フォトグラファーが伝授!結婚式のスナップ写真”撮られ方”テクニック
結婚式のスナップ写真は、花嫁にとって大きな楽しみの一つ。そこで、プロのフォトグラファーにきれいに写るための“撮られ方”を教えてもらいました。ちょっと気を付けるだけで、花嫁らしい上品さや見栄えが増したり、スッキリ見え効果も望めたり!写真の仕上がりに差がつくコツを紹介します。
お支度・メイクアップでの“撮られ方”テク
フォトグラファーの指示に従い、楽しみながら臨んで!
“撮られ方”テクニック
●基本的には、フォトグラファーの指示に従えばOK!
●引いて撮る写真は、背景に気を付けて!
「お支度・メイクアップ」での“撮られ方”のコツは、指示に従うことなのだとか。フォトグラファー清水知成さんに聞いたところ、お支度・メイクアップは撮影者から直接ポーズ指示をできる場面であり、それを聞いて応えればOKとのこと。「姿勢、視線、指先など、きれいに見えるしぐさをこちらから伝えるのでその通りに動くことが一番です」(清水さん)
また、引いて撮る写真は背景が大切とのこと。なぜなら部屋に置かれている荷物などが画面に入ってくるから。背景まで入るスナップ写真を希望するなら、会場選定時から意識しておく方が良いでしょう。
またもう一つ、嬉しいコツを聞きました。「舌を上の前歯の後ろに当てながら引き上げると、首から顎のラインが引き上げられてスッキリ見えます。口紅を差すなど横顔のシーンでぜひ意識してみてください」(清水さん)。ただし、力み過ぎると首に筋が浮いてしまうので注意!鏡やスマホに映して確認しながら、良い具合を探ってくださいね。
【写真】
1枚目:「アップの写真は笑い過ぎるとほうれい線や目尻のシワが気になるので、口角を挙げる程度にとどめました」(中楯道世さん)
2枚目:「姿勢や指先まで綺麗に見えるように意識。特にドレスのデザイン上コルセットを付けなかったので意識して背筋を伸ばすことと、肩が上がらないようにと気を付けていました。また、会場内にある真っ白な壁のコテージで撮影したく、この部屋は式場と一緒に予約」(さよ@s.t____wdさん)
ファーストミートでの“撮られ方”テク
フォトグラファーの指示に従えば、きれいに撮れる!
“撮られ方”テクニック
●基本的には、フォトグラファーの指示に従えばOK
(新婦は伸ばす腕に、新郎は振り返る向きに注意!)
ファーストミートも、フォトグラファーから新郎新婦に直接声が掛けられる場面なのでその指示に従って。それができていれば、あまり構えなくてもきれいに撮られることが可能です。「主に指示が入るのは、右・左といった向きのこと。新婦が新郎の肩に伸ばす腕や、新郎が振り返る向きは、“どちらから撮られているか”によって異なります。美しく見える方向を撮影側が指示するので、その通りに動くと良いですよ」(清水さん)
そのほか、卒花からは「新郎の喜び過ぎ、驚き過ぎといった大げさな反応は不自然に見える!」といった声もあり、それには清水さんも同意。作り過ぎることなく、自然体で臨みましょう!
【写真】
「新郎の肩に添える手は真っすぐに、指先まで伸ばすことを意識しました」(s_trunk0429さん)
ベールダウンでの“撮られ方”テク
“離れ過ぎ”と、姿勢に気を付けて!
“撮られ方”テクニック
●ベールダウンする相手と花嫁との距離を詰める
●花嫁は、背筋を伸ばしたまま膝を曲げて頭を低くする
ありがちなNGパターンは、花嫁とベールを下ろす側との距離が離れてしまうことだそう。「距離が離れ過ぎると下ろす側は花嫁の方にグッと乗り出して腕を伸ばさなくてはならず、“大変そう”に見えてしまいます。グッと近づいてもらいましょう」(清水さん)
一方花嫁は、かがみ込み過ぎ=背中を丸めないように。ベールダウンされやすいように頭の位置を低くするなら、背筋は丸めず伸ばしたままの状態で膝を曲げて調整を。
またポーズとは異なりますが、気を付けたいのがベールのしわ。「ベールを下ろしたら裾の左右をピンと張って、ベールのしわが顔の中央に寄らないようにしてもらいましょう。しわがあると顔の中央に影ができて、続く挙式入場などで表情が見えない写真になってしまいます」(清水さん)
【写真】
1枚目:「母がベールダウンしやすいように深く屈みつつ、背筋が曲がらないように上半身の姿勢に気を付けていました」(さよ@s.t____wdさん)
2枚目:「中腰になる際は腹筋を意識して力を入れ、猫背にならないように注意しました」(s_trunk0429さん)
挙式入場での“撮られ方”テク
足元を気にし過ぎない=下ばかり見ないように注意!
