨城県・女性・25歳)
●説明をしてほしい
・食材がよくわかり、料理のおいしさが増す(群馬県・男性・67歳)
・プロからの説明があると、作り手からの視点も感じられて、より一層料理が楽しめるから(富山県・女性・30歳)
説明なしでも問題ない一方で、シェフによる説明を受けると食事が一層楽しみになるものです。結婚式の演出の一つと位置付けられることもありますので、結婚式でシェフの説明が聞ける機会があれば、ぜひ耳を傾けてみてくださいね。
[Q6] 結婚式の料理をいただくのはランチとディナー、どちらがいい?
婚礼料理編の最後の質問は、料理をいただく時間についてゲストの希望はあるのかどうかを聞きました。半数以上が「どちらでも構わない」と答えましたが、ランチ派、ディナー派もそれなりに多く、意見が割れました。ここでは、ランチ派とディナー派それぞれの理由をご紹介。
●ランチとして食べたい
・ランチで贅沢してる感じがいいから(福岡県・女性・33歳)
・夜は二次会などがあるから(兵庫県・男性・32歳)
●ディナーとして食べたい
・ランチは、どちらかといえば軽食のイメージがあり、結婚式の料理はディナーの印象があるから(大阪府・男性・41歳)
・アルコールも飲むから(長崎県・女性・62歳)
一番多かった「どちらでも構わない」派は、「お祝いに行くのだから、どちらでもOK」「気を使う必要はなく、ふたりの都合で決めて」という回答が主でした。
ゲストに質問!「何があると嬉しい?」
【ドリンク編】
[Q7]結婚式でのドリンクはお酒派?ノンアルコールドリンク派?
ドリンクメニューのプラン決めに迷ったら、ゲストの顔触れを思い浮かべつつ、ここからご紹介する調査をぜひ参考にしてください。
まずは「結婚式では、お酒を多く飲むか、ノンアルコールドリンクを多く飲むか」を調査したところ、上のグラフのような結果に。「ほぼ最初から最後までお酒」&「両方飲むがお酒の方を多く飲む」【お酒派】は合わせて55.9%、「ノンアルコール」&「両方飲むがノンアルの方を多く飲む」【ノンアル派】は合わせて44.1%とほぼ半分ずつということがわかりました。アルコールを全く口にしないゲストも3割いることは、ドリンクのプラン決めの際に考えておきたいところです。
[Q8] 【お酒派】に質問。「乾杯のお酒」はどちらがいい?
【お酒派】に乾杯酒の種類を聞いてみたところ、やはりシャンパンなどのスパークリングワインがいい、というゲストが大多数でした。
●乾杯はスパークリングワインがいい
・口開けとして最適(青森県・男性・52歳)
・やはりおめでたい席では最初にこちらをちょっと飲みたいし、華やかな気がするから(千葉県・女性・63歳)
・雰囲気が出るので。居酒屋の乾杯じゃないから(愛知県・女性・32歳)
●乾杯はビールがいい
・最初は軽いお酒からいきたい(岐阜県・男性・42歳)
・ビールしか飲まないため(大阪府・女性・52歳)
その華やかさ、特別感が結婚式にふさわしいから、最初の一杯はスパークリングワイン、という声が多数寄せられましたが、ビールが一番おいしくて飲みやすい、という根強いビール党もいるようです。
[Q9] 結婚式で飲みたいお酒を3つまで挙げるなら?
乾杯後、【お酒派】が結婚式で飲みたいお酒とは? 複数回答で3つまで挙げてもらったランキングはグラフの通り。【お酒派】の63.4%が選んだ一番人気のアルコールドリンクはやはりビールで「おいしいから」という声が多数。その他、せっかくのいい料理に合わせて、生ビールやクラフトビール、珍しいビールがあると嬉しいというリクエストが多数ありました。
●ビール
・プレミアムなビールやクラフトビールがあれば最高(広島県・男性・33歳)
・瓶ビールはお酌をして回るのによい(大阪府・女性・67歳)
・生ビールが飲みたい(北海道・男性・33歳)
●ワイン
・料理に合うワインを用意してくれていると嬉しい(富山県・女性・30歳)
・赤、白、スパークリングなど選べるとよい(千葉県・女性・45歳)
●カクテル
・オリジナルカクテルがあると頼むときの楽しさがあるから魅力的だと思う。また種類が多いと嬉しい(愛知県・女性・32歳)
・オリジナルカクテルはあまり外れがないから(神奈川県・男性・28歳)
昨今の結婚式ではオリジナルカクテルを出すのが人気。ここでしか飲めないレア感もあってゲストに喜ばれます。カクテルを選んだ人たちの男女比は女性59%、男性41%。実は男性にも人気のお酒です。
[Q10] 結婚式で飲みたいノンアルドリンクを3つまで挙げるなら?
