「新郎の手紙」を読んでみない?書き方&演出実例【文例付き】
結婚式での演出として新婦が読む「花嫁の手紙」は定番だが、自分も手紙を通じて感謝を伝えたい!と感じている新郎に向けて、「新郎の手紙」の書き方や実際に手紙を読んだ新郎の実例をご紹介します。
新郎の手紙って誰に向けて書くもの?
A:親はもちろん、家族や友人、新婦へも
ウエルカムスピーチや謝辞などで新郎が披露宴で話す機会はあるが、そこでは身近な関係性の相手や個々へ細かい思いは伝えにくいことも。
手紙で思いを伝える対象は、親やきょうだい、親族や友人、そして新婦や新婦の家族などさまざま。自分にとって大切な相手へ、手紙を通じて普段なかなか伝える機会がない感謝や思いを伝えよう。
手紙にはどんなことを書くの?
A:これまでの感謝やこれからの誓いなど
これまでの感謝や、当時の葛藤や今だから気付いたことなどの気持ちの振り返り、今後の新しい家庭への意欲をはじめとする誓いなどを書いてみよう。
結婚式という場でしっかり感謝を伝え、未来を宣誓することで自分にとっての気持ちの節目にもなるはず。
手紙を書くにあたってNGの内容や表現はある?
A:忌み言葉はできるだけ避けて
自分の正直な気持ちを伝えることが大切なのでNGはないが、結婚式で使うにはふさわしくないとされる忌み言葉(※)は避けた方が無難。思いを伝える相手にとってマイナスなイメージになる文章も、不快な気持ちを与えてしまう可能性があるため言葉のチョイスは慎重に。
また、家族間や友人同士のニックネームは、聞いているゲストが誰のことを言っているのか分かりにくいこともあるので、「妹のしーちゃん」など、関係性を最初に入れるとよい。
※忌み言葉とは、「別れる・終わる・避ける・切れる」など、不幸や不吉なことを連想させる言葉のことで、結婚式で使うにはふさわしくないとされている
どんなシーンで手紙を読むのがいい?
A:披露宴での演出、ファーストミートでなど 読むタイミングはさまざま
読むタイミングは以下のように、人それぞれ。
[1]新婦の手紙の前か後
ふたりが順番に読む。新婦に宛てた手紙をサプライズ的に読むケースも
[2]謝辞前
謝辞の振りが司会者から来て、「皆さまへのお礼の前に、この手紙を家族に届けます……」などの導入で読む
[3]中座のシーンで
手紙で思いを伝える相手をエスコート役に任命しつつ、相手が前に来たタイミングで読む
[4]ファーストミート時
ゲストがいない状態の特別空間で、思いを伝える相手だけがいるところで読む
自分で読むのが恥ずかしい場合は、司会者に代読してもらうケースもある。
手紙朗読を演出で取り入れるときには曲選びにもこだわって
新郎の手紙朗読の演出効果をより高めるため、曲選びにもこだわろう。
【歌詞のない落ち着いた曲調がおすすめ】
ただ単に好きな曲をBGMに選んでしまうと、手紙の内容に集中できなくなってしまうことも。歌詞のない、ピアノや楽器演奏のみの落ち着いた曲調がおすすめ。
【手紙の内容が聞こえるよう、ボリュームは控えめに】
せっかく思いを込めた手紙の内容をしっかりとゲストに届けるため、BGMのボリュームは控えめに。リハーサル時に音量確認をしよう。
音楽は演出に欠かせない大切な要素。手紙の内容に合ったBGMをチョイスすれば、より情緒豊かな時間になり、相手へ思いがしっかり伝わる。
BGMが流れたらすぐに読み始めるのではなく、一呼吸置くことで落ち着いて読めるだけでなく、ゲストもしっかりと聞く態勢となり、演出の場自体が落ち着いた雰囲気となる。
新郎の手紙の基本構成って?
A:4つの基本要素で構成を
以下の4つの基本要素で構成することが多い。
1.前置き
ゲストへの言葉や思いを伝える相手への呼び掛け、なぜ手紙を書こうと思ったか
2.エピソード
幼い頃の思い出など、思いを伝える相手とのエピソード
3.未来への決意や今後の抱負
これから始まる新生活に向けての決意や抱負
4.結び
親への感謝や新婦の親へのひと言、ゲストへの謝辞など締めくくりの言葉
理想的な手紙の長さって?
