結婚が決まったら!入籍前後の「手続き&届け出」って何がある?
結婚を決めたカップルが正式な夫婦となるためには、婚姻届の提出が必須。結婚の手続きにおいて、男性と女性の手続きに明確な違いはありませんが、姓が変更となる人の方にはさまざまな手続きが必要に。まずはこの記事で、入籍前後の結婚の手続き・必要書類・届け出と、いつまでに行う必要があるのか、スケジュール感をざっくり確認しておきましょう!
入籍・結婚前後の手続き・やること一覧
入籍前はまず婚姻届の入手・提出、必要であれば転出・転入・転居届の提出を行い、婚姻届が無事受理されたら、入籍後の本格的な手続き・届け出に取りかかります。住民票や運転免許証、銀行口座、クレジットカードなどの名義変更に加え、自動車や携帯電話、ショッピングサイトの会員情報や住所などの変更など、入籍後はさまざまな手続きが必要になります。早速以下より、入籍前後の手続き・届け出のTo Do Listをしっかりチェックしていきましょう。
入籍・結婚前の手続き
まずはふたりが法的に夫婦となる手続きから。婚姻届を入手して記入したら、役所に届けに行きましょう。結婚に伴い引っ越しを伴う場合は、転出・転入・転居届の提出も忘れずに。記念日など提出日にこだわりのある人は、提出希望の役所に必ず事前確認をしてください。365日24時間、提出した日が婚姻届の提出日となり、休日や夜間帯に提出しても当日にさかのぼって処理されるものの、記入ミスなどがあると受理されず、提出日がずれることもあるので要注意。
婚姻届提出前の手続き
■婚姻届の入手
婚姻届は全国の市区町村の役所や出張所の戸籍課で入手することが可能。書き損じが発生することを想定し、複数枚もらっておくと安心。また、場合によっては役所の公式サイトからダウンロードを行うことも可能です。最近はイラストやご当地オリジナルの「デザイン婚姻届」も人気ですが、役所によっては受理されないケースもあるので、希望しているデザインの婚姻届で受理してもらえるかどうか、事前に確認しておきましょう。
■転出・転入・転居届の提出
入籍を機に引っ越しを行う場合、現在住んでいる場所・新しく住む場所を管轄しているそれぞれの役場へ届け出を提出する必要があります。現在住んでいる場所と同じ市区町村の中で引っ越しをする場合、管轄する役場は変わらないので「転居届」の提出のみでOK。
異なる市区町村へ引っ越しをする場合、元々住んでいた場所を管轄する役場への「転出届」に加えて、新しく住む場所を管轄している役所への「転入届」の2つの届け出が必要になります。転出届は引っ越し前の14日以内、転入届・転居届は引っ越し後の14日以内が手続き期間となっています。
また「転入届の特例」という、マイナンバーカードや住民基本台帳カードのネットワークシステムを利用し、転出証明書がなくても転出・転入の手続きを行える制度もあります。まずは、住んでいた市区町村に「住民基本台帳カードまたはマイナンバーカードを利用する転出届」を提出。その後引っ越し先で転入手続きを行う際、本人または同時に転入する同一世帯員全員のマイナンバーカードか住民基本台帳カードを持参し、暗証番号を入力することによって転入届が完了します。「転入届の特例」が適用される条件や利用方法は各自治体によって異なる場合もあるため、届け出を行う前に事前に確認しておきましょう。
【婚姻届提出・当日の持ち物チェックリスト】
□記入済みの婚姻届
□写真付きの運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
※2022年5月追記:2021年9月1日より、婚姻届の押印義務は廃止されました。新様式の婚姻届では、届出人・証人ともに本人の意向に合わせて任意で押印できるようになっています。
入籍・結婚後の手続き
市区町村役場での手続き
■住民票
入籍後の手続きとして最優先に取り組みたいのが、新しい名字・新しい住所などが記載された住民票の取得。この後紹介するさまざまな手続き・届け出においてこの「住民票」が必要となります。新住所を管轄する役場の住民課へ行き、「住民票請求用紙」に必要枚数と必要事項を記入、「住所・氏名・生年月日・世帯主など」を証明する公的書類と共に、規定の収入証紙を購入して申請します。
