ウエディングベールの種類＆デザイン【先輩花嫁のベール画像付き】

ヘッドドレスの１つとしてあるベールは、広く言えば女性の顔や頭を覆う薄い布のこと。宗教との関連が深く、祈りの際に使用されるほか、「魔よけ」の意味を持つともいわれる。けれど、諸説あり。

現在のキリスト教式の結婚式では、ベールは透け感のあるチュールで作られていることが多い。花嫁の顔と頭を覆ったベールを新郎がたくし上げて「ベールアップ」することで、ふたりの間の壁がなくなったことを表すとされる。挙式前に、花嫁の母が娘を守る意味でベールを下ろす「ベールダウン」の儀式も人気。

【 ショートベール 】
背中までの長さの軽やかなベール。背中や腰にポイントのあるドレスをすっきり着こなすことができる。ボリュームが上にくるので、スタイルアップのバランスを取りやすいのもメリット。

【 ミディアムベール 】
背中から膝くらいの丈のベール。最もポピュラーな長さで、どんなラインのドレスとも相性がいい。床に着かないので、コンパクトなチャペルやガーデン挙式での動きがスムーズ。

【 ロングベール 】
背丈より長く、床に届くタイプのベール。バージンロードにたっぷりと広がる様子をゲストに楽しんでもらうことができる。レースや刺しゅうをドレスとリンクさせることも可能。

【 フェイスアップするタイプ 】
2重になるよう折り畳まれており、上のベールを花嫁の顔にかぶせるタイプ。花嫁を清め、守る意味がある。「ベールダウン」「ベールアップ」の儀式を行うならこのタイプ。

【 フェイスアップしないタイプ 】
顔を覆わず、頭の上からフェイスラインに沿って掛けるタイプ。マリアベールなどがこのタイプの代表。ベールの儀式を行わず、入場時から花嫁の表情を楽しんでもらいたい人前式などにおすすめ。

【 バードケージベール 】
目の粗いネット状の生地を使ったベール。主にショートベールとして使用されるほか、ヘッドドレス風に小さく飾って、額や目の上にネットを掛けるデザインも多い。

【 バルーンベール 】
ベールの縁を入れ込み、丸くふんわりとしたシルエットになったベール。顔にかぶせたときもぺたんと付かず、360度ふわっと立体感を保って着けることができる。

【 マリアベール 】
聖母マリアが着けていたとされるのが由来。オーバル形の布をフェイスラインに沿うようにふわりと掛けたベール。縁にレースがあしらわれていることが多く、横顔の美しさが際立つ。

【 ジュリエットベール 】
ベールを頭の形に添って軽く絞り、帽子のように仕立てたデザイン。『ロミオとジュリエット』のジュリエットが着けていたとされる。絞った部分にコサージュや花冠を着けてもいい。

【 カッパーベール 】
ロングベールの縁に手首や指先を通し、ショールを羽織るように着こなすベール。手と繋がっているので、動きに合わせてベールを優雅になびかせることができる。

【 フラワーベール 】
フラワーレースで縁取ったものや、花々の刺しゅうが施されたもの、小さなコサージュがちりばめられているものなど手法はさまざま。ドレスの装飾とリンクさせると世界観が高まる。

【 ドットベール 】
ドットチュールといわれる水玉模様が織り込まれた生地で作ったベール。無地のチュールにパールでドットを表した立体的なデザインもある。ショート～ミディアムベールに多い。

【 金糸ベール 】
ゴールドの糸で刺しゅうがあしらわれたベール。ほんのり色みが加わるので、遠目からも華やかに映る。銀糸（シルバー）を使ったものや、金銀両方をミックスしたものもある。

【 ビーディングベール 】
ビーズやスパンコール、ラインストーンなど、光を受けてキラキラと輝く素材があしらわれたベール。基本はドレスの装飾と統一するのがおすすめ。動画に残したときの存在感も楽しみ。

ステンドグラスが荘厳な大聖堂に「ロングベール」を漂わせて

高い天井とステンドグラスを誇る大聖堂に、存在感のあるロングベールを合わせたMaikoさん。バージンロードに広がるレースの縁取りがとっても優雅。タイトアップのヘアにティアラ、トップからベールを着けることで、うつむいたときの横顔の美しさも計算したのだそう。

ここがPOINT！ 花嫁の声

大聖堂にふさわしいボリュームのあるAラインドレスとロングベールで、王道のクラシカルなスタイルを目指しました。顔周りはすっきりと見せたかったので、裾のみに刺しゅうが入っているデザインを選んだのがこだわりです。（Maikoさん）

愛らしさを引き立てる「ミディアムのバルーンベール」

井上さんが選んだのは、ドレスと同じ優しいオーラを漂わせたふわりと丸いバルーンベール。ウエストにわずかに掛かる長さで、腰の立体的なモチーフ装飾をしっかり見せている。ゆる巻きシニヨンにティアラを控えめに着け、ベールの高さも抑えたところが大人可愛い印象の秘訣（ひけつ）。

ここがPOINT！ 花嫁の声

ドレスの腰に付いたふわふわのモチーフがポイントになるよう、短めのベールをセレクト。おかげで写真や動画にもしっかり腰のデザインが映っています。ドレスとベールが可愛らしいので、ベールを着ける位置を低めに抑えてバランスを取りました。（井上あさみさん）

