“小顔見えヘア”を徹底研究!プロが解説する錯覚テクニックって?
花嫁姿は写真にも残るし、出来る限りの小顔になりたいけれど、顔自体を小さくするのってなかなか大変……(泣)。そこで今回は錯覚効果を利用して、ヘアスタイルのみで小顔に見せる秘密をプロたちが伝授。少しの工夫だけでドレスの似合う小顔に変身できちゃうテクは必見です。
今回アドバイスをくれたのは……
森川和則教授/大阪大学大学院人間科学研究科
錯覚とは、目が誤って対象を認識してしまう現象。これを応用すれば今ある顔を実物よりも小顔に見せることができます。特にヘアスタイルのアレンジは誰でも取り入れやすくておすすめです。
西山由記さん/roomN°6 ヘアメイクアップアーティスト
顔の大きさの印象を左右するのは、丸や逆三角形など個々のフェイスラインとヘアスタイルのバランス。ヘアを流す角度や毛束の量など、ほんの少しの違いで見え方が大きく変わってくるので、ぜひ鏡を見ながら研究してみて。
テクニック1
<分割錯視>で顔の幅を狭く見せる
\図解/分割錯視って?
分割錯視とは物体が二分割されると、元の大きさよりも短く、小さく感じる現象です。これを利用してヘアスタイルでは顔に髪を垂らす、アクセサリーをして顔を分割するように見せると顔の幅が狭く見えます。(森川教授)
\プロのヘアメイクが解説/
花嫁ヘアに応用したいポイントは?
【後れ毛は顔の形とのバランスを見て】
後れ毛を垂らすと小顔に見えますが、顔の形ごとにポイントがあるので注意。
●えら張り顔
えらの張っている部分に添わせる毛と、ふわっと外巻きにさせる毛を2種類つくり視線を散らすとえらが目立たなくなる。
●面長顔
外巻きに段を付けながら巻いて垂らすことで、顔の長さが強調されなくて◎。
●丸顔
外巻きにゆるっと巻くか、ストレートのままで顔に沿わせることで、シャープなフェイスラインに。
【量で印象が大きく変わる】
後れ毛はその量でかなり印象が変わります。顔を隠したいからと多めに垂らすと重みが出るため、頭全体が大きく見えてくるので注意。前髪やこめかみ、耳の前や後ろなど下ろす場所でもイメージが変わるので、会場やドレスの雰囲気と合わせてバランスをとって。
卒花も分割錯視を実践!
顔が長くえら張りなのも気になり、顔に掛かる髪の長さを短めに下ろしました。顔周りの毛は少し巻いてサイドのボリュームを出し、全体的に丸くしてもらったのも小顔見えのポイント。(miyabiさん)
テクニック2
<バイカラー錯視>で顔の縦横の長さを調節
\図解/バイカラー錯視って?
人間の脳は、分割された図形の長さを実際より短く認識したり、同じ長方形でも縦長に分割すると縦方向が強調されて見える現象があり、これがバイカラー錯視。ヘアスタイルでは、例えば前髪をおろして顔の長さを短く見せる、ダウンヘアで顔の幅を狭く見せるなどがその例です。(森川教授)
\プロのヘアメイクが解説/
花嫁ヘアに応用したいポイントは?
【ダウンヘアの場合】
ウェディングシーンですべての髪を下ろすと重い印象になりがちなので、片側を耳にかけたり、ハーフアップや前髪をかき上げて下ろすのが◎。この時も顔まわりの髪の下ろす量や巻き方で、おでこの広さや顔の輪郭を自然に隠すことができます。
【おろし前髪の場合】
前髪の小顔効果は自分の顔形をきちんと意識しないと、バランスが悪くなってしまうので、量や幅の取り方に気を付けて。
●丸顔
すっきり見せたいので横に流すか、薄めの量(シースルーバング)で軽く下ろすのがオススメ。
●面長顔
幅に注意。面長が強調されないように、前髪の幅を広めに取ってあげると顔の横幅が広がるのでバランス良く見えます。
卒花もダウンヘアを実践!
えらが張っているのが気になったのでダウンヘアに。全部を下ろすと重く見えるので片方だけ耳に掛け、大きめのヘアアクセを着けて、うまくバランスを取りました。(さーちゃんさん)
卒花もおろし前髪を実践!