また、婚姻届を提出してから住民票に情報が反映されるまで、通常7日~10日ほどかかります。そのため、婚姻届を提出した直後に新しい住民票を請求する場合、即日発行できないので要注意。どうしてもすぐに新しい住民票が必要な場合は、婚姻届受理証明書を併せて提出することで、婚姻後の情報が反映された住民票を取得することができます。
→所要日数:婚姻届受理証明書があれば即日発行、ない場合は約1週間~10日
■婚姻届受理証明書
「ふたりの婚姻が正式に受理されている」ということを証明する証明書が「婚姻届受理証明書」。
婚姻届を役場へ提出した後、その場で「婚姻届受理証明書」ももらっておくと手続きがスムーズ。先に紹介した新しい住民票を即日発行してもらったり、会社へ結婚報告を行う際に必要な書類として指定されることも多いので、取得しておくと便利です。
→所要時間:即日発行(ただし、ご当地オリジナルデザインなどを希望する場合は約1週間)
■マイナンバーカードの記載変更/新規発行
マイナンバーカードに記載されている名前や住所を変更する手続きです。住民登録をしている地域の役所で、マイナンバーカードの申請手続きを行いましょう。また、これまでマイナンバーカードを所有していなかった場合、結婚を機に取得しておくのもおすすめです。
→所要日数:即日発行
■パスポート
すでに有効なパスポートを所有している場合、パスポートの「切替申請(更新)」または「記載事項変更」の手続きを行います。住民登録をしている都道府県のパスポートセンターで対応してもらえます。
→所要日数:各パスポートセンターによって異なるので、個別確認を
■国民健康保険
入籍をきっかけに会社を退職する場合、新たに国民健康保険に加入する必要があります。新しい住民票を入手でき次第、変更手続きが可能。住民票を置く役所の窓口で行います。また、すでに国民健康保険に加入している場合、入籍から14日以内に名義・住所変更を申し出ましょう。
→所要日数:即日
■国民年金・厚生年金
年金に関する手続きは、第1被保険者の個人事業主と、第2被保険者の会社員・公務員など職業によって手続きが異なります。個人事業主などの場合は自身が住民登録している市区町村窓口へ行って氏名・住所変更の申請を、会社員や公務員の場合は会社が保険に加入しているので、氏名・住所変更を会社に伝えることで、会社が手続きを行ってくれます。
※マイナンバーカードと基礎年金番号が結び付いている場合、氏名変更・住所変更に関する届け出は不要です。自身の結び付きの状況は「ねんきんネット」または年金事務所で確認することができます。
→所要日数:即日発行
■印鑑登録
入籍して名字が変わったら、新しい名字の印鑑を「実印」として新たに印鑑登録する必要があります。また、今まで登録していた旧姓の印鑑登録は自動的に失効します。役場に置いてある「印鑑登録申請書」を入手して記入し、新しい名字の印鑑、本人確認書類と共に窓口に提出します。
ちなみに結婚前に下の名前のみで印鑑登録をしていた場合、姓が変わっても印鑑登録は失効しません。また、マイナンバーカードに旧姓併記をすれば旧姓の印鑑での印鑑登録が可能ですが、いずれの場合も、新しい市区町村へ引っ越す場合、引っ越し先を管轄する役場での新たな印鑑登録の手続きが必要となります。
→所要日数:即日発行
警察署での手続き
運転免許証の「名前」や「本籍」などの記載事項を変更します。運転免許センターや試験場、警察署で行うことができますが、運転免許センターや試験場は他の手続きを行う利用者で混み合っていることが多いので、警察署で手続きをすると比較的スムーズに完了します。それぞれの会場・警察署に置かれている「運転免許証記載事項変更届」をもらって記入し、必要書類と併せて提出しましょう。
→所要日数:即日発行
警察署での手続きに必要な持ち物
□現在の運転免許証
□運転免許証記載事項変更届
□住民票(本籍を変更する場合は、本籍が記載された住民票)
□印鑑
会社での手続き
先に紹介した一般的な名義・契約内容変更のほかにも、まだ大事な結婚の手続きが。会社勤めの人とそうでない人によって異なるので、それぞれに必要な結婚の手続き・届け出を確認しておきましょう。
→所要日数:勤務先(総務など)へ確認
会社での手続きに必要な持ち物
□結婚届
→婚姻届を提出するタイミングで会社へ報告
