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お金・常識
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結婚生活を幸せに続けるために 話し合っておくべき6つのこと

結婚が決まったばかりの今は、お互いを思う気持ちは永遠であり、幸せなふたりの未来が続くと信じる人は多いものですが、現実には、さまざまな問題が浮上するケースも。好きという気持ちを保ちながら、幸せな結婚生活を続けるためには、今、このタイミングにふたりでしっかり話しておくことが大切なようです。

既婚女性約300名に、価値観の不一致について聞きました!

「彼との価値観の不一致を感じたこと」について調査したところ、「全くない」という人はまれで、夫婦の中ですれ違いがあるのは自然なことのようです。その中でも、特に多かった事例は、“お金”“家事・育児”“生活習慣”“ライフプラン”“家族との関わり方”に関することでした。そこで、これらについて、今できる対策を、パートナーシップの専門家である塚越悦子さんに伺いました。

お話しを伺ったのは……

塚越さん

パートナーシップ専門コーチ
塚越悦子さん
「好きな人と結婚して、結婚した人を好きでいよう」というコンセプトのもと、結婚前のカップルを対象にカウンセリングやセミナーを行う「プレマリッジ ・プロジェクト」を主宰

まず最初に……好きという感情は育てていくもの

「一般的には結婚すると幸福度が上がり、エンドルフィンというホルモンによって、テンションの高い状態が続きますが、分泌は3年経つとその前の水準に戻るといわれます。

結婚を決めたばかりの今は、“好き”という感情もたっぷりありますが、実はそれは、放っておいたらなくなってしまうのが自然なこと。だからこそ、その気持ちを育てていくことが大切です。

そして、相手を理解したいという意欲も高い今だからこそ、価値観の違いを把握し、トラブルが起きたときどう対処するか話しておくことが、幸せな結婚生活のお守りになっていきます」(塚越さん)

その1.お金について話しておく

イラスト1

最も多く声が上がったのが、お金に関すること。家計の管理の仕方をどうするか、何にお金をかけたいか、節約の意識、貯蓄へのスタンスなど、さまざまな声が上がりました。

お金についての考え方のすり合わせは避けては通れないようで、実際に、卒花の皆さんも、結婚前に「家計の管理」について話し合ったという人は過半数を占めましたが、話すことはそれだけでOKなのでしょうか?

価値観の不一致を感じたこと

40歳女性

金銭感覚の違いを感じました。夫は贅沢をしたがるが、私は質素でもよい場合が多いです(燦々さん40歳)

32歳

私はどちらかというと倹約家で、夫は散財するタイプでした。お金はある分だけ使ってしまうタイプだと結婚してからわかり、困惑しました。私が家計管理一切を担うことで解決しています(ぽけさん32歳)

404051

私は旅行が好きで、結婚前は年に1回は海外旅行に行っていましたが、彼はそんなことより貯金が大事!とのことで、海外旅行はNG。これがけっこうストレスです(ポニーヘッドさん)

29歳女性)

お互いに趣味がありますが、思っていたよりも夫が趣味にかける金銭が多かったのが気になり、話し合う機会を作りました(29歳女性)

まずは、お互いが何を大切にしているか理解しようとすること

「何にお金をかけたいかというのは、人生で何が大事かという、その人の価値観そのものに繋がります。家計管理の前に、まずはその価値観について理解しておきたいもの。

結婚するということは、チームになるということ。個々の幸せだけを追求するだけでなく、ふたりともがハッピーでないとチームとして成功とはいえません。この前提をふたりで共有し、“彼にはコレが大事、私にはコレが大事”ということを、尊重して向き合っていただきたいです。

一方で、限られた予算の中で、尊重することが難しいこともあります。そのときは、「お金がかかるからダメ」というだけでは根本的な解決にはなりません。お勧めは、なぜそれが大事か“要素分解”すること。例えば、海外旅行なら、「英語が話したい」「海外の雰囲気を味わいたい」など。それによって代替案を考えることができます。それが、互いを深く理解していくことに繋がります」塚越さん

その2.家事や子育てについて話しておく

イラアウト2

共働きが多い昨今ですが、アンケートのコメントでは「妻の方の負担が大きい」という声がとても目立っていました。子どもが生まれてからは、さらに女性の負担が増すケースもあるようです。

しかし、その状況について、「我慢する」「仕方がない」と妥協してしまうコメントも。もっと前向きな対策はあるのでしょうか?

