男性ゲストからも「いいね!」”甘さゼロ”な新郎DIYウエディングアイテム
ウエディングアイテムは新婦の趣味を生かして可愛く華やかにが絶対……そんな考えはもう古いかも。最近インスタでは、渋いトーンやインダストリアルなざらっと質感の、いわゆるメンズライクなアイテムたちが多く見られるように。新郎のセンスがさえた作品の制作秘話を編集部がPICK UP!
<会場装飾&演出アイテム>
手描きのイラスト入り!ウッド×アクリルのウエルカムボード
編集部EYE「おしゃれカフェの看板みたい~。オイル仕上げの板とアクリルの組み合わせ、白ペンでサラサラ~っと描いたようなラフさがかっこいい! 外観が入っているからてっきり会場制作かと思いきや、新郎お手製とのことでびっくり。センス良すぎでしょー!」
ウエルカムボードは手作りで、っていうのは最初から決めてたよね。彼がデザイナーの仕事をしているから全面的に任せちゃったけれど(笑)。
お任せいただき光栄です(笑)。普段のインテリアとか持ち物とか、すっきりと装飾のないデザインが好きなのはふたり共通しているし、会場自体がかっこよかったから、ウエルカムボードのデザインも特に迷わなかったかな。
パーツ選びとかもすごくてきぱきしていて、さすがだなーって。
こだわりは、アクリル板を浮かせて文字の影が木板に落ちるようにしたこと。立体感が出て洗練さも増したかなと。ちょっと会場になじみすぎた?
でも私たちらしいデザインになったよね。みんな写真にたくさん撮ってくれたし。今も玄関に飾ってあるけれど、インテリアにしっくりなじんでお気に入りです。
DIY DATA
材料:板、アクリル板(お店で加工)、塗料、マーカー、金具
費用:約1万2000円
制作期間:約1カ月(構想は約3週間、実作は約2週間)
制作分担:材料集め、加工、下絵のデザインは新郎が担当。ペンでアクリル板に下絵をなぞる作業はふたりで。
オマージュを込めて! 有名スープ缶モチーフのウエルカムボード
編集部EYE「このデザインは、かの有名なキャンベルスープではないですか! オマージュですね。レトロアメリカンな雰囲気で男性ゲストの受けもよさそう。よーく見るとオリジナルのポイントもあるし。こだわり屋な新郎さんの作と見た!」
ふたりとも沖縄出身です。沖縄といえばキャンベルスープ!
どの家庭でもよく飲まれているし、本土より安いんだよね。そろそろウエルカムボード考えなきゃっていう頃、彼がキッチンで見つけて”これだ!”って。彼は看板屋さんなので、ウエルカムボードは最初から任せるつもりでした。
ポップアートとして昔から好きなデザインだったので、オマージュしたらおもしろいかなって。結婚式全体のイメージが、大人っぽくユニセックスな雰囲気だったので、スープのパッケージそのものの色味よりくすませてアンティーク感を出しています。
私は”もうちょっとくすんだ色がいいなー”とか口出し担当でした(笑)。でも神父さんも喜んでくれたし!
そう、神父さんがアメリカの方だったんですが、挙式リハーサルのとき”すごくカッコいい!誰が作ったの?”っておっしゃてくれてうれしかったです。作っているうちにまひしてキャンベルスープに見えなくなってたので、”本場の人に分かってもらえた!”って苦労が報われた瞬間でした。
DIY DATA
材料:ベニヤ板、角材、ペンキ
費用:約4000円
制作期間:約3日間
制作分担:キャンバス作成からペイントまで作業は全て新郎。新婦は、真ん中のおしどりのロゴを提案した。
モノクロの世界に幸せの彩り! 愛車が導く結婚証明書
編集部EYES「定番のウエディングツリーも、こんなウエディングカーのデザインだと新鮮。しかも新郎の愛車なんだって! イラスト?写真?とにかくクオリティー高し。ゲストの押印をカラカラと引いて輝かしい未来へしゅっぱーつ……なんかロマンチックです」
友人の結婚式に出席してウエディングツリーを初体験。自分たちの式でもやりたいってことで提案しました。ツリー形が定番だそうなので、より自分たちらしいものと考えて車にしたいなって。今は実家に置いてあって帰省時しか乗れないんですよ。
彼が車を愛していることは知っていたので賛成しました。実際に作ったのは私ですけど……。お義母さんに車の写真を撮ってもらって、そのままだとちょっと寂しかったので、トランクに花のモチーフを重ねてモノトーンで仕上げました。
会場がレトロな外観だったからぴったりだったね。作ってくれてありがとう! 写真を撮ってくれた母も喜んでくれたし。
結婚式のコンセプトを”with us(ともに)”としていたので、ゲストに楽しんでもらえる演出になったのがうれしかったです。親族や彼の会社の方など、男性ゲストの皆さんも車に興味を持ってくださったようで。
クールでナチュラルなデザインは、どんなゲストにも共感してもらえる気がしたね。
DIY DATA
材料:愛車の写真、用紙(ミ・タント紙)、額
費用:約500円
制作期間:約3日間
制作分担:アイデアは新郎。新郎の母に車の写真を撮って送ってもらい、実作は新婦が担当
<ゲストに渡すアイテム>
黒が利いてる!こだわりフォントの多機能席次表
