一粒ダイヤもいろいろ！ソリティアリング選びでチェックしたいこと５

婚約指輪の定番デザインといえば、ダイヤモンドが１粒輝くソリティアリング。シンプルなデザインなのでどれも同じと思われがちですが、ダイヤモンドの大きさはもちろん、アームの幅や形状などで印象は異なります。自分の手指の特徴によっても似合うリングはさまざま。そこで、ジュエリーコーディネーターの小俣友里さんにソリティアリングの印象を左右する５つのポイントをお伺いしました。

１.存在感を左右する＜ダイヤモンドの大きさ＞

ソリティアリングの印象に大きな影響を与えるのは、ダイヤモンドの大きさです。婚約指輪ではダイヤモンドの大きさは0.3ct程度が一般的なサイズで、0.2ct前後だと小さめ、 0.5ct以上だと大きめということができます。

＜小さめのダイヤモンド＞
0.2ct前後の小さめのダイヤモンドは控えめでかわいらしい印象。小さくてきゃしゃな印象の手の人、細い指の人に似合います。

＜中くらいのダイヤモンド＞
0.3ct程度の中くらいのダイヤモンドは上品な印象です。どんな手指の人にも似合う大きさといえます。迷ったらまずここから試着を。

＜大きめのダイヤモンド＞
0.5ctもある大きめのダイヤモンドはゴージャスな印象。大きな手や厚みのあるふっくらとした手、あるいは節が太い指の人にも似合います。

上から、フルッタ(イノーヴェ)10万1200円（Pt950、ダイヤモンド0.1ct）、マフィン(デザート)22万5500円（Pt950、ダイヤモンド0.3ct～）、#15(イノーヴェスワン)100万4300円（Pt950、ダイヤモンド1.0ct~）／全てビジュピコブライダル上野御徒町本店

４Ｃの評価に応じて決まるダイヤモンドの価格

４Cとは、ダイヤモンドの品質を評価する目安で、カラット（Carat）、カラー（Color）、クラリティー（Clarity）、カット（Cut）の頭文字を取っています。
カラットはダイヤモンドの重さの単位のことで、１ct=0.2gを表します。カラーはダイヤモンドの色のこと。無色に近いものが希少とされ、DからZまでで等級付けされます。クラリティーは透明度のこと。ダイヤモンド内部の包有物と外部の傷などを総合的に判断し、FLからI3まで11等級に分類します。カットはラウンドブリリアントカットのプロポーションのバランスを評価するもので、５等級に分かれています。
４Ｃの評価が高いほどそのダイヤモンドは希少なものになり、価格は高くなります。ただし、希少なものが優れているというわけではありません。ダイヤモンドは一つとして同じものはなく、いいなと感じるダイヤモンドがあなたにとっての最良のダイヤモンドなのです。

２.“らしさ”を決定づける＜ダイヤモンドのセッティング＞

ダイヤモンドの留め方によっても、ソリティアリングの印象は変わります。ソリティアリングというと大きな爪で留めた立て爪をイメージする人がいるかもしれませんが、最近のソリティアリングは小さな爪で留めたものがほとんど。なお、ダイヤモンドを持ち上げる爪留めは、四方から光が入り、ダイヤモンドの輝きを最も引き出す留め方といわれています。一方、ダイヤモンドがやや突出する形となり、日常的に身に着ける場合はぶつけたり、引っ掛けやすいという面もあります。

ソリティアリングでは爪を使用しないセッティングもあります。一般的なのは覆輪留めと挟み留めです。覆輪留めはダイヤモンドを輪状の金属でぐるりと覆う留め方です。はさみ留めはアームに溝を作り、左右からダイヤモンドを挟み込んで留める方法です。爪を使用しない留め方はダイヤモンドが突出しないので、引っ掛かりにくいといえます。

＜６本の立て爪＞
最もスタンダードな留め方で、風格があります。婚約指輪らしい指輪が欲しい人にお勧めです。

＜４本の立て爪＞
爪が四角に配されるタイプと十字に配されるタイプがあります。四角タイプはダイヤモンドが四角く見え、シンプルでスタイリッシュなイメージに、十字タイプはダイヤモンドが丸みを帯びて見え、上品で柔らかな印象になります。

＜覆輪留め＞
シンプルでクラシカルな印象で、ダイヤモンドがひと回り大きく見えます。いかにもという雰囲気の婚約指輪は苦手という人、少し個性的な婚約指輪が欲しいという人にお勧め。普段のファッションにも合わせやすいものが多いようです。

＜挟み留め＞
シンプルでスタイリッシュな印象。手元にあるジュエリーを新たにリメイクする人が選択することも多いセッティングで、ダイヤモンドの存在感も感じられます。覆輪留め同様、日常的に身に着けたいという人にお勧めです。

