【お悔やみ事のマナー】訃報を受けてから葬儀までの流れ
結婚して親戚が増えると、冠婚葬祭に参列する機会も増えるもの。その中でも、常識やマナーの面で戸惑うことが多いのが葬儀です。親戚や会社関係に不幸があったときにきちんと対応できるよう、基本のマナーを知っておきましょう。
#訃報を受けてから納骨までの流れ
<仏式葬儀の場合>
葬儀の形式は仏式や神式、キリスト教式など宗教・宗派によって、また地方の習慣によっても違うため、戸惑うことも多いもの。最も多い仏式の葬儀の基本的な流れを覚えておくと、いざというときに役立ちます。
訃報を受ける
亡くなった直後に遺族から連絡
訃報を受けたら葬儀日程と場所の確認を。近親者の場合は安置場所や納棺についての案内があります。葬儀の日程は、寺院の都合、火葬場や葬儀会場の空き状況、親戚の都合によって決定されます。火葬を先に行い、遺骨で葬儀を行う「骨葬」の地域もあります。
近親者が駆け付ける「取り急ぎの弔問」
訃報を受けてから通夜前日まで
突然の悲しみに見舞われた遺族にお悔やみを述べ、励まし、葬儀準備を手伝うための弔問で、身内、親族、近親者が駆け付けます。
##s##セレモニーではないので礼服は着用しません##e##。喪服の着用は故人の死を予見し準備していたと捉えられるため、遺族に失礼だという意見もあります。黒やグレーなどを基調とした地味な服装で伺いましょう。
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近親者が故人をしのぶ「通夜」
訃報を受けた翌日か、翌々日に
故人と深い関わりがあった近親者が、故人のそばに夜通し付き添って過ごすのが「通夜」のいわれで、故人と過ごす大切な時間であるとされていました。近年は、近親者による集まりから一般の弔問客の弔問の場へと変化しています。夕刻6時ごろに始まり、通夜振る舞いの席で食事を共にし、1~2時間で散会するという流れになります。
##s##喪服を着用するのが一般的##e##ですが、仕事の後などに直接通夜に向かう場合は、男性であればダークスーツ、女性であれば黒やグレーのスーツやワンピースでの参列でも問題ありません。
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一般会葬者が参列する「葬儀・告別式」
通夜の翌日
葬儀は故人をこの世からあの世へ送る儀式です。##s##告別式は故人と最後のお別れをする儀式##e##で、遺族・親戚から一般の会葬者までが参列して出棺までを見送ります。最近は葬儀・告別式を続けて行い、午前10~12時ごろから始まるのが一般的です。喪服を着用して参列します。
出棺後、遺族・親戚は火葬場へ向かいます。火葬後には「還骨法要」や、本来は死後7日後に行われる「初七日法要」をします。
##s##法要後は「精進落とし」「精進上げ」「お斎(とき)」といわれる会食があります##e##。「精進落とし」には慎む状態から日常生活に戻るための区切りの食事という意味がありますが、現代ではお世話になった方へのねぎらいの席という意味が強くなっています。
親戚はもちろん、友人・知人が誘われることもあります。誘いを受けたらできるだけ出席をするようにします。
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親戚が集う「四十九日法要」
亡くなってから49日目
仏教の輪廻(りんね)説では没後49日までは死者の魂がこの世にとどまっているとして、この期間を忌中(きちゅう)と呼び、遺族は忌み慎む生活をするとされているため、結婚式などお祝い事への出席は控えます。
四十九日間は中陰ともいい、忌明けの四十九日法要を「満中陰法要」という地域もあります。また、##s##四十九日法要に続いて、納骨を行う場合もあります##e##。
基本的に喪服を着用して参列します。
#神式とキリスト教式の葬儀
神道(神式)の葬儀
神道では葬儀のことを「神葬祭」といいます。故人の霊の依代(よりしろ)は位牌(いはい)ではなく「霊璽(れいじ)」で、家の御霊舎(祖霊舎)にお祀りします。聞き慣れない言葉も多いのですが、##s##大まかな流れは仏式と似ています##e##。
仏式の通夜に当たるのは「通夜祭(つやさい)・遷霊祭(せんれいさい)」。その翌日に、仏式の葬儀・告別式に当たる「葬場祭(そうじょうさい)」が行われます。
日程は仏式とさほど変わりませんが、作法などが違ってきます。神道の葬儀では神職が祭詞を奏上し、##s##参列者は玉串を奉って拝礼します##e##。
神道では死はけがれとされているため神社で行われることはなく、斎場や故人の自宅で行われます。
なお、神道では通夜振る舞いや、葬儀後の会食の席を「直会(なおらい)」といいます。神道では肉や魚は禁忌ではないので、直会の席だけではなく神饌物(しんせんぶつ)としてもお供えします。
キリスト教式の葬儀
仏式の通夜に当たるのは、プロテスタントでは「前夜式」、カトリックでは「通夜の集い」「通夜の祈り」などといわれます。その翌日に「葬儀・告別式」(カトリックの場合は「葬儀ミサ・告別式」)が行われますが、##s##日本各地の習俗に則した形で行われています##e##。
キリスト教の通夜や葬儀の参列になじみがない場合、賛美歌を一緒に歌うことなどの強制はされませんが、弔いの場であることを意識し、立ったり手を合わせるなど配慮ができる振る舞いを心掛けたいものです。
お悔やみ事のマナー
吉川美津子 終活・葬送ソーシャルワーカー
葬祭業者、仏壇墓石販売業者勤務を経て独立。葬儀ビジネス研究所主宰。終活・葬儀・お墓のコンサルティングなどを行いながら、現役で福祉職・介護職としても従事。生き方、逝き方、活き方をテーマに現場目線を大切にした終活・葬儀情報を発信している。