編集部EYE「このフォントすてき~。グレーの用紙に潔くブラックの文字が並んでいて、カジュアルシックなのにぬくもりを感じる。ふむふむ、席次表にプロフィール紹介とメニュー表まで兼ねているとな。さり気ない主張で多機能、まさにゲストを選ばないユニバーサルデザインですね。」
席次表に加えて、メニュー表&ドリンク表、プロフィールや手作りアイテムの紹介、スタッフさんへのお礼メッセージなど、6つ折りの用紙に情報をぎゅっと詰めました。
実はこれ、制作を思い立ったのが挙式1週間前だったんです。エスコートボードを用意したから席次表は要らないと思っていたけれど、直前でやっぱり作ろうってことになって。インスタでヒントをもらってベースを考え、デザインから彼にバトンタッチ。
おしゃれなフリーペーパーのような、カジュアルだけど大人っぽい雰囲気を意識して。ざら紙のような質感にもこだわりました。モノクロでシンプルなデザインが好きなので、イメージがぴたりとはまりました。
印刷が上がって完成したのは確か前日……ふたりでボタンシールをぺたぺた貼ったのがいい思い出です。ゲストからも好評で、”彼が作ったんだよ”と話したらみんなびっくりで。
式本番が迫ってくる中、彼女を怒らせてしまうこともしばしばあったんですが(笑)、自分の好みも取り入れられてやりがいがありました。
DIY DATA
材料:用紙、ボタンシール
費用:約7000円(100部)
制作期間:計3日間(構成1日、デザイン1日、納品された用紙を仕上げるのに1日)
制作分担:新婦が構成と文を作り、新郎がデザイン作成。新婦の文字校正を経て、新郎が外部業者へ印刷発注。折ってシールを貼る仕上げ作業はふたりで。
本格アート!オマーンの空気を届ける席札
編集部EYES「美しい砂漠に幾何学模様の器、動物はロバかしら? 雑貨屋さんで売っていそうなオリエンタルな写真がおしゃれ~。聞けば、新郎が撮りためた中東オマーンの風景なのだそう。フィルムみたいな味わいもいい感じ。持ち帰ってずっと飾っておきたくなる!」
僕は、2年間アラビア半島のオマーンに住んでいました。オマーンで撮った写真を結婚式で使えたら、と思って。
結婚式自体のテーマもオマーンにしたんです。あまり馴染みのない国なので、写真を通してどういう国かイメージしてもらえるし、彼の作品を使うことでパーソナルな部分が伝わるかなって。
たくさんの写真の中から、オマーンの文化や気候を感じられる風景を11枚選びました。いろんなゲストがいらっしゃるので、宗教やナショナリズムを連想させるモチーフは避けましたね。写真自体はバラバラなので、厚めのワトソン紙に印刷して、アンティーク調のトーンで統一感を出しました。
他のDIYアイテムはほぼ私が作ったので、席札だけ浮いちゃったらどうしようと心配だったんですが(笑)、ちゃんとイメージをくみ取ってくれたし、自分にはないセンスも加わったのでうれしかったです。
“この人にはこの写真使おう”、とかゲスト一人一人のイメージで写真を選んで、中面にメッセージを書いて。そんな時間も思い出ですね。
DIY DATA
材料:用紙(ワトソン紙)
費用:約1000円(64部)
制作期間:約1週間
制作分担:写真撮影とセレクトは新郎。ふたりで用紙を選び、新郎がプリントアウト、新婦が折る分業制。メッセージはそれぞれのゲストに書いた。
英国気分で!ブラックキャブがアイコンのお車代封筒
編集部EYE「クラフト紙の封筒に、ロンドンタクシー“ブラックキャブ”のシルエットがぽっかり。イギリス好きのカップルさんでしょうかねー。こういうひそやかな大人の遊び心ってすてき! タクシーの乗り心地もいつも以上にリッチに感じられそう。」
会場である異人館は駅から少し離れた坂の上だったので、年配ゲストを中心にタクシーチケットを配ることに。ふたりともイギリスが大大大好き。披露宴も”イギリス”と”紅茶”がテーマなので、タクシーといえば、で自然にブラックキャブのイメージが浮かびました。
封筒デザインは新婦が担当。結婚準備を機にイラストレーターのソフトを習得したら、アイテム作りが楽しくて病みつきになっちゃって。
封筒が小さくて何度も紙詰まりしたけど、何とかうまくいったね。モノトーンのシンプルなデザインだから万人受けするし。
モノトーンにした理由はもう1つあって……デザイン初心者としては、とにかくモノトーンで統一感を出せば手軽にかっこよく見えるってことで(笑)。同じ雰囲気で、二次会プチギフトも作りました。
自分は工作担当。用紙をカットする作業は夢中になれて楽しかったです。
DIY DATA
材料:クラフト封筒
費用:約100円(20部)
制作期間:約2時間
制作分担:デザインは新婦が担当し、印刷はふたりで。
From 編集部
”甘さゼロ”は男性ゲスト受けもバツグン
クールで渋いアイテムは、新郎も率先してDIYを楽しめ、式後新居にアイテムを飾ってもすんなりなじんでくれる、まさにいいとこづくめ。
また、新郎受けがいいということは、男性ゲスト全般に喜ばれるということでもある。男性率の多い結婚式なら、積極的に甘さゼロを取り入れて、男性陣の「さすが!」獲得を狙いにいこう。
取材・文/伊藤佳代子 構成/真坂千稔(編集部)
※掲載されている情報は2017年6月時点のものです
- 挙式3ヶ月前
- 演出・アイテム
- 式イメージ収集期
- 遊び心のある
- ふたりらしい
- ウエルカム演出