<男女のセックスはなぜすれ違う?>専門家に聞いた3つの理由と解消方法
普段は仲良し夫婦でも、微妙なモヤモヤを抱えやすいのがセックスにまつわること。男と女で根本的な違いがあるからこそ、ちょっとした違いを放置しておくと、すれ違いが起こりセックスレス化することも。そこで今回は、夫婦コミュニケーションのプロに、セックスがすれ違ってしまう理由と、どうすれば解消できるのかをお聞きしました。より満足のいくセックスライフを送れるよう、ぜひ夫婦ふたりでチェックしてみて。
今回お話をお聞きするのは
2007年より性生活の総合アドバイザーとして活動。カウンセリング・講座で「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著『セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ』(日本文芸社)他多数。ゼクシィアプリの連載企画「ゼクシィ夜の★相談室」では、数々の夫婦たちのセックスの悩みを解決してきた、男女のラブライフに関するプロフェッショナル。
実は男女の“違い”を知っていれば、“すれ違い”は防げる
まずは男女それぞれの、セックスにおける求めるものや生物学的な体の違いを知らないのが、すれ違いの一番の原因。自分の価値観や当たり前に思っていたことが、異性であるパートナーには当てはまるとは限らないがゆえに、起こってしまうんです。
まずは、お互いの心と体の特徴や、セックスに何を求めているのかを、知ることが大事。事前の知識があることで防げることがたくさんありますよ。ぜひこれを機会に男女の違いを知って、セックスのすれ違いを予防していきましょう。
男女のセックスここが違う【1】体の構造
先輩夫婦はここですれ違い
触ってくる力が強すぎて、正直痛い……。(わいえすさん・40代・女性)
触れ方が雑すぎて気持ちよくならず、いつもモヤモヤした状態で終わってしまう(あゆなさん・20代・女性)
力加減が強くて痛いので、全然気持ちよくなれません。(NOさん・女性・40代)
そっと触ることができないのか、なんでも強い力でしてくるのでイライラしてしまうことも。(エスエスさん・30代・女性)
もう少し優しく触ってくれればいいのに、といつも思っている。(おぎよーさん・30代・女性)
男女のセックスのすれ違いで多い理由の一つは、触れる強弱が相手の快と合わない問題。これを解決するにはまず、そもそも男女の体の構造が違うことを認識しておくのが良いと思います。
セックスにおいて一般的に男性は、強く早くの方が感じやすいので、女性も同じ感覚だろうと思っている方もいらっしゃるのかなと思いますが、それは多くの場合間違い。また人によって、強さと弱さの感覚は違いますから、まず夫婦でどの程度の触り方が良いのかを確認するところから始めるのがいいですね。「この触り方と、この触り方だとどっちがいい?」のような聞き方だとわかりやすいですし、相手にとっての良い加減がわかってきますからおすすめです。
また、男性はどうしても性器そのものが感じるため、女性にも性器一点集中がいいだろうと思う方もいるのですが、女性は男性に比べ、肌に丁寧に触れられることで安心感を感じて快感に身を委ねることができるので、前戯は一点集中でなく、全身くまなくゆっくり時間をかけての方が高まるのです。
雰囲気づくりなどもなく、すごく雑に始まるので、気持ちが盛り上がらない。(あゆなさん・20代・女性)
疲れて休んでいるのに、強引な感じで誘ってくるのがモヤモヤ。(なななさん・20代・女性)
眠たいときに限ってしようとするので、空気を読んでほしい。(ぬん。さん・20代・女性)
またこれは男女共に言えることですが、特に女性は心がリラックスしている方が感じやすいので、急に始めるのではなく、ふたりでゆっくりお酒を飲んだり、ベッドでゴロゴロしたり、マッサージをしあったりなど、雰囲気を整え、心身をリラックスモードにしてからスタートすると、お互いの満足度も上がるはずです。
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男女のセックスここが違う【2】性的な波の動き
先輩夫婦はここですれ違い
相手がいそいそと早く終わってしまうので、つまらないし盛り上がりに欠ける。(あゆなさん・20代・女性)
彼は終わるとすぐに携帯を見て、その後即寝てしまうのでモヤモヤしている。(Rさん・30代・女性)
進めるのが早すぎる……。 開始後すぐに挿入しようとするので、楽しくない。(めかさん・40代・女性)
セックスにおいて男女の快感の波の差があることも実は大きな原因。この順番は、
[1]興奮期:セックスの興奮が高まる
[2]プラトー期:興奮がしばらく持続する
[3]オーガズム期:絶頂に達する
[4]回復期:終息に向かう
の4つの段階に分けられます。
男性は一般的に、快感の波がぐんぐん上昇し、一度オーガズムに達したら一気に下降する山形。それに比べ女性は、男性のようにシンプルではなく、男性と同じような波の人もいれば、プラトー期が続き回復期に下がる人もいたりなど形はさまざま。オーガズム期まで達しなくてもプラトー期の中に快感の波が訪れる場合などもあり、本当に多種多様なんです。
イカないと終わらないので、イッたという演技をしているが、毎回そうしないといけないのが微妙。(みょんさん・20代・女性)
気持ちよくないのに、演技をしなきゃいけない義務を感じることも。(はらさん・40代・女性)
こちらだけ気持ちが盛り上がらないまま、しょうがなく流れに任せて行うことがある(びいびいさん・30代・女性)
男性の快感の波は山形なので、一般的に1回の大きなオーガズム期で満足できるのですが、女性の場合は人によって快感の波がさまざまあって複雑。波の形的に男性はイクということにこだわりがちなのですが、実は女性ってそこには関係なく自分自身が快を感じるセックスを追求するのが満足への近道。
