ゲストを退屈させない!【主賓&友人スピーチ】の人選&依頼のコツ
結婚式のスピーチをどうしよう、誰に頼もうと悩んでいる花嫁さんへ。ふたりもゲストも退屈せず、心に残るスピーチが叶うかどうか、その決め手はズバリ、「人選」と「依頼の仕方」にありました。ゲストの本音アンケートやプロのアドバイスもぜひ参考にして。
ゲスト100人に大調査!
列席してよかったスピーチは?
【主賓のスピーチ】よかったことランキング
「人柄がわかる」スピーチがいいと答えた人が7割近くも。ユーモアのあるスピーチも人気。職場の上司が普段見ている新郎新婦の仕事ぶりやギャップを知りたいという声も多かった。年齢層の高いゲストからは「品格や格式」を重視するという回答も。
From ゲスト
新郎が真面目さとユーモアを兼ね備えた人物であることを、面白おかしく、最後はほろりとするエピソードも加えながら、上司が人生観を交えてわかりやすく語っていた。こんな素敵なスピーチができる上司に可愛がられている新郎は人柄がいいのだろうと思い安心できた。(44歳・女性)
新婦の人柄、仕事ぶりを、営業成績を用いながらユーモアたっぷりに紹介。とても優秀かつ愛される人柄だとわかったし、会社のことを知らない友人・親族も面白く聞き入ってしまった。(28歳・女性)
大学時代のゼミの恩師が、大学時代とてもやんちゃだった彼のエピソードを話してくれ、今の姿とのギャップに「こんなに違うものか」と驚いていることをとても面白く、愛たっぷりにスピーチ。新婦もゲラゲラ笑っていてほっこりしました。(48歳・男性)
【友人のスピーチ】よかったことランキング
主賓同様「人柄がわかる」スピーチが聞きたいという声が最多。友人だからこそ語れる、幼少期や学生時代の様子や意外なエピソードが喜ばれる。ユーモアを求める声は約3割と主賓より少なめ。また、スピーチ時間のコンパクトさを求める声は主賓より多めだった。
From ゲスト
新郎の幼なじみの友人が、幼少時は泣き虫だったこと、中学時代はやんちゃしていた時期が少しあったことなどを話して、会場中が笑いに包まれた場面が印象的だった。(30歳・男性)
大学時代の友人から、新婦が酔った女友達を介抱し、タクシーで自宅まで送り、本人が気付くまで付き添ったというスピーチが。どこまでも優しく親切な人柄がわかって、温かな気持ちになった。(59歳・男性)
新婦の親友が、幼い頃の優しいエピソードと、心から幸せになってほしいという想いが伝わるスピーチを、ボロボロ泣きながら笑いながら話していて、新婦の人柄がわかってとてもよかった。(37歳・女性)
スピーチをお願いするゲスト人選のコツ
ふたりの人柄や仕事での活躍をよく知っている人にお願いを
【主賓スピーチ】
パブリックな場で新郎や新婦が頑張って活躍していることをゲストにしっかり伝えて安心させることが一番の目的。結婚式の格式や箔のようなものを演出するのも主賓しかできません。
会社関係者を招待する式では、招待した中で一番地位の高い人に頼むのが一般的。最近はあまり上の役職者を呼ばず、関わりが深い直属の上司を招待しスピーチをお願いする人が多い傾向。会社関係者を呼ばない結婚式では、学生時代の恩師や親族にお願いする人も。新郎新婦の人柄や仕事での活躍ぶりを知っている人に頼むことが、退屈させないスピーチのポイントに。
【友人スピーチ】
「彼または彼女はこんなにいいやつ、素敵な人なんです!」と新郎新婦の人柄の良さを伝えることが使命。その友人しか気づいていないような人となりが伝わると、みんなの驚きや感動を誘います。
そんな友人スピーチは「彼・彼女しかいない」と思える親友に頼めばOK。頼みたい親友が口下手でも、心を込めて考え話してくれたスピーチは、ゲストの心を打つはず。親友が複数人いる場合は、話すのが得意で人前に立つのが嫌いではない人にお願いしよう。
プロがアドバイス
今どきの結婚式は義理ではなく本当に来てほしいゲストを招待する人が多数派に。するとスピーチをお願いする人も自然に絞られてきます。「特別な日にお祝いの言葉をもらいたい」と心から思える人にお願いするのがベストでしょう。
話者が話しやすくなる依頼の時のポイント
ふたりの要望や情報をある程度を伝えてあげるのが親切
●POINT 長さ
