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ビューティー
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美しさ際立つ! 和装花嫁の「立ち居振る舞い」の基本

結婚式で和装を着る予定のふたりにぜひマスターしてほしいのが、和装の美しい身のこなし。普段なかなか着る機会がないからこそ、和装を引き立てる身のこなしやマナーを知っておくことが大切。ゲストに失礼がなく、撮られても見られても素敵に決まるコツを伝授します!

【1】基本の所作をチェック!

見られても撮られてもキレイな「立ち姿」

崩れた姿勢でぼんやり立つ新郎新婦
びしっとした姿勢で立つ新郎新婦

披露宴の着席中を除き、ゲストの前にいるほとんどの時間、新郎新婦は立ち姿を見られているもの。男性は堂々と、女性は奥ゆかしくを心掛けよう。

【和装での立ち方のポイント】
・姿勢を正して、片足重心ではなく両足でしっかり地面を踏む。
・男性は肩幅くらいに足を開き、正面から見てハの字になるようつま先を外側に向ける。
・扇子は右手で持ち、女性は左手を下に添え、男性は左手を軽く握って自然に下ろす。
・顔がゲストに見えるよう、首をまっすぐ伸ばして目線はできるだけ遠くへ。

[1枚目]立ち方のNG例。新郎の足の開き具合と角度、扇子の持ち方が違うだけで、なんだか頼りなく見えてしまう。新婦は片足に重心をのせて立っているため、打ち掛けの裾が崩れてしまっている

[2枚目]姿勢、目線、足の開き方、手元、全てが理想的な立ち方

歯を見せて笑ってもOK!

かつては「和装の花嫁たるもの、歯を見せて笑うのはNG」と言われた時代もあったけれど、のけぞるほどの大口を開けて笑わない限り、ナチュラルな笑顔で多少歯が見えてもOK。 笑ってはダメと意識するあまり顔をこわばらせてしまうと、返って不自然な表情に。ただし、TPOをわきまえて。厳かな雰囲気で神前に誓う挙式では、りんとした表情で臨むのが美しい。

優雅に流れるような「歩き方」

石畳を歩く新郎新婦
新郎新婦の目線はやや下ろして3メートル先を見る
歩幅は狭く、片足のかかとに草履をこすりつけるイメージで

挙式を行った神社の境内を歩いたり、撮影のために屋外へ出るときは、ふたりの歩き方も常に視線を浴びることに。新郎は新婦をエスコートするつもりで少し前を歩こう。

【和装での歩き方のポイント】
・立っているときと同様に姿勢はまっすぐ。
・新婦は、新郎の背中の紋あたりに目線を置いて歩く。
・新婦は両膝を付けるようにして、やや内股で歩くとよい。
・新郎は新婦に合わせてゆっくり歩く。
・目線は3mくらい先の地面を見るようにすると、落ち着いた印象に。

[1枚目]ふたりの距離感は新郎が半歩先を歩く感じ。

[2枚目]うつむきすぎないよう、顔は下げずに3m先の地面を見るようにして、伏し目がちに歩く

[3枚目]新婦は着物の裾が地面につかないよう、裾を持ち上げて歩く。大股だと着崩れの原因にもなるので、前に出した足のかかとに次の足のつま先を添えるくらいの歩幅で歩くのが美しい

外では着物の裾を持って歩くのが現実

前撮りなど、美しい衣裳も含めて写真に残すような場合を除き、屋外を歩くときは基本、打ち掛けや引き振り袖の裾を花嫁自らが持って歩く。この所作は「褄(つま)をとる」と言い、この後詳しく解説をするので要チェック! 豆知識として、和装は振り袖よりも打ち掛けが重く、染めの打ち掛けよりも刺繍がたっぷり施された織りの打ち掛けの方が重い傾向なので、小柄な人や手が小さい人、長めの距離を歩く必要がある場合は、衣裳選びのときに重さも意識しておくのがベター。

つつましく、初々しい「礼の仕方」

白無垢姿でお辞儀をする花嫁
お辞儀をする花嫁の顔のアップ
お辞儀をする花嫁の手元

和装の場合、その都度深々と頭を下げていると時間がかかり、進行の妨げにもなりかねない。また、せっかくのヘアスタイルや着付けが崩れやすくなる要因にもなるので、礼の角度は浅めでOK!

【和装での礼のポイント】
・上半身を気持ち傾けて、一瞬静止して戻す。
・背筋は伸ばしたまま、目線は体の傾きに合わせて自然と下げる。
・首だけを曲げるのではなく腰から上を傾けて、気持ちを込めながらも動きは滑らかに。
・手は体の前で右手の上に左手を添える。打ち掛けの場合、襟先を留めるベルトを腕で隠すようにすると美しい。

[1枚目]首を伸ばした状態で、すっと上半身を傾けて戻す

[2枚目]目だけで床を見ないように、体の傾きに合わせて自然と視線を落とす

[3枚目]指先まで神経をわたらせる所作が和装をより美しく見せてくれる

着崩れを防いで美しい 「座り方」

椅子に腰掛ける打掛姿の花嫁を横から見たところ
座っている花嫁の手元のアップ
座っている花嫁の足元のアップ。見えなくてもつま先を揃えたい

着席中はゲストから足元が見えなくても、足を開いて座れば裾が乱れやすくなる。姿勢をキープする意味でも椅子の背もたれには寄り掛からず、帯がつぶれないようにするのがポイント。

【和装での座り方のポイント】
・椅子の座面の真ん中よりもやや前に座るような感覚で腰を下ろす。
(前過ぎると安定しないので無理をしない)
・横から見たときに、帯が椅子の背もたれから拳一つ分空いている状態が目安。
・足元は見えなくても、両膝をつけて指先は揃えるかやや内股に。