小顔に見せたかったので前髪はアップにせず、斜めにふんわり下ろしました。長さは眉中~下ぐらいになるよう、髪の伸びる速さから逆算して美容院に行き、しっかり事前準備。(りぃさん)
テクニック3
<エビングハウス錯視>で顔の大きさをすっきり見せ
\図解/エビングハウス錯視(対比の錯視)って?
同じ大きさのものでも、周りにあるものの大きさとの対比によって見え方が変わる錯覚。これを利用すると、大きいお団子ヘア、存在感のある花飾りやアクセサリーを頭部に着けることで、顔を小さく見せることができます。(森川教授)
\プロのヘアメイクが解説/
花嫁ヘアに応用したいポイントは?
【アクセサリーの選び方】
◆ピアス・イヤリング
大ぶりアクセサリーは選び方に注意。顔形との相性をきちんと考えて。
●丸顔
縦に長く揺れるタイプや、大ぶりのものが顔の丸さをごまかしてくれる。
●面長顔
長さがあって揺れるタイプは、顔が長く見えるので危険。丸めのデザインでデコラティブなものがオススメ。
●えら張り顔
シンプルで曲線があるデザインを選んで。デコラティブすぎるものはえらを目立つたせるため×。
◆生花・花冠
顔周りに大きいものが来ると小顔に見えるので、アップスタイルにつける生花は、正面から見えるくらいの大きさに。とはいえ、花冠はボリュームがありすぎると引きで見た時にアンバランス。平たいお花や小さめのお花が◎。
【アップヘアのシルエット】
アップスタイルにする際は、顔形に合うシルエットを意識して。
●丸顔
トップに膨らみを持たせ、ボリュームのあるアップヘアにして縦ラインを作ります。しっかり高さを出すのがポイント。
●面長顔
縦の長さを強調しないよう、高さは出さずに耳周りの横のボリュームを出す事で良いバランスに。
●えら張り顔
下の方にふんわりとボリュームをもたせたラフなアップスタイルにするのが◎。耳の横からシニヨン部分が見えるようにボリュームをつけると、えらの部分が目立たなくなります。
卒花も対比の錯視を実践!
頬骨が高く横に広く見えるのが気になっていたので、大きなティアラで頭の上部にボリュームを出し、顔の輪郭部分が相対的に小さく見えるように工夫しました。(りのあさん)
テクニック4
<アモーダル補完>で顔の面積をカット
\図解/アモーダル補完って?
対象物の一部が隠れて見えないとき、欠けた部分を脳内で補完して全体像を認識してしまう機能。これを利用して、髪を下ろして肌部分の面積を小さくできれば、輪郭をひと回り小さく見せることができます。(森川教授)
\プロのヘアメイクが解説/
花嫁ヘアに応用したいポイントは?
【前髪は流し方が重要】
顔周りの髪は顔の額縁になるので、前髪はこだわりたいところ。分け目の位置、流し方がまっすぐ直線的かふんわり半円形か、自分に似合うのがどれなのか見極めておくのが大事。自分で鏡を見ながら前髪をいろいろと動かしてみて、しっくりくる流し方を研究して。
【サイドの髪は、ひし形を意識して】
サイドの髪を下ろすときは髪の巻き方がポイント。顔周りの髪を外巻きにし、耳のところに厚みを持ってきてひし形シルエットにすると立体感ができて小顔に。えらが気になる人はえらが張ってるところに厚みを持ってくると◎。
卒花もアモーダル補完を実践!
私より彼の方が小顔に見えることが悩みだったので、ヘアのアレンジは小顔効果をしっかり意識。顔の各パーツと全体的なバランスを見ながら前髪を流しておでこを隠し、サイドの髪を巻いて輪郭を隠してもらいました。(池本 綾さん)
From 編集部
ポイントを押さえた錯覚ヘアで小顔を叶えて
ヘアアレンジや顔周りのアクセサリーの使い方だけで、想像以上に顔の大きさの印象が変えられて、花嫁の味方なのがこの錯覚パワー。ただし、ほんの少しの違いやバランスの違いで効果は大きく変わってくるので、ヘアメイクリハーサルの際に事前確認が大切です。
取材・文/滝 紀子 イラスト/NicoMaison D/ロンディーネ 監修/森川和則(大阪大学大学院 人間科学研究科)、西山由記(roomN°6 https://roomjune.com/) 構成/小堀そら(編集部)
※掲載されている情報は2020年9月時点のものです
※記事内のコメントは2020年7月に「ゼクシィ花嫁会」メンバー106人が回答したアンケートによるものです
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