価値観の不一致を感じたこと

にゃんこさん

家事の負担割合が思っていた以上に自分の方にかかっていました。彼が仕事の忙しさのため、物理的にサポートをしてもらえなかったときは、強めに改善をお願いしました(にゃんこさん)

400700

きちっとした彼とズボラな私はもめることがたまにあり、ゴミを集める作業や掃除の頻度が少ない!と言われてしまうこともあります。お互い総合職で働いていて忙しいので、自分でやってほしいなぁと思うこともありますが、私でやったり、冗談も交えながらやってくれる~?とお願いしたりして、うまくやっています。(佐々木 恵さん)

38歳女性

彼が子どもが生まれて協力的になるかと思ったけれど、ゲームに夢中だったり、ゴロゴロTVを見ていたりで、なかなか動いてくれない(コロさん38歳)

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共働きなので、私が忙しいとき、夜ご飯を作らなかったら、怒られたことがありました。繁忙期くらいは各自調達にしたいです(だいふくさん)

理想の姿を伝え、具体的な役割を話し合う

「最初は“好きな人と結婚できただけで幸せ”という思いで、深く考えずに、“私が我慢すればいいかな”という犠牲精神が強い女性も多いようです。しかし、多くの場合、結婚生活は長いものなので、毎日絶え間なく続く家事や子育てについて、話し合わないのは大きなリスクに。

早い段階で、家事をリスト化し、役割分担を決めておくこと、また、どちらかが仕事で忙しいときなどの対策を、都度見直しながら話しておきましょう。

その前に、家事や子育ての話にかかわらず、お互いの希望や考えを伝え合える関係が築くことに注力しましょう。どんなパートナーシップを築きたいのか、仕事を続けていきたいのか、どんな家庭が理想か、自分でも考え、お互いに伝え合っていく努力をしていただきたいです。

そして、お互いに“ありがとう”を伝え合うことも習慣に。それがチームとしての結束も固めていきます」(塚越さん)

その3.生活習慣の違いについて話しておく

イラスト3

トイレの蓋の開け閉めや、タオルを何枚使うか……一見ささいに思えることが、積もり積もって、トラブルの発端になるというケースも少なくないようです。

習慣は育った環境によるものも多く、一方で相手の習慣が生理的に受け付けないといったケースもあり、価値観をすり合わせるのがとても難しいように思えてしまいます。

価値観の不一致を感じたこと

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電気のつけっぱなしは毎日というくらい注意していました。(あや花さん)

ぽーぽちゃん

割り箸を洗って使おうとするところが気になりました。カビがはえて不衛生なので、使い捨てにするべきと伝えて、改善してもらいました(ぽーぽちゃんさん38歳)

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バスタオルを2人で1枚か、1人1枚か、育ってきた家庭の違いが出た(kurikoさん)

(むぎさん34歳)

便座は下げる、服を脱ぎ散らかさない、脱いだ衣服を裏返したまま洗濯機に入れないなど、些細なことで小競り合いになりました。今は伝える頻度を減らして、感情的にならないように伝えています。(むぎさん34歳)

誤解があることを前提に、伝える努力から

「生活習慣は、一緒に暮らし始めて長い時間を共にして初めてわかることも多いもの。結婚前に同棲し、早い段階で相手の習慣との違いに気づき話していくことですが、難しい方も多いと思います。

そこでお勧めしたいのが、“相手のことは実はよくわかっていないもの”と認識しておくこと。その上で、細かいことでも、“自分にとって大事”と思った場合は、相手に伝え、話し合おうとする、丁寧なコミュニケーションを心がけます。お互いを理解したいという気持ちが強い今だからこそ、「何か気になったら、口に出して言おうね」と確認しあっておく。それが、コミュニケーションの土台となります。

また、どうしても気になる相手の習慣があった場合は、育った環境や人格を否定しないように伝えましょう。女性が男性に伝える場合は、言葉に感情をのせず、エビデンスを示したり、論理的な伝え方をしたりするのが、有効です」(塚越さん)

その4.ライフプランについて話しておく

イラスト3

妊娠、出産などの家族計画、転勤、転職などお互いのキャリア、家の購入や引っ越しなど、大きなライフイベントについては、「相手が勝手に決めていた」「意見が違っていてショックだった」というコメントが上がりました。

お互いにとって大きな影響を与えることだからこそ、歩み寄ることもなかなか難しそうに思えます。

価値観の不一致を感じたこと

(たかさん38歳)

転職や結婚式など、大切なことを全てひとりで勝手に決めてしまうので、ふたりで居る意味があるのかなと、たまに思います(たかさん38歳)

(ぴのさん30歳)

10年をめどに彼の実家の家業を継ぐために今の仕事を辞め、同居すると聞きました。生活できるのか不安になりました(ぴのさん30歳)

(しいたけさん26歳)

2人目の子どもがほしいなと思って相談したら、いらないと言われた。ケンカにはならなかったのですが……どうしようかなと考えています(しいたけさん26歳)

(#ma)

慣れない土地への引っ越しを主人の方は簡単に考えていて、私が泣いて話をするまでは、私の戸惑いにあまり気が付いていなかった(#maさん)

チームの幸せを考えて、ビジョンを描く

「現時点で想定されうる人生の変化やプランは、必ず話し合うべき項目です。ふたりででもいいですし、保険の契約などライフプランナーを交えて行うこともできます。

その場合、“夫婦や家族というチームがハッピーになるためには、どうしたいか”という視点で話すことが重要。結婚して家族になるということは、前述のとおり、“チーム”としての幸せを探求すること。相手のニーズと自分のニーズを同等に考えたいものです。そうすることで、ふたりならではの前向きな対策を、柔軟に考えることもできます。

