結婚式の「高砂」の読み方は?おしゃれな装飾やトレンドも紹介

高砂席とは、披露宴で新郎新婦が座る席のこと。「高砂」を「たかさご」と読むのをご存じでしたか?でも、なぜ、「高砂席」と呼ばれるようになったのでしょうか。この記事では、名前の由来から、最旬の高砂席のスタイルについて、実例を交えてご紹介します!
高砂席とは、披露宴で新郎新婦が座る席のこと。「高砂」を「たかさご」と読むのをご存じでしたか?でも、なぜ、「高砂席」と呼ばれるようになったのでしょうか。この記事では、名前の由来から、最旬の高砂席のスタイルについて、実例を交えてご紹介します!
「高砂席」は「たかさごせき」と読み、その由来は『高砂』という室町時代に作られた能楽にあります。その作品の中で謡われる謡曲というものが、かつて結婚式での定番の歌として謡われていました。現在は聞く機会が少なくなりましたが、結婚式といえば『高砂』という風習から、次第に新郎新婦が座る席を「高砂席」と呼ぶようになったようです。
ところで、この『高砂』という能楽には、年老いた夫婦が登場します。この老夫婦は実は離れた場所にある2つの松の木の化身でしたが、「相生(あいおい)の松」と呼ばれ、ともに生まれ、老いてなお添い遂げるという夫婦の理想像の象徴と捉えられてきました。
そんなストーリーにあやかって、謡曲『高砂』は結婚式で謡われるようになったのです。つまり、「高砂席」という呼び名には、ふたりの幸せへの願いが込められているのですね。
高砂席の基本的な構成は、テーブルと椅子が2脚設置されたスタイル。テーブル上には花をはじめとする装飾が施されています。
テーブルに合わせた高さの背もたれ付きの椅子が用意されます。背もたれの部分が高めで、主役の座にふさわしい華やかなものが一般的です。
かしこまらずアットホームな雰囲気が出せるソファも、今や定番と言えるほどの人気。会場全体を見渡せるスタイリッシュなハイチェアを選ぶカップルも増えています。
新郎新婦が食事できるように料理を並べつつ装飾も施せる横長の広いタイプが王道。足元が見えないように前面が覆われているものが多いようです。重厚感のあるデザインや、クロスをあしらうことで華やかに見せます。
カジュアルな雰囲気を出したいならあえてテーブルクロスを掛けず、ウッディな雰囲気を見せるのも素敵。ソファやハイチェアを選ぶカップルはテーブルは無しかサイドテーブルにすることが多い傾向です。
テーブルの前面にズラリとあしらった装花は、主役のふたりを引き立てるだけでなく、料理や手元を隠す役割も。近年はテーブルのサイドやふたりの背面など立体的に装飾を施すケースも増えています。
装花以外にもキャンドルなど、ライティングや装飾的な小物を合わせたり、背面にジョーゼットやオーガンジーなどの布を垂らしたりすることも。披露宴中は高砂で記念撮影をする機会も多く、フォトスポットとしての役割も果たすことから、華やかさやふたりらしさにこだわる人も増えています。
向かって左側に新郎、右側に新婦が着席し、同じくゲストの席も新郎側は左、新婦側は右といったように配置されます。高砂席に近い方が上座となり、主賓や職場の上司などが最も近くに、その次に職場関係、友人と続き、家族が最も遠くに座るのが慣例となっています。
従来、高砂席は一段高くなっていましたが、近年はアットホームなスタイルを求める人が増え、ゲストと同じ目線で設置されるケースも増えています。
ここ最近は、高砂席の自由度が加速中!テーブルを置かずにソファ席にしたり、シンプルな椅子を配置するカジュアルなスタイルにしたり。さらに、装飾のアレンジも自由自在。先輩カップルの実例で旬のスタイルをチェックしましょう。
一つのソファに座るので距離も近く、カップル感が出やすいスタイル。リラックスした雰囲気でゲストと会話しやすいのも人気の理由です。
ウッディな会場と馴染むグリーンとホワイトをベースにした高砂は、ソファの高砂では珍しいローテーブルを合わせることで、まるでホームのようなくつろぎ感を表現。低めの位置にあしらわれたテーブル上の花によって、ふたりの姿もグッと華やかに!
