結婚式の「持ち込み料」って何?なぜかかる?その仕組みを解説!
「ドレスはお気に入りのショップで選びたい」「ギフトは愛用しているアイテムを配りたい」、そうプランナーに伝えると「お持ち込み料がかかりますが・・・・・・」と言われた! ん?持ち込み料って何? 謎の料金について、ウエディング業界に精通するフリープランナーの清水 恩(めぐみ)さんに、詳しく教えてもらいました。
Q1.持ち込み料って何?
A.アイテムやサービスを持ち込む際の手数料のこと
「持ち込み料」という言葉、結婚式の準備で初めて聞いた人も多いかもしれませんね。大体の結婚式会場には、それぞれのアイテムごとに提携している業者があります。装花なら○○花店さん、ペーパーアイテムは△△印刷さん、ドレスなら□□サロンといった具合です。新郎新婦が、結婚式会場と提携していない業者で手配したアイテム・サービスを使用することを、ウエディング業界では「持ち込み」と呼んでいます。「持ち込み」をする場合に、手数料として発生する料金を「持ち込み料」といいます。(清水さん)
Q2.持ち込み料がかかるのはなぜ?
A.会場側が保管したり準備したりする作業代が掛かるから
新郎新婦が提携業者からアイテムを購入すると、結婚式会場側には提携業者から手数料が入ってくる仕組みになっています。しかし、新郎新婦が提携していない業者の商品を使うと、会場側には手数料が入りません。
ウエディングに必要なアイテムやサービスには、手配、保管、準備を行う人件費がかかります。会場と提携している業者の商品であれば、会場側は手数料の範囲でその作業を行うことができます。提携していない業者だと手数料が生じず、作業分がマイナスになってしまいます。そのため新郎新婦から手数料をもらうことで、会場は作業代を賄うことにしているのです。(清水さん)
Q3.持ち込み料はどんなものにかかる? 相場は?
A.衣裳や引出物、写真など作業が発生するものに設定されている
持ち込み料は、持ち込みができるアイテムの中でも、会場側で手間が掛かるものに設定されていることが多いです。
例えば、衣裳。提携ショップの衣裳であれば、ショップスタッフが会場まですぐに着られる状態で衣裳を持ってきます。提携外のショップの衣裳や自前の衣裳だと、届いた衣裳を会場スタッフが準備する手間が掛かるので、その分持ち込み料がかかります。
また、引出物は会場スタッフが引出物袋に一つずつ入れる作業があるのですが、外部手配だとその作業代が賄えません。そのため1個当たり数百円の持ち込み料が設定されています。
美容や写真、ムービーなどのスタッフには、会場側が式の流れなどを共有する作業があります。これらについても外部手配の場合には、持ち込み料を設けているところもあります。
このほか、ブーケは式の時間まできれいなまま保管しておく必要があるので、持ち込み料と似た「保管料」という名目で手数料を取ることがあります。(清水さん)
【持ち込み料の相場】
■衣裳:3万~10万円/1着
■引出物:300~500円/1個
■美容スタッフ:3万円前後
(ブライズルーム料を別途取ることで持ち込み料に代えるケースも多い)
■フォトグラファー、動画撮影スタッフ:1万~3万円/1名
持ち込み料、払いました!
どうしても撮影してほしいフォトグラファーさんだったので、持ち込み料5万円を払ってお願いしました。(幸子さん)
引出物は1つ500円、引菓子は1つ300円、三品目は1つ300円の持ち込み料がかかりました。ネット購入の方が種類が豊富で、持ち込み料を払ったとしても安くすみました。(あやかさん)
カラードレスを5万円払って持ち込みました。別の日に行う1.5次会でも着用する予定だったので、トータルで考えると持ち込み料を払った方がリーズナブルでした。(みきさん)
Q4.持ち込み料を払えば何でも持ち込めるの?