そして、生きている限り、状況や気持ちは変化していくもの。プランも変更せざるを得ないことがあります。そんなときのために、「ふたりが物事を決めるやり方に満足しているか」ふたりの素直な思いを伝え合ってください。

意見が違ったときに、どう伝え、どう解決するか、その方法を、今決めておくことが、将来きっと役に立つはずです」(塚越さん)

その5.お互いの家族との関わり方について話しておく

イラスト5

結婚するとお互いの家族とのおつきあいも始まりますが、それぞれ自分の家族との関わり方や、家族の中の慣習は違うもので、そこでとまどう人も多いようです。

お互いにとって大切な存在である家族については、なかなか不満も言い出しにくいものですよね。

価値観の不一致を感じたこと

(むぎさん34歳)

私は定期的に実家に帰ったり、家族や親族とのイベントに参加したいけれど、彼は私ほど家族親族と親密ではなかったので、誘っても乗り気じゃない(むぎさん34歳)

(しそジュースさん30歳)

親戚とのつきあい方がうちとはだいぶ違って、大勢でよく集まるので少し面倒になってしまう(しそジュースさん30歳)

(むぎさん38歳)

些細なことかもしれませんが、私の母は誕生日、クリスマス、節分など季節のイベントを大事にする人だったので、それが当たり前と思っていました。でも彼には重要じゃないみたいで、誕生日やクリスマスでもケーキすらなく、スルーされるので虚しい気分になります(むぎさん38歳)

(吉川麻由さん)

お盆やお正月をどちらの実家で過ごすかで揉めました。私の実家が遠方のため、その時くらいは帰りたいと思っていたので、いつでも帰れる主人の実家に行くと言われたときは、いつ私は自分の実家に帰れるのかと不安になりました(吉川麻由さん)

どう伝えられたいか、お互いの思いを知っておく

「家族について相手に言われることは、否定としてとらえてしまいがちですが、私は結婚生活の中で“これは言ってはいけない”というタブーは作らない方がいいと思っています。

例えば、相手の家族について違和感を持ったときに、相手を傷つけたくないからと言わずにおいた場合、やはり一方が我慢しているということになります。これはチームとしてハッピーではありません。

だからこそ、伝え方が大切になります。“もし私の家族に違和感を感じたら、こういう伝え方をしてもらえると嬉しい”“あなたは、どう言ってもらいたい?”という風に、前向きにとらえられるコミュニケーションの仕方を相談しておくのがお勧めです。

この場合も、どうしても譲れないポイントがあったら、お互いに相手のニーズを自分のニーズと同等であるという意識に立って、歩み寄ることも忘れないでいただきたいです」(塚越さん)

その6.ふたりで解決できないことが起きたときにどうするか話し合っておく

ここまで、既婚女性が挙げた「価値観の不一致」を感じやすい事例をベースに、話し合うべきことについてご紹介してきました。

さらに、他にも話し合っておくべきことについて、塚越さんに伺ったところ、下記のようなアドバイスを頂きました。

前もって、解決方法をシミュレーション

「ここまで出た全ての事例に通じることですが、ふたりでは解決できない問題に直面して行き詰ってしまった場合に、どんな解決方法があるか、ぜひ、一緒にシミュレーションしていただきたいと思います。

例えば、パートナーシップのセミナーにふたりで、またはそれぞれで参加することはアリか、誰かを交えて話し合いの場を持つのはアリか、カウンセリングを受けることはアリか……など。

問題が起きた時点だと、通常のコミュニケーションが難しい状況であることも多く、こういった話をするのは至難の業と言えます。だからこそ、今の段階で話しておくのが有効です」(塚越さん)

From 編集部

手をかけただけ、幸せに育っていくもの

不安になるような事例やコメントもたくさんあったかと思いますが、結婚には、ひとりでは得られない幸せを得られるという大きな価値があります。ふたりの幸せな関係の基盤を作るのが、結婚が決まった“今”。このタイミングを大切に、しっかり話す時間をとって、幸せな未来を育んでくださいね。

塚越さん
Profile

塚越悦子さん パートナーシップ専門コーチ

東京大学文学部ドイツ語ドイツ文学科卒業。国連勤務などを経て、アメリカ人の夫との結婚のため渡米。ライフコーチの資格を取得。2014年に一家で日本に移住した後は、恋愛・婚活・結婚・夫婦関係・パートナーシップをテーマに、コーチング、講演、セミナー、執筆活動を行っている。著書「国際結婚一年生」(主婦の友社)、翻訳書「異性の心を上手に透視する方法」(プレジデント社)など

構成・文/小松七恵 イラスト/ユリコフ・カワヒロ
※掲載されている情報は2019年8月時点のものです
※記事内のデータならびにコメントは、6年目から20年目までの20~59歳の女性200人が回答した2019年6月実施のマクロミル調査によるものと、2019年6月に「ゼクシィ花嫁1000人委員会」メンバー93人が回答したアンケートによるものです

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