[1枚目]帯と背もたれの間に拳一つ分の空きを。浅く座ることで自然と背筋が伸び、美しい姿勢が保てる

[2枚目]扇子を持つときは、腕を伸ばしたりおなかにつけたりせず、自然に腕が降りる位置でOK

[3枚目]本来は見えない足元を、あえて見せた状態。膝を閉じて、足は後ろに引き過ぎないよう、気持ち引いておく感じ

【2】指先まで気を抜かない! 和装ならではの所作

杯を持つ

盃から手がはみ出るように持っているNG例
ゆびを美しく揃えて盃を持つOK例

神前式で必ず行う「三献の儀(さんこんのぎ)」、いわゆる三々九度の儀式で手にする朱塗りの杯。何気なく手にしている人も多いかも知れないけれど、本来の持ち方と意味があるんです。

【杯の持ち方のポイント】
・神様にお酒を献上するという意味があるので、杯より上に指をかけてしまうのはNG。
・両手のひらを上に向けて、親指以外の4本の指で杯を支え、親指はふちに添える。

[1枚目]杯を指で囲むように持ってしまった悪い例

[2枚目]神様へのささげ物を優しく手に載せるような感覚で

【2】褄をとる

褄の取り方1。打掛の端を持ち上げて指ではさむ
指ではさんまだま手のひらを返してお腹に添わせる
裾を掴む右手にそっと左手を添える

「歩き方」でも少し触れた「褄(つま)をとる」という所作。当日は介添さんが手伝ってくれて、人によって若干やり方が違うこともあるので、外に出るときは褄をとって歩くもの、という心構えがあれば大丈夫。

【褄のとり方のポイント】
・介添さんが裾を整えて持たせてくれるので、それに従う。
・右手で着物の端を持ち、体に引き寄せて歩くのが基本。
・左手を右手の上にそっと添える。

[1枚目]着物の左右の端を揃えて介添さんが持たせてくれるので、右手のひらを上にして中指と人さし指をしっかりと差し込んで持つ

[2枚目]手のひら返すようにしながら、おなかにぴったり添わせる

[3枚目]左手は力を入れず、右手の上に添えながら歩く

【3】扇子を持つ

扇子をぎゅっとつかんで持つNG例
扇子を軽く持ち左手を添える正しい持ち方
男性の扇子の正しい持ち方。扇子をひねらずまっすぐ持つ

暑いときに広げてあおぐ扇子と違い、儀礼用の扇子は広げて使わないのがマナー。あいさつのときに扇子で自分と相手との間に結界をつくって、慎みの意を表す使い方をするほか、おめでたい席なので「末広がり」の意味も。

【扇子の持ち方のポイント】
・新婦の扇子は片方にだけ模様が入っていて、その模様が上になるように持つ。
・右手で要を持ち、新婦は扇子の先をやや下げるようにして左手を下から添える。
・新郎は扇子の親骨(一番端にある骨)の上にまっすぐ親指を載せて持つ。

[1枚目]扇子をぎゅっと握ってしまっている悪い例

[2枚目]指先にも意識を向かわせて、指は常に揃えて持つ

[3枚目]新郎の扇子の正しい持ち方

【4】腕を伸ばす

袖の中を気にして腕が見えすぎる花嫁のNG例
新郎の手にそっと添えるだけで動きを最小限にとどめたOK例

ケーキカットや鏡開き、乾杯、食事中など、腕を伸ばす必要のあるシーンは多いもの。和装の場合、女性は袖口から肘が見えるのは美しくないとされているので注意したい。

【腕の伸ばし方のポイント】
・腕を伸ばしているのと反対の手で、袖口をそっと押さえるのが基本。
・袖口を押さえるときは、できるだけ肌を見せないようにする。
・新郎と一緒に何かを持つ場合は、基本新郎が持って、新婦は手を添えるだけでOK。

[1枚目]ケーキカットの悪い例。新婦は袖口に手を置いているけれど、腕まくりをするようにしているため袖が崩れ、腕も露出しがちに

[2枚目]ケーキカットの良い例。ナイフは新郎が持ち、新婦は新郎の手を上下から挟むようにして軽く手を添えている。新婦は袖口を押さえなくても腕が露出しない位置まで新郎に近づいているのがポイント

From 編集部

無意識にできるようになるのを目標に!

いろいろと細かく和装の所作について解説しましたが、頭で難しく考える必要はありません。一度身に付けておけば将来にわたって着物を着るときに役立つので、和装での結婚式を選んだ花嫁さんなら、きっとマスターできますよ! お辞儀の仕方や身のこなしは、ぜひ普段の生活にも応用して、好感度の高い女性を目指しましょう。

Profile

本田昌代 「昌山坊」主宰/
きものスタイリスト

1982年よりフリーとなり、着物スタイリスト・気付けおよび和装におけるヘアメイクのオフィスとして1985年に「昌山坊」を立ち上げる。CF、スチール、雑誌、映画、TV番組等のスタイリング・気付けのほか、舞台、ウエディングなどのトータル衣裳コーディネート、着物に関する企業向けセミナーや着付指導など、着物の世界において幅広いジャンルを手掛ける。

【公式サイト】
http://www.shozanbo.com

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Authentique 銀座

TEL 03-5159-3677

東京都中央区銀座2-6-16 ゼニア銀座ビル11階

【公式サイト】
http://authentique.jp

構成・文/田中英代(Blue Ladybird) 撮影/かくたみほ ヘアメイク/千葉智子(ロッセット) モデル/山崎由貴、大地(以上ゼクシィモデル) 着付け・マナー監修/本田昌代(昌山坊) 衣裳協力/Authentique 銀座

※掲載されている情報は2015年12月時点のものです

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