ソファ席にすることで、ゲストと近い距離で会話ができました。手前や背景にも装飾を施してもらい、ナチュラル感のある華やかな雰囲気にできました。(千明さん)
ブラウンのソファを中心に、パンパスグラスやピンク、オレンジのくすみトーンの色合いで飾った高砂は、テラコッタのカラードレスとの調和を意識。装飾だけでも素敵だけれど、ふたりが座ることで、グッとふたりらしい世界観に。
彼との距離が近くてとても安心!いつもの自分たちのようにリラックスして過ごせました。衣裳と装飾をリンクさせた色使いもこだわりです。(あやかさん)
写真を見て一目ぼれした、念願の藁俵(わらだわら)で作られたソファ席を実現!よりナチュラル感が出るよう溢れるほどのグリーンをあしらい、一本一本色や形を選び抜いた花や床に敷いたコケも相まって、まるで欧米の農場のような世界観を表現。ふたりの結婚式を象徴するようなスポットになった。
キャンドルなど人工的な小物は置かず、薪や天然素材の小物をあしらい、徹底して自然な世界観にこだわりました。(麗加さん)
定番のテーブル高砂は王道もステキだけれど、装花のアレンジや装飾の見せ方によってトレンド感のある雰囲気にバージョンアップした例も。
あえてクロスをかけず、木製のテーブルの質感を上手に取り入れたコーデ。ヒマワリなどの愛らしい花の小瓶アレンジや足下の切り株にトランクといったアイテムでトーンを統一。王道のテーブル高砂がナチュラルでポップな印象に。
あえてクロスをかけないことでドレスのデザインを見せることができました。装花は一輪挿しにして明るめの色をたくさん使うことで、ラグジュアリー感よりポップで明るい雰囲気になるように工夫しました。(寧々さん)
花材をサクラだけに絞り、たっぷりと贅沢にあしらうアレンジはインパクトがありながら洗練された雰囲気。五重の塔のある日本庭園の背景と相まってまるで一つの絵画のよう。完成度高く「京都の春」を表現できた。
サクラは枝物の花材なので、ボリュームが出やすく、より豪華に見えて良かったです。背景と共に京都らしい季節感を演出できたのも満足です。(みっこさん)
ホワイトベースのクロスに落ち着いたトーンのピンク系の装花が品良くあしらわれた装花コーデ。ゴールドのホルダーに入れた大きめのキャンドルが華のあるアクセントになり、程よい抜け感も醸し出して。
高砂とゲストテーブルに統一感を持たせつつ、変化を大切にしました。好きな色と花の装花、ゴールドのキャンドルホルダーに入ったキャンドルが華やかで気に入っています。(佑香さん)
小瓶に少量の花を生ける装花のトレンドを高砂のテーブルにも取り入れた。テーマカラーのピンクを中心としたカラフルな花のぴょんぴょんと動きのあるアレンジや、アシンメトリーに垂らしたクロスもこなれ感があって今っぽい仕上がりに。
高さの異なるさまざまな種類の花をカラフルな小瓶に挿して、可愛らしく仕上げていただきました。メルヘンさも出したくて置いたお花の間のキャンドルも、おしゃれでお気に入りです。(ryokoさん)
椅子のデザインや装飾の自由度が高く、より世界観をつくり出しやすいチェア高砂が人気急上昇中。高さのある椅子は衣裳のデザインも見えやすく、おしゃれ花嫁の支持を得ています。
ハイチェアは高さがあるので会場中のゲストからふたりの姿が見えやすいのが魅力。チェアに合わせて装花も高い所にボリュームを出し、ふたりの姿を包み込むように装飾。背景のマーブル模様とも統一感のある淡いカラーリングで優しいムードに。
