【連載】立原綾乃のOne&OnlyウエディングVol.10「プロセスから式を楽しむ」
結婚式には人それぞれテーマがあります。それは色や形といった目に見えるものもあるけれど、自分たちがどれだけ意味を理解して臨めるか、そんな「自分自身へのテーマ」も含まれているのです。今回は立原綾乃さんが手掛けたウエディングの中から、結婚準備というプロセスの中で、少しずつ式へ対する気持ちが変化していったカップルの、心温まるウエディングをご紹介します。
何から始めればよいか分からない花嫁。さあどうする?
新郎のAkihiroさんは私の古くからの友人。6年前、私がハワイウエディングに携わるきっかけを作ってくれた人でもあります。ふたりでハワイまで下見へ行き、会場まで決めた段階で、私にプロデュースを頼んでくれました。今のように、自由なウエディングが一般的ではなかったころの話です。
ところがいざ打ち合わせが始まって驚いたのは、「すべてお任せ!」というふたりの言葉。私を全面的に信頼してくれるのはありがたいのですが、よくよく聞くと、花嫁のMihoさんが、結婚式にまだあまり興味を持てないとのこと。そこで、まずはセレモニーの一つ一つに大事な意味があることを知ってもらうところからスタートしました。
例えばファーストミート(式当日までドレス姿を新郎に見せないこと)もその一つ。行う意味を理解しMihoさん自身がきちんと納得することで、式への関心が高まるだけでなく、自ら何かをやってみたいという思いが自然と芽生えてきたように思います。
【1枚目】家族が見守る中で行った感動のファーストミート
【2枚目】ファーストミートの際、花冠とともに新郎からプレゼントしてもらったブーケ
今回のカップル「Akihiroさん&Mihoさん」
海が大好きなふたり。さらに新郎のAkihiroさんが家族とよく訪れていた思い出の地でもあることから、自然な流れでハワイウエディングを行うことに。
【会場】タートル・ベイ・リゾート(ハワイ/オアフ島)
※問い合わせは「TRUEwedding」まで(下記プロフィール欄参照)
挙式の感動はシェアするもの。それがふたりの喜びに!
私が携わったのは当日の準備を含めたプロデュースの段階まで。ただ、式の直後に「本当に最高だった! ありがとう!」と、心からの気持ちを電話で伝えてくださったのを覚えています。
挙式では、フラダンサーのダンス&ウクレレ奏者の音楽がバージンロードを清めながら入場を先導し、妹さんが貝殻のリングピローに載せた指輪を運ぶお手伝いを。当時としてはかなり新しく、初めて目にするシーンばかりだったと思いますが、一つ一つの意味をかみ締めながら臨んでくれました。そして見守ってくれるゲストからの温かい祝福が、ふたりの感動や喜びにつながっていったのだと思います。
【1枚目】フラワーシャワーの祝福を受け、幸せMAXのふたりの笑顔
【2枚目】キリスト教式では、誓い合う言葉の意味をじっくりかみ締めた
【3枚目】挙式では、Mihoさんの妹さんがリングを運ぶ役目を引き受けてくれた。ゲストみんなで一緒につくる温かい挙式に感動もひとしお
ワンポイントadvice「ドレスは愛着の持てるものを選んで」
準備段階では、Mihoさんのドレス選びもお手伝いしました。オーダーしたのはストンとしたシンプルなシルエットながら、裾を内側に入れるとバルーンタイプのミニになる2WAYドレス。セレモニーは基本のデザインで、ビーチ撮影はミニ丈で臨んでもらいました。「このドレスでこんなことができそう」。そんなわくわくできるドレスと巡り合えると、結婚式への期待感もさらに高まるはずです。
ケーキカットの後は、ビーチで心行くまで写真撮影を
挙式の後はゲストと一緒にケーキ&ドリンクで乾杯を。その後、ふたりはビーチでの撮影を行いました。ハワイは海に沈む夕日もとても美しいので、時間をかけてたっぷり楽しんだそうです。ちなみに昼間のビーチはキュートなミニドレスで。Akihiroさんもあまりかしこまるのは苦手なので、短パンに腕まくりシャツといういつも通りのナチュラルな姿でした。Mihoさんの足首にきらりと光るのは、ビーチ撮影の際にAkihiroさんがプレゼントしてくれたアンクレット。素敵な時間を過ごせたようでよかったです。