だからこそイッたふりや感じている演技をするのはNG。その辺、男性は言わないとわからないので、ゆっくりと時間をかけてほしいこと、逆にイカなくても十分満足してること、など、自分が感じていることを素直に伝えてあげるのが良いですね。
また、性欲の高まりに関しても、男性の場合は性欲ありき。最初にドキドキや刺激を受けてムラムラが高まるのに対し、逆に女性は、刺激だけでなく親密感や信頼感があって「この人に身をゆだねてもいんだ」という安心感があるとムラムラが高まりやすいのも特徴。だからこそ女性が感じるためには、日頃の夫婦コミュニケーションやスキンシップが大事になるんです。
男女のセックスここが違う【3】ジェンダーバイアス
先輩夫婦はここですれ違い
自分があまりうまくできないので、相手を満足させることができずプレッシャーに。(にゃんさん・20代・男性)
「誘い方、やり方が下手」と言われ、自信をなくしてしまった。(tkさん・20代・男性)
したいタイミングもあるが、正直妻の側からは言い出しにくい……。(KKKさん・30代・女性)
自分がしたいときに相手がしたいとは限らないよなぁと思ってしまい、自分からはなかなか誘えない。(MJCさん・30代・女性)
男性はどうしても、「自分がリードして満足させなくては」「しっかり射精まで行わなくては」というプレッシャーを持つがゆえに悩む方も多く、対して女性は、「女性=受け身」という固定観念があり「自分の好みや希望を伝えることはちょっと気まずい」「女性からは積極的に誘いづらい」と思っている方も少なくありません。
実はこの自然にもっている「男だから」「女だから」というジェンダーバイアスはセックスにおける男女のすれ違いの大きな原因になっています。
いつも求めるのはこちらからばかりで、向こうから求めてくることがないのでかなり寂しい。(シンさん・30代・男性)
誘ったときに断られるのが怖くて、かなり飲酒してからじゃないと自分から誘えない。次の日飲み過ぎて二日酔いになりつらいです。(Mm夫さん・40代・男性)
断られることも多く、したいタイミングが皆無なのでは?と、誘えなくなってしまった……。(たこさん・30代・男性)
したいなと思っても寝られてしまうので、完全に拒否されたようでつらい。(Nazisさん・30代・男性)
日頃は良好な関係なのに、なぜかセックスのことになると男性任せにしてしまうカップルも多いのですが、それってすごくもったいないこと。
好きな人とセックスをしたい気持ちも、今日はしたくないと思う気持ちも自然なことですから、したいときは女性からも誘う、したくないときも「今日は○○だからできないけど、いつなら大丈夫」とフォローするなど、お互い日頃からナチュラルに誘い合ったり、断っても平気な関係になれておくのが良いと思います。
実は気持ちいいと思ったことがないのですが、言えません……。(りんごさん・20代・女性)
触る場所がズレている。自分のやりたい体位をくんでもらえず、私からも言いにくい。(ちーずさん・20代・女性)
僕に対する前戯はほとんどなく、もっとしてほしいと思うが、してくれないのでモヤモヤ。(mxさん・30代・男性)
前戯には時間をかけているが、向こうからは何もないので、こっちばかりか……という思いに。(T.Iさん・20代・男性)
ふたりのセックスについて話をしたことはありますか?「本当はこうしたいけど言えない」「これは嫌だな……」という思いを引きずったまま、今後何年も過ごすのは危険。年月がたてばたつほど、お互いさらに本音を言いにくくなってしまいます。
自分たちのセックスについて話すことは、より良いふたりの関係をつくっていくために大事なこと。恥ずかしがらず、今から少しずつでもチャレンジしていって。
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すべての原因はコミュニケーション不足にあり。
夫婦でもなかなか話しにくいセックスの問題。ちょっとしたすれ違いが発生してモヤモヤしても「言うのはなんか恥ずかしい……」「傷つけたらどうしよう」などを理由に、ふたりで話したことがないからすれ違い続けてしまうのも事実。
セックスの問題の根本は、コミュニケーション不足のことが多いもの。セックスってあくまでふたりのコミュニケーションの一つ。あまり特別なこととは考えず、普段の日常会話のようにシンプルに行うことが大切です。例えば、ちょっと嫌なことだったら「もう少しこうしてほしいな」と言って変えてもらう、嘘はつかない、一方的なコミュニケーションは避けるなど、いつもだったら単純なことですよね。
自分がしてほしいことを伝えたり、彼のしてほしいことを聞いてあげたり、してくれたらありがとうと伝える……お互いしっかりコミュニケーションをとりながら改善、調整を重ねれば、夫婦のセックスもどんどん良くなっていくと思いますよ。
From 編集部
すれ違い阻止のために、新婚の今から考え話しておくことが大事
夫婦生活について彼と話してみたことはありますか?100%満足!不満なし!なら問題ないけれど、どこかモヤモヤした気持ちを抱えているなら、まずは話題に出してみることが解決への一番の近道。話しにくいことかもしれませんが、ぜひこの記事をきっかけに、夫婦のセックスについて気軽に話せるふたりになっていきますように。
構成・文/滝 紀子 イラスト/Saki Morinaga
※記事内のコメントは、2023年9月に、20代~40代の既婚者男女 334人が回答したマクロミル調査によるものです
※掲載されている情報は2023年11月時点のものです
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