A:2~3分程度で読める長さに
読む時間としては、2~3分程度になるような長さに(便箋にすると1~2枚程度)。
新婦が読む「花嫁の手紙」は、平均で3~4分程度(便箋にすると2~3枚程度)になることが多く、同じシーンでふたりが読む際は、そのシーンが長くなりすぎないよう、新郎の手紙は少し短めがおすすめ。
便箋選びや手紙を書くタイミングは?
A:便箋はシンプルに。下書きは早めに着手を
手紙を読んでいる最中、近い場所に座っているゲストからは便箋も見えることが。派手なものは避け、シンプルな柄の便箋を選ぶのがおすすめ。手紙が複数枚にわたる場合は、めくりやすい材質の便箋を選ぶのがよい。
結婚式直前は何かとバタバタするため、手紙の下書きは早めに着手を。最低1~2週間前には手紙を書く準備をするのがおすすめ。
[全文掲載]新郎の手紙実例紹介
実際に「新郎の手紙」を読んだ2人の新郎の手紙を全文紹介。手紙を読んだ理由、受け取った相手の感想も聞いてみた。文例としても参考にしてみよう。
[実例1]両親と弟への手紙
手紙を読んでどうだった?
両親へ感謝を伝える機会がめったにないため、「育ててよかった、おめでとう」と感じてもらうのも一つの親孝行かなと思い読むことに。書く中で改めて両親への感謝の気持ちが整理できました。こういうことはすごく意味のあることだと思っており、両親にも感謝してもらえ、やってよかったです。
これまでの感謝をこの数分程度に込めて伝えるのは、とてもいいことだと思うので後輩花婿さんにもおすすめします。(航大さん)
手紙を受け取ってどうだった?
歳を取れば取るほど、お互いの気持ちを言葉で伝えるのが恥ずかしくなってきます。そのため、より一層嬉しく感じ、涙を流してしまいました。(新郎母)
[実例2]両親ときょうだいへの手紙
手紙を読んでどうだった?
いつかしっかり伝えようと心の中で温めていた幼い頃の感謝の気持ちを、妻が伝えるなら私も……と手紙を読むことにしました。自分の気持ちをあんなにもさらけ出して素直に言うことは、正直子どもの時以外なかったと思うので読んでよかったです。手紙を読んでいる間だけは、子どもの頃に戻った気分になり幸せな空間でした。人生で一番といってもよいくらい幸せな日に童心に返って思いを伝えてもよいと思いますよ。(秀明さん)
手紙を受け取ってどうだった?
手紙は照れくさかったと同時に嬉しかったです。初めての子どもなので厳しくなってしまい申し訳なかったけれど、愛情を受けていたと手紙につづられており、ウルっときました。同じことを新しい家族みんなに注いでほしいです。(新郎父)
アットホームな式の中で、手紙のシーンを設ける方が増えています
アットホームな式やパーティが多くなり、親やゲストにしっかり感謝を伝えたいと手紙を朗読するシーンを設ける方が増えてきました。「新郎の手紙」の魅力は、本音を伝えられること。手紙はじっくりと考えて文章にできるため、新郎の人柄がゲストに伝わり温かいシーンとなります。手紙を読んだ多くの新郎が、読んでよかったとおっしゃり、ご家族やゲストも嬉しそうに聞いていらっしゃいますよ。(ウエディングプロデューサー澤さん)
From 編集部
大切な相手へ手紙を書いて、素敵な1シーンを設けてみませんか?
大切な人が一堂に会する機会に、自分自身の大きな節目として手紙を読むのはとても素敵なこと。たとえみんなの前で読まなくても、親御さんの席に手紙を置いておいたり、記念品と一緒に渡すのでもOK。この日にしか伝えられない思いを伝えましょう。手紙を通じて自分の思いを伝えられるだけではなく、手紙を受け取る相手との絆が深まるのも手紙の魅力です。
澤 智子さん
株式会社NEO FLAG.
ウエディングプロデューサー
ウエディング業界歴17年で通算2000組以上のカップルをプランナーや司会者としてサポート。花嫁や花婿から手紙の相談をされることが多く、親やゲストにしっかり伝わる手紙の書き方をアドバイスしている。
構成・文/RIE☆ イラスト/MITAINA PRODUCTION D/ロンディーネ
※掲載されている情報は2023年2月時点のものです
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