“撮られ方”テクニック
●下を向き過ぎないで!
「下ばかり向いていると、花嫁の表情が押さえられません」(清水さん)。しかし、下向きの表情は奥ゆかしい雰囲気もあるので、絶対的なNGではないそう。気を付けたいのは「真下を見ている」や「ずっと下向き」の状態。特に祭壇側から撮影する場合は、顔ではなく頭頂部の写真が多くなるという、もったいない事態に!
「足元が気になってしまうのは、裾さばきに不安があるからだと思います。衣裳を選ぶ際は動きやすさも重視すると良いのでは」(清水さん)
【写真】
「ハイネックのドレスだったので、首が短く見えないように肩を上げ過ぎないように意識。さらに肩甲骨を寄せるイメージで過ごしました。もともとストレートネックが気になっていたため、式の約半年前から日常でも姿勢には気を付けるように。写真を撮ってもらい、どこを直すべきか見直していました」(中楯道世さん)
誓いのキスでの“撮られ方”テク
花婿はグッと踏み込み、花嫁は待ちの姿勢で!
“撮られ方”テクニック
●とにかく新郎新婦が近づくこと
●新婦は、自分からは決して動かないこと!
ふたりの距離が近過ぎて失敗ということは、ほとんどないと断言する清水さん。「くっつき過ぎくらいが良いと思います。新郎は新婦のドレスの裾に靴先を入れるくらいしっかり踏み込んでほしいですね」(清水さん)。距離が離れたままのキスだと、新郎の顎が突き出てしまいいやらしく見える可能性もあるとか。
一方で、新婦は待ちの姿勢をキープすること。気を利かして自分から顔や体を近づけてしまいそうになっても、ここはこらえて!
【写真】
「固くならず自然な表情・姿勢でいること、キスの時に新郎の腰が折れないようにできるだけ距離を近くすることに気を付けました。清楚な微笑みを浮かべるつもりが、恥ずかしくて笑っている表情に(笑)」(ayumiさん)
フラワーシャワー、ライスシャワーなどでの“撮られ方”テク
ゆっくり堂々と、ふたりの視線も合わせること
“撮られ方”テクニック
●姿勢を正す
●ゆっくり歩く
●降りかかる花びらやお米などにひるまない!
●ふたりの視線の方向を合わせる
堂々とゆっくり歩きましょう。また、姿勢が縮こまらないように注意して。「花びらやお米などが顔に当たるので縮こまってしまいがちですが、そこは我慢しましょう。むしろ自分から当たりに行くくらいの気持ちで臨んでほしいですね!」(清水さん)。
また、ふたりの視線が揃っている方が、写真としては美しい仕上がりに。新郎が常に新婦の顔の向きに合わせるなど、事前に決めておくのがおすすめです。
【写真】
「意識したのは歩くスピードです。ゲストみんなの顔をちゃんと見られるように、ゆっくり歩くことを心がけました」(さよ@s.t____wdさん)
披露宴入場での“撮られ方”テク
ふたり一緒に離れずに、ゆっくりと進むこと
“撮られ方”テクニック
●新郎は、キャプテンの後を追わないように気を付ける
●視線はゲストの顔へ向けて
●新郎新婦の視線を合わせる
●とにかく、ふたりの距離を空けない
舞い上がる気持ちをグッとこらえて、ゆっくり歩くことを強く意識しましょう。「新郎は、つい先導するキャプテンに追い付こうとしてしまいがち。そうすると“ふたりの入場シーン”がキャプテンも含めた3人のシーンになる可能性も」(清水さん)
また、ゆっくり歩くことには2つの効果が。一つは、新婦との距離が空かないこと、もう一つはシャッターチャンスが増えること。そして、視線はゲストの顔へ。皆の祝福の笑顔をしっかり見ようとすれば、歩みも自然とゆっくりになりそうです。新婦はドレス姿ではいつも通りに歩くことが困難なので、新婦を置いていかない=離れないことも肝に銘じて。
【写真】
「ドレスの裾を踏まないか心配でしたが視線が下がらないように。ゲストが19名と少人数だったのもあり、一人ひとりに目を向けて声を掛けながら入場しました」(ayumiさん)
乾杯での“撮られ方”テク
ゆったりとした動作と、グラスの持ち方に気を付けて
“撮られ方”テクニック
●グラスの高さは、胸の位置に。顔を隠さないこと
●グラスに口を付けるのは、ひと呼吸おいてから