□住所変更届
→引っ越しのタイミングで手続き
□給与振込口座の変更
→銀行口座の名義変更完了後に手続き
□新姓での名刺作成
→結婚届を提出するタイミングで。ただし、結婚後も旧姓を使用し続けたい場合に必要な手続きなどに関しては勤務先(総務など)へ確認
金融機関関連の手続き
■銀行口座の名義変更
手続きを行うには、銀行窓口に直接足を運ぶ必要があることがほとんど。名義を変更する場合には新姓の届け出印が必要になるので、名義変更を行うまでに新姓の届け出印も準備をしておきましょう。
→所要日数:新しいカードが発行されるまで約2週間から1カ月
■クレジットカードの名義変更
所有しているカードのクレジット会社に電話やインターネットを通して名義変更を希望する旨の連絡を行い、新姓への名義変更、名義変更を行った銀行口座の登録手続きを行いましょう。
→所要日数:新しいカードが発行されるまで約2週間から1カ月
■生命保険の名義変更
加入している保険会社に連絡し、名義変更や住所変更の手続きを行いましょう。手続き方法は保険会社によって異なるので、直接確認を。
→所要日数:各保険会社に確認
金融機関での手続きに必要なもの
<銀行口座の名義変更>
□預金通帳・キャッシュカード
□新姓・旧姓の印鑑(届け出印)
□本人確認書類(運転免許証など旧氏名と新氏名の両方が確認できるもの)
<クレジットカードの名義変更>
□クレジットカード
□新姓の印鑑
□新姓と新住所が記載された運転免許証などの本人確認書類
□申請用紙(電話や公式サイト経由で取り寄せ)
<生命保険の名義変更>
□保険証券
□新姓と新住所が記載された運転免許証などの本人確認書類
□新姓・旧姓の印鑑(届け出印)
その他の手続き
■自動車の名義変更
車を所有している場合、自動車の名義変更と車検証の記載変更を行う必要があります。また結婚後に引っ越しを行った場合は、お住まいの地区を管轄している警察署で新たに自動車保管場所証明書(車庫証明)を取得する必要もあります。その後、新しい住所を管轄する運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)に必要書類を提出します。なお、必要書類を提出する「変更登録」期間は、引っ越し後15日以内と定められています。
■携帯電話の名義変更
携帯電話の氏名・住所変更は、契約している各キャリアの店頭に行けば対応してもらえます。また、キャリアによってはインターネットで行える場合もあるので、契約している携帯会社のホームページで事前に手続きの手順を確認しましょう。
■ショッピングサイトなどの会員情報変更
優先順位の高い入籍後の手続き・届け出がひと段落したら、ショッピングサイトや美容院など、メンバー登録を行っているプラットフォームの会員情報も変更しておきましょう。特に宅配があるオンラインサービスの場合、住所変更や氏名変更などに漏れがないかしっかり確認を。
その他の手続きに必要なもの
<自動車の名義変更・住所変更の場合>
□住民票
□自動車保管場所証明書(車庫証明)
□車検証(自動車検査証)
□認印
□自動車税、自動車取得税申告書
□手数料納付書
□ナンバープレート(管轄が変わる場合は変更する必要があるため)
<自動車の名義変更・氏名(姓)変更の場合>
□戸籍謄本、または抄本
□車検証(自動車検査証)
□認印
□自動車税、自動車取得税申告書
□手数料納付書
<携帯電話の名義変更>
□身分証明書(新しい氏名と住所が確認できるもの)
□料金支払いに必要な銀行のキャッシュカード、もしくはクレジットカード
効率よく結婚の手続き・届け出を済ませるためのアドバイス
婚姻届の提出を行い、新しい戸籍ができて新姓や新住所での住民票を取得できたら、各名義変更などの手続きはなるべく集中して一気に行うのがおすすめ。というのも、銀行口座の名義のみを変更して、クレジットカードの名義が旧姓のままという場合、クレジットカードの引き落としができないことがあるので注意が必要。加えて、会社で給与振り込み口座の変更手続きを行わずにいると、給与が振り込まれないということも。
以下の手続き・届け出の一覧を参考に、抜け漏れのないようにそれぞれの手続きを完了させよう。
1日で完結!主要な手続きをスムーズに終わらせるスケジュールって?
