家計簿ズバリ診断[vol.25]静岡県・MNさんの場合「家賃補助がなくなる前にマイホームを」
結婚したら、夫婦でどのように協力して家計を管理していけるかが、未来の明暗を分けるカギ。そこでこの連載では、新婚カップルの「夢」と「リアル家計簿」から、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美先生が一家の未来をズバリ診断。今の生活でふたりの夢はかなうのでしょうか。
「マイホームを購入すると家賃補助4万円が0に……」
子ども現在1人、5年以内にあと2人希望。マイホームを購入したいけれど、今は会社からの家賃補助も大きいのでタイミングで悩んでいます……という静岡県・MNさんの家計簿を診断してもらいました。
相談者:静岡県・MNさん
子どもは計3人希望で、家を買いたいです。会社からの家賃補助4万円が8年間あり、あと7年で終わります。今のアパートは気に入っているので、家賃補助をもらえる間は住み続けたほうがいいのか、それとも早く家を購入したほうがいいのか……よろしくお願いいたします!
【MNさん家族のプロフィール】
・夫32歳(会社員)
・妻32歳(会社員)※育休中
・第1子0歳
子どもは5年以内に計3人希望。
MNさんの平均的な月の家計簿がこちら!
【MNさんの夢と現実memo】※金額はすべて「約」
●将来の夢
・子どもは現在1人、5年以内にあと2人希望(妻は育休後にパートで復帰希望。時給1000円で6時間、平日のみ)
・マイホーム購入希望(建売住宅で予算3700万円くらい。頭金500万円+妻の親から援助200万円。夫の親からは不明)
・子どもにピアノ、水泳、テニスを習わせたい(テニスは夫の趣味)
●月収とボーナス(手取り)
夫:30万円、ボーナス年間100万円
妻:16万円、ボーナス年間80万円
●年収(手取り)
夫:460万円
妻:272万円
●借入金・ローン
夫:奨学金50万円
●貯蓄総額(現在)
夫:定期預金500万円、普通預金100万円
妻:定期預金300万円、普通預金600万円
●家計管理
夫:食費以外の生活費を負担
妻:食費を負担
FP丸山先生が診断
MNさんの家計簿の採点結果は……
from 丸山先生
家計簿は通信費以外に
気になるところなし!
住宅購入のタイミングだけは
じっくり考える必要がありそう
家計のやりくりは本当に上手ですね。家計簿は通信費がもっと抑えられるかな?という以外に気になる点はなく、貯蓄もしっかりできています。
気になるとすれば、住宅購入のタイミングくらいでしょうか。
今は会社からの家賃補助4万円があり、4万9000円で住めている。しかも気に入っているとのことなので、家賃補助がもらえるうちはもらったほうがお得ですが、それまで待っていると、夫婦とも40歳近い年齢に。
返済期間はぎりぎり25年で組める年齢、しかも想定している頭金が少なめなので、やや毎月の負担感がアップ。3700万円の建売住宅を、頭金700万円で購入、つまり3000万円のローンを組むとなると、仮に金利1%として、毎月11万3000円の返済に。
この負担を減らすには、今後7年間で頭金をあと1000万円増やすのが有効。借入額を2000万円にすると、毎月返済額は7万5000円くらいに抑えられます。
from 丸山先生
子どもの転校を避けるには
物件探しが難しくなる可能性も
4~5年後、第1子の就学前に
購入するプランもあり
金銭的な損得だけで考えると、家賃補助の期限ぎりぎりまで待つのがお得。
ただし、そこまで引っ張ると、第1子が小学校に入学してからのマイホーム購入に。転校を避けるには、今のアパートと同じ学区限定で物件を探さなければならず、希望に合う物件を見つけにくくなる可能性もあります。
そこでプランBとして提案したいのが、第1子が小学校入学前のタイミングでの購入。
4~5年後なら、返済期間をもう少し伸ばすことができ、30年ローンも可能になり、毎月返済額は9万6500円に。さらにその間、頭金を500万円増やすとすれば、毎月返済額は8万500円にまで下げられます。
今の段階で十分な貯蓄があるので、頭金をいくら入れるかによっても資金計画はさまざまなパターンから選べるはず。
・頭金をもう少し増やす
・借入金を減らす
・借入期間を短くする
この3つを目標に、夫婦で考えてみましょう。
from 丸山先生
家計的には問題なし!
3人それぞれに合った習いごとを
家計に大きな転機があるたび
夫婦でじっくり話し合いを
ピアノ、水泳、テニスと習いごとについての希望もたくさんありますが、家計的には問題ないでしょう。
ただ、無理強いをしてはお金が無駄になるうえ、子どもに苦手意識を植え付けてしまうので、まずは体験させて、3人3様の性格や素質をみて、その子に合ったものを習わせてはいかがでしょうか。
また、3人に複数の習いごとをさせるというのは、スケジュール管理も大変。お迎え・待機の時間が取れるのかどうかも考えて、厳選することをおすすめします。
住宅にしても習いごとにしても、MNさんの家計であれば心配もいりません。ただ、住宅購入後や、妻がパートになったときなど、家計に大きな転機があったときは、その都度、夫婦で話し合い、その時々の事情に合った管理方法を見直していきましょう。
まずはベストなタイミングで、ベストな物件に出会えることが大事。それがいつ来てもいいように、準備を進めていってくださいね。
診断を終えて
相談者さんからひと言
MNさんより
結婚後は家計簿をつけたことがなく、このままで良いのか不安になっていたので、先生のご意見が聞けて安心しました。
マイホーム購入についても、夫は今のアパートに住み続けたい、私は早く家を建てた方が良いのではと、平行線のままでしたが、第1子就学前までにと明確な目標を持つことができました。それまでに貯蓄をしっかりしていきたいです。
習い事のことも参考になりました。この度はアドバイスをありがとうございました。
From 編集部
いつでもマイホームを購入できるよう準備を
マイホーム購入の目標がはっきりと決まり、あとはいつ買い時が来てもいいように準備を進めていければ安心ですね。丸山先生のアドバイスを参考に、これからもどんどん貯蓄を増やして、最強の家計を築いてくださいね!
丸山晴美 節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナー
旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどさまざまなメディアで活動中。
URL:http://www.maruyama-harumi.com/index.html
構成・文/前川ミチコ イラスト/Sachicafe 監修/丸山晴美
※掲載されている情報は2021年3月時点のものです
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