【1枚目】挙式後はケーキカット&乾杯のアフターセレモニーを楽しんだ
【2枚目】海やサーフィンが好きなふたり。ビーチではミニドレスにチェンジして撮影を
【3枚目】ドレス丈を元に戻し、サンセットの浜辺で再び撮影
ワンポイントadvice「嬉しい・楽しいはぜひ言葉に」
現地到着後はAkihiroさんがずっと「楽しみだね」「いいね、いいね!」を連発。お支度中も式や撮影、パーティの最中もそのテンションは上がりっ放しでした。そんなHAPPYモード全開の彼のそばにいると、Mihoさんはもちろんゲストの皆さんも思わず笑顔に。皆さんも嬉しい気持ちや楽しい気持ちは、恥ずかしがらずに言葉にしてみましょう。
ゲストの喜ぶ顔を思い浮かべながら作るギフト
パーティはディナータイムに行いました。ゲスト卓を飾るのは、席札代わりのフォトフレーム。ハワイ在住の人気アーティスト「ヘザー・ブラウン」の絵を収めたものですが、実はこれ、招待状としてゲストに送り、それを持ってきてもらったもの。このように当日につながる仕掛けで、式当日をわくわくしながら待ってもらうのも楽しいものです。プチギフトにはふたりで作ったフラダンサーのタグを付け、ゲストにプレゼントしました。
【1枚目】ゲストにプレゼントしたフォトフレーム
【2枚目】ギフトボックスに添えたのは、ふたりが手作りしたオリジナルのタグ
ワンポイントadvice「時間がある人は、手作りもたっぷり楽しもう」
ふたりがプチギフトに添えたタグは、フラダンサーのスタンプをはさみで切り抜いて作ったもの。こんなに簡単な作業なのに、ほんのひと工夫で誰でも簡単にオリジナリティーを出すことができるなんて素敵だと思いませんか? 最初は準備が大変そうだなと思っても、「これを作るとみんな喜んでくれるかな」と、ゲストの顔を思い浮かべながら作業をするうちに、どんどん楽しくなってくるものです。ぜひ彼と一緒にトライしてみてくださいね。
From 編集部
From綾乃「結婚式って準備を重ねるたびに楽しくなってくるもの」
当初「これがやりたい!」と思えることがなかった花嫁が、最高の笑顔で式当日を迎えるまでのストーリー、いかがでしたか? 結婚式は単なるセレモニーではなく、当日を想いゲストのことを考え、一つ一つプロセスを経てつくり上げていく中で発見できることもたくさんあるんです。まずはそういう気持ちを育てることをテーマにして、皆さんも素敵なウエディングを叶えてくださいね。
立原綾乃 TRUEwedding代表/ディレクター
「結婚式という時間そのものをデザインする」という新しい発想で、日本のウエディングデザイナー第一人者として活動。特定の会場を持たず軽井沢・ハワイに特化した1日1組のオーダーメイドウエディングプロデュース「TRUEwedding」を手掛ける。
相手の想いを形にする抜群のセンスと彼女にしかつくれない温かな時間は、ウエディングにとどまらず、ライフスタイルにおいても多くの女性から人気を集めている。
TRUEwedding TEL03-6450-6363
http://truewedding.jp/
企画・監修・写真提供/立原綾乃 構成・文/南 慈子
※掲載されている情報は2017年4月時点のものです
BGMを決めるときに知っておいてほしいこと
●会場によって、音源の持ち込みができない場合や取り扱える音源に制限がある場合があります。事前に会場に相談、確認をしましょう。
●曲を購入する前に、会場での使用が可能かを事前に確認しましょう。
●会場によって、音源の再生タイミングの指定など、オペレーションの制限がある場合があります。事前に会場に相談、確認をしましょう。
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