テーブルをなくしたことで衣裳をしっかり見てもらえました。高砂の装花に高さを出して、横から見ると私たちが花に埋もれてるような感じになっていたのも良かったです。(梨里花さん)
背もたれのないチェアをセレクトすることで、新婦は後ろ姿までドレスのデザインを見てもらえるスタイルに。ボリュームたっぷりの淡いトーンの装花もチェアがシンプルなだけにしっかり映えて、ポエティックな世界観が完成。
お花がモリモリの高砂の中、チェアだったため、写真撮影時にゲストとの距離が近くうれしかったです。(shioさん)
高さのある空間に低めのソファを置くと背景が寂しくなりがちだけれど、背景の高い位置から額縁や装花を吊るすことで、サイドの装飾と繋がりのある華やかな高砂に。ソファと椅子の中間のようなふたりの席は主役感がありながら、重くなりすぎず今っぽい印象も。
ソファに合わせて、上から洋書や花をつるし、サイドにはキャンドルなどを置いて、クラシックかつナチュラルな雰囲気を実現。差し色のオレンジもアクセントになりました。(知香さん)
グリーンいっぱいの窓を背景にした高砂を彩るのは、高さや奥行きを生かすアシンメトリーでダイナミックな装花。上下左右躍動感のあるあしらいでどんな角度もフォトジェニック。デザインの異なる木製チェアが個性と抜け感をプラス。
最も写真に残るスポットなので、寂しい印象にならないように、サイドだけでなく上部まで装花のボリューム感を大切にオーダーしました。(wd___kkさん)
素敵な実例を見ると、高砂席にテーブルを置くべきか置かずにレイアウトするか、悩ましいですよね。そこで、テーブルあり派、なし派の先輩花嫁に決め手について聞いてみました。テーブルありタイプはより正統派やきちんとした雰囲気を出したい人に、テーブルなしはゲストとの近い距離感や衣裳を見せたい人に人気の傾向が!
主役感はありつつも、落ち着いた雰囲気を出したいと思いました。私たちも安心して過ごすことができました(もちまるさん)
彼が楽しみにしていたお料理を、とにかくしっかり食べられるようにしたいと思いました(笑)(日菜さん)
装花の裏にライトを置くことができ、顔周りを明るくする事ができました。スマホや鏡を置いて気軽に使うことができたのもよかったです(れいさん)
披露宴中にヒールで足が痛くなってしまったのですが、テーブルがあることで上半身だけしゃんとして足元はリラックスしていればいいので気が楽でした(いくらさん)
ソファ席にして、ゲストとの距離感が近い、フランクな披露宴にしたいと思いました(Kさん)
ソファにゲストも座れるようにしたことで、高砂に来てくれたゲストを近くに感じられました。(りっぽんさん)
ドレスの裾までしっかり見えるので、お気に入りのドレスの写真をしっかり残せました。(友紀子さん)
ゲストとの距離が近く、写真撮影の時も前に並んでもらえたり、自分たちもすぐに立てたりと良いことが多かったです(Tommyさん)
ゲストが来やすく、一緒にソファに座って写真を撮ったり、和気あいあいと楽しく過ごせました(りなさん)
ちょっと難しい印象の「高砂」という名称。でもそこには、末永いふたりの幸せを願い、謳い継がれてきた祝福の思いが込められています。そんな意味合いも大切にしながら、より自由なアレンジができるようになった今、ぜひ自分たちらしさやこだわりをたっぷり詰め込んだ高砂を形にしてくださいね!
文/小松七恵 イラスト/pai D/mashroom design 構成/小田真穂(編集部)
※記事内のコメントは2025年5月に「ゼクシィ花嫁会」のメンバー105人が回答したアンケートによるものです
※掲載されている情報は2025年6月時点のものです