【装花】「困るオーダー」VS「伝わるオーダー」フローリストの本音!
式全体の雰囲気を決める大きな要素が、会場装花。でもお花のこと全然詳しくないし、どうやってオーダーしたらよいか分からない……。そんな花嫁さんのため、今回はゼクシィアプリのFlower Tips連載でもおなじみ、フローリストの落大造さんに装花オーダーのポイントについて聞きました。伝わるオーダー⇔困るオーダーの違いを知って、自分たち好みのステキな会場装花を叶えて。
Scene.1 初の打ち合わせ。何も調べず来訪すると……
「基本的な知識だけは調べておこう!」
フローリストさんのホンネ……
「そもそも装花って何ですか?」というくらい基本的な知識がないと、基本的なことからお話しさせていただくことになり、肝心のお打ち合わせがスムーズに進みません。知識が少しでもあることで、打ち合わせの質が各段に変わってくるんです。(落さん)
こうすると伝わる!
自分たちのウエディングのことを決める場だから、最低限の知識だけでもいいので来店前に調べておこう。世の中にはたくさんの情報が出ているので、ネットで調べるもよし。もちろんゼクシィアプリを見るだけでも十分。
装花と言っても、高砂席やゲスト卓だけでなく、ウエルカムスペースやチェアフラワー等、飾る場所はたくさんあるからどの辺りまでお花を入れたいのか、まず考えておこう。
Scene.2 好みの伝え方が曖昧だと……
「希望イメージはビジュアルで説明を」
フローリストさんのホンネ……
ピンクとひと言で言っても、コーラルピンク、ビビッドピンク、パープルピンクなどいろいろありますよね。ビジュアルで擦り合わせをさせていただかないと、おふたりとフローリストのイメージのズレが出てきてしまいます。言葉はあくまで補足にしてもらって、イメージの共有にはやはり画像が欲しいですね。
こうすると伝わる!
叶えたいイメージがある場合は、必ずビジュアルで持っていこう。スマートフォンに入れた画像でもOK、いくつか自分たちの好きなイメージの装花の画像を見せながら、イメージの擦り合わせをしていくと、お互いのズレがなくなる。
打ち合わせの前に、雑誌やインターネットでウエディングの会場コーディネートをできるだけたくさん見ておくのが◎。数多く見ることで、好きなコーディネートの傾向が自然と分かってくるはず。濃い色、淡い色、グラデーションが好き、などふたりの好みを突き詰めてみて。
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Scene.3 花の種類にこだわり過ぎると……
「いつでも好みのお花があるとは限らない」
フローリストさんのホンネ……
季節外のお花は市場に出回っていないため入手が難しい上、高価になってしまうので、花材にこだわり過ぎないことも大事。ピンタレスト等、海外の写真だった場合、日本には出回っていない花の場合もあるので、どうしてもこれがいい!が叶わない場合もあることを知っておいてほしいですね。
こうすると伝わる!
初めから花材にこだわりすぎないことが◎。自分たちの知らない、似たような雰囲気の違う花材で代用可能なこともあり。逆に「ガーベラは嫌」「バラ以外にしてください」など使ってほしくないお花があれば、それも伝えるとフローリストさんは提案しやすい。
Scene.4 自分の好きを押し通しすぎると……
「会場の雰囲気とのバランスも考えよう」
フローリストさんのホンネ……
いくら好みの装花でも、会場の雰囲気に合わなければちぐはぐなイメージになってしまいます。希望の装花を探し始める前に、自分たちの会場にはどんな装花が合うのかをイメージしてみて。過去の会場装花を見せてもらって参考にするのも◎。
既に会場に造花が置かれている会場もあるので、それを生かした装花にするか、撤去してオリジナルにするか?も打ち合わせの時に話せるといいですね。
こうすると伝わる!
装花を決めるのは会場が決まってからの場合がほとんど。打ち合わせの際には会場の写真は持参したい。会場の広さや天井の高さ、テーブルの大きさや形、壁や床の色、ドレスの雰囲気も、装花を考える上で大切な要素。フローリストさんが提案しやすくなる材料を用意しておくことが大事です。特にドレスは実際に着ているもの(試着したときの写真)の方が◎。
Scene.5 予算を削りたい!の一心だと……
「上限を決めて、こだわりすぎないのが◎」
フローリストさんのホンネ……
まず大事なことは、事前に予算の幅を決めておくこと。予算が分からないと提案したくてもできません……。大体でもよいので、おふたりの予算はきちんと伝えてほしいですね。
特に希望がなく「全体でいくらですか?」と聞かれても、装花は花材によって値段が変わりますから答えようがない場合も多いんです。
こうすると伝わる!
装花で一番予算を抑えられるポイントはズバリ、旬の花を使うかどうか。ある程度の希望(雰囲気やカラー)を伝えてもらってから、後はフローリストさん全面的にお任せする。ピンクとパープルのグラデーションじゃなきゃダメ! ゼッタイに黄色と青! バランスはこうじゃなきゃ嫌!などと、細かく詰め過ぎないことが、予算を抑えるためのポイントとなる。
「予算は大体これくらいなのですが、どの辺りまで実現できますか?」と相談できれば、フローリストさんは装花のプロ! 予算内で希望するイメージに最も近い形を叶えてくれるはず。
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Scene.6 SNSのビジュアルをそのままマネしようとすると……
「ガチガチに指定しすぎず、ある程度プロに任せるのも成功の秘訣」
フローリストさんのホンネ……
SNSや写真共有サービスなどの素敵なビジュアルを参考に、デザインや色、花材etc.「このままマネしたい!」という気持ちもわかるのですが……。(特に海外の実例だと)季節や気候、会場の雰囲気、テーブル・椅子のデザインなども違うため、そもそも同じに作ることができない場合や、全体のバランス感がちぐはぐになってしまうことも。
こうするとうまくいく!
実は細かく何から何まで指定するのではなく、全体のイメージだけ伝えて、あとはプロにおまかせするのがうまくいくことが多い。イメージを伝える際のポイントは、“嫌い”な雰囲気や色、花材のイメージをはっきり伝えること。99%好みでもほんのわずかの「イヤ」が混じると、当日気になってしまうため、好みを伝えることも大事ですが、嫌いを伝えるのはもっと重要です。
また、花材などの希望は季節によって入手出来ない場合もあるので、できれば第2、3希望や、幅を持たせた希望イメージ(大人っぽくクール、草花系でナチュラル等)もあわせて考えておくのも大切。
From 編集部
希望の装花を叶えるなら、事前準備が9割
ふたりの希望の装花を叶えるためには、フローリストさんに“伝わるように”伝えることが大切。
そのためには初歩的な知識を持っておくことや、自分たちの希望を、ある程度具体的に相談できることがマストになります。そこまで準備できれば、後は装花のプロであるフローリストさんが、ふたりの希望を実現してくれるはず。素敵な装花を叶えたいなら、打ち合わせ前の準備は念入りに!
落 大造 フラワーデザイナー
おち だいぞう/大手フラワーショップで8年の経験を積んだ後独立し、自由が丘「こあん(co-an)」をオープン。ブライダルフラワーを中心に、誕生日や結婚記念日などお祝いのお花も手掛ける。『ゼクシィ』をはじめ、さまざまな媒体で活躍し、繊細なセンスと個性的なアイデアで多くのファンを獲得している。
構成・文/滝 紀子 イラスト/itabamoe
※掲載されている情報は2023年3月時点のものです
- 挙式2ヶ月前
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