A.結婚式会場には持ち込みNGなものもある
結婚式会場では、新郎新婦が希望しても持ち込みできないものもあります。
特に、飲食に関わるものはNGです。料理、飲物、ケーキなどその場で飲食するものは、万が一食中毒などが発生した場合に、何が原因か分からなくなることを避けるため、衛生上の理由で不許可になっています。
どうしてもパーティで振る舞いたい食品があるときは、個別に相談が必要となります。
それから、ゲスト卓やメイン卓に飾る装花は、準備時間がタイトで提携の業者でないと難しいことが多いので、基本的には持ち込みができません。
ヘアメイクについても、館内の美容室は提携会社の管理であることがほとんどなので、提携外の業者が入れないことが多いです。
写真やムービーの撮影は、チャペルや神殿については提携外の業者はNGという会場があります。(清水さん)
Q5.持ち込み料は全部ふたりが支払わないといけない?
A.持ち込み料を負担してくれる提携外ショップもある!
ブライダルアイテムの業者はたくさんあり、購入希望のお客さまが挙げる会場の全てと提携できているわけではありません。そのため、提携外の業者によっては持ち込み料を新郎新婦に代わって負担することで、自社の商品を選んでもらうサービスを展開しているところもあります。
多いのは、カタログ式ギフトなどのギフトを取り扱っているショップや衣裳店など。幅広いラインナップからこだわって選びたいけれど、持ち込み料がかかることがネックになっているなら、持ち込み料を負担してくれる提携外ショップを探してみる手もあります。(清水さん)
持ち込み料、払ってくれました!
引出物は、持ち込み料を負担してくれる会社に頼んだため、実質持ち込み料は0円でした。(みずほさん)
ドレスとタキシードは、会場決定前に気に入ったドレスショップを見つけました。衣裳の持ち込みを前提にして会場を探したので、会場紹介会社の紹介特別割引で通常8万円かかるはずだった持ち込み料が無料になりました。(kana33さん)
Q6.持ち込み料の確認はいつするべき?
A.持ち込みの可能性があるなら、本契約前に確認を
「持ち込み料」の取り決めについては、契約書に書いてあるケースと価格表などに書いてあるケースとがあります。どちらにも記載がないケースもあるかもしれないので、まずは契約前に確認しておきましょう。持ち込み料が発生する可能性があるものは見積書に入れてもらうなど、書面にしておくのがおすすめです。
持ち込みたいという思いが少しでもあるアイテムは、契約前に伝えて、持ち込みの可否と条件を確認するとよいです。自前の振り袖や母から譲り受けたウエディングドレスなど、持ち込む理由によっては料金を交渉できることも。金額だけでなく、準備等はどこまでやってもらえるのか、アイテムの預かりはいつから可能かなども確認しておきましょう。(清水さん)
持ち込み料、交渉しました!
プチギフトは、本来持ち込み料がかかるところでしたが、私の手作りのアイテムだったため、契約の時に持ち込み料を免除してくれました。(ひとみさん)
お気に入りのドレスを着たかったので、事前に交渉。一部提携店でレンタルしたものもあることから、持ち込み料を無料にしてもらうことができました。(ほたてさん)
From 編集部
持ち込み料は成約前に確認を
会場を決定する際には「持ち込みはしなくていいかな」と思っていても、準備が進むにつれてこだわりが増えてくることも。そのため見積りをもらう段階で、持ち込みの可否や持ち込み料の金額を確認しておくのがベター。金額の意味を理解して、賢い選択を。
清水 恩さん ウエディングナビゲーター
専門式場やプロデュース会社でウエディングプロデュースの経験を積み、2004年に独立。フリーウエディングプランナーの先駆けとして活動を始め、「しっくりと心になじむ結婚式」をモットーに結婚式を幅広くサポートし続けている。結婚式の専門家として『All About』のオフィシャル・ガイド等メディアでの執筆や監修も多数。
プリーマ ウェディング
https://prima-wedding.com/
構成・文/稲垣幸子 イラスト/Sachicafe
※掲載されている情報は2020年4月時点のものです
※記事内のコメントは、2020年3月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー26人が回答したアンケートによるものです
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