食事前の主賓スピーチで、ゲストに退屈せずに聞いてもらえる長さは5分程度。10分を超えると、内容がどんなに良くても「長い」と感じられてしまうので注意。話好きな上司などに依頼するときには「会場から約5分間でお願いするようにと言われました。短くて申し訳ありません」と伝えれば角が立たない。
●POINT 内容
【主賓】格式がありつつも、新郎新婦の人柄や仕事の活躍ぶりなどがわかるスピーチの方がゲストに興味深く聞いてもらえる。結婚報告時に今後の仕事への抱負を伝えたり、ふたり揃って対面で主賓にあいさつすれば、その時の感想もエピソードに加えてもらえ、深みが出る。
【友人】スピーチの中身をこちらから指定するというよりは、言ってほしくないことを伝えておこう。やんちゃぶりを知る親友には、「親友だからこそ頼む。余計なことは言わないでくれ(笑)」「昔の異性関係の話はNGで」「ダメなところを話してもいいけど、親族もいるので、一度は持ち上げて (笑)」などと伝えておくと安心。
プロがアドバイス
「全てお任せ」するのではなく、結婚式の顔触れ、テーマ、ふたりのなれそめなどを事前に伝えた方が、スピーチする人も準備しやすい。スピーチしてもらうシーン(主賓or友人)や他にどんな人がスピーチするのかも伝えておきましょう。
スピーチの依頼&お礼の基本はこちらもチェック!
さらにチャレンジ!
ふたりからお願いできるスピーチアイデア
主賓や友人に素敵なスピーチをしてもらうために、新郎新婦ができることとは?結婚式のマナーを踏み外さず、スピーチしてくれる人にも喜ばれる、ちょっとした一工夫を紹介します!
プロから提案
【司会者からの紹介を工夫】
司会者が主賓や友人を紹介する際に、肩書や名前だけでなく、「新郎新婦にとってどんな存在なのか」をくすっと笑える一文を添えて司会者から紹介してもらおう。「当日は『○○○○な方です』と楽しい感じで司会者から紹介してもらいます」と事前に主賓や友人に伝えておけば、「リラックスした感じのスピーチでいいんだな」と間接的に伝わり、堅苦しいスピーチになるのを防げる。
【過去のメッセージを読む】
「何を話せばいいかわからない」という友人には、新郎または新婦から受け取った昔の手紙やメール文などを読んでもらうよう頼んでみては? 何年何月何時ごろ、どんな状況だったのか、当時のエピソードも添えて読めば、時空を超えた思い出として蘇り、面白さと感動をゲストと共有できる。
【形式を工夫】
友人がスピーチを考える負担を減らすアイデアとして、感謝状や表彰状形式を提案しても。1つのエピソードにフォーカスできるから短くて済むし、お笑いにも感動にも寄せられる。
【話者を複数人に】
1人ではなく、2~3人にスピーチをお願い。全員でマイクの前に立ち、ひと言ずつ新郎新婦との面白エピソードを語ってもらうのもお勧め。リーダーを決めておき、最初と最後をビシッと締めてもらおう。
From 編集部
ふたりの工夫次第でスピーチをとっておきの時間に
主賓や友人にお任せ、という人もいるけれど、スピーチは新郎新婦の人となりをゲスト全員に知ってもらう絶好のチャンス。ゲストを退屈させないためには、新郎新婦の事前の準備や一工夫も大事なんです!「いいスピーチだった」とみんなに喜ばれれば、主賓や友人も嬉しいし、絆も深まるはず。ぜひふたりらしくスピーチにこだわってみてください。
蔭山洋介 スピーチライター
スピーチライティング、話し方トレーニング、プレゼンテーションを支援する会社「コムニス」代表取締役。ForbesJAPANオフィシャルコラムニスト。一般財団法人 渡辺記念育成財団 選考委員、宣伝会議スピーチライティング講座の講師など、幅広い分野で活躍中。
取材・文/笠原恭子 イラスト/タケウチアツシ D/mashroom design 構成/小堀そら(編集部)
※記事内のデータならびにコメントは2021年11月に過去3年のうちに5回以上結婚式に参列した男女108人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2022年1月時点のものです
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