●<起立時>ふたりの体がハの字になるように向き合う
●<着席時>グラスを持つのは、ふたりの内側の手で
すぐに飲み始めてしまうと、撮影タイミングを逃す上にややがっついた印象に。乾杯の掛け声の後にゲスト全員を見渡してから、グラスを口に付けるようにすると良いでしょう。
グラスの持ち方にも気を付けたいもの。特に着席時は、ふたりの内側の手を使うと良いようです。「右利きの方を例にすると、右腕が外側にある場合に右手でグラスを持って合わせようとすると、腕をぐるりと回さねばならずスッキリと見えません。左手を使うことをおすすめします。ただし起立時は腕を回してもスッキリ見えますので、気にしなくて大丈夫です」(清水さん)
【写真】
1枚目:「1日を通して姿勢に気を付けていたほかSNSで海外の方の撮影風景などを参考にして、気に入った写真はカメラマンの方に共有して当日に臨みました」(中楯道世さん)
2枚目:「緊張が和らいでもドレス姿であることを忘れず、グラスには手を添えるなどちょっとした女性らしさを常に意識していました」(s_trunk0429さん)
ケーキ入刀での“撮られ方”テク
上品に、ふたりの動きや視線を合わせることが大事
“撮られ方”テクニック
●新郎の手は、新婦の腰に添える
●ふたりの視線の向きを合わせる
動作はゆっくりと、姿勢を正してナイフを入れましょう。新郎の手が新婦の腰に添えられていればふたりの距離感も程よく詰められ、カップルらしさが増してきます。ケーキ入刀はゲストにとっても絶好の撮影シーンでもあるので、司会者から『視線は右側へ』などとアナウンスが入る場合も。そうでなければ、ふたりで見る方向を揃えるようにしましょう。前述したように“新郎が常に新婦の視線に合わせる”などと決めておいても良いですね。
【写真】
「常に背筋を伸ばすことを第一に!また撮影される際には、鎖骨が見えるように肩を下げることも意識しました」(s_trunk0429さん)
高砂席での“撮られ方”テク
知らずに猫背になりがち!姿勢に気を付けて
“撮られ方”テクニック
●猫背にならない
●飲物を飲む際は、ストローを口に近付ける
●ビスチェのズレの直しは、アテンドスタッフにお願いする
高砂席では、楽しさと緊張感のゆるみから猫背になりがちです。卒花たちからも「姿勢を正せば良かった」との声が多く寄せられたので、ここは注意したいところ。「高砂席には装花があるしゲストも集まるので、実は絵になる撮影シーンです。猫背になると美しく見えないだけでなく、装花に埋もれたような印象にもなるので気を付けて」(清水さん)
そのほか撮影中に気になるのが、花嫁がビスチェを引っ張り上げる仕草だそう。「フィット感が気になっているのかもしれません。可能ならスタッフさんに告げ、見えない場所で直してもらうと良いと思います」(清水さん)
【写真】
「猫背にならないように気を付けました。高砂席の正面からは分かりにくくても左右のゲスト卓からは猫背だと丸見えになってしまうと思い、あらゆる角度から見られていることを常に意識していました。装花にもこだわったので、出来る限りキレイに写真に残したかったことも大きいです(笑)」(中楯道世さん)
From 編集部
日頃からコツを意識して、本番に臨みましょう!
撮られ方のコツのそれぞれは難しくなくても、その場でいきなり実践するのは困難です。猫背や前のめり、縮こまらないなどの姿勢改善は日頃から意識して。ゆっくりとした丁寧な動作も日常に取り入れられますね。ベールダウンなど結婚式ならではのシーンはイメトレのほか、できるものは体を動かして試しておきましょう。場面ごとに気を付けるべき点がサッと浮かぶようになるまで、ここはぜひとも頑張って!
清水知成さん フォトグラファー
雑誌ゼクシィを中心に20年以上にわたって結婚式の撮影に携わってきたフォトグラファー。温かさとともに凛とした美しさも捉えたウエディングフォトは、編集者からも大人気!
構成・文/弘中栄美 D/mashroom design
※掲載されている情報は2022年11月時点のものです
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