役所と警察署、銀行の3カ所に出向き、6つの手続きを!
☆ーーーーーー☆ーーーーー☆
「役所で」
1)婚姻届の提出・婚姻届受理証明書の取得
2)転入届または転居届の提出
3)住民票の取得
4)マイナンバーカードの変更手続き/新規発行
「警察署で」
5)運転免許証の手続き
「銀行で」
6)口座名義の変更
☆ーーーーーー☆ーーーーー☆
1日で主要な手続きを終わらせたいなら、上記の順番で行うのがおすすめです。
足を運ぶのは役所と警察署と銀行の3カ所。
役所担当窓口では婚姻届と転入届を提出して、「結婚」と「引っ越し」の手続きをし、運転免許証の手続きで必要な新姓・新住所の住民票を取得。また、婚姻届を出した際、婚姻届受理証明書をもらうのを忘れずに。
続けて、結婚後の本人確認書類として使える「身分証明書」の一つであるマイナンバーカードも発行してもらい、その後警察署に足を運んでもう一つの大事な身分証明書となる運転免許証の変更手続きを行います。
最後に、新姓と新住所が記載された新しいマイナンバーカードまたは運転免許証を持って銀行に足を運び、口座の名義変更の手続きも済ませてしまいましょう。
入籍後に発生する6つの手続き・届け出を済ませておけば、結婚生活もスムーズにスタートできますよ。
続きは、こちらの記事をcheck!
会社への結婚報告で悩みがちな内容&解消法を知りたい方へ
職場での結婚報告は何かと気を遣うもの。「誰まで報告するべき?」「報告をする順番って?」など実際に職場ならではのルールや人間関係への配慮が必要で、どうすればいいの?と悩む花嫁さんも少なくないんです。
そんなときは、先輩花嫁のお悩みを紹介している記事や職場の先輩花嫁に聞いておくべき内容を紹介している記事を読んで、ぜひ職場への報告時の参考にしてみてくださいね。
上司や先輩への結婚報告、正解マナーや相手別文例を知りたい方へ
上司や先輩への結婚報告とひと言で言っても、職場の環境や式に招待するか否かなど、置かれた立場によってベストな方法は微妙に変わってくるもの。
さまざまな状況別にどのように上司への結婚報告をしたらいいのか紹介している記事(上)や、直接伝えられない場合のメールでの適切なマナー&文例を紹介している記事(下)で、気にしておきたいポイントを押さえましょう。
結婚準備や式場探しを前に、これからの流れをまとめた記事も要CHECK♪
From 編集部
計画を立てることでスムーズに完了!
一見たくさんあるように見える結婚に関する手続き・届け出だけれども、計画を立てて順序よく行うことで、そのほとんどを一日で済ませてしまうことも可能。彼と日程を決めて、なるべく早く・同じタイミングで結婚に関する手続き・届け出を効率的に済ませてしまうのがおすすめ!
構成・文/島袋芙貴乃 イラスト/田中麻里子
※掲載されている情報は2024年8月時点のものです
※「入籍」はすでにある戸籍に入ることです。しかし本記事では便宜上、結婚を入籍と表現しています。
- 婚姻届け出
- 新婚生活
- 結婚の手続き
- 結婚決まりたて
- ダンドリ
- じっくり読む