続いて【ノンアル派】が結婚式で飲みたいドリンク、人気ランキングの発表です。こちらも3つまでの複数回答で、ベスト3はフルーツジュース、ノンアルコールカクテル、コーラやサイダーなどの炭酸飲料の順でした。上位は甘味のあるドリンク類が独占。無糖飲料ではどんな料理にも合わせやすいとウーロン茶が一番人気に。
●フルーツジュース
・普通の100%フルーツジュースでよいです(島根県・男性・37歳)
・りんごやオレンジなど定番のものに加えて、マンゴーやパッションフルーツなどの変わり種があると嬉しい(大阪府・女性・31歳)
●ノンアルコールカクテル
・居酒屋メニューにはないおしゃれなノンアルコールカクテル(岩手県・女性・38歳)
・飲みやすい種類をいくつかほしい(東京都・女性・30歳)
●炭酸飲料(コーラやサイダーなど甘いもの)
・人気のある一般的なものをメニューに入れておいてほしい(埼玉県・女性・35歳)
【ノンアル派】にもカクテルが人気。炭酸飲料では、コーラのほか「ジンジャーエールが欲しい」という意見が多数ありました。また「本当はビールを飲みたいけれど車を運転するためにノンアルコールビールがあると嬉しい」という声もありました。
ゲストに質問!「嬉しいのはどのスタイル?」
【デザート編】
[Q11] ウエディングケーキに期待するスタイルは?
最後は、デザートについてゲストに質問。後から食べられる生ケーキがいいか、別のデザートがあれば結婚式らしい雰囲気が出るイミテーションケーキもOKか聞いてみました。やっぱり生ケーキ!というゲストが半数超えでしたが、別のデザートがあればイミテーションケーキでも問題なし、という結果になりました。
●食べられる生ケーキがいい
・新郎新婦と一緒に生ケーキを食べて幸せを分かち合いたい(福島県・男性・53歳)
・別のデザートはいつでも食べられるので、結婚式でしか食べることのできないウエディングケーキが食べたいです(愛知県・女性・38歳)
●ケーキは写真写りの良いイミテーションケーキでもいい
・別のデザートがあるのであれば、それで十分。ウエディングケーキまで食べるおなかの余裕がないことも多い。(富山県・女性・30歳)
・結婚式なのでやっぱり写真映えする方がいい(愛知県・女性・55歳)
イミテーションケーキでもOKと答えた方の中には、ふたりが選んだものならそれで問題なし、との意見が複数寄せられました。
[Q12] デザートの振る舞われ方はどちらがいい?
食後のデザートビュッフェは、結婚式で人気のあるサービスでしたが、コロナ下における感染予防対策として、スタッフが多種類のデザートをテーブルに運び、好みのものをサーブする新しいスタイルが登場してきています。そうした変化も踏まえて、デザートのサーブ方法をアンケート。ゲストに最も人気なのは、1人分ずつのデザートを席にサーブするスタイルでした。
●スタッフがデザートを1人分ずつ席にサーブ
・デザートの盛り付けも楽しみだから(東京都・女性・69歳)
・結婚式はあっという間なので席に着いて主役のふたりを見ていたい(岩手県・女性・38歳)
●ゲストが取りに行くデザートビュッフェ
・自分で好きなものを選びたいから(愛知県・男性・28歳)
・デザートビュッフェの方が、盛り上がったり話題になりやすく、子どもや招待者みんなが楽しめる気がするから(茨城県・女性・25歳)
●デザートをスタッフがゲスト卓ごとにサーブ
・衛生面で安心。きれいにお皿に盛り付けてくれそう(東京都・女性・40歳)
・感染予防対策があるので、本当は自分で取りに行きたいけど、サーブしていただける形でもいいです(愛知県・女性・34歳)
デザートは「取りに行くのは面倒」「決まったデザートを持ってきてもらう方がラク」という意見と、「好きなデザートを自分で選んで食べたい」という意見に割れました。
番外編・かつての結婚式の定番
「折り詰め」って知ってる?
結婚式ならではのおめでたい意味を込めた食べ物の折り詰め。近年減りつつありますが、地方によっては今も健在な習慣です。今回アンケートで「結婚式で配られる折り詰め」を知っているか調査したところ、 結婚式でもらったことがある人は40.5%、もらったことはないが折り詰めの習慣は知っている人は28.2%。もらった経験がなく、習慣も知らない人は31.4%でした。
折り詰めの中身を地方名とともにお聞きしたところ、たいの塩焼き(東京都、兵庫県、長崎県など)のほか、たいのかまぼこ(富山県、愛媛県など)、たいの砂糖菓子(愛知県、佐賀県など)、「たい」の形の食品が入っていたという声が多く寄せられました。また、赤飯(山形県、新潟県、京都府など)や、助六などのすし(愛知県、岐阜県など)などご飯ものも多いようです。結婚式の形は時代とともに変わっていきますが、その土地ならではのお祝いの伝統は覚えておきたいものですね。
From 編集部
ゲストに喜ばれるメニュー選びを
結婚式の料理・ドリンク・デザートにまつわるゲストの本音。「ご祝儀を出す分、料理は楽しませてほしい」という率直な意見もあれば、「ご招待なんだから細かいことは気にしないので、ふたりが好きに選んでいいと思う」という温かな意見まで、さまざまな声が集まりました。今のゲストの嗜好(しこう)は多様化している上、飲食の分野は流行が移りやすいものです。すべての要望に応えることは難しいので、基本的には、ふたりが大切なゲストにどんなおもてなしをしたいかよく考えて選べば問題ありません。今回の最新調査の結果が、皆さんのメニュー選びのお役に立ちますように。
構成・文/河内千春 イラスト/オザキエミ
※記事内のデータならびにコメントは2022年1月に実施した、過去3年以内に結婚式に出席したことのある20~70代の男女220人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年3月時点のものです
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