６本爪：Pureness 40万7000円（４℃ピュアPt、ダイヤモンド0.3ct)、４本爪：Earnest Love 25万3000円（Pt950、ダイヤモンド0.2ct)／共に４℃ブライダル、覆輪留め：サークレットソリティアリング19万500円（Pt950、ダイヤモンド0.3ct）／BRILLIANCE+、挟み留め：16万2800円（Pt、ダイヤモンド0.2ct～）／QDM

３.佇まいに影響を与える＜アームのボリューム（太さ）＞

リングのアームのボリュームによっても、ソリティアリングの印象は変化します。一般的には、リング幅が2.5mm以下は細め、2.5～3mmが中くらい、3.5～4mm以上が太めといえます。アームは細めの方が装着した際の違和感は軽減されますが、同じ素材の場合強度は少し弱くなります。また、着け心地は人それぞれですが、普段着け慣れない人は細めを、存在感や個性を出したい方は太めを選ぶということも。価格は地金を多く使用する太めの指輪が高価になります。

＜細めのアーム＞
どちらかというと女性的でフェミニンな印象。指が細くて、手が小さめの人に似合います。

＜中くらいのアーム＞
一般的な太さ。スタンダードでコンサバな印象を与えます。基本的にはどんな手指の人にも似合います。

＜太めのアーム＞
どちらかというとクールな印象。個性的で存在感があります。手ががっしりとしていて大きめな人に似合います。

上から、エクセルシアフィーヌ22万円～（Pt、ダイヤモンド0.2ct～）、リュミエトゥール21万円～（Pt、ダイヤモンド0.21ct～）、エクセルシア23万円～（Pt、ダイヤモンド0.21ct～）／全てエクセルコダイヤモンド東京本店

４.指との一体感を演出する＜アームのライン＞

アームのラインは大きくストレート、ウエーブ、V字の3タイプに分かれます。ストレートが最も一般的でシンプルなデザイン、ウエーブやV字はやや個性的なイメージになります。

＜ストレート＞
安心感のあるラインで、ソリティアリングの定番。基本的にはどんな手指の人にも似合いますが、節が太く、根元が細いタイプの指には特にお勧め。重ね着けする結婚指輪は基本的にはどのラインでもしっくりきます。

＜ウエーブ＞
女性的なイメージがあり、緩やかなカーブが柔らかなで上品な印象を与えます。ふっくらとした手指の人や水かきがある手の人になじみます。結婚指輪は同じウエーブラインがお勧めです。

＜V字＞
シャープでマニッシュな印象があります。目の錯覚で指がすっきり細く見える効果があります。結婚指輪は同じV字ラインがお勧めです。

ストレート：Pureness37万4000円（Pt950、ダイヤモンド0.3ct）、ウエーブ：Stella Maris25万3000円（Pt950、ダイヤモンド0.2ct）、V字：Fondant25万3000円（Pt950、ダイヤモンド0.2ct）／全て４℃ブライダル

５.ニュアンスを添える＜アームの形状＞

アームの形状といわれても、ピンとこない人が多いかもしれません。これはアームの断面の形のこと。婚約指輪では甲丸、平打ち、平甲丸が一般的です。

＜甲丸＞
アームの外側の角を削り、丸く仕上げています。上品でエレガントな印象があり、ふっくらとしていてかわいらしい印象の手や、指の根元が太い人に似合います。指当たりがよく、着け心地もいいのが特徴です。

＜平打ち＞
アームの角を削らずに、角張っている形。シャープでスタイリッシュな印象になります。男性っぽいがっしりとした手、関節が太い指、先から根元まで真っすぐな指の人に似合います。なお、幅広の指輪だとぎゅっと手を握ったときに、両隣の指に当たる感じがする場合も。

＜平甲丸＞
平打ちの角を削った形。平打ちのイメージはそのままに、指当たりをよくしています。どんな指にも似合うので、甲丸と平打ち、どちらにしようか迷ったらこれを選ぶといいでしょう。

甲丸：セレンディピティ(フロウェーブス)16万1700円（Pt950、ダイヤモンド0.2ct～）、平打ち：シュマン(ガロピーネガロパン)34万4300円（Pt950、ダイヤモンド0.5c～）、平甲丸：リュース(ポルターダ)15万5100円（Pt950、ダイヤモンド0.2ct～）／全てビジュピコブライダル上野御徒町本店

着け心地の良さを求めるなら内甲丸を

アームの外側だけでなく、内側の形状も実は着け心地には大事なポイント。内側の角を削り、丸く仕上げたものを内甲丸といいます。この仕上げが施されているものは、指当たりが柔らかく、着け心地が良いとされます。また、指通りがいいので、指輪がするっと入ります。幅が太い指輪を選ぶ人や関節が太くて根元が細い指の人は、指通りがいい内甲丸仕上げがされている指輪を選ぶのがお勧めです。

From 編集部