「バードケージベール」で洗練された大人花嫁を印象付ける

額に掛かるネットと大きなアネモネがインパクト大。遊び心のあるベール使いで、スレンダーな総レースのドレスをモードな雰囲気に着こなしたayumiさん。ヘアは高めのオールアップ。左サイドから後頭部を覆うように花をあしらうことで視線が上に集まり、スタイルアップ効果も抜群。

ここがPOINT！ 花嫁の声

総レースの大人っぽいドレスに合わせて、今までの参列で見たことのないバードゲージベールを手作り。生地屋さんをはしごして好みの大きさのネットを探し、会場のフローリストさんと相談しながら、生花のアネモネとシャクヤクも着けてもらいました。（ayumiさん）

ふわ盛り「バルーンベール」をリーフモチーフで爽やかに

シンプルなドレスと、ホイップみたいなボリュームのベールとのコントラストが鮮やかなnao.w14さん。ゆるふわシニヨンにリーフモチーフのヘッドドレスをあしらい、シニヨンを隠すようにベールを着けることで、可愛いけれど洗練された雰囲気が漂っています。

ここがPOINT！ 花嫁の声

木のチャペルだったので柔らかな花嫁像が合うと思い、バルーンベールを低めに着けてナチュラル感を出しました。ボリューミーで通常のベールより形が定まりにくいことが転じて、母のベールダウンや新郎のベールアップのとき丁寧に整えてくれた時間がとても幸せでした。（nao.w14さん）

「マリアベール＆ラリエット」で品の良さと抜け感を演出

艶やかにまとめたシニヨンの上で、ジュエリーのように輝くラリエットと、それを優しく包むレース使いのマリアベール。伊藤さんの計算された美しい横顔は、ベールが低めの位置から流れているのがポイント。クラシックなマリアベールが、洗練された印象に映ります。

ここがPOINT！ 花嫁の声

マリアベールは母のお手製。生地の色や縁のレースをドレスに合わせて作ってもらい、ベールダウンの代わりにお支度をお願いできました。古き良きイタリアのホテルのような会場で、マリアベールのシルエットの美しさやクラシックな雰囲気が相性ぴったりでした。（伊藤愛美さん）

ベールに合う髪型をどうしようか、迷う花嫁さんもいるのでは。先輩花嫁のヘアスタイルをベールの長さ別で紹介するので、ぜひ参考に！

「ロングベール」に合わせたヘアスタイル

ここがお気に入り！

お手本は韓国花嫁！韓国っぽい大ぶりなクラウンとロングベールを目立たせるためにヘアスタイルはシンプルに。クラウンもあえて後ろめに着けて、ボリュームを出しすぎない低めのシニオンで大人っぽさと清潔感を演出しました。（写真１枚目：春山さん）

ベールは、返しがあるデザインと長さがお気に入りです。大人な雰囲気もありつつ少し可愛さも出してもらうように、ふわっとしたシニヨンを選びました。ベールはシニヨンの位置に合わせて下の方に着けてもらいました。（写真２枚目：ＳＯＲＡＦＵさん）

繊細で柔らかなチュール素材で、3m近くある超ロングなベールを選びました。ベールやウエディングドレスが引き立つよう、オールアップのシニヨンスタイルに。大ぶりパールのピアスとネックレスもポイントです。（写真３枚目：なおさん）

「ミディアムベール」に合わせたヘアスタイル

ここがお気に入り！

柔らかさが伝わる透け感、縁取りしてあるだけのシンプルなデザイン、横からのシルエットの美しさに惹かれました。無駄のないシンプルで凛とした感じにしたかったので、後れ毛も出さないタイトな低めシニヨンに。アクセサリーはあえて着けず、ベールも低い位置で装着し大人っぼくまとめました。（写真１枚目：小林朱美さん）

結婚式が決まってからは、柔らかな立体感が出るよう髪にハイライトを入れました。ヘアスタイルはふわふわと動きのある少し緩めのお団子に。挙式では前髪はシンプルに、披露宴からは前髪やサイドをクルクルと遊ばせるだけで軽い感じになって、お気に入りのヘアスタイルでした！(写真２枚目：@wd2_22さん)

「ショートベール」に合わせたヘアスタイル

ここがお気に入り！

ウエディングドレスがふわっとした可愛い雰囲気だったので、ショートベールを合わせて、ドレスを魅せるようにしたのがポイントです。ヘアは、ベールを着けても外しても映えるような編み込みの入ったシニヨンにし、ベールを高めの位置で着けて、プリンセスのような雰囲気にしました。（写真１枚目：あやさん）

ウエディングドレスのキラキラを見せたかったので、シンプルなショートべールにしました。プリンセスやローマの休日のオードリー・ヘプバーンのようなクラシカルな雰囲気にしたかったので、高めの位置にアップするヘアスタイルに。ベールはティアラのすぐ後ろにバランスよく着けてもらいました。（写真２枚目：ゆうなさん）

ベールと一緒に着けるヘッドドレスのイメージも膨らまそう！

ベールに合わせるヘッドドレスのバリエーションもさまざま。おしゃれな先輩花嫁が選んだヘッドドレス＆似合わせヘアもぜひ参考に！

取材・文／伊藤佳代子　イラスト／南 夏希　構成／紺矢里菜（編集部）
※掲載されている情報は2019年10月時点のものです

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