我をつらぬく妻たちvol.14 ~新婚時は浪費家でテキトーでも、後からちゃんとすればいいんです~
結婚して妻になったら、家はピカピカに掃除して、ご飯は毎日きちんと作って、見た目だって美しくいなきゃいけないのかなぁ……? いえいえ! 結婚したからといってそんなに無理しなくていい~んですっ! この連載では毎回、我をつらぬきながらも幸せな夫婦生活を送っている先輩花嫁たちをご紹介。リアルな声を参考に、無理しすぎず自分らしさ全開な妻で、結婚生活を楽しもう。
さて、今回の我をつらぬく妻は……?
結婚して数年は、本当に何も考えてなくて超テキトーでした(笑)。お金も使いまくりで貯蓄できないし、将来のことは何も考えてないし、毎晩飲み歩いてたし。でもいつか“ちゃんとしなきゃ”ってなる時期がくるから、最初からきっちりしすぎなくてもいいんじゃないですかね?
PROFILE
SANさん
夫婦が出会ったのは大学の国際交流サークル。意識高い系と思いきや、お互い1回しか参加せず幽霊部員に……。そんなゆるいノリが合っていたこともあり交際へ。九州と東京の遠距離恋愛を経て結婚。現在は、個性的な娘2人との4人家族。
平日は飲み歩き、休日は遊びに出掛ける、貯蓄ができない浪費家な妻!?
今回は「現在はちゃんとしているけど新婚時代はかなり適当でした~!」という妻にお話をお聞きします。料理しない、浪費家で貯金できない、平日は飲み歩き、休みも遊びほうける!? 一体どんな夫婦生活だったのでしょうか?
こんにちは~ゼクシィのTです。今日はどうぞよろしくお願いします!
SANさんは新婚時代、なかなかの“我をつらぬく妻”っぷりだったそうですが、どんな感じだったんですか?
なんかもう全体的に適当でしたね(笑)。
一応、最初は専業主婦だったんです。1カ月くらいかな? 最初は新婚感を出そうと思って、料理したりお掃除したりしてみよう!とちゃんとやってたんです。でも、ちゃんとやるのにもすぐ飽きちゃって(笑)。
優雅な生活のような感じもしますけどねぇ。
うーん。なんか特に外に出る機会もないし。家の中にいて、ちょうどその時は冬だったからずーっとこたつにいて、テレビばっかり見てダラダラ……。家も狭いし、他にやることなくて暇でした。
THEグータラな嫁(笑)。
ちょっとの期間やるには楽しいのかもしれないですが「これがずっと続くの!? こりゃつまんないわ」と思っちゃって……。
「もう何でもいいから仕事しよ!」と、近所の喫茶店で見つけたタウンワークを見て、目についた会社にとりあえず応募して、すぐ働き始めました。
思い立ったら早い! でも、グータラ生活からいきなり仕事ってつらくなかったですか?
そんなに仕事好きなタイプじゃなかったんで、どうかなと思ったんですが、意外にも仕事が楽しくてしょうがなかったんですよ。毎日残業しまくっていたので、夜中に帰ることも多かったですね。
おぉ意外にも仕事にハマるタイプでしたか。でもダブルインカムになって、家計も楽になりそう♪
いやーそれが、お金もあったらあっただけ全部使ってたんで、「貯蓄?何それ」って感じで。欲しいものがあれば買うし、後は飲み代とかタクシー代とかかなぁ。
今思い出そうとしても何に使ってたんだろう……?ってくらい、お金が全然残ってなかったし、その辺の管理も適当でした。
謎の、使途不明金……(笑)。
結構、飲みに行ったりもしてたんですね。
その頃は残業が多かったですし、社員同士めちゃめちゃ仲が良かったので、仕事帰りは飲んで帰るのが普通だったんです。
そんなんだからもちろん夕飯も作らないし、休日も会社の人と遊びに行くことが多くて、新婚なのに彼とは完全バラバラの生活でした。
趣味は一緒なのに、行く場所が違う!?
そうなんですね! じゃあ、夫婦揃ってどこかに行くってこともなかったんですか?
そうですね。休みも基本的に別行動でした。夫婦共通の趣味がバス釣りなんですけど、行く場所は別々っていう(笑)。
え!?(笑)
私は茨城の湖、夫は神奈川の川って感じで、好きな釣り場が違うってのもありますけどね。「じゃ行ってきます~」って一緒に出て、違う場所に釣りに行く感じでした。
でも、帰ってきて、今日はどんなのが釣れたとか、こんなのが良かったよとか。写真見せ合ったりして、ふたりで話すのが楽しかったんですよ。何でも夫婦一緒に行くのが正解ってこともないと思うので、これもありなんじゃないですかね。
一緒に行かないのは若干寂しい気もしましたが、自分の好きな釣り場に行きたい気持ちも分かりますね。
確かに、帰ってきてからゆっくり釣りトークするのも楽しそう!
そうそう、後は釣り途中にも「そっち調子どう?」とかメールで会話したりね。
遠距離恋愛期間も長かったからか、物理的に離れてる方がちょうど良かったのかもしれないです。
一緒に住んでるからこそ、距離がある方が心地いいのかもですね~。
結婚3年目の転機! テキトーだった妻がちゃんとし始める
そんなSANさんですが、何をきっかけに変わったんですか?
ありがちって思うかもしれませんが、子どもができたことです。
それまでは仕事が楽しかったし、そもそも子どもが全然好きじゃなかったんですよ。うちの敷地内に近所のキッズたちが作った雪だるまがあった時も「何これ邪魔~!」って思ってましたからね。
ひ、ひどい~(涙)。
でも妊娠されていろいろ変わったんですね!
そうそう! さすがにこのままだとヤバいぞ……と察しました。
特にお金のことですね。それまでは本当に給料が入ったらあるだけ使っちゃう浪費家タイプだったので、夫婦で話し合って、ふたりのお金は夫に管理してもらい、私はお小遣い制にしたんです。
とはいえ、いきなりの変化でつらくなかったですか?
意外と大丈夫でした。
まぁ実はこっそり、会社の業績が良かった時に入る臨時収入だけは別の口座にしてたので……。
それくらいはないとね。働くモチベーションにも繋がりますから! でも彼が家計管理をすることによって、毎月決まった額の貯蓄ができるようになりました。
おぉ~家計の大改革!
そうですね。クレジットカードも家族カードにして、“今月これだけ使いました”っていう収支報告書を作り、毎月振り返るようにしました。
こうすると変なことに使うと全部バレるので、支出も減りましたね。その辺りは私よりも夫の方がちゃんとしてたので、お金のことや保険のこと、老後のことなどを、夫主導で全部話し合いました。だから子どもができてからも全然もめてないですよ。
特にお金のことって大事ですもんね……。なぁなぁにしておくと絶対に後でもめがち。
そうそう、お金のことって本当に大事。
正直、子どもができるまでは夫から「使いすぎ」って言われてましたけど、お小遣い制にしてからは、お金のことで何か言われたりとか嫌な気持ちになることはないんです。
私たちは結婚して3年たってから子どもができたので、そのタイミングで話し合いをしたんですが、正直子どもができてからちゃんとすれば何とかなります!(キリッ)
雑誌やWEBの記事を見ていると、結婚前にお金のことは話し合っておかないとダメって書いてますけどね。そりゃできるならやってたけど、うちの夫婦はそういうタイプじゃなかったんですよ。だから最初は何も話し合わずに結婚しちゃった。
でも最初から決め事が多くてギスギスしたり、決め事を守れなくて落胆するのも何かなぁって思うので、初めからすべてを決めなきゃ!って焦らなくてもいいのかなって思いますよ。
確かに。決め事が合わないカップルもいますしね。
そうそう。後はほら、人って期限や制限があった方がちゃんとすると思うんですよ。何なら、期限が見えないと真剣にならなくないですか? よっぽど真面目なご夫婦なら別ですが。
例えば、子どもが生まれるんだったら、あと何カ月後には生まれるって期限ができますからね。こうなるともう、それまでにやるしかないんで「よしっやるか!」ってなりますよ。
確かに目標が見えて、危機感を感じると俄然やる気出るもんなぁ~。
そう思ったら、漠然と将来のために動くって結構ハードル高いですよね。
元々将来を見据えて、ちゃんとできる人はいいと思うんです。でも、できない人もいるじゃないですか? 私たちみたいに(笑)。
だから漠然と何となく不安を抱えたまま過ごすよりは、新婚時は、自分たちのやりたいように楽しんで、来るべき時が来たら真剣に望むってくらいの心持ちでもいいと思いますよ。
人生長いですからね~。
そうそう。先は長いからまぁまぁ焦らずに。その分、家を買うとか、子どもが生まれるってときは、しっかりライフプランを話し合って、家事分担やお金の話もする!
漠然と不安がらず、やるときはやる! メリハリも大切ですね。
家族全員が他人!?~しょせん他人って思うからこそうまくいく~
現在は娘さんがお二人いらっしゃるSANさんですが、ファミリーライフはどんな感じなんでしょうか?
今までがグダグダだったからなのか、子どもができてからは、かなりちゃんとするようになりました(笑)。ご飯もきちんと作るようになりましたし、生活時間も規則正しくなりましたしね。
育休を取って復帰する予定だったので、育児の協力体制をどうするか?送り迎えはどっちがどうする?とかは事前にしっかり決めました。
おぉ~変わりましたね!
必要に駆られてってとこもありますけど(笑)。
現在は、長女が中学受験を希望し始めたこともあって、ほぼ毎日塾の送り迎えがあるので、家の近くで働ける場所を探して転職しました。次女も習い事が大好きで、チアダンスやらスイミングやらそろばんやらと活動的なので、母は送り届けるだけで大変ですわ(汗)。
そして親がふたりともこんなだからか、分かんないんですけど、信じられないくらいちゃんとした子に育ってて、毎日びっくり。もう本当に、考え方も生き方も違いすぎて、もはや他人です(笑)。
休みの日も塾に行って毎日勉強する長女と、アグレッシブに毎日おけいこ事で動いてる次女とを見てると、どうやったらこのグダグダな夫婦からこんな子どもに育ったんだろう……?って、自分たちが一番驚いてますね。
母と子でそんな違うんですか!?
あまりに何も似てないので、娘と会話しながら「え!? 何?その考え方!」「他人すぎる!!」っていつも思ってますよ(笑)。
娘二人の考え方に全く共感できない母……。なんか怖いけど面白いんですよね~。不思議だなぁって思いながら、母なりに一生懸命応援してます。
ちなみに……お父さんにも似てないんですか?
あー! もう全く似てないですね!!!
わが家のリビングでの光景でいうと、歴史の勉強をしてる長女、そろばんで掛け算をやってる次女、そのすぐ横でネット動画を大音量で観てバカ笑いしている父……。
ちょっと~! 父っ! ちゃんとして!(汗)
まぁ、そもそも夫婦共に勉強が好きなわけではないんで、一緒に勉強しろとは思いませんが「せめて邪魔するなよ!」ってキレそうになりましたけどね。
その横で「いつも静かな環境で勉強できるわけじゃないから、これも訓練だよ」って長女がボソッと(泣)。
ひぃー! 長女ちゃん大人!
本当に全然似てないですね(笑)。
そもそも私と夫も、昔から性格が全然違いますしね。姉妹でも、インドアで読書大好きな長女と、アグレッシブで女子力が高い次女とで、真逆ですから。
もうこうなると家族全員、他人説(笑)。
そうそう(笑)。でもね、夫婦もそうですけど、ある程度前提として“他人”って思ってる方がうまくいきますよ。
しょせん他人だから、良いとこもあれば悪いとこもありますしね。逆に、これは絶対に嫌!許せない!みたいなのがなければ全然大丈夫なんじゃないかな。
なるほど~! 一体感というよりも、家族同士が“他人感”を持っていて、良い意味で距離があるからこそ、ケンカせず家族の均衡が保たれているのかもですね。
普通なら「何で私の気持ちを分かってくれないの!」ってなるところ、“他人感”があるからこそ、お互いを自然に尊重し合えてる!
そうなのかも。だからこんなんですが、家族はかなり仲良しですからね。
われながら面白い家族が出来上がったなぁ、結婚して良かったなって思います。
素敵~♪
今後もきっと“他人感”は続くと思いますが、さらに想像を超える面白家族になってそうで楽しみです! 今日はありがとうございました。
From 編集部
今すぐちゃんとできなくても焦りすぎないで
SANさんご夫婦のように、新婚時代はお金のことや遠い将来のことまで考えられないっ! って方も多いはず。もちろん今すぐしっかり考えるのもいいけれど、無理してガチガチに決めすぎて、新婚生活が楽しめないのもちょっと残念。SANさんたちのように、出産だったり大きな買い物だったりをきっかけにしたり、年齢で期限を決めて、今をしっかり楽しむことも大事かもしれません。
構成・文/滝 紀子 イラスト/黒猫まな子
※掲載されている